中編3
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猫パンチ

ねぇ、鬱陶しいのよ、アンタ。

何なの?そのよれよれのスダレ頭!

何なの?その迷惑そうな目!

嫌なら嫌って言いなさいよ!言えないなら引っ込みなさいよ!!

 

鬱陶しいのよ!廊下の隅とは言え、上半分の親父頭なんていらないのよ!!

全力疾走したいのに邪魔なのよ!!

どこに行くにも目に入って鬱陶しいのよ!!

 

あーむかつく!!

大きい兄ちゃん、私のおやつ買ってくるの忘れて、これでいいだろー?なんて食べかけのカロリーメイトなんかよこして!

いいわけないでしょ!焼きカツオ買って来なさいよ!オカカ出しなさいよ!!

むかつくから親父頭に猫パンチかますわよ!!

パンチ!パンチ!パンチ!パンチ!!

アタシ、ぜーったい爪切らせないから切れ味最高よ!!

3本線つけまく・・・!!

 

「小雪、もうやめとけ。な?」

 

いやぁぁん!小さい兄ちゃん何するのぉ?!スダレ親父に猫パンチかましてるのにぃぃぃ〜〜!!

 

「もう泣きそうだからやめてやれ?」

 

だって大きい兄ちゃん、おやつ買ってくるの忘れたのよぉ?!

アタシのおやつは?!

おやつナシのこのむかつきをそのスダレ親父で晴らしたっていいじゃないぃぃぃ〜〜〜!!

 

小さい兄ちゃんはアタシを抱きかかえてキッチンへ。

あ、オカカ!さすが小さい兄ちゃんわかってるぅ!!

山盛りねっ!!この前テレビでやってた冷酒みたいに溢れるほど入れるのが通よ!!

えー?!それだけー?!またスダレ親父の頭に猫パンチするよ?アタシ。

 

その日の夕ご飯の後、大きい兄ちゃんが小さい兄ちゃんに言った。

 

「なぁなぁ、時々小雪、何もないとこですげぇ猫パンチしてんじゃん?」

「・・・おっさんが生えてた」

「は?」

「廊下におっさんの頭が生えてた。小雪、それに猫パンチしてた」

「えぇぇぇぇ?!」

「最初迷惑そうな顔してたけど、だんだん泣きそうな顔になってきてちょっと可哀想だったから小雪をキッチンに連れてった」

「マジ?!おっさん!?おっさんに小雪が猫パンチ?!」

「おっさんのスダレ頭が小雪の猫パンチでもっさもさになってた。鳥の巣みたい」

 

鳥の巣のくだりで大きい兄ちゃんは爆笑した。

鳥の巣ってより、あれは雛よね。ぼふぼふの雛。

食べられないからより腹立たしいけど。

小さい兄ちゃんは毛繕いしてるアタシを困ったように見やる。

いいじゃない。機嫌の悪い時しかアタシやんないでしょ?

 

スダレ親父はまだ廊下にいる。

アタシと目が合うと泣きそうな顔をする。

鬱陶しいのよ、アンタ。

 

「俺にはおっさんなんか見えないんだけどなぁ・・・」

 

大きい兄ちゃん、わかんないの?

アタシの華麗な猫パンチが連続20コンボで決まってるってのに!!

 

「小雪、もうやめてやんな?血ぃ滲んでるし・・・。おやつやるから、な?」

 

おやつ!!焼きカツオにしてね!!小さい兄ちゃん!!

焼きカツオじゃなかったらスダレ親父にUターンするからね!!

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>ちゃあちゃん様
見えるからこそ怖くない。確かに!
蒸したササミ・・・小雪、好きそうですね。
おやつ食べたいがために猫パンチしそう(w

ちなみに、これは見える方がかえって怖くないパターンですね(^^)小さい兄ちゃんのキャラ良いですね〜(^∇^)

猫がいれば、怖いものナシ!かもよ〜(^∇^)蒸したササミも追加して下さい(^^)
ちゃんと冷ましてほぐすの忘れないでね(≧∇≦)