深夜の受付は行っておりません。

中編4
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深夜の受付は行っておりません。

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あれは、3日前のことだった。

仲の良い友人3人と飲みにいった。

名前は仮に優也(ゆうや)、椿(つばき)、夏子(なつこ)としておこう。

そして俺、和斗(かずと)の4人でどこにでもあるようなチェーン店の居酒屋に行ったんだ。

まあまあ料理も美味かったし、酒も廻って昔話で盛り上がっていた。

昔話ってのは、俺ら4人は小学生から高校までずっと一緒だったんだ。

だから学校での話とかで、すごく話があった。

今何歳かって?

もう来年で三十路だ。

そんないい歳した大人だけど、たまには子供の頃に戻りたくなるみたいで、誰からともなく肝試ししようてことになったんだ。

で、近くの有名な廃病院に行くことにした。

そこは山の中にある廃れた大学病院などではなく、街中にある個人病院。

それは居酒屋から歩いて10分程度の場所にある。

こんなところで幽霊なんて出るの?

と、思うほど人通りも多く、見た目も綺麗な廃病院だ。

しかし、噂ではここの医院長が首吊り自殺をしたらしい。

理由?

そんな事までは分からない。

あくまで噂だしね。

あっという間に目的地に着いた4人。

正面玄関は人通りが多かったため、裏から回ろうという事になった。

優也の情報によると、この病院は鍵がかかってなく、防犯装置なども付いていないらしい。

優也に

『行ったのか?』と聞くと、

『噂でね』との事だった。

実際、鍵はかかっていなかった。

しかし、一歩入れば警備員が来るんじゃないかと、正直幽霊よりそっちのほうが怖かった。

だって不法侵入だから。

もう若気の至りじゃすまされない。

あっ、ちなみに犯罪だから真似しないでね。

で、恐る恐る俺ら4人は入って行った。

椿と夏子は三十路前といっても女性だ。

さすがに『怖い』『やめとこうよ』と怖がっている。

といっても男の俺と、優也も怖いわけじゃない。

超怖かった。

だけど男が女の前で怖いなんて言えないじゃ ん。

俺と優也はそーゆう性格だった。

でも個人病院だからあっという間に全部の部屋を回れた。

多分5分くらいしか滞在していない。

人が亡くなった場所で、すごく不謹慎なことなんだけど、すごくスリルがあって楽しかった。

その後は、近くのバーで飲み直した。

4人とも初めて来るバーだったが、レトロな感じで雰囲気のある良いとこだった。

最初は肝試しの話しで盛り上がった。

何も出なかって良かったとか、でもちょっとガッカリだとか。

そのうち、違う話題になっていた。

そろそろ帰ろうということになり、

俺は夏子を優也は椿を送ってからそれぞれの家に帰った。

遅くまで飲んでいたので、風呂も入らずベッドに倒れこんだ。

倒れこんだと同時くらいに意識はなくなっていった。

目が覚めた時、もの凄く身体がダルかった。

ああ、飲み過ぎたな。

そう思い、水でも飲もうと起き上がろうとした時だった。

身体が動かない。

まさかの金縛りだった。

俺は今まで金縛りなんて経験したことがなかった。もちろん霊感も全くない。

動かない身体と対称に頭の中は状況を理解しようとフル回転だった。

その時、何故か肝試しの事が脳裏によぎった。

(連れてきちゃったのか)

その内、指だけ動く事に気づいた。

よし、と思った瞬間に身体がフッと軽くなった。

金縛りは解けていた。

そのまま、寝る気にもなれずとりあえず全部の部屋の電気を点け、気を紛らわす為に録画していたドラマを見る事にした。

何も見なかったのは、幸いだった。

ドラマが終わる頃には気も紛れ、再び眠くなってきた。

寝ている部屋の電気だけ点けて、寝ることにした。

TVは消しておこうと思い、電源を切った。

違和感を覚え、もう一度TVを見た。

そこには俺と、俺のすぐ後ろに顔らしき"モノ"が映っていた。

後ろを振り向いたが、何もいない。

またTVを見たが何もいなかった。

頭まで布団をかぶり、なんとか寝ようとしたが恐怖で目が冴える。

震えて油汗が流れている。

しかし人間とは不思議なもので何時の間にか眠りについていた。

朝日で目覚め、携帯で時間を確認しようとした。

画面を見ると留守電が入っている。

非通知からだった。

『ピー、伝言を一件お預かりしております。午前四時四十四分、ツー…

抑揚のない女性の声がなんだか不気味に思えた。

『…◯◯病院の佐藤と申します。受付は午前8時からとなっております。深夜の受付は行っておりません。改めてお越し下さい。』

機械的な声とは裏腹に低い男性の声だった。

『ふふふ…』

その時、何処からともなく電話と同じ声の笑い声が聞こえてきた。

視界の端に白衣が見えた……

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