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中編6
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小人(こぴぺ)

学生時代、バイトでとある接客業をしてました。

バイトに入って二ヶ月ほど経った時に失敗しました。

ナンバー5のキャストのお客様に気に入られて

その方の知人・友人から指名が入るようになったんです。

だけど、そのナンバー5さんは自分の指名を横取りされたと思ったようです。

彼のマンションに呼び出されました。

中にいたのはナンバー5さんと二人の男、あと女が一人いました。

正座→土下座→説教→暴行→土下座の順で3時間ほどその部屋にいました。

説教の時にやたらと、筋を通せ、みたいな事を言われました。

暴行のターンの時、ナンバー5さんはニヤニヤ見ていましたが、

2,3発殴ったら、女の人と共に寝室に行ってしまいました。

ちょw何でカンケーない人に殴られなアカンのw

てか、何でナンバー5さん飽きてんのよw

飽きるならやるなよwいったw

お金を取られると思って、財布には小銭しか入れませんでした。

しかしお金は請求されず、良かったぁと思ったのが笑えます。

背中を殴られたショックで足が痺れるという貴重な体験もしました。

解放後、手と顔以外の体中が痛かったので、タクシーに乗りたかったのですが、

お金はありません。戦略的ミスw

今だったら、家についてから金払えばいいじゃん、とか思うんですが、

当時僕は一人でタクシーに乗った経験がありませんでしたw

当時、仲良くしていただいた先輩が居ました。

先輩に来てもらえば、と思い電話しました。

「ムリムリ。俺今寝てる、おやすみー」

ガチャ

マジかよwなんて後輩おもいなんだこいつw

prrrrrrrrrrrrrrrrrr

「……しつけー」

――ですよね。すいません痛すぎて動けません。

「なに? お前ボコられたの? マジうけんだけどwww」

――笑えないっす。痛すぎっす。

「…ドンッ…」

――?(なんかバタバタガサガサしてんなw)

「わり、ケータイ落とした。あーどうすっかな。…迎え、行くわ、ガス代お前持ちな」

――あざっす!愛してます!

先輩は一時間ぐらいで来ました。

何かスゴイ感動して泣いてしまいました。

今思い出すと泣いたのがもったいなかったですw

「え? お前何泣いてんの?」

――すいません。先輩が来たのが嬉しくて。

「きも」

――マジすいません。ありがとうございます。

先輩の中古シーマに乗って、246号を走っていました。

――先輩早かったですね、家じゃなかったんですか?

「女のとこ」

――ああ、Yさん?

「いや、違う。飲み屋で仲良くなった」

――どんな感じの人ですか?

「まあ、可愛い系じゃね?デリヘル嬢だってさ」

――なんで水商売やってる人って身長低い女が多いんすかねw

「しらねーよwなんだそれw」

先輩が急に話し始めました。

「お前さあ、幽霊とかそういうの信じる?」

――え? 先輩信じてんすか?

「いや、信じるわけないだろ。ガキじゃあるまいし。」

先輩曰く、幽霊信じてるやつは病気だ。頭いかれてるかクスリのどっちかだろw

ただ、自分の目で見たものしか信じないヤツってのも同じようなもん。

自分の目だって、言って見たら電気信号だろ?

電気信号がいかれたら、あるはずないものも見えちまう。

TVだって壊れたら変なもん映るだろ?ゴーストだっけ?

つまり、故障だ。故障したらメンテナンスしないとなあ。

故障した目で何か見たとき、自分の目で見たものしか信じないヤツは、

多分幽霊の存在を肯定しちまう。

実際に見えてんだよ、自称見える人には、だけど正気かどうかは疑わしいな。

つまり、自分の目で見たものしか信じないヤツこそ危うい。

じゃあ、地球が丸いのをその目で見たことあるのかと。

映画のCGやら手品やらはその見たままの現象があると思っているのかと。

幽霊なんてのはいない。

だけど見えちまうこともあるってことだ。

水商売系で幽霊見た話とか良く聞くだろ?

あれも似たようなモンだよ。

人間は夜行性の動物じゃねえ。

毎日毎日夜に起きてたら、そりゃどっかいかれるだろ。

しかも起きてる時には酒飲むか、嫌々裸になるか。

体に悪いことばっかしてたら頭もいかれるわw

脈絡のない話が続きました。

先輩のいいたいことは何となく分かったようでいましたが、

先輩がやたらと饒舌なのは引っかかりました。

まるで自分に言い聞かせているみたいで。

――先輩だったら、幽霊ボコボコにしちゃいそうですよね。

「馬鹿か。幽霊殴れるわけねえだろ。いないもん殴れるかw」

――そりゃそうですね。で?何かあったんすか?

