まあ聞いてくれ。
俺は霊感とかそういうのは持ち合わせちゃいない。
だけど恐怖と言う意味では、幽霊なんぞよりもよっぽど恐ろしいモンがある。
例によって、前置きが朝礼時の校長先生並みに長くなる。
だがどちらかと言うと、前置き部分の方が聞いてほしいんだがな。
俺は中学卒業から勤めていた印刷会社を辞めるハメになったんだ。
辞めるってかクビなんだけど、実際は。
スロ仲間が粗相して、俺にとばっちりが飛んできて、クビ。
中卒の採用って少ないんだよ。
毎日、職安からがっくりうな垂れて帰ってきたもんだ。
そんなある日の帰り道、アパートの扉開けたら、二度と見たくない面がそこにあったんだ。
スロ仲間に対して追い込み、って言うか制裁した張本人がそこにいた。
キンキンと耳触りな声の、悪魔みたいな男。
こいつが拷問じみた方法で俺に話を聞きだし、あげく足の小指をなくして、職もなくした元凶。
俺、無実なのにな。
そんな構えんなって、とか気軽に言いながらそいつは話し始めた。
悪魔は仕事を紹介してくれた。
褒められた仕事場じゃないけど、俺にはありがたかった。
「安心しろよ。普通の風俗店の店員だ」
そう言って笑い出したんだ。
悪魔でも笑えるんだな、とか関係ないこと思ってた。
そうそう。
店と悪魔には繋がりはないぞ。
「単なる友人としての紹介」
大人の事情だ。
分かるよな?
店側とその筋には一切係わり合いは御座いませんよ?
とにかく、そこから新生活が始まったよ。
特に面白い話はない。
受付や雑用がメインの仕事。
給料は印刷会社の頃よりも良かったんだが、時給に換算したらどうなんだろうな。
その店で働き始めて三ヶ月ぐらい経った頃。
店の仕事にも慣れてきた頃に、印刷会社の元上司から連絡があったんだ。
それで十分ぐらい雑談したんだよ。
会話の最中に急に話が途切れることあるだろ?
俺の田舎では、幽霊様がお通りになる、って言うんだがローカルネタかね。
まあ、幽霊様がお通りになったんだよ。
その一拍で元上司が、覚悟決めた言うぞ、って雰囲気になったんだ。
十五の時から三年も一緒にいた上司。
何か言うことぐらい分かったんだが、次の言葉は予想もつかないものだったんだわ。
「……お前、大学行く気ないか?」
はあ?
まず一番最初に頭に浮かんだ言葉がそれだった。
「俺はこの歳で嫁さんがいない」
おいおい何言ってんだよ。
何だよ、これから愛の告白でもするつもりか。
カンベンしてくれ、そっちの趣味はねえ。
「だからガキもいない。お前は俺のガキみたいに面倒を見てきたつもりだ。お前のことを息子だと、勝手に俺は思っている。その息子同然のお前を大学で学ばせたい。息子にはちゃんとした教育の下でまっとうな人生を歩んで欲しい。そう思うことは、変か?」
泣かせるじゃねえか。
もう泣いているんだがな。
俺も、元上司も。
勉強は本当に苦しくて、時間があるならそのことだけでも詳しく伝えたい。
だが、話的には面白くねえ。
残念だが省略するわ。
ま、何とかかんとかで大検に受かり、大学入試もパスしたんだ。
二年でそこまで出来た俺を褒めてくれ。
前置きはこれで終わり。
わりい、長くなったな。
出来損ないの頭でも、大学なんていう立派な所に行けることを聞いて欲しかっただけだ。
大学入学まで、あと一月。
そう思っていた矢先に事件が起きた。
元調理師のそいつは、本当に良いヤツだった。
暴力的な人間が多いこの仕事場。
だがそいつは、常に敬語を使い、人当たりも悪くない男だった。
大人しすぎて自己主張がなく、印象に残り辛い人ではあったが。
テレビの報道番組に出てくるアイツ、知ってるか?
