幽霊なんて毎日のように見ていた。
人間か幽霊か分からない時もある。
そんな事を毎日のように言っていた私の弟の話。
朝起きると母の怒鳴り声が聞こえた。
どうやら弟が学校に行くのを嫌がっているらしい。
1つ上の私から見ても、弟は人懐っこく、イジメとかもなかった。
私が無理やり学校に連れていく事になった。
嫌嫌行く弟に何があったのか聞くと、言いたくないの一点張り。
まぁ今は言いたくないだけなのだろう、無言のまま学校へ行った。
授業が終わり学校から帰ると、すでに弟が布団に横たわっていた。
母に聞くと、早退したらしい。
なんでも気分が悪いとか。
そのまま夜になり、晩ご飯を食べている時だった。
たまたま付いていたテレビが心霊番組で、お坊さんが机に座って何やら話している。
何気なく見ていたが、途中から弟に異変が起きた。
急に泣き出し、嘔吐しだしたのだ。
びっくりした私たちは直ぐ様部屋に連れていき、安静にさせた。
部屋から出ていかないで、と普段からの弟とは思えない程の対応がきた。
びっくりした私は、弟と一緒にいてあげる事にした。
それからは無言で、弟は静かに眠りに就いた。
時折部屋の外から足音らしきものが聞こえてきたが、あまり気にしなかった。
朝起きると弟が静かに話しだした。
【ここからは弟が話していたように書く。】
1週間くらい前から誰かに見られているような気がしていた。
その距離が段々と近くなってくるような気がした。
三日後、あまりに後ろに気配が感じたので振り返ると、電信柱の陰から着物を着た女性がこっちを見ていた。
顔の色とか表情から見て、この世のものじゃないと思った。
それから何処にいても、その女性が現れる。
誰かに言うと駄目な感じがして言えなかった。
そして昨日、テレビを見ている時、テレビの中のお坊さんの横にその女性が座っていた。
口を広げて笑っていた。
その顔を見て恐怖が絶頂に達して気分が悪くなった。
昨日兄貴が部屋に居てなかったら、部屋に入ってきていたに違いない。
その時、私は鳥肌が立った。
昨日の足音はその女性だったのだ。
直ぐ様、お祓いに連れていった。
お坊さんによると何処でついてきたか、何で付いてきたか理由が全くわからないそうだ。
しかし凄い強い怨念らしく、1日では無理ということで週に一度通っていた。
徐々に怨念は消えていき、今では普通に暮らしている。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話