うちの家族は、母も妹も母の姉も霊感が強く、一応「見える人」です。
妹は霊感があるため、怖い話や映画をフィクションとして楽しむことが出来ませんでしたが、私は見えないため、怖い話が大好きでした。
大学生になったばかりのある日、我が家についに文明の利器「パソコン」がやって来ました。
パソコンは両親の寝室に置かれましたが、両親共機械音痴のため、主に使用するのは私と妹でした。
私が真っ先に閲覧したのは……好きなバンドのサイトでもエロサイトでもなく、怖い話のサイトでした。
母も父も仕事で出かけているため、講義の少ない日は日がな怖いサイトを漁っていました。
そんなある日、母に「あんまり怖いサイト見ないで」と言われました。
母はパソコンの電源すら入れることが出来ません。
「電源ボタン押して」と教えたら、キーボードの中から必死に「電源」と書かれたキーを探していたくらいですから。
ましてや、インターネットを立ち上げてサイトや履歴を閲覧するなど、母にとってはとてつもなく難儀なことなのです。
だから、私がどんなサイトを閲覧しているのか、わかるはずがないのです。
「何で私がそういうサイト見てるか分かるの?」と聞くと、
「夜中に知らない人が枕元に立ってる」
そうなんです。
怖い話をしていると寄ってくると言いますが、ネットにもその理屈が通用しているようです。
そんな馬鹿なと思いましたが、取りあえず怖いサイトを見るのは自粛していました。
何日かはぼんやりとネットサーフィンをしていたのですが、暫くすると猛烈に怖いサイトが見たくなりました。
母のいない時にこっそりとサイトを探して、知らないフリをしておきました。
翌日、母が「また怖いの見たでしょ、もうやめてよ。」
と泣きそうな顔で言いました。
何を見たのか聞いて見ると……
「ガチャ目(方言かな?より目とか斜視のことです)の怖い顔」
それを聞いてから、パソコンで怖い話のサイトを見るのは止めました。
その日私が見ていたのは、心霊写真のサイトでした。
「狂気のまなざし」という心霊写真をご存知の方もいると思います。
中央にでかでかと、おかしな目つきで不気味な顔が写り込んでいる写真です。
この写真が、サイトに掲載されていたんです。
母には悪いことをしたと思ってます。
怖い話投稿:ホラーテラー ローレライさん
作者怖話