私の知り合いのA君が、友達であるB君から受けた相談内容です。
B君は、この前、中国の一人旅から帰ってきたばかりです。
以下にB君の話をまとめました・・・
B君は国内外問わずによく一人旅をする、いわゆるベテランでした。
この秋は中国に行っていました。
山々の集落を点々と歩き、中国4~5千年の歴史を満喫していたそうです。
ある集落に行く途中の山道で『達者』と書いてある店がありました。
人通りも少ない薄暗い山道で店があるのは今思えば不思議なことですが、そのときは『達者』という看板だけに何かの道場かなと軽い気持ちでその店に入ったそうです。
実は、B君も後で分かった事なんですが、『達者』と書いて 『ダルマ』と読むそうです。
**(注)**
さて、ここで『ダルマ』というものを説明しよう。
現在、おもちゃの『おきあがりこぶし』や選挙の時などに目を入れる『達磨(だるま)』は日本でも有名です。
しかし、これの原形となった『達者(だるま)』は結構知らない人が多いのです。
B君もその一人だったのですが。
『達者(だるま)』というのは、約70年前の清朝の時代の拷問、処刑方法の一つで、人間の両手両足を切断し、頭と胴体だけの状態にしたものである。
映画や本で『西太后』というのがあるが、この中でも『達者』は登場している。
ここでは、素晴しく美しい女中に西太后が嫉妬し、その女中を達者にし塩水の入った壷に漬け込み、すぐに死なないように食べ物だけは与えたという。
また、しっかりと化膿止めや止血を行えば、いも虫状態のまま何年も生き存えるという。ただし、食事は誰かが与えてやらねばならないが。
最近では、さすがの私でもウソやろというような噂まで飛び交っている。
例えば、超S(サディスティック)な奴で、達者でないとSEXできないという性癖をもつ奴(男女問わず)がいるらしい。
またそいつらは、達者屋で随時新しい達者を購入するらしい…等など。
しかし、もし本当ならば、その達者になる奴は何者なのであろうか。
中国マフィアが貧民から奴隷として連れてきた奴や、そのマフィアに処刑されたものなのだろうか?
まぁ、何にせよ『だるまさんが転んだ』というような遊びは 、その昔、本物の達者の子供を使って遊んでいたとすると何とも残酷な話である。
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(本論に戻る)
さて、その店の中は薄暗く、数人の中国人がいたそうです。
奥のほうに人形が並んでおり、品定めをしようとよく見ると目や口が動くのです。
そうです・・・・・・達者だったのです。
B君はもちろん達者など知りません。いや、知っていても本当にそれを目の前にすると恐れおののくでしょう。
B君はまわりの中国人が近づ いてくる気配がしたのですぐさまその店を出ようとしました。
そのときです!後ろの達者の一つが喋ったのです。
しかも、日本語で……。
『 おまえ、日本人だろ。俺の話を聞いてくれ!俺は立教大学3回生の ◯◯だ。助けてくれ!』
しかし、B君は何も聞いてない、日本語も分からないかのように無視してその店を出ました。
その後すぐB君は帰国し、立教大学の◯◯について調べてみたそうです。
すると、確かに今年立教大学の学生が中国に一人旅に行き、行方不明になっているそうです。
両親も捜索願いをだしているとか…
B君はこのことをどう対処したらよいか悩んでいるそうです。変に動いて自分も達者にされるかも…とか、
何故そのとき◯◯の話をキいてやらなかったか責められるかも…とか。
とにかく早く忘れたいからこれ以上は聞かないでくれとのこと。
いやはや、私も達者の噂は知っていたものの本当に存在するとは思っていなかっただけに驚いています。
在日中国人に尋ねたところ、戦前はよくいたらしい。
しかし、現在はそんなことをしたら罰せられるそうだ。まぁ、当り前であるが。
しかし、中国系マフィアなどは現在も見せしめなども含めて、そういうことを する可能性は多いにあるらしい。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話