15年01月怖話アワード受賞作品
長編15
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ライン

今から数年前の話である。

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~ライン~

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僕は某SNSにハマり、空いた時間はいつも携帯でみていた。

共通の趣味や好きな物を通じて仲良くなった友達が沢山いた。お互い実際に会った事はないがそこで会話する事で友達になっていた。

自分の写真をSNSに出している人もいれば、アニメや動物、芸能人の画像を出している人等様々だ。

あるときSNSにメッセージが届いた。内容はLINEのグループに入らないか?という誘いだった。

そのLINEは"共通の趣味の人"と限定されたグループだった。

新しい友達ができると思いその誘いに乗った。LINEのIDを送ってもらいすぐに自分の携帯で検索した。

"仲良しグループ"こんな感じの名前のグループ名だった。

早速グループのチャットに参加し自己紹介をした。ここで自分の名前をレンと名乗った。

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「レンと申します。OOさんから紹介されてきました!よろしくお願いします。」

あまり硬い話し方にならないようにした。 すると、色んな人が自己紹介をし僕の呼びかけに答えてくれた。思ったより他の人達が優しかったので嬉しくなった。

グループ内で会話していると何人かから友達追加がきた。全て友達に追加しグループで会話しつつ個人の会話もやった。それから空いた時間にLINEを頻繁に見るようになった。

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友達追加をしてきた者の中でリエという女性がいた。リエは僕より年上の女性で会社に勤めていて一人暮らしをしていた。LINEグループの話や日頃の話をしたりしてすぐに打ち解けた。

初めの印象は落ち着いていて優しそうな女性・・・だった。

リエは自分がどこに住んでいて彼氏とは何年続いていて等深い話もしてくれた。色んな話を聞かせてくれるので楽しかったのを覚えている。

リエは僕の事をレン君と呼んだ。LINEで会話するときの始めは決まって レン君ー! だった。

二人で会話するようになって一か月位経った頃、リエからある相談を受けた。

内容は彼氏の話だった。

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「レン君ー!彼氏浮気してるかもしれない・・・どうしよう。」

「浮気?!大丈夫かリエ。浮気の証拠を見つけたの?」

「ううん・・・なんだかそんな気がするだけ。最近ちょっとそっけないんだもん。私の事嫌いになったのかな・・・・」

「そんな事ないよ!彼氏さんは仕事が忙しいだけだよ、嫌いになんてなってないよ!」

「うぅ・・・ありがとうレン君。嬉しいよ。レン君優しいね、レン君みたいな人が彼氏だったら良かったのにー」

「あはは笑 ありがとう。気になるなら彼氏さんと話してみたらどう?」

「うん!話してみる。ありがとうレン君。また何かあったらLINEしていい?」

「いいよ!いつでもして!」

これを機に今まで以上にリエからLINEがくるようになった。

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朝の挨拶から昼の挨拶、夜の挨拶に今日一日何があったかの報告。返事を返さないでいると

"今忙しい?" "お返事待ってるね。。。" "私待ってるから。。" という言葉が送られてくる。

仕事が遅くまでかかり、返事が遅れた事を詫びると沢山のハートマークの絵文字とともに"気にしないで"の言葉が返ってきた。

それから数日経ち、LINEのグループ皆でオフ会をしようという話があがり、僕はそれに参加することになった。

リエからLINEで「レンが参加するなら私も参加する!私達やっと会えるね♡」ときた。

リエの顔を見た事がなかったので、どんな人なのか想像した。

オフ会当日、都内某所のレストランで集まることになった。僕が店に入った頃殆ど集合していた。自分の名前を名乗ると方々から声をかけられた。想像と違うだとか声低いんだねー若いー等。僕自身も皆それぞれの名前を聞いて想像と違い驚いた。男だと思っていたのに実際は女の人だったりその逆だったりだ。

リエはどこに居るのか探していると後ろから誰かに腕を掴まれた。

「レンー!初めまして」

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掴まれた腕を見ると、そこに居たのはリエではなく黒いスーツを着たダンディーな男性だった。

パリコレモデルのような雰囲気に高そうなスーツと黒縁眼鏡が印象的だった。

「え?誰ですか?」

「ごめん名前言わないと分らないよね、LINEでヒロミって名前なんだけど思い出した?」

すぐに思い出した。ヒロミという名前にてっきり女の子だと勘違いしていた人である。

「わー!思い出したよはじめまして笑 ヒロミ男だったんだな笑」

「ヒロミって名前は本名なんだ。よく女性と間違われるよ笑 会えてよかった。」

そういうとヒロミは固い握手をした。

その時ふと視線を感じ、視線の先を探る。奥の席に居る女性がじーっと此方を見ていた。

僕が首をかしげるとその女性は視線を外してしまった。その女性の名前をまだ知らなかったので後で名前を聞こうと思った。

僕はヒロミの隣に座りLINEグループの皆と会話や食事を楽しんだ。

数十分経つと、それぞれ仲の良い者同士で話すようになった。

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僕は隣のヒロミとも仲が良かったのでかなり話し込んだ。ヒロミと僕の仕事が似ていたのもあって気が合った。仕事での話で盛り上がりオフ会終わりまで話し続けていた。