ひっくり返った変な声で話す、目にモザイクの掛かった近所に住むAさん。
いつも同じことを言う。
アンナコトヲ、スルヒトニハ、オモエマセンデシタ。
俺も同じ気持ちだ。
要するに、一番人畜無害そうな大人しい男が、実はジャンキーでした。
そういうこった。
そいつはクスリに手を出し、それ欲しさに店の売上を盗んだ。
店側は解決のために筋モンに依頼。
あくまで「依頼」な。
だけど見つからなかったんだと。
皆がその話題に触れなくなってきた頃だった。
そいつが逆恨みして店にカチコミかけてきた。
その日仕事が終わった時、既に日付が変わっていた。
真昼間から働き始め、夜中に仕事が終わる。
何とも爽やかで笑えるよ。
業務記録の確認が終わり、二人の先輩店員と三人のお嬢たちに挨拶をしていた時、そいつが入ってきた。
「皆、久しぶりですね。あれ? 六人も残ってるの? 手錠足りないくそ、くそくそくそくそ」
そいつは、背中に日本刀のような白木の長物、手にはボウガンを持ってた。
ポン刀とかボウガンとか、どこでそんな物買うんだよ。
あ、あとリュック背負ってたな。
ガチャガチャいってた。
ってか、そんな格好でここまで来たのか?
警察は何をやっているのか本気で考えた時、俺の隣にいた先輩店員がノドを打ち抜かれた。
「叫んだら殺す。喋ったら殺す。動いても殺す」
そう言って、矢を込めながら俺たちにボウガンを見せびらかした。
女の子達は声が出ないように必死で口元に手をやる。
俺たち男どもは隙を伺う。
ダチョウ倶楽部の寺門ジモンに似た先輩店員は、鼻息荒く興奮してた。
ソイツ、瞬間湯沸かし器みたいなヤツなんだ。
何度も殴られた経験がある。
しかし、それに気づいたボウガン野郎は、ジモンの太ももを撃った。
「申し訳ない。僕に反抗しようとしても殺す、って言うの忘れてました」
ジモンは瞬間冷却器と化した。
ボウガン野郎が動くたびに、ひぃ、と声を上げ身を震わせる。
ボウガン野郎は、女の子とジモンを縛り上げるよう俺に命令した。
タオル袋の頑丈なヒモを切り出し、三人の女の子と一人のジモンを縛り上げる。
俺はその時、あんなことが起きるとは、毛とも思ってなかった。
単なる押し込みか何かだと思ってた。
「よし、タクくん。君はこっちに」
そう言いながらプレイルームに入った。
リュックを漁り、中から鎖つきのワッカを取り出す。
リュックには様々な凶器が入っていた。
ドラえもんかよ。
これを付けろとボウガン野郎に命令された。
足と手に手錠をかける。
洋服掛けに繋がれ、行動範囲は半径三〇センチがいいところだったな。
精々、座るか立つか、そんな程度の自由だよ。
「タクくん。君は確か悪魔さんと仲良かったですよね? 呼び出してください」
「……悪魔さんに何するつもりですか?」
「そんなモン復讐に決まってんだろ!? たかだか八〇万円くらいでカコミやがって。もうビクビクしながら逃げんのはゴメンなんだよ!」
いきなり叫びだすボウガン。
目が充血し、挙動不審。
コイツ何か入れてるな、とか思ったよ。
俺は悪魔さんと連絡を取った。
「悪魔さん、今――」
携帯を奪われ、ボウガンが代わりに話し出す。
「こんばんわぁ。僕ね、悪魔さんにちょっとお話があるんですよぉ。出来れば一人で来て下さいねえ。二人以上だったり、誰かにこのこと話したら、僕、絶対にコイツ殺します。約束ですよ。やくそくぅ」
向こうの怒鳴り声が携帯から漏れるが、ボウガンはそれを無視して携帯を切った。
入り口の方から、おい来たぞ、と叫び声がする。
ボウガンは流石に緊張しているのか、足をしきりに揺する。
