中編6
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友達の行方

初投稿です。

これから書く内容は、友人から聞いた話で、その友人が実際に体験した話だそうです。

長くなります。

以下、話がわかりやすいように私の友人はA

Aの友達をB、C、Dとします。(全員男)

今から二年くらい前の話です。

本文

A達四人は、同じ大学に通っていました

単位も取り終わって全員就職も決まっていて、あとは大学を卒業するだけの状態でした

いつも出掛けるときは四人行動で、ホントに仲が良かったみたいです

そんな四人があるとき、心霊スポットに行こうという計画を建てました

場所は都内でも有名な場所らしく、好奇心に誘われて全会一致で行くことになりました

仲良し四人組でも、心霊スポットに行くのは初めてだったそうです

計画当日は、夕方頃から集まり、カラオケやらボーリングで遊んだあと、ファミレスで時間を潰し、深夜1時頃に地元を出ました

目的地までは車で1時間程の道のりで、全員が夜中のドライブを楽しみながら進みました

車内は音楽が爆音で、みんな意気揚々としていました

「実際出たら怖くね?」

「いやぁ〜大丈夫だろ、みんないれば怖くないっしょ」

等と軽い気持ちだったそうです

目的地が近づいてくると、民家も減り、自販機すらまったくないような、ど田舎風景になってきました

ナビを頼りに道を進むと、目的地付近にコンビニを発見しました

あらかじめ色々調べておき、目的地に車を停めることが出来ない事を知っていたため、コンビニに車を停め、そこから10分程の距離を歩いて行くことにしました

街灯がなかったのですが、月明かりが道を照らし、真夜中でもライトなしで歩きました

ずいぶんと自然に囲まれているところらしく、夏の虫の鳴き声が凄かったようです

四人はたわいない会話をしつつ、目的地に到着しました

《聞いた話なので、目的地の具体的特徴は覚えていませんが、とりあえずトンネルだった事は確かです》

トンネルは月明かりも関係なくとにかく真っ暗で、全く先が見えない闇でした

四人もここまできてやっとビビりだし、この闇をどうやって進むか話し出しました

A「D!言い出しっぺが先頭だろ」

D「いやマジ無理!つか、俺車だしてるし」

A「関係ないし」

B「俺も先頭やだ!」

C「じゃ、じゃんけんだな」

みんなCの意見をのみ、じゃんけんで負けたやつから先頭、二番目、ということにしました

じゃんけんの結果

A、D、B、Cの順に並び、それぞれの肩に手を添えて進むことにしました

全員覚悟を決め、闇の中へと出陣しました

男四人でクソビビりながら、先頭のAが手探りで少〜しずつ前に進みました

そのさなか一切会話はなく、それぞれがビビりまくってる事を、それぞれが知っていました

程なくして、だんだんと、奥の方に月明かりが照らす出口が見えてきました

良いのか悪いのか、案外あっさりと出口に到着

B「ここホントに心霊スポットなん?」

C「間違いないはず」

A「俺ら霊感とかないんじゃね」

D「中で物音すらしなかったしな。でも実際暗いし怖かったのは確かだな」

C「心霊スポット来たわいいけど、なんもないほうがいいってことよ。今何時だ?もう帰ろっか」

全員が何もなかった安堵感から、笑顔のこぼれる会話をしました

Cの帰ろう発言で、みんなトンネルへと戻りました

当たり前ですが、帰りのトンネルも真っ暗

少し歩いてAが

「いてっ!誰だよ俺の足蹴ったの」

B「わりー」

D「さすがになんも見えね。また肩に手置いて進まね?」

A、B、C「賛成」

四人は真っ暗の中、手探りでそれぞれの肩を掴み、再び一連になり歩きだしました

行きと同じく帰りもなにもなくトンネルの入り口に着くことが出来ました

A「無事心霊スポット巡り終了だな」

B「車の運転はいいけど、こっからコンビニまでがだりー」

D「いやいや、すぐ着くだろ」

C「眠み〜、早く行くべ」

四人はトンネルからコンビニへと歩きだしました

帰り道、A、B、Dの三人が横一列で歩き、後ろをCが歩いていました

最初は四人で会話をしていましたが、だんだんと、Cが会話に入らなくなってきました

Aが

「C、どしたん?元気なくね?」

C「いや〜。…帰りのトンネルの中で俺の後ろいたの誰?」

A「わからん。俺の前はDだった?」

D「多分。俺先頭だった」

B「俺Aの肩掴んでたはず。足蹴飛ばしたあとすぐに肩掴んだもんな」

C「今考えたら俺…1番後ろだったよな?でも誰かに肩掴まれてたんだけど」

A「つか、お前両肩に変な手形付いてね!?」

B「マジだ!!!」

一同「うわぁ!!!!!」

Cを除く三人が一目散にコンビニ方面へ走り出しました

C「おい!!待てよ!」

三人は耳もくれず走りました

そして三人はコンビニに到着

息を切らしながらも

B「あれマジヤバイだろ」

A「つーかCきてねーじゃん」

D「怒っちゃったんかな?」

A「さすがに一人にさすのはやばいよな。戻ろう」

三人はCを残してきた事に罪悪感を感じました

でもそれ以上にもっとヤバイ何かを感じていました

再びトンネル方面へ走って行きました

すると先程走り去った辺りに、Cが下を向きながら突っ立ていました

A「C!なにやってんだよ!ヤバイから帰ろう!」

B「シャツ捨てちまえよ!」

Cはその問いにも一切応じず、ただ下をみてブツブツと何かを喋っていました

A「どうしたんだよおい!」

C「……て。…た…て。…たすけ…て…」

D「うわぁ!!!」

Dが何かに驚き、後ろに倒れました

B「なんだよ!」

D「足……足に!」

DはCの足元を指差しました

A、BがCの足元に目を向けると

そこには、コンクリートの地面から手が二本はえていて、Cの足首をがっちりと掴んでいました

A、B、D「うわぁぁぁぁ!」

三人はまたCを残しその場から走り去りました

コンビニに到着してもなお、三人は恐怖で震えていました。

B「どうする?」

A「…」

D「俺らが走り出す前、Cがはっきりとたすけて!って行ってたの聞こえたか?」

A、B「いや…」

D「俺も恐すぎて逃げちゃったけど、今回はがちでやばいっしょ。C助けに行こう」

A、Bは首を縦に振り、また、Cのいた場所まで戻りました

しかし、Cがいたはずの場所に着いても、Cはいませんでした

三人はCの名前を叫び、辺りを探しました

でもCは見つかりませんでした

必死に探しましたが、辺りが明るくなってきてもまだ見つかりませんでした

Cの携帯に電話をしても繋がらず、結局三人は帰宅することにしました

何らかの方法で、Cが家に帰っている事を信じて…

次の日、三人はCの家を尋ねました

すると母親が出てきました

…Cはまだ帰って来てないと聞かされました

母親「どうせまたどっかで遊んでるんでしょ」

と、軽く言いました

また数日後、C宅に三人は行きました

まだ帰ってはきてませんでした

三人はCの母親にあの夜の事を全て隠さずに話しました

すると母親は表情を変えずに、三人を殴り、出ていけと告げました

数日後、警察の捜索が始まりました

それでもCは見つからず、遺体のない葬儀が行われたそうです

もちろん三人も行きましたが、門前払いで、それ以降、C家との接触が完全にたたれたそうです

もう二年以上もたちますが、今だにCは帰って来ていないと、Aが言っていました

Aがこの話を私にしたあとに

「ふざけて心霊スポットに行くもんじゃないね」

と元気なく一言言いました

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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