短編2
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怖い男

初めに言っておくと、この話は実話です。

そんなに怖くないかもしれませんが、

よければ読んでやってください。

これはわたしが高一の時の話です。

私は怖い話が好きでした。

そのくせ私はビビりです。

その日の前の晩も怖い話を夜遅くまで読んでいました。

その話はとても怖く、

ビビりの私は電気をつけたまま、

眠りにつきました。

そして次の日の朝、起きた時には

十時をまわっていました。

寝不足で心なしか少し重い体を引きずり

部屋を出て、キッチンに向かい

遅めの朝食を摂った後、

またすぐに眠りに落ちてしまいました。

気づいた時はもう夕方

でした。

用事を思い出し、時計を見ると

ギリギリだったので急いで服を着替えて

家を飛び出しました。

そのころには、

辺りは

夕日に照らされていました。

用事というのは、

友人の家に学校で行われる

行事の衣装代を支払いに行くというもので、

特に急ぐ事でもないのでのんびりと歩いて、

その友人の家へ向かいました。

友人の家は住宅街の一角にあり、

それ程時間はかかりませんでした。

しかし、友人の家まであと、三十メートル程というところで

それ、に出会いました。

それ、は少し大き目の男で、

黒いコート

を身にまとっています。

そしてその男は歩いて来ます。

うしろむきで。

その男は私の方に、

うしろをむいたまま歩いて来ます。

私には霊感などは全くないのですが、

それ、

を見た瞬間、直感的に

危険だと感じました。

私は下を向き、何も考えないようにして、

それ、とすれ違いました。

それ、は裸足でした。

それを見た時、体が本当に震えました。

そして私は考えてはならないことを、考えてしまいました。

それ、の顔はどんなだろうと。

私はゆっくりと振り返りました。

私から十メートル程

離れたところに

それ、

はうしろをむいて立っていました。

私はその日、無理を言ってその友人の家に

泊めてもらいました。

怖い話投稿:ホラーテラー ベヘリットさん  

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