こっちです、とプレイルームの扉を開けて、悪魔さんに入るよう促した。
「で? どういうことなんだ? 説明くらいはしてくれんだろ?」
「その前にこれ。コイツとお揃いの着けてくださいよ」
そう言って二つの手錠を悪魔さんの前に差し出す。
俺の首にはデカイ包丁。
しぶしぶそれらを受け取る悪魔さん。
悪魔さんが手首と足首につけたのを確認し、ボウガンが話し出す。
「悪魔さん。アナタ、誰にも言ってないですよね?」
「だから説明が先だろうが」
悪魔さんの態度は捕縛されていても変わらない。
ボウガンは少し怯むが、説明ねえ、と言いながら頭を掻き毟った。
「あんたらが俺を色んなところで追いかけるせいで、俺は何にもできねえんだよ! おい、野宿するヤツの気持ちがわかんのか!? メシ食うのすら後ろを気にして何にも出来ねえ。ビクビクすんのは、もう嫌なんだよ!」
「かなりグリってんなぁ。はっ。お前が、人様のもん盗むからだろ? 自業自得だ」
悪魔さんはそう吐き捨て、続けた。
「お前、誰に手を出してんのか、分かってんのか? テメエに追い込みかけたのは、確かにウチの連中だ。この店からの依頼だよ。だからウチと、この店の金のやり取り以上の追い込みはしなかった。実際にはテメエは見つかってなかったんだよ。追いかけるだと? じゃあ何でそいつらはお前を捕まえなかったんだ? テメエが変な妄想して、勝手に敵を想像するのは勝手だ。だがな、俺に直接手を出すってことは、テメエはもう終わりだよ。ウチに直接手を出したってことだからな」
悪魔さんは床に座らされているのに、絶対的な圧力を放っていた。
ボウガンは取り乱した。
くそくそくそくそ――。
そう喚きながらベッドにダイブする。
枕に顔を埋め、わあわあ喚いていた。
そして、何かに気付いたような仕草で持参したリュックを拾った。
リュックの中からポーチを取り出す。
中から二つのパケを取り出す。
二つのパケから結晶を取り出し、器具で砕きながら混ぜている。
さらにミネラルウォーターと混ぜ、何やら準備を始めた。
ポンプで作った液体を吸出し、それを更にシェイク。
指でピンピン弾き、空気を抜く。
パケ、ポンプが何かって?
知らないなら無視してくれ。
そんなことは知らなくても良いことだ。
「シャブと●●●●のチャンポンか。コイツ、とっくに人間辞めてたんだな」
カクテル。
二種類以上の薬物を混ぜ合わせ摂取することを、そう呼ぶ。
そいつが使ったのは、効き目・依存度・禁断症状が最も強いとされているモノだった。
廃人コースへの片道切符ってヤツだ。
カクテルを静注したボウガンはベッドからしばらく起き上がらなかった。
が、涎をダラダラ流し、ヘラヘラ幸せそうにしてた。
これ聞いたら、何入れたか分かるヤツもいるかもしれない。
だが、黙っててくれ。
それが大人ってモンだ。
「おい、タバコ吸わせろ」
悪魔さんがそう尋ねる。
ボウガンは返事をしない。
ベッドに寝転がって、天井を見つめていた。
お花畑でも見てるんだろう。
「勝手に吸わせてもらうぞ?」
開くとキィィンと澄んだ金属音を立てるライターで、タバコに火をつける。
手錠を着けた両手で、器用にタバコを吸う。
「そのライター。綺麗な音しますね」
「ん? いいだろ。気に入ってんだ」
「俺も吸っていいですか?」
「ああ。しばらくキマってるだろうから。大丈夫だ」
悪魔さんにタールのドギツイ両切りのタバコを咥えさせられた。
そして、悪魔さんが先ほどのライターで火をつけた後、俺のポケットにそれを入れた。
「やるよ。入学祝だ。よく頑張った」
