1週間前の話。
その日は1才の息子を連れ私の実家に遊びに行った。
夫は仕事で深夜日付が変わってからの帰宅ということで、実家でゆっくり過ごし、帰路に着いたのが20時半頃。
山道を車で1時間半程走り、漸くマンション近くの駐車場に着いた時には22時を少し回っていた。
息子をベビーカーに乗せ、人通りの無い道をマンションに向かって歩き出した。
風が強い。
ベビーカーを押しても風で押し戻される。
電線に風が絡み不気味な音が鳴っている。
電線だけじゃない。
あちこちから不気味な音が聞こえる。
風の仕業だ、と前だけをみて早歩きになる。
あまりの強風で呼吸するのも難しい。
やっとの思いでマンションに到着しエレベーターの↑を押す。
私達以外には誰もいない。
5階から降りてきた無人の箱に乗り込む。
2階を押し、閉を押す。
扉が閉まり動き出…さずに扉が開いた。
…少し揺れた…。
まるで誰か乗ってきたみたいに。
どうしよう、怖い…。
もう一度同じ動作を繰り返した。
今度はちゃんと動いた。
エレベーターを降り急いで部屋の鍵を開ける。
玄関が狭いので先に息子を部屋の中に連れていく。
玄関前に置いたままのベビーカーをしまう為、もう一度外に出なければならない。
家に着いた安心感から躊躇せずドアを開ける。
物凄い勢いでドアが全開した。
誰かが外から引っ張った?と思わせるには十分過ぎる程の勢いだ。
言い知れぬ恐怖に襲われる。
心臓が激しく脈打つのを感じる。
恐る恐る玄関から顔を出し左右を確認した。
…誰もいない。
全開になったままのドアを引っ張り急いで鍵を掛ける。
心配そうな顔をして見ていた息子に大丈夫、大丈夫と言いながら自分に言い聞かせた。
あれから1週間。肩、首、後頭部の激痛が治らない。現在病院に行こうか検討中。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話