中編5
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夏休みの大冒険4

気がつくと佐藤は体をロープで縛られた状態で廃墟のビルに囚われていた。佐藤は頭痛を感じながら何があったのかを思いだす。そう、あれは戦死者たちの霊から上官を切り離そうとしていた最中の事だ。あのとき佐藤は背後から誰かに殴られたのだ。

「でも何で?一体誰が…。」そんな事を疑問に思っていると部屋のドアが開いて三人の男たちが入ってきた。佐藤はその内の一人に見覚えがあった。そう、昨夜理子にぶつかった銀行強盗犯の一味の男だ。「お前ら、一体これは何のつもりだ!?」佐藤が叫ぶと男達は佐藤を拐った理由を話始めた。

男「お前を誘拐して身代金を頂くのさ!」佐藤「何で俺を…」男「お前の仲間にぶつかりさえしなければ金は手に入ったんだ!その責任としてお前を拐ったんだよ。」佐藤「ふざけやがって。」(くっ、こいつらが邪魔さえしなければ上官を戦死者たちから切り離せたかもしれないのに!)

その後男たちは部屋から出て、ロンドン警視庁に身代金を要求する電話を掛けた。一方の佐藤は何か手はないか考えていた。(こいつらを何とかしないと…。でもどうすれば)

考えていると部屋のドアが開いて三人の男達が再び入って来た。男「身代金の電話を掛けた。お前には金が手に入るまでここにいてもらうぜ!」

そう言うと身代金を受取りに行くために三人ともまた部屋から出ていった。佐藤は奴等が戻ってくるまでに何とかしようと思っているとある案を思い付いた。「そうだ!ルナ!!」佐藤が叫ぶと眷属の霊であるルナが現れた。ルナ「お呼びですか、御主人様?」

佐藤「直ちに理子の元に飛んでくれ!そして二人をここへ連れてきてくれ!」ルナ「でもどうやって?あの二人に私の姿は見えないし、声も聞こえないけど。」佐藤「理子の体を借りろ!この際手段は選んでられない!」ルナ「分かった!」ルナは直ぐに理子たちの元へ向かった。

理子と勤を見つけたルナは早速理子の体に入った。理子「うっ…。」勤「理子?どうした、おい!!」理子(ルナ)「勤お兄ちゃん、急いでお兄ちゃんの所に行って!お兄ちゃんが大変なの!!」勤は突然の理子の言動に困惑しつつもルナに導かれるまま佐藤の元へ向かった。

それからしばらくして勤は理子とともに佐藤が囚われている廃墟のビルに到着した。勤「ここか?」理子「ええ、間違いないわ!」そして二人はそのまま二階の佐藤が監禁されている部屋に行った。ガチャッ。勤がドアを開けるとそこにはロープで体を縛られた佐藤がいた。佐藤「勤!」勤「佐藤!大丈夫か!?」

その後佐藤は勤に縄を解いてもらいながらこうなったいきさつを説明した。勤「そうか、そんな事が。」佐藤「ああ、そういうわけだ。悪かったな理子。勝手に体を借りて。」理子「ううん、佐藤君を助けられたんだからよかったよ!勤「とにかく早い所ここから出ようぜ!」

佐藤「ああ、そうだな。」それからすぐに佐藤たちは廃墟のビルを脱出してからロンドン警視庁に向かい、事の内容を説明した。その後警察が佐藤達に言われた廃墟のビルに向かった所、丁度犯人達は帰ってきていたので全員逮捕する事が出来たそうだ。

佐藤達は三度目の事情聴取を終えてやっと解放された。勤「まさかロンドンに来て三度も事情聴取されるハメになるなんて。」理子「ほんとね。」勤「あれ?そう言えば佐藤は?」理子「あれ?どこに行ったんだろ?」その頃佐藤はロンドン警視庁の裏に回っていた。

そして数珠を出して戦死者たちの降霊を再び始めた。佐藤「これでようやく仕事ができる。さあ、最後の警告だ。上官を解放しろ、さもなければ力ずくでお前達から切り離してやる。」戦死者「言ったはずだ。お前の言うことなど聞くものかとな!」佐藤「なら力ずくでも切り離してやる!」

そう言って佐藤は数珠を握りしめて徐霊を始めた。戦死者たちは最初の内は抵抗していたが次第に力が弱まっていく。そしてついに上官は切り離されて解放された。佐藤「上官、あなただったんですね?この戦死者たちの大元は。この戦死者たちとあなたの繋がりはあなたが大元だと言うことです。」

佐藤「まず、あなたは死後に怨みの念を持ってしまった。最初の内はあなた自身の力でその感情を抑える事が出来たけど、やがてその念は増長してしまった。さらにその念に引き寄せられて彼ら戦死者たちが集まって一体化した。よって彼らはあなたの怨みの念を元に復讐しようとしていた。」

佐藤「これが真実ですね?」上官「はい、そうです。」佐藤「辛い気持ちは分かりますが、このままではあなたも彼らの様にいつか怨霊化してしまいます。そうなる前に成仏して下さい。」

上官「わかりました。では、どうか上へ導いて下さい。」佐藤「ええ、もちろん今から道を作ります。」そこで佐藤は手を合わせた。すると上官の体は光に包まれて昇天した。上官「ありがとうございました。」

佐藤「ようやく成仏させる事が出来たか、よかった。」戦死者「おのれ、貴様…よくも我らの復讐の邪魔を…。」佐藤「さぁ、お前たちも上官の様に上がりたいか。それともここに封じられたいか決めるがいい。」戦死者「誰が聞くものか!!」そう叫ぶと佐藤に襲いかかってきた。

佐藤「ならばお望み通りに地の底へ封じ込めてやる!天界への道は閉ざされた。貴様ら怨霊共、揃って全員地獄に堕ちるがいい!!」戦死者「ギャアーッ!!」怨霊化した戦死者たちは残らず地獄に封印された。佐藤「ふぅ。」ルーシー「渉!」佐藤「!ルーシー!!」

ルーシー「貴方のお陰で上官は成仏出来たわ。戦死者たちの復讐も止められたし、本当にありがとう。感謝するわ。」佐藤「いや、上官の霊を成仏させる事が出来たのも、戦死者たちの復讐を止められたのも皆ルーシーが僕にヒントをくれたからだよ。こちらこそ礼を言うよ。

ありがとう、ルーシー!さぁ、君も行くべき所に行くといいよ。」ルーシー「ええ、そうね。あなたに会えて良かったわ。じゃあ…。」佐藤「僕もだよ、ルーシー。じゃあ…。」そしてルーシーは昇華していった。

ルーシーが上がったのを見届けた佐藤はこれで終わったと感じた。翌日から四日間、佐藤は勤達と大いに観光を楽しみ、旅行を満喫していた。そしていよいよ帰る日。佐藤たちは土産などを買うのも済ませて飛行機に乗っていた。勤達は眠っていたが、佐藤は本を読みながらまたルーシーの声が聞こえないかと思っていた。

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龍悟さん、コメントありがとうございます!佐藤渉の能力を気にいってくれて良かったです。番外編も出来上がり次第投稿しますのでお待ちください!

佐藤さんの力の強さは想像を超えておりました!
番外編を楽しみに待ってます!