誰から聞いたのか分からないが、俺が入学することを知っていたんだ。
いつか話さなければいけないと思って、先延ばしにしていた。
「……正直。お前には悪いと思っていた。俺の勘違いのせいで、お前の人生台無しにしちまったからだ。すまなかった」
頭を下げる悪魔さん。
手足や体が動かない状況にも関わらず、俺は悪魔さんが頭を下げたことの方が驚きだった。
「老婆心ながら言わせろ。ジジイの戯言とでも思っとけ。お前は顔に心が表れすぎる。そんなんじゃ腹の内もバレる。いつでもヘラヘラ笑ってろ。ションベンちびりそうな状況でも、な」
タバコを吸い終わったころに、やっとボウガンは起き出した。
「ふうう。さてさてさて、始めようかなあ。これ、何か分かります?」
何とも気色悪い笑顔で俺たちに質問する。
背中に背負っていた白木の長物を取り出す。
何かって、ポン刀だろ。
どこで買うんだそんなモン。
「マグロ包丁って言うんですコレ。昔は良く使いました」
おいおい、刃渡り何十センチだ。
包丁ってサイズじゃねえぞ。
「……何する気だ」
悪魔さんが聞く。
俺も悪魔さんも、大体答えが分かっている。
まさか。
「何って、包丁は食材を解体するために使うものでしょ」
ボウガンが近づく。
俺は、ヤメロ、と叫んだんだ。
無駄な足掻きだろうが何だろうが暴れまくった。
本当に無駄だった。
「じゃあ、ちょっとちくっとしますよぉ」
悪魔さんを押さえつけ、馬乗りになったボウガン。
ボウガンは笑えない冗談を、さも面白いことのように、笑顔でほざく。
そこからは、長かった。
ボウガンは、指から始めた。
映画や物語ではクスリをやっているヤツは、理性が完全にぶっ飛んだハチャメチャに発狂した人間として描かれている。
だが、本物はちょっと違う。
確かにある種発狂はしているだろう。
いくらか挙動不審なことも確かだ。
しかし、何も考えていないわけではない。
ヤツらは万能になったと思い込む。
全能感、何でも出来るという妄想。
何でも出来るという思い込みの下に行動するため、気が触れた様に見える。
空を飛べるという思い込み。
自分が偉くなったという思い込み。
スーパーマンになったという思い込み。
金正日が滑稽に見えるのは、そういうものなんじゃないかと思う。
本人は到って真面目ってこった。
多分、元調理師のボウガンはマグロの解体をしたことがあるのだから、他の解体も出来る、と思ったのだと思う。
これが正気で出来る人間などいないと信じたい。
「ねえ。タクくん。マグロの解体作業の手順って知っているかい?」
手足の指を全て切り落とした後に、俺に聞いてきた。
悪魔さんは脂汗と、口と鼻から血をにじませながらも、悲鳴すら上げない。
床は真っ赤に染まる。
「まず、エラと内臓を取るんだ。それをジージーって言うんだよ。そのジージーの状態から、シッポと頭を外すんだ。それをドレス。この「マグロ」はカマもワタもまだあるんだけれど、ジージーにする? それともいきなりドレス?」
こいつは何考えてるんだ、ヘドをぶちまけた中で、そう思ったね。
クスリを使ってるヤツがイかれてるのか、コイツがイかれてるのか。
後者である前者であって欲しい。
俺は、ヤメロ、と叫ぶことしか出来なかった。
手錠が腕に食い込んで、血が流れたよ。
「まあ、次は余計なヒレ部分かなぁ。フィレじゃないよ。腕と脚行くね」
誰に話しているのか、ひとり言のように呟く。
悪魔さんの左足の付け根に、ざっくりと包丁を入れる。
恐ろしいほど切れ味が良いその包丁は、俺が泣き叫ぼうが、悪魔さんが泡を噴こうが、進むのをやめない。
