誤字脱字許して。
とある田舎村にA君という中学生がいた。
A君には、特によく遊ぶ、B君、C君という同級生がいた。三人は好奇心旺盛な三人組だ。
ある年の夏休み、A君は、B君、C君と一緒に山を越えてS街へ行き、一日泊まって、色々遊ぶという、自転車旅行を提案した。B君もC君も賛成し、村の集会所に集まることにした。
当日、三人は集まった。
A「忘れもんないか~。」
B「ないよ。」
C「俺も。」
B「行こか~。」
S街までは20㎞くらいある。出発して山を越えているとき、暑いんで休憩をとっていたりして、山のふもとについて、後23㎞くらいだろうか。
三人はあまりの暑さに木の下で休んでいた。
しばらくすると、お婆さんが話しかけてきた。
お婆「こんな暑い日にどこに行くんだい。」
A「S街です。」
お婆「こんな暑いのに…、休んでくかい?」
三人「良いんですか?」
ここは関西なので、気前がいいわけだ。
遠慮なく三人はお婆さんについて行った。
お婆「これ食べや。」
三人「ありがとうございます。」
お婆さんにフルーツ杏仁をもらった。(渋っ)
お婆さんの家の付近には、他に家が4件しかない。
三人はお婆さんにお礼を言うと、S街へと向かった。
三人は色々遊んで一日泊まって、お世話になったお婆さんにお土産を買うことにした。
帰り道、お婆さんの家に立ち寄ると、
ピンポーン
ガラガラ
出てきたのはもちろんお婆さん。
お婆「おやおや昨日の…」
三人「お世話になりました。これどうぞ」
お婆「まあお上がり。」
少しだけと言って三人は上がらしてもらった。茶の間に案内された三人、お婆さんは奥へ行ってしまった。
A「疲れた~。」
C「なんか気持ちわりぃ。」
B「何が?」
C「いや、昨日来た時と、何だか雰囲気が違うんだよな。あのお婆さん。さっきから怪しい笑みを浮かべて…」
A「お婆さんが来たぞ。」
ススー
襖が開いて、お婆さんが顔を出した。
お婆「これお食べ。」
三人「ありがとうございます。」
C「あの~そろそろお邪魔なんでぇ…」
お婆「いや良いの良いの。もう少し休んでお行き…」
妙な笑みでできる細目が少し気味が悪い。
お婆さんはまた奥へ行った。
C「俺たちを帰らさない気だな。」
B「確かに昨日とは雰囲気が妙に違うよな。」
A「失礼なこと言うなよ。」
B「お前も気持ち悪いんじゃねーかぁ?」
A「まぁ、確かに…。」
C「もう出ようぜ。」
三人は立ち上がった。
廊下を歩く……。
おかしい…。
いくら歩けど玄関にたどり着かない。
それどころかこんなに距離があるはずがない。
とうとう三人は迷ってしまった。
そしてある襖の前に立ち止まった。
B「どうする?」
C「あのお婆さん人間じゃなさそうだ…なぁ。」
A「そうだなぁ。」
C「この中入ってみる?」
A、B「うん。」
Cは目の前にあるふすまを開けた。
………さっきの部屋だ。
B「どういうことだよ!」
A「このまま出れないのかよ。」
三人はどれだけ歩き続けたか。
ふと見慣れない扉があった。
台所だ…。
お婆さんはいない。
妙な寒さに三人は身震いする。
B「Aがお土産買うなんて言うからこうなってん!」
A「こうなるとは思ってないやろが。」
C「静かにしろ!!うわっ、誰か来た。…隠れろっ!!」
三人は台所の奥にある、襖を開けて中に入って隠れた。
お婆さんが入ってきた。
お婆「あいつら、逃げやがって・・・。まあどうせ、ここから出れんやろう。それにしてもあいつら、リンゴパイなんか買って来よって…、めまいがするわ…。」
そうして、お婆さんはどこかへ行ってしまった。
三人が部屋から出ると、お土産のリンゴパイがゴミ箱に捨ててあった。
A「リンゴパイで目眩がするって言ってたなぁ。」
C「うわっ!!」
B「どうした??」
C「れ・・冷蔵庫の中…。」
B「おぇっ。」
A「何これ…。」
冷蔵庫の中には、人の頭が入っていた。骨がところどころ見えている。体の部分が他に入ってたけど、三人は見るまでも無く扉を閉めた。
A「俺らを食う気やったんや…。」
B「マジでそうや。」
C「アイツはリンゴが嫌いなんかなぁ。」
B「そうや!」
三人はヤツにリンゴをぶつけることにした。
それしか方法が浮かばなかった。
リンゴパイのリンゴは比較的、特大サイズだったので、台所にあるおろし金ですりつぶした。
そっちの方が効果が強いと思ったからだ。
まだリンゴに弱いと決まったわけではないが……。
三人が探せど奴は現れない。
むしろそっちの方がいいが、何より、相手を倒すのが先だ。
A「まだかな。」
B「こういう時に限ってなんで出てこんねん。」
C「止まって!」
三人が止まる。
所が足音が続く…。
三人は一か八か物陰に隠れた。
ズィ ズィ ズィ
三人(来たっ!!)
三人は各自持っていたリンゴおろしを僅かだが、投げつけた。
ギャーーーーーーーーァ!!!!!
凄まじいうめき声と一緒に奴の動きは止まったが、逆に巨大化してしまった。
その姿に人間の面影はない。
化け物が正体を現したようだ。
A「何なんだよ!逆にパワーアップしたじゃねぇかよ。」
B「おい、逃げるぞ!!」
C「…。」
B「C!早く!!」
三人は無我夢中で逃げた。
そしてある部屋に入った。
B「Cのせいで逃げ遅れるとこやったやんか。」
C「アイツの後ろに玄関があったんや。」
A「なんで言わへんかったんや!!」
C「ごめん…。恐ろしさで声が出んかった。」
B「もう一回行ってみよう…。」
C「あれ?」
A「どうした?」
C「リンゴや……。」
テーブルの上にボールがある。中には、果物が入っている。リンゴも…。
おろし金は台所に置きっぱなしだ。
仕方なく、手で押しつぶした。リンゴを全部使った。
A「これをかけるぞ。」
B、C「おう。」
何分か、歩いてると、案の定、声が聞こえてきた。
?「ウギャー…ギャゥ…
段々声がでかくなってきた。
三人(よし!!)
覚悟を決め物陰に隠れた。
?「グア…
B「今だっ!」
Aはリンゴをかけた。
?「ウギャーーーーーァ!!」
三人「今だっ。」
後ろに玄関が見えたので、三人はヤツを追い越して飛び出した。
光が洩れてきた。
A「ふー。」
B「やっと出れた。」
C「おい、逃げるぞ。」
三人は一目散に逃げた。
三人とも帰ってきたときは、高熱で一週間くらい寝込んだそうだ。
その数日後、気になった三人はその家に行ってみると、何も変わりなかったんで、
怖かったが、インターホンを押した。
ピンポーン
誰も出ない。
ピンポーン
ピンポーン
すると、隣の家からお爺さんが出てきた。
お爺「僕ら、何しに来たん?その家空き家やで。」
三人はあれはなんだったんだろうと思った。
三人はあの化け物はリンゴによって化け物の魔力が弱まって、玄関が出てきたんだろうなと思った。実際は巨大化したんだが…。
帰ろうとして三人が後ろを向いたとき、窓からお婆さんが怪しい笑みを浮かべてこっちを見ていた。
三人は一目散に村に戻った。以来三人はそこに寄っていない。
怖い話投稿:ホラーテラー エナジーさん
作者怖話