私の家には昔ガラスケースに入っていた日本人形があります。
その人形はおばあちゃんの代からあるとても大切な人形です。
今から話す事は私の身に起きた奇妙な出来事です。
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私が小学校を卒業してまだ間もない頃のある夜。
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私は先ほど話した人形の置いてある和室の部屋に布団をしいて寝ようとしました。
しかし、長い間布団に入っても中々眠れず、何度も寝返りを打っていました。
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すると突然、「ここから。
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」・・?なにやら部屋の隅から声が聞こえるのです。
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聞き取りづらいのでよく耳を澄ませてみると「ここから出せ。
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ここから出せ。
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」 なんと!!部屋の隅のガラスケースに入ったあの人形が呟いているではありませんか。
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私は怖くなり、布団の中に潜り込みました。
だけど、その声は消えるどころかますます強くなるのです。
「だせ!だせ!!」 そのとき最悪の事態が起こりました。
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ガッシャーン!!ガラスが。
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人形のガラスケースが割れたのです。
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・・私は耐え切れずに叫びました・・ 。
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だけど声は出ず、体も動かず。
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家族に助けを求める事は不可能でした。
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その時ガバッ!と私が潜り込んでいた布団がいきなり剥がされました。
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そして目の前にあの人形が。
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「よくも閉じこめたな!!殺してやる!食い殺してやる!!」。
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そして目の前の人形が私に飛びついてきたそのときです。
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私はその瞬間気づきました。
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「これはただの夢だ!!」・・・その瞬間に目が覚めました。
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そうあれはただの悪夢だったのです。
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あれが夢だと分かり、安心して布団の中から出ようとしたその時です。
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「痛っ!!」私は布団の中にある何かを踏んでしまいました。
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そうそれはあの時、あの人形が割ったガラスの破片だったのです。
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そして・・もうひとつあの人形が私の布団の中に入っていました。
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「あああああぁぁぁ!!」 その出来事の後でおばあちゃんにその話を聞かせました。
するとおばあちゃんは悲しそうな顔をして死んだ妹の話を語り始めました。
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昔、おばあちゃんの家はとても貧しく父、母、長女だけで精一杯の生活をしていました。
そして、その時生まれたのが次女でした。
だけどそれではこの先これでは生きていけない。
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そういった理由で両親は次女を涙ながらに土に埋めたそうです。
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その話の後で私はあの人形のある部屋に行きました。
そして親が新しく買ったガラスケースからそっと人形を出してやりました。
「もう出ていいんだよ、こんな狭い所に閉じ込められなくていいんだよ。
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」 人形にそう呟くとかすかに人形が微笑んだ気がしました。
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怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話