しばらくすると、荷物からさらに凶器を取り出す。
分厚い包丁、小さい包丁、ともかく職人用のゴツイものがゴロゴロ出てきた。
黄色いブチブチとした何かの組織と共に、左脚が切り出された。
悪魔さんは尋常でないほど痙攣を始め、傷口から出る血溜まりが波打つ程大きくなっていた。
「関節、結構固い。よしっ! 次!」
ちくしょう。
何で俺は、動けねえんだ。
時間をかけ、その元調理師は脚と腕を悪魔さんから取り上げた。
俺のノドは叫び続け、潰れてしまったが、それでも何かを叫んだ。
覚えてねえ。
「あ、もう死んでるじゃん。あーあ、失血かなあ。血管焼いとけば良かった」
悪魔さんの頭を叩き、鼻歌交じりにそう言う。
じゃあジージーとドレス完成させようね、とほざきながら、悪魔さんの体を弄んだ。
腹を切り、中身を傷つけないように取り出す。
首の関節の外し方を俺に講釈垂れる。
ジージーは完了だとか、なんだとか、口から出るのはその解体の仕方ばかりだ。
ゴキリ、ゴキリと何度も音が聞こえた。
よっと、とか言うボウガンの掛け声はやっていることとは正反対に無邪気だった。
バラバラになった体と、その中身を、丁寧に並べ、作業を終えた。
悪魔さんは、俺に不安を与えないように黙って事切れた。
信じられない精神力だよ。
でも、そんな気遣い要らない。
何でアンタそこまで俺にするんだよ。
「よし。これがドレスだよ。ちょっと順番ムチャクチャになっちゃった。後はブロックにすれば良いんだけど、タクくん食べる? どうしようか? 食べないんなら、細かくしてもしょうがないんだよねぇ。でもここからがマグロ包丁の真骨頂でもあるしなぁ」
シャブ中毒者は、いったん何かを始めると狂ったようにその作業に没頭する。
ゲームなら何時間でも、クルマの運転をさせたら不眠不休で走り続ける。
ボウガンにもそれは言えた。
一心不乱に作業をこなした。
狂った作業。
顔を持ち上げ、コレどうする? と笑い転げている。
情けなくてしょうがなかった。
俺は無力。
何にも出来ねえ。
むせ返るような臭いと、目の前に広がる惨状。
ガタガタ隅っこで震えることしか出来なかった。
その時、扉が開き、外から人が入ってきた。
入ってきた人間の反応は一様に同じだった。
わあ、とか、ぎゃあ、とか中の惨状の感想を叫ぶ。
ボウガンは呆れたように、酷いなあ、とかほざく。
「おい、お前がこれやったのか?」
答えの分かっている質問を、その男はする。
ボウガンは、はい、と一言だけ言い静かになった。
先ほどまでの、ふざけた態度は消え、存在感も消えうせた。
他の男達に取り押さえられ、ボウガンはあっけなくプレイルームから出て行った。
その後、俺に対して取り調べもないところをみると、入ってきた男達は警察関係者ではないのだろう。
ジモンあたりが外と連絡を取ったんだろう。
ボウガンがあの後どうなったのか分からない。
願わくば俺に任せて欲しかった。
自称俺の人生を台無しにした男。
俺はソイツの仇が討ちたかったんだってことに気付いた。
これで、話は終わりだ。
幽霊なんぞよりもよっぽど恐ろしい。
狂気のほうがよっぽど恐ろしい。
その事件の後、大学に進学した。
悪魔さんの言いつけ通り、キツイことは何度もあったが、笑ってスルーした。
だが、入学までに経験した恐怖以上のモノはなかった。
悪魔さんがくれたライターは無くしちまった。
その代わりに、もっといい物が見つかったが。
全部、蛇足だ。
ここではやめとこう。
まあ、今は温い大学生活を楽しんでいる。
以上だ。
怖い話投稿:ホラーテラー 長崎ちゃんぽんさん
作者怖話