中編3
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緑の恐怖…

先日、仕事の関係で都内のビジネスホテルに泊った時の話。

汚いボロホテルだけど安いし、どうせ素泊まりなのであとはシャワー浴びて寝るだけだからなぁ…

入った部屋は7〇3号室。 何の変哲もない狭い部屋だけど、ビジネスユースなのでネット接続の設備だけはかろうじて整っていた。

人の気配がする……

入ってすぐ違和感を感じた。

視線を感じるとか言う生易しいモンじゃなくて、衣擦れの音まで聞こえるようなカンジ…

どうやら先客(?)は二人のようだ。

まあ、普段から分かっちゃうから、居るもんはしょうがないんだけど、一応お札探し…。

残念ながら、お札を見つけることは出来なかったんだけど、ベッドの下を探索した時にツンと感じる異臭。なんというか卵の腐ったにおいというか…、温泉なんかでよく匂うイオウ? あんなカンジのニオイ…。

あんまり好きな匂いじゃないんだよねこのニオイ。 吐きそう…

もう一度部屋を見回してみると

「いた、いた…」

入口付近に30~40歳くらいのどんよりした空気をまとった男がうずくまってる。

フロントにいた従業員さんと同じ服装なので、従業員か…?

なんで霊になってんだコイツ…

ここで自殺でもしたってコト……?

すごいゆっくりした動作でコチラに視線を向けてきたんだけど、なんとなく悲しそうで、それでいて苦しそうな、そんな思念が頭の中に流れ込んできた。

特に邪悪な感じは受けなかったので、とりあえず放っておいてシャワーを浴びることにする。

シャワールームに移る間も目線だけコッチを追いかけてくるのがちょっとウザイ。

まあ霊なんてどこにでもいるから、悪いヤツ以外は気にすることはないんだけど、

甘かった……

もう一人いることをすっかり忘れてた………

シャワールームに入ると、より一層キツくなる温泉(?)のニオイ…

俺、スゴく鼻が利くのでイヤんなるぜ、まったく。

シャワーで頭を洗っている時に、ソレは突然目の前に現れた。

ロン毛で細身だけど男… だと思う。

上半身ハダカで、薄汚れた白のブリーフ。

髪を振り乱し、こぼれおちそうなくらいに両目を見開いて、苦悶の表情。

喉のあたりを掻き毟って、なんか全身がブルブル震えている。

そして明らかに普通じゃないのは

カラダ中がミドリ色のマダラ模様、まるで超人ハルクみたい…

もの凄く、ヤバい気を感じて、シャワールームを飛び出したんだ。

どうやらハルクはそこから出る気はないらしい……

あいつは一般的に霊障とかを起こすタイプだけど、あのシャワールームで死んだのか?

あんなの野放しにしたら、見えないヤツでもヤバいだろ…

コチラも少し気分が落ち着いたので、室内でネット検索。

従業員くんが相変わらず、どんよりしながらコッチを見ているのがウザイ…

ところでみんな【大〇てる】ってサイトがあるのは知ってるかな?

どこかの不動産屋かなんかが、事故物件晒してるサイト。

そこには事故や自殺があったホテルの情報なんかも載っているんだけど…

「〇〇〇ホテル 7〇3号室 硫化水素自殺」

て書いてあった。

そういえば、しばらく前にホテルで硫化水素自殺があって、従業員が巻き添えを喰ったってニュースを見た覚えがある。

もちろん、フロントに文句を言って返金してもらった上で出てきたけど…

硫化水素自殺って、絶対オススメできないね。

ムゴイよあれは………

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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