中編5
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風船

霊や妖怪、その類は誰にでも見れるものではないと言う。

かく言う自分も幼児期以降は一度も見た事はない。

それでも幻覚や脳の錯覚などのもの以外でも見えてしまう事があったり、不可解な体験をする事もある。

自分の知り合いにミサさんという女性がいる。

彼女から聞いたお話しです。

ミサさんがまだ小学生の頃の夏休み。

友達数人と公園で遊んでいた。

その時にクラスメイトがその両親とどこかからの帰りだったみたいで自分たちに気付いた。

よっちゃん(クラスメイト)はこの近くに住んでいた。

よっちゃん「お母さん、アタシ歩いて帰るから、先帰ってて。」

遅くならないように言われ、両親は笑顔で手を振って車は公園を後にした。

よっちゃんも交えて遊ぶ事になった。

彼女はデパートの帰りで、ちょうど風船を持っていた。

遊ぶのには邪魔になるので近くのベンチに括り着けておいた。

二時間くらい遊んで解散になった。よっちゃんとミサさんは一番の仲良しだったので二人は残ってベンチで他愛のない会話をしていた。

話し始めてしばらくすると子猫の鳴き声がする。

二人はやはり女の子だけあって可愛いものには目が無い。

しかし声のすると思われる方へ行っても猫はいない。

諦めてベンチに座って話しを続けるとまた鳴き声がする。

何度か繰り返しても見つからない。二人は意地になってきたようだ。

調度公園には人はいなくて他の音はない。

雑音がないから二人して耳をすまして探すけど小さな「ミャア」としか聞こえない。

見つからないから帰ろうとしたその時、

風船が揺れている。

風はほんの少しだけあるので不思議ではない。

でも不思議。

複数ある風船のひとつだけが他の風船と逆に靡いている。

そして、そのオカシイ風船を見ると微かに振動しながら

「ニャア」

と聞こえた。

ミサさんは生まれた時からずっと霊感がある。

よっちゃんは寺の孫。

二人共に全く怖がる事なく認識していたようだ。

よっちゃん「子猫の声だけだね」

ミサさん「見えないね、声だけだね。でもいるね。」

ミサさんは思いついた。

彼女は普段親から「ちょっと変わって子供」と判断されていたようで霊感があるとは全く信じてくれなかった。

というより、こういった事言うのは恥ずかしいし、いじめられるからやめるよう常々言われていた。

よっちゃんだけは理解者だった。

この風船の声を両親に見せればきっと理解して貰えるだろうと考えて親を呼ぶ事にした。せっかくのチャンスだ。

ミサさん「よっちゃん、これお母さんに見せたいから、呼んでくる!」

ダッシュでミサさんは面倒臭そうにしている母を呼んで来た。(近所らしい)

風船が微かに振動しながら「ニャア」と鳴く。

やった!(きっとドヤ顔)ミサさん「どぉ?母さん!子猫おるでしょ?」

ミサ母「あら、猫の声するねぇ、近くにいるの?これがあんたの言ってる霊っての?」

ミサさん「うん、これで信じて貰えるでしょ?」

ミサ母「もう、下らないイタズラしないで、さっさと宿題しなさい!明日学校でしょ!さあ帰るよ。」

ミサさんはその後証明しようとしてムキになって泣きながら訴えたが信じて貰えない。

よっちゃんも同調して泣きながらミサ母に言うが無理だった。

ミサ母「よっちゃんのお爺ちゃんはお坊さんでしょ?変な事言ってたらお爺ちゃん困るでしょ!」

二人して怒られて全く話しにならなかったようだ。

結局貴重なチャンスを逃してしまい、しばらく母をちょぴり恨んだとミサさんは語った。

僕がミサ母に会う機会が最近あった。

ミサさんが学生時代から世話になっていて、さらに今現在こういう関係の仕事をしているばあちゃんの弟子になっている。

普段から世話になってるのと観光を兼ねてウチに寄った。

その時に会った。

このエピソードを聞いていた自分は当時の事を尋ねてみた。

するとミサ母が答える前にばあちゃんが言う

ばあちゃん「あんたも分かってないねぇ、このミサ母さんはね、ちゃんと見える人だよ。

ミサをこういう世界には絶対近付けたくないからそう言ったんだよ。」

ミサ母「あの時は焦ったわ。これは認めさせられるし、これ以上興味を持たれるのは嫌だったし、必死でごまかしたのよ。」

ばあちゃん「見たくてしょうがない人とかもいるのにね、実際見える事ではマイナスの方が遥かに多いからねぇ」

その後もこんな話しが続いた。

よっちゃんの寺の檀家でもあるミサ母は何度かよっちゃん寺に相談してた事、なんとか見えなくして貰おうとした事、最近になってこの話しの内幕を話した事、あとは世間話をしてた。

帰り際に

ミサ母「これからも娘の事をよろしくお願いします」と言って観光に出掛けた。

ばあちゃん「ミサはね、天才なの、こういう分野では。

だから見えなくするってのは出来なかったらしいの。

かわいそうに、これも運命だからね」

かわいそうというばあちゃんの言葉が耳に残っている。

猫はよっちゃんの爺さん住職がミサ母に言われてすぐにお経を読んで貰ってお祓いみたいな事してすぐに声はなくなったようだ。

見えないオカルト好きの自分はひとつ発見!?したかも。

心霊スポットに風船を持って行けばいいのでは。

鏡、海や川の石はああいう場所に持って行くことはばあちゃんからキツく言われているが風船ならいいかもと思ってしまった。

しかしいい年して風船何個か持って廃墟に入る姿は危ない人そのものなんだろう。

ついでに捕捉しますと、よくない場所や心霊スポットなど付き合いでどうしても行かなければならなくなった時の装備品や携帯品のオススメを以前聞いた事あるので。

ありきたりの物としては

米、酒、御守り、塩、鈴、線香などがありますが、ばあちゃんのオススメは出来れば和紙がいいがなければ白い紙で型取った人型。神社で配られた事ある人も多いはず。

それと何より刃物が強いそうです。

ただ所持している事の方がヤバイような気もする。

それから割りとお手軽なのが仏壇の花瓶に入ってる水。それをしみ込ませた布や紙なんかいいようです。

長くなりましたが読んで下さったて感謝です。

では、また。

怖い話投稿:ホラーテラー 松葉さん  

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