短編2
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生首神社

僕の実家の近くに小さな神社がある。

見た目は普通の古びた神社なのだが、境内には奇妙な物がある。

それは頭部しかない真っ白な人形だ。

それが祭壇とは別に壁に取り付けられた板の上に置かれている。

小学校の頃、その神社は僕達の格好の遊び場だったのだが、あの不気味な人形のせいか境内には誰も近付かなかった。

ある日、友人5人と神社で隠れんぼをする事になった。

神社はたいした広さもなく、隠れる場所といっても生えている木の影くらいしかないので、オニになった僕はすんなり4人見つける事が出来た。

問題はそこからだった。

最後の1人が見つからない。

捕まった友人達にも協力してもらい探したが全く見つからない。

すると、友人の1人が、

「あいつ、境内に隠れるんじゃね?」

といいだした。

どんだけ見つかりたくないんだよ、と思いながら境内を捜索する事になった。(友人達は、お前オニなんだから1人で行け、といいだし、ついてこなかった)

境内の扉を開ける。

中はあまり光が入らないらしく薄暗かった。

きっと祭壇の裏にでも隠れているんだろう、と思い、裏手にまわろうとした時だった。

違和感を感じた。

あの不気味な人形が無くなっているのだ。(その時は何故かあんなもの盗むヤツがいるんだなぁ、と思った)

ガタっと音がした。

やっぱりここに隠れていたのか、と思い、音のした場所にむかった。

音のした場所に行くと、何か落ちていた。

体中に鳥肌がたった。

あの生首の人形だった。

何かヤバい気がしてその場を離れようとした時だった。

僕がいた場所とは逆をむいていた人形が突然、ごろん、と、こちらをむいたのだ。

僕は気を失った。

無表情のはずの人形が笑っていたのだ。

体ちょうだい体ちょうだい体ちょうだい体ちょうだい体ちょうだい体ちょうだい体ちょうだい体ちょうだい

と、いいながら。

気がつくと実家の布団の中にいた。

母から話を聞くと、なかなか帰ってこない僕を心配した友人達が境内に入ると僕が倒れていたので母を呼びにいってくれたらしい。

その時、人形はいつもの場所にあったそうだ。

見つからなかった友人は何故か祭壇の中にいたらしい。

隠れる場所を探している途中、意識がなくなり、気がつくと祭壇の中にいたそうだ。

そして、その祭壇の中にはお札がびっしりと貼られた人形の体があったらしい。

あれは何だったのか未だに謎だ。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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