「弟さぁ、風邪ひくと狐が憑くの、凄いんだよ、目付きとか変わって、唸って、違う人になるよ。」
「何それ…?」
高校時代、ファーストフード店でポテトなんて食べながら、友達からこんな話を聞いた……。
彼女が小学生の頃、家にまじないのばあさんがきたんだそうだ。
当時、彼女は小さな離島に住んでいたのだが、そのまじないのばあさんは、何処からともなくやってきて。
占いやら、まじないやら、死人の口ききやらの用は無いかと、彼女の家を訪ねたんだと。
でも、その時、家には特に問題事が無かったんで、まじないのばあさんに断わって、帰ってもらったそうだ。
まじないのばあさんが帰った後、庭先をみると…庭の土の上に、棒のようなもので、何かの模様が描かれていたらしい。
それ以来、彼女の弟は、風邪をひくと狐憑きになるようになった。
あの模様は、呪いのまじないだったらしい。
「あの、おばあさんに頼まないと、弟は治らないんじゃないかな、自分で仕事を作っていったんだよね。大丈夫、風邪ひかなければいいから。」
彼女はそう笑ったけど…ホントに大丈夫か?
卒業して随分と歳月が過ぎた、彼女の弟は、狐憑きの呪いをといてもらえたのだろうか。
田舎には、こんな話が残っているんだなぁ。
怖い話投稿:ホラーテラー ミクロコスモスさん
作者怖話