「小人だとよ」

――は?

「その女の話なんだけど。ベッドの下に小人がいる。

 一匹くらいならいいんだけど、段々増えていってる。

 ベッドの下から出てきそうだから何とかしてくれ、って頼まれたんだよ」

――タマ?

「俺も最初はそっち系かと思ったんだけど、違う」

――じゃあ病院に連れて行ってあげたらどうっすか?

「ああ、やっぱそうなのかなぁ、なんか凹むわ」

――ってかそれどっちかって言うと、

  妖精っすねw白雪姫っすねw

  やっぱ可愛い人が見る幽霊は可愛いんすかw

「いや、あれはそんな可愛いもんじゃねえよ」

――え? 先輩も見たんすか?

「最初は飲み屋に居たんだけど、その相談事聞くじゃん?

 新手のナンパかと思うじゃんw

 男なら見たくなるじゃん? 主にベッドを」

――ベッドをw

「で、部屋に行くじゃんw

 ベッドの下見るじゃんwいないじゃんw

 ベッドの中も一応確認するじゃんwいないじゃんw

 女にもベッドの中に入って確認してもらうじゃんwあ、白雪姫がいるじゃんw

 俺の股間もピノキオになるじゃんw嘘つくと鼻が伸びるじゃんw

 そんな白雪姫にお仕置きするじゃんw

 んで、寝るじゃん。

 それで、お前からしつけー電話」

――マジですかwすいませんw

「いや、助かったわw俺も見ちまったんだわ。その小人。

 電話で話してるときに黒いのが動いてんだよ。うおってなったなw

 で、取り合えず色々してみてムリそうだからこっち来たw」

――マジっすか?

「ああ。俺、幽霊信じてないし。

 だけど幽霊じゃないなら俺も病気なのかなあって凹んでんだよ」

――ちなみにどんなのっすか?その小人。

「俺が見たのは黒いわさわさしたのだな。ってかあんなの小人に見えるのが凄いわ」

――いや、わかんないっすw

「俺も良くわかんねえ。

 ティッシュ箱くらいの黒いのがベッドからのろのろ出てくるの見ちまったんだよ。

 女は人間の小さいヤツって言ってたけど、

 俺には、ももののけ姫のタタリガミみたいに見えたわ。でかいゴキブリみたいな?」

――うわマジでキモイっすw

「で、ベッドの下にいるとかいってただろ? 

 フツーに部屋の中ウロウロしてたよwそのタタリガミ。

 もうベッドの下から出てるじゃんw

 殺虫剤探したけどないから消臭スプレーかけたり、

 手元にあったバイブぶつけたけど、全然効かなかったんだわw

 で、どうすっかなあって思って、

 あれ、確か、出てきそうな小人をどうにかしろ、みたいなこと言われたの思い出して

 既に出てるなら、これから出ないようにしてくれのお悩みは解決だなw

 っつーか小人じゃなくてバケモンだろ、だから頼まれてるのとは違う、とか思ったw」

――先輩w鬼っすねw何匹ぐらいいたんすか?

「さあ?俺が見たのが五匹くらいだけど、ベッドの下には何匹いるかわかんねw」

――確かにwベッドの下は流石に見たくないっすねw

「だろ?あんなのがたくさん出てくる家にも居たくないだろ?

 だからお前から呼び出されたからついでに逃げてきた。

 どっちかってーと、あんなのが人間に見える女も怖いしなw

 幸いその女起きなかったから速攻でお前のところこれたわw」

確かに映画で見たあのタタリガミが人間に見えるというのは、病んでる気がする。

間違いなくゴキブリは人間には見えないだろう。

だが、仮にも一夜を共にした相手をそんなわけの分からないモノがいる部屋に

可愛い女一人きりにする先輩も病んでる気がするがw

だが、しかし、それよりも。

――先輩。俺のことが心配だったんじゃないんすか?

「おおwそうだったw

 シンパイシンパイシンパイw

 シンパイって何回も言うと意味わかんなくなるよなw

 で?誰にやられたんだよw」

――なんすかそれwナンバー5さんですよ。あの人優しい人だと思ってたのに。

先輩は、あんなしょぼいヤツにやられてんなよwと言いながらバシバシ僕を叩きました。

先輩wしぬwしぬwむしろしねw

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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