俺、とある小さな会社の総務部に在籍している下っ端社員なんだけど、総務部なんて体のいいなんでも屋で、切れた蛍光灯の交換とか、トイレの掃除とか、くだらん雑用ばっか…
以前体験した、シャレにならん雑用をここで報告させてもらってもいい?
これは一応、新聞の地方版に小さく掲載された事件(?)でもあるんだけど。
一応、うちの会社は小さいながら自社ビル。
なんだか1階の玄関がクサいんだ。
「また、ネコがオシッコしやがったな…」
……… 系のニオイ ………
最初はそんな程度だったんだけど、日に日に鼻が曲がるような悪臭に…
近隣住民からも苦情が出ている。
もっとも苦情を言われてもニオイの元がうちじゃないから言いがかりもいいトコロなんだけどね。
まだ、そんな事を考えてる余裕があった。
そんなこんなで二週間ほどたったある日、あまりにもひどいっていうことで、隣のビルのオーナーと周辺探索をすることになった。
悪臭のもとを辿ったいったら、そこはビルとビルの間の路地というか隙間。
人とかが入り込んでヘンなことが出来ないように扉を立てて鍵がかかってるんだけど…
(過去にこの死角に入り込んで青カンしていた馬鹿ップルがいた)
別に鍵を壊されたような形跡はないんだけど、なぜか鍵が空いてる…
ニオイの元はどうやら扉の向こう…
鼻が曲がるという表現が控えめなくらいで、吐き気がこみ上げてくるし、なんか目がチクチクするような刺激臭。
もう話の先は見えてるよね……
そう…
腐乱死体………
黒っぽい作業着をのような服を着た男がうつ伏せで横たわっているんだけど、もう半分は溶けてドロドロ、地面になんか黒っぽい液体というかシミがバーっと広がっている。
おびただしい数のウジムシが周囲を跳ねまわっている。
嘘でもなんでもなくて、ウジムシって跳ねるんだぜ…
「オエッ! ウエェーーーーー!!」
後ろから恐る恐る覗いていた隣のビルのオーナーが激しく、嘔吐!
退路を断たれた俺は、腐乱死体のほうに一歩踏み出したんだけど、その時地面の液体に靴がネチャッ…。
その瞬間、見事にもらいゲロ……
死体にぶちまけちゃったもんだから後で警察に怒られたけど、そんな事気にしてる余裕なんかない。
その後、110番するために事務所に戻ったんだけど、事務所に行くまでのわずかな間にも2回リバース。
今思えば、胸のポケットに携帯が入ってたんだから、そこから電話すればよかったんだろうけど、多分、一刻も早くそこから離れたかったんだろうね。
その後は警察が来て、色々調べて回収していったけど、激悪臭と地面の黒いシミと大量のウジムシは残ったまま…。
あと意外にいい加減だなと思ったのが、壁にこびりついた髪の毛とか残したまんまなんだ。
気持ち悪いから全部回収していけよ!!
結局、現場の掃除も俺の仕事だよ……
殺虫剤片手にデッキブラシでごしごしやるけどシミなんか落ちやしない。
改めて、自分がこしらえたお好み焼き(ゲロ)を掃除する羽目に…
一番ひどかったのは、やっぱりニオイ。
なんだか、服にまでこびりついたかのように、いつまでもニオイが落ちなくて…
その時着ていた服はパンツまで全部捨てた。
気持ち悪いから靴も処分した。
ちなみに腐乱死体自体は、たまたま浮浪者がそこに入り込んで死んだだけで、事件性なしってことで事無きをえたんだけど。
未だに、独居老人が部屋で腐乱死体で発見なんてニュースを見ると、あの時のニオイを思い出してトイレに駆け込んでゲロ吐いてる…
まさにトラウマ………
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話