いつもどうりの日常、私は友人のA子ちゃんといつも通りの会話とショッピングを楽しんでいました。
一通り買い物も終わりA子ちゃんと喫茶店に行ってお茶をしてたんです。
その会話の中でA子ちゃんは、楽しそうに彼氏の事を話してくれました。
私には彼氏が居なかったので非常に羨ましかったです。
私は、A子ちゃんに「結婚は考えてるの?」と聞くと、A子ちゃんのテンションが下がっていきました。
(私、変な事聞いたのかな・・・)と、思いましたが
興味本位で聞いただけなので、傷つける事は無かったと思うのですが・・・
一応「ごめんね」と謝りました。
A子ちゃんは「こっちこそごめん」
「私、今、妊娠してるの・・・」
私は、「おめでとう!」と言ったのですが、A子ちゃんは喜んでくれません。
A子ちゃんから「親友だよね!相談に乗ってくれる?」と真剣なまなざしで言われたので
私は断る事も出来ずに「うん!相談に乗るよ」と答えてしまいました。
ここからA子ちゃんと結構話をしました。
A子「さっきも言った通り私、妊娠してるの」
私 「うん!おめでとう」
A子「おめでたくない・・・」
私 「なんで?」
A子「妊娠は嬉しいけど・・・彼氏が・・・」
私 「彼氏がどうしたの?」
私 「喜んでくれないの?」
A子「・・・・・・・・・」
A子「・・・堕ろせって言われた・・・」
私 「えっ!」
A子「私、堕ろしたくない・・・」
A子「でも、彼氏が堕ろさないと別れるって・・・」
私 「そんな・・・・、酷い・・・」
A子「私、妊娠5ヶ月なんだよ」
A子「赤ちゃんに罪は無いし、小さいけど赤ちゃんの形なんだよ!」
私 「・・・・・・・・・」
A子「でも、彼氏と別れるのも凄く嫌!」
A子「私、どうすればいいんだろう・・・・」
A子「・・・・・・・」
私 「・・・・・・・」
A子「でも、やっぱり堕ろそうと思ってる。」
A子「赤ちゃんには悪いけど、やっぱり今の彼氏と別れたくない!」
A子「話、聞いてくれてありがとう」
A子「話、聞いてもらったら少し落ち着いたよ」
私 「・・・・・・・」
A子「ごめんね、変な話しちゃって」
A子「今日は、帰るね」
私 「うん・・・」
A子「ありがとう、じゃあね、バイバイ」
そういって、A子は帰っていきました。
正直私には、受け入れ難い話の内容だったので
特にコメントも出来ずに一方的に話を聞く状態になってしまいました。
その2週間後A子から、連絡がありました。
話を聞くと、堕胎手術を受けるというものでした。
でも、堕胎にはお金が結構掛かることを私は知っていたので
その事をA子に聞くと・・・
「病院じゃなくて、国の機関で堕胎が出来る所を教えてもらったからそこに行こうと思うの」
という返事が返って来ました。
私は、A子の事が気になったし
国の機関?というのも気になったので
「一緒に付いて行くよ!」と申し出ました。
A子は、「ありがとう」と言って、快くOKしてくれました。
その後、A子と待ち合わせをして、堕胎できる国の機関に一緒に行きました。
その、国の機関は病院という感じでは無く、何かの研究所のような建物でした。
私とA子は、意を決してその建物の中に入りました。
中に入ると、同じように妊娠している女性が20人位いました。
私は、複雑な気分でした。
だって、みんな堕胎しに来てる訳だから・・・
私と、A子は受付に行って、問診表を書き、待合室でA子の番が来るまで待っていました。
私は、待ち時間の間、無言になるのも嫌だったので、A子に話しかけました。
私 「そういえば、聞いてなかったけど、料金っていくらなの?」
A子「私が聞いた話では、1万円でいいって言ってたよ」
私 「安すぎない?」
A子「国の機関だから安いんだって」
A子「私みたいに困ってる人を救うためにあるみたいだよ」
A子「でも、内容が内容なだけに、あまり宣伝しては無いみたいだけど・・・」
私 「そりゃそうだよね・・・」
A子「好んで堕胎する人なんていないもんね・・・」
そんな、話をしている間にも、手術を終えて帰っていく女性がいました。
みんな一様にガッカリした表情でお腹を押さえて帰って行きます。
そりゃ、当然の事だと私は思いました。
いくら、仕方無いとはいえ、自分のお腹にいる生命を失う訳だから・・・
でも、私には多分当事者の10%も気持ちは分からないと思います。
実際に経験したことも無いし、経験したいとも思いません。
そんな、事を考えていると「A子さん、中にお入り下さい」と看護婦さんの声が聞こえてきました。
私も、同行していいのかを看護婦さんに聞くと「A子さんが構わないなら、いいですよ」と
言ってくれました。
A子さんに「一緒に付いて行っても良い?」と聞くと
A子さんは「是非、お願い!付いて来て!」と言ってくれたので、私も一緒に中に入りました。
診察室に入ると、お医者さんらしい人が1人と看護婦さんが1人座っていました。
A子さんと私も椅子に座り、診察が始まりました。
診察と言っても、症状を聞くわけでは無く
本当に堕胎しても良いのか?
