短編2
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落書き

暗い道にある公衆トイレ。

このトイレを見つけたサラリーマンが、急いで中に入っていく。

「あぶねぇーあぶねぇ」

そう独り言を言いながら便器の前に立つサラリーマン。

彼がいるこのトイレは電気が切れかかっていて、チカチカと点滅を繰り返し、トイレ内は明るくなったり暗くなったりしている。

用をたしている時に彼は、自分の目の前の壁に落書きを見つけた。

助けて ハート

そう書いてある。

女の子の落書きのようだ。

「どうして助けてほしいのかなぁ〜。おじさんが助けてあげるよぉ〜」などと変な口調で独り言を言うサラリーマン。

そして彼は用をたすと、軽い気持ちで落書きに返事を書いた。

落書きの下に「いいよ ハート」と一言。

翌日の仕事帰り、またそのサラリーマンは昨日のトイレに立ち寄った。

同じ便器で用をたすサラリーマン。

と、昨日の落書きに再び目を向けると、「助けて ハート」の文字から矢印が長く伸びている。

矢印を目で追っていくと、「いつ?」という落書きにたどり着いた。

サラリーマンは、面白くなって今度は、「いつでも」と返事を書いた。

翌日、同じトイレに立ち寄ると「いつ?」という落書きから、また長い矢印が伸びている。

再び目で追っていくと、電話番号にたどり着いた。

「誰の番号だ?この子のか!」

そういって彼は、軽い気持ちで壁に書かれている番号に電話をかけた。

プルルルル プルルルル

「ん?」

なにかがおかしい。

トイレの中から携帯のベルの音がする。

彼は音のする方向に目を向けた。

視線の先には古びた女子トイレがあった。

その扉がゆっくりと開き始める。

中の暗闇が少しずつ見えてくる。

扉は少し開いて止まった。

わけがわからず恐怖に震えるサラリーマン。

そのとき。

チカチカと点滅を繰り返す明かりの中。

扉の隙間から血まみれの女の子の顔が見えた…

怖い話投稿:ホラーテラー 黒猫さん  

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