短編2
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悪夢。

バイト帰りのこと。

喉が乾いたから、道端にある自販機でお茶買ってたら後ろから声掛けられた。

「おにいさん」

振り向く。女の子が立ってた。小学3年生くらいか?可愛い顔をしてはいるが、顔は無表情だし、口調もぶっきらぼう。まっすぐ俺を見つめている。

「おにいさんは社会人ですか?」

いきなりそんなことを聞いてきた。何だこの子…。第一、こんな時間に何してんだよ。

「おにいさんは会社員ですか?」

また聞いてきた。違うよと答えると、「じゃあ学生さんなんですね」と言われる。確かに現役大学生の

身分なので頷いた。

「おにいさん。お母さんが呼んでます」

「は?お母さん?」

「はい。お母さんが誰でもいいから連れてきてって言いました」

「…お母さんって君の?」

「はい。こっちです」

女の子はスタスタと歩き出した。俺は一瞬迷ったが、女の子のあとに続いて歩き出した。もしかしたら急病とかで動けないで困ってるのかもしれないし。

女の子は公園に入っていった。そしてジャングルジムの前に立つと、俺のほうを見た。

「お母さんです」

いた…確かにいた。女の子の母親らしき女の人がいた。

彼女はジャングルジムで首を吊っていた。眼球がギョロリと飛び出し、だらしなく開いた口からはダラリと舌が垂れ下がり、涎が延びていた。

彼女は俺に気付いたのか、ロープをギチギチいわせながら、首だけをこちらに向けた。浅黒く変色した唇がゆっくりと動く。

「こ…この子……、この子が…ご…めいわ…く、く、おかけしまし……た…」

悪夢のようだった。

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