後悔しないのか?
なぜ、堕胎するのか?
などの堕胎を前提とした話でした。
一通り診察が終わると、手術室に通されました。
部屋自体は、よくある分娩室のようなものだと思いました。
実際に私は分娩室に入った事がないので、本当の分娩台かどうかは定かじゃないですが
女性が股を広げて横になれるベッドみないなものがあって
患者から下半身が見えないように腰の所に緑色のカーテンがしてある。
A子からは、下半身が見えないが
私や医者、看護婦からは下半身しか見えない。
医者から「それじゃあ手術を初めますので、痛かったり気分が悪かったりしたら申し出て下さい」
との、言葉がありました。
私には、看護婦さんから「刺激が強いかもしれないから、見たくなければ目を閉じててね」と言われました。
そして、手術が始まりました。
医者は、最初にクスコと呼ばれる膣を広げる道具をA子に挿入しました。
その後、膣が十分に広がったら、棒のような器具を取り出しA子の膣内に挿入しました。
私は、目を背けようと思いましたがA子を見守るためにも、頑張って目を開きました。
医者は棒のような器具をA子の膣内深くに挿入した後、グリグリとかき回し始めました。
A子は「痛いっ!」というと、医者は「少し我慢してくださいね」との返答
A子は、言われるがまま我慢していました。
その後、医者はA子の膣内に入れていた棒のような器具を膣内から抜きました。
その、棒のような器具には血液が付いており、赤く染まっていました。
次に医者は、筒状の器具をA子の膣内奥深くに挿入しました。
その、筒状の器具は、透明で大きなストローみたいな器具でした。
その、筒状の器具がしっかりと膣の奥深くまで挿入できると、
今度は、掃除機のような機械をその筒状の器具に接続しました。
そして、医者がその掃除機のような機械のスイッチを入れると・・・
予想通り、吸引が始まりました。
そして、A子の膣内から血液と共に、グチャグチャになった赤ちゃんと思われる
肉片も吸い出されていきます。
赤ちゃんの足や手の形はしっかり出来ていませんが、認識できるほどの形でした。
私は、あまりの光景に目を背ける事さえ出来ませんでした。
A子の膣内から、何も出なくなった所で、掃除機のような機械のスイッチが切られました。
A子はグッタリしてます。
吸引が終わると、筒状の器具をA子から引き抜き、医者は看護婦さんに任せて別室に移動して行きました。
看護婦さんは、A子の膣を綺麗に拭き、消毒をして、止血剤のようなものを膣内に塗っていました。
一通り後処理が終わると、看護婦さんは「A子さん、もういいですよ」と言ってました。
A子はフラフラとする体を起こして「ありがとうございました」と言って
下着を穿き、手術室を後にしました。
そして、手術室から待合室まで向かう道中私は、看護婦達の話を耳にしてしまいました。
看護婦A「さっきのあの子見た?」
看護婦B「見た見た!、結構若い女の子だったよね」
看護婦A「妊娠5ヶ月半だって!」
看護婦B「そうそう、お腹大きくなってたもんね」
看護婦A「赤ちゃんの形も結構出来てたよ」
看護婦B「うける~」
看護婦A「普通5ヶ月なら堕ろさないよね~」
看護婦B「マジ、殺人だし~」
看護婦A「棒突っ込んで、吸引してたよ」
看護婦B「マジ、うける~」
看護婦A「チンポ以外の棒突っ込んで強制流産って笑える」
看護婦B「あははは~、私はマジ勘弁!」
看護婦A「私たち、絶対地獄行き決定じゃない?」
看護婦B「言えてる~!」
看護婦A「でも、私たち堕胎希望の女性を救ってるから意外と天国かも!?」
看護婦B「そうそう、私たち救世主だよね~」
看護婦A「そうそう!私たち救世主だよ!」
看護婦B「あっ!そろそろ、次の子が来るみたいだよ!」
看護婦A「じゃあ、残りも頑張って堕ろそうか!」
看護婦B「じゃんじゃん堕ろしちゃお~」
このやり取りを聞いて私は、ゾッとしました。
看護婦さんたちは、A子や他の女性の気持ちなんか一切考えて無く
むしろ、堕胎を楽しんでいるようにも思えました。
女性が妊娠して堕胎を選択する苦しみを一切気にせずに
何の感情も無く堕胎をさせる・・・・
この、場所が私はもう既に地獄だと感じました。
合法的な殺人が繰り返され、殺人を行う当人は何の罪の意識も無く
楽しみながら、殺人を繰り返す。
苦しむのは、苦渋の決断をした、妊婦だけ・・・・
身も心もボロボロになり、酷い場合は不妊症にだってなるかもしれない。
そんな、女性の気持ちも感じずに堕胎が繰り返される。
本当に怖い場所というのは、以外にも近くにあることを私は知りました。
怖い話投稿:ホラーテラー 極上委員会さん
作者怖話