短編2
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怨念

幽霊なんて毎日のように見ていた。

人間か幽霊か分からない時もある。

そんな事を毎日のように言っていた私の弟の話。

朝起きると母の怒鳴り声が聞こえた。

どうやら弟が学校に行くのを嫌がっているらしい。

1つ上の私から見ても、弟は人懐っこく、イジメとかもなかった。

私が無理やり学校に連れていく事になった。

嫌嫌行く弟に何があったのか聞くと、言いたくないの一点張り。

まぁ今は言いたくないだけなのだろう、無言のまま学校へ行った。

授業が終わり学校から帰ると、すでに弟が布団に横たわっていた。

母に聞くと、早退したらしい。

なんでも気分が悪いとか。

そのまま夜になり、晩ご飯を食べている時だった。

たまたま付いていたテレビが心霊番組で、お坊さんが机に座って何やら話している。

何気なく見ていたが、途中から弟に異変が起きた。

急に泣き出し、嘔吐しだしたのだ。

びっくりした私たちは直ぐ様部屋に連れていき、安静にさせた。

部屋から出ていかないで、と普段からの弟とは思えない程の対応がきた。

びっくりした私は、弟と一緒にいてあげる事にした。

それからは無言で、弟は静かに眠りに就いた。

時折部屋の外から足音らしきものが聞こえてきたが、あまり気にしなかった。

朝起きると弟が静かに話しだした。

【ここからは弟が話していたように書く。】

1週間くらい前から誰かに見られているような気がしていた。

その距離が段々と近くなってくるような気がした。

三日後、あまりに後ろに気配が感じたので振り返ると、電信柱の陰から着物を着た女性がこっちを見ていた。

顔の色とか表情から見て、この世のものじゃないと思った。

それから何処にいても、その女性が現れる。

誰かに言うと駄目な感じがして言えなかった。

そして昨日、テレビを見ている時、テレビの中のお坊さんの横にその女性が座っていた。

口を広げて笑っていた。

その顔を見て恐怖が絶頂に達して気分が悪くなった。

昨日兄貴が部屋に居てなかったら、部屋に入ってきていたに違いない。

その時、私は鳥肌が立った。

昨日の足音はその女性だったのだ。

直ぐ様、お祓いに連れていった。

お坊さんによると何処でついてきたか、何で付いてきたか理由が全くわからないそうだ。

しかし凄い強い怨念らしく、1日では無理ということで週に一度通っていた。

徐々に怨念は消えていき、今では普通に暮らしている。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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