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短編2
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コケシの夜

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music:4

わたしが小学二年生の頃の話です。

母子家庭のわたしと母は、一年前から学校近くの古びたビルを生活拠点としていました。

部屋の作りは簡単で、玄関を入ったらすぐキッチン、右手にトイレと三畳の和室。

玄関からキッチンを過ぎて真っ直ぐいくと六畳の和室、さらにその右手に同じく六畳の和室がありました。

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music:4

一番奥の和室にはダブルベッドがあり、わたしはいつも、そこで母と寝ていました。

ある晩、珍しく目が覚めたわたしがベッドを見回すと、そこに母の姿はありませんでした。「トイレかな?」とも思いましたが、どこも電気はついていません。

唯一部屋を照らしているのは、ベッドから観れるように向けられたテレビの明かりだけでした。

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music:4

多少不安は感じたものの、あまり深く考えず、わたしはテレビを見始めました。

画面にはコケシが向こうを向いた状態で映っています。

sound:33

そして、ゆっくり、コケシの首がこちらを向きます。

わたしは金縛りにかかり、画面から目を背けることさえできず、ただ画面を見つめていました。

そして...

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music:3

コケシの首がぽろっと、落下、

部屋中をゴロゴロ転げ回る音だけがなぜか聞こえるのです

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わたしは怖くなって布団に潜り込み、辺りが静かになるのを待ちました。

そして、ぬいぐるみを抱きしめて、母を探してキッチンへ向かいます。

玄関に、見覚えのない黒くて大きな靴がありました。

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その靴に違和感を覚えたものの、

早く母を見つけたい一心で、

わたしは三畳の和室の引戸に手をかけました。

sound:26

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そこには、敷布団を敷いて寝ている母の姿がありました。

母はあたしに気づくと

「どうしたの?」

と言って上体を起こします。

後々その部屋を、

わたしの部屋にするつもり

だったらしく、

その晩は、トイレの匂いが漏れてないか、

確かめるためにそこに寝ていたそうです。

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話はまだ終わっていません。

あの晩、母を見つけたわたしは

部屋の前に立ちすくみました。

幼いわたしの目には

はっきり写っていたのです。

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眠る母の傍らで、

その姿を正座して覗き込む

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shake

黒い男性の影を。

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コメント怖い
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永吉さん

あたしの部屋になりましたよ

でも、これといって不思議なことは
ありませんでした。

返信

黒い男性がお母さんをのぞきこんでいた部屋は、その後月月さんの部屋になったんですか?

返信

この後何もなかったんです。

一体何だったのか
あたしも気になります

返信

その後
お母様は何事もなく?

首の落ちたこけし
黒い人

不吉ですね。

返信

こけしと男はその後どうなったのか興味あります。
続編お願いします。

返信