短編2
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元神主の話

幽霊話ではありません。

知り合い(以降A)が正月、数年ぶりに家を訪ねてきました。私がこれから神社へ行くと話した時のことです。Aは高校を卒業した時に、神主をしていた親戚から神主は修行もなく儲かるのでAに神主になって後を継ぐよう勧められました。

Aは神主の資格を取るため神宮研修所という学校に行きました。

A以外の同期で入学した人達は全員神社の息子で不思議なことに皆、家庭内や健康面・精神面に異常があって苦しんでいる人ばかりだったそうです。

有名な神社の息子はまともに箸を使えなかったり、ひどい痙攣を起こす人、入学してからノイローゼになって発狂した人やオカマ等、まともな人はいなかったそうで、このような人達が研修を終え神主となって全国の神社へ就職していったと話します。Aが就職した神社の神主達は「あんまり儲かって笑いが止まらない」と言って多く献金する人に腰を低く、ただ参拝に来る人には無関心。

恐ろしいことに事実の多くは隠蔽されているそうですが、神宮の中では自殺・事故死・病死・変死が数多くあるとAは語ってくれました。

例えば二十年に一度行われる、神体(本尊)を古い建物から新しい建物へ移す遷宮という祭りで神体を運んだ神主達は次々と病気になり、事故に遭い、発狂して死んでいます。また代々、神宮の建物を造ってきた宮大工の家系にも病死や作業中の事故死が多く、語り草となっているのは昭和48年の遷宮で徹夜作業していた大工が屋根の上に長く突き出ている飾りの端に乗ったまま謎の変死をしていたことです。

その他、神宮に参詣したある宗教の信者が神宮内で憑依状態となり、自分の頭を石に叩きつけ血だらけで笑いながら、それを何度も繰り返して絶命したり、神宮の守衛が首吊り自殺をしたり、神主が割腹自殺をしたり、万引きしたり、本妻と愛人を一緒に住まわせたり、交通安全を祈祷した自分が事故に遭ったりと数多くの異常な出来事を話してくれました。

そしてAも神主をしていくうちに次第におかしくなったのです。

無免許で自動車を買って乗りまわして警察に捕まったのですが四時間に及ぶ取り調べに「自分は免許を取った」と言い続ける。病気はアルコール性脂肪肝・結膜炎・蓄膿症・重度の歯肉炎になり、急な意識不明で倒れ痙攣を起こす。高い所から落ちる夢に連日うなされる。 Aは神宮を退職して元気を取り戻しましたが参拝でも絶対に神社へ行くなと話してくれたのがリアルで、それから行ってません。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名リサーチさん  

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やっぱり神社とか だめだわー!

一度も そういった所は 行った事が ない!

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