『何か』の気配で夜中に目が覚めた
枕元の時計を見ると俗に言う丑三つ時…
足元に目を移すと、壁の方に向かって誰か立っている。
黒くて長い髪の女だ。幽霊がよく着ているあの白い浴衣みたいなのを着てた。
(おいおいマジかよ…つーか一人暮らしの男の部屋に女が入ったら危ないぜ?)
しかし怖いので、とりあえず寝たフリ。
女は何かを凝視している。あの場所には雑貨屋で買った実際に水が流れる滝のミニ模型があった。
(気に入ったのか?趣味合うかも♪いや違う…幽霊は水辺に現れやすいと聞いた事があるな)
(振り返るな振り返るな振り返るな…)ひたすら俺は念じていた。
女が振り返りそうになるたびにビクビクした。
結局一睡も出来ないまま朝日が出てくる。それと共に女は消えて行った。
「あービビったわ!」
安堵感で眠気が来て寝てしまった。
起きると外が暗い…枕元の時計を確認すると丑三つ時。
(おいおい冗談じゃないよ!また繰り返すのか?)
しかし繰り返しでは無かった。
「違うよ」女の声…?
今度は足元の女がこちらを向いて笑っていた。
顔だけこちらを向いて
そして俺は気を失った
怖い話投稿:ホラーテラー 黒子夢想さん
作者怖話