「そろそろオフ会終了しまーす!二次会行く人は会計後に店の前で待っててください。」

幹事の十兵衛が言った。

「レン二次会行く?明日の仕事朝早くからだから迷ってるんだよね。」

「二次会行かない、僕も仕事早いし。」

「そうか、俺も二次会行くのやめよう。 レン今度飲みに行こう!」

「飲みに行こう!休みの日分ったら連絡する。またね!」

ヒロミに別れを告げ一人駅を目指した。ヒロミは車で来たらしく、その車も高そうな車で真っ黒でかっこいい車だった。

リエを探すのを忘れていた事に気づき携帯のLINEをみた。

「レン君ーリエ一番奥の席に居るよ?分る?」

「さっき握手してた人誰?すごく仲良さそうだね。。。私よりも仲良さそう。」

「私よりもその人の方が好き?」

「私よりその人の方が好きなんだね・・・・なんか寂しいな。」

「レン君私の事好き?」

何件もリエからLINEがきていた。リエからの返事をしようと文字を打っていると、真後ろから声をかけられた。

「すみません。レンさんですか?」

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茶色いロングヘアーに赤いマフラーを巻きダッフルコートを着た赤い口紅の女性が立っていた。

30代半ば位に見えた。身長は僕より20㎝位低いと思う。

緊張しているような声でまた僕の名前を呼んだ。

「はい、レンですがどちら様で?」

「あのう!これ・・・」

返答に答えずいきなり白い紙袋を渡された。これは何か聞いたが受け取ってくださいの一言のみ。不審に思いつつもう一度名前を聞いたが何も言わず走って逃げて行ってしまった。

「なんだれ・・・怖。」

携帯をみるとLINEがきていた。

「レン君ー!恥ずかしくて名前言えなかった。。ごめん。白い紙袋渡したの私なの~」

リエだった。

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「袋の中身見てみてね~私の手作りなの~♡」

家に帰ってから見ようと思い袋を手に歩き出すと、また携帯から通知が。

「も~家に帰ってからじゃなくてその場で開けて!開けて♡」

リエからのタイミングが良すぎるLINEに少し驚いた。どこかで見張っているような、そんな気がした。

その場で開けて中身を見ると赤いマフラーが入っていた。さっき紙袋を渡してきた女性も赤いマフラーをしていた。

「やっと開けたね!どうかな~?私とお揃いだよ♡」

またもタイミングが良いLINEがきたので周りを見渡した。数メートル先の電柱の横から赤い何かが見えた。

目を凝らすと、電柱に隠れている赤いマフラーの女が見えた。なにか厭なものを見たような感覚があった。

隠れている女を確認する勇気がなかったので別の道に行きタクシーをつかまえて家路についた。

その間通知が何件もきていたが見るのが嫌だった。

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早朝、身支度を整えたあと携帯のLINEの通知を確認すると10何件もリエからきていた。

昨晩の事を思い出すとLINEを開きたくなかったが、後から確認するより今開いたほうがいいと思いみてみた。

お揃いのマフラー使ってね♡ 私地方に住んでるから頻繁には都内に来られないけど、また今度レン君に会いに来るね♡ 愛してる♡・・・・etc

リエには彼氏が居るのに他の男とこんなメールをして良いのか? 友達なのに"愛してる"?

お揃いのマフラーを渡すのは彼氏相手じゃないのか?

リエの言動や行動が理解できなかった。

仕事を終え、リエからのLINE通知を確認せずグループチャットに入ると。

リエ「もー!私のLINEみてよ>< 寂しい。」リエが会話に入ってきた。

ごめん今確認すると言いつつ他の子たちと会話をしていると、リエ個人のLINEがきた。

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「レン君。。。人気者だね。。。皆にちょー好かれてる。私なんてどうでもいいよね。」

「わたしと話すよりも他の子の方がいいんだね。。。私の事なんてどうだっていいよね。」

「死にたい。。。」

"死にたい"の言葉に胃が痛くなるような不快な感覚がした。

「そんな事ないよ!人気者じゃないし皆と話してるだけだよ。死にたいとかやめろよ。」

「だって。。レン君他の人と話してるときの方が楽しそうだもん。。。私なんか消えたほうがいいよね。。。」

「そんな事ないよ。リエと話すのは楽しいよ。」

「うれしい。。。。ありがとう♡レン君大好き愛してる♡」

「ありがとうね。」

この時自分は大変な事をしたような気がした。

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どうにかリエを落ち着かせ、携帯をテーブルに置き明日の仕事の支度をした。

携帯をテーブルに置いたのを忘れたまま次の日になった。

スーツに着替えた後携帯がない事に気が付いた。

5分程部屋の中を探し回りテーブルに置いてあるのを見つけ手に取った。

LINEの着信が5件あった。リエからだ。着信の後、午前4:13に

「レン君。。。夢にレン君が出てきて・・・怖い夢見たの。。何度も電話してごめんね。」

「レン君とLINEしてるととても安心するの。。。レン君愛してる♡」

メールの内容の重さに嫌気がさした。

リエに対してどう対処していけばいいのか分らなかったので、仕事の休憩時に同僚に話しアドバイスしