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短編2
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こけし

これは、俺と弟が子供の頃体験した事実談を投稿しようと思います。

俺の家族は、親父が羽月流派という、歌舞伎、踊りの道館を経営しており、母親はラウンジのママと一方ガラッと変わった家族でありまして、俺と弟は子供の頃からおじいちゃん、おばちゃんっこでした。

そんな俺が6歳、弟が4歳の頃おばあちゃんと田んぼに行くことに。

当然俺と弟は遊び感覚で、おばあちゃんは田植えが終わった後の水がしっかり通っているかの見回りへ。

俺と弟が田んぼで鬼ごっこみたいな感じで駆け回っていると、なにやら木でできた顔の彫り物が月に埋まっているような感じで捨てられていました。

俺と弟は二人で覗き込み、弟が手にとっておばあちゃんへ「これな~に」と差し出すと、おばあちゃんは見たこともない形相に変わり、「どうしたんじゃ!!!これ!」と叱り付けるように、弟へ言った。

俺は弟が心配になり、おばあちゃんに「埋もれてた」と言うと、「そうかい…」と言いながらおばあちゃんが話しだした。

「このこけしはな、ばあちゃんが昔若い頃神社で拾うてな…同じように母ちゃんに見せたんや。するとな、叩かれるぐらいの勢いで怒られたもんや…」話によればこのこけしは全体にお札が貼られ、神社に供養されていたのを、おばあちゃんが拾ったとの事。その後おばあちゃんは弟を抱き抱え「おそろしや…」と泣いていました。

それから、その夜弟は突然首を抑えて「痛い痛い」となき続け親父が病院へ連れていくも原因がわからずじまい。おばあちゃんはなき続け、おじいちゃんが弟を抱っこし郡山神社という所へ連れていった。

つくなり神主に「お願いじゃ、こやつに魅入られた」とこけしを差出し、神主は「なんてことじゃ…誰か剥がしおる…」と、こけしを見てそう言った。

神主は弟の首に二ヶ所お札を張り、お経を二時間ぐらい唱えられ、ス~と痛みがとれたのか弟はニコっと笑っていた。おばあちゃんはそれでも泣きやむ事がなく、家につくまで泣いていた。どうやら、このこけしは子供にとりつくらしく、首なしこけしと言われ、首をひっつけお札を張り、神社に供養されていたらしい。何故お札を剥がされ捨てられていたのか、それは今でも分かりません。

子供ながらも、とても奇妙な体験でした。

怖い話投稿:ホラーテラー 都さん  

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