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短編1
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風邪と狐憑き

「弟さぁ、風邪ひくと狐が憑くの、凄いんだよ、目付きとか変わって、唸って、違う人になるよ。」

「何それ…?」

高校時代、ファーストフード店でポテトなんて食べながら、友達からこんな話を聞いた……。

彼女が小学生の頃、家にまじないのばあさんがきたんだそうだ。

当時、彼女は小さな離島に住んでいたのだが、そのまじないのばあさんは、何処からともなくやってきて。

占いやら、まじないやら、死人の口ききやらの用は無いかと、彼女の家を訪ねたんだと。

でも、その時、家には特に問題事が無かったんで、まじないのばあさんに断わって、帰ってもらったそうだ。

まじないのばあさんが帰った後、庭先をみると…庭の土の上に、棒のようなもので、何かの模様が描かれていたらしい。

それ以来、彼女の弟は、風邪をひくと狐憑きになるようになった。

あの模様は、呪いのまじないだったらしい。

「あの、おばあさんに頼まないと、弟は治らないんじゃないかな、自分で仕事を作っていったんだよね。大丈夫、風邪ひかなければいいから。」

彼女はそう笑ったけど…ホントに大丈夫か?

卒業して随分と歳月が過ぎた、彼女の弟は、狐憑きの呪いをといてもらえたのだろうか。

田舎には、こんな話が残っているんだなぁ。

怖い話投稿:ホラーテラー ミクロコスモスさん  

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