私が小学生の時の事だから、もう15年程前の話。
関東にある私の地元。
当時は山や川、畑などの子ども達が遊べるような自然は特になくて遊ぶ場所と言えば公園か学校の校庭が定番の、少し都会よりな場所でした。
そんな地元でも、父の代までは山や川、防空壕も沢山あったり、私には信じられない話だけど疫病などの隔離病院や刑務所なども普通にあったそうです。
少し話がそれてしまいましたが、そんな地元には戦後の闇市時代から今も続く歴史ある某マーケットがあります。(過去数回の火事にあいましたが今も地元の応援のおかげで健在しています。ニュースにもなった放火があった場所です)
その側に廃寺があるから探検しに行かないかとクラスの子が言い出しました。
場所も学校のすぐ側だったし、何より当時の私達にとって「探検」「廃寺」などのワードは新鮮で、好奇心を一気に煽りました。
仲の良い男女6人程で、放課後に行く事になりました。
廃寺は住宅地の並ぶ路地の突き当たりにあって、山に囲まれおり、廃寺の裏は低めの塀を隔てて古いアパートが隣接していました。
寺全体は山とアパートのせいか、昼間でも直接光が入らず、日陰で少し暗かったのを記憶しています。
正面には古い賽銭箱があり、木戸が閉められていました。
どこか入れる場所はないかとグルっと廃寺を一周してみました。小さな窓は曇りガラスになっていて閉まっています。
屋根は立派な瓦屋根で、大きめな戸は全て木戸が閉まっていて入れそうになかったのですが、裏のアパート側の天井だけ材質が違い、大きめな穴が空いていたので、男子がアパートの塀を登って穴を覗き込みました。
そこは風呂場だった様で、水色っぽい浴槽が見えた様です。
中は枯れ葉なども散らばっていて、かなり荒れ果てていたみたいでした。
私達女子は塀に登れないので、男子がみんな塀に登って覗きこんでいるのを羨ましく思いながら見ていました。
塀から穴までとても侵入出来る様な距離でなかった事と、穴の大きさ的にも微妙だったので、廃寺への侵入は諦める事になりました。
少しみんなガッカリしつつ、廃寺の敷地内を散策していると、端っこの方に山へ続く幅の狭い階段を見つけました。
みんな大興奮で、さっそく一列になって登り始めたのですが、だんだん階段が急になっていき、階段の形も曲がっていってとうとう階段が真横に倒れた状態になり、最終的にはただの急な斜面(崖)がつづく獣道になってしまいました。
結局この階段がどこまで続くかも分からないし、廃寺散策で時間も夕方近くになっていた事もあって、また後日この階段を登るという事になり、その日は一旦引き返して解散になりました。
スミマセン続きます。
怖い話投稿:ホラーテラー ラムちゃんさん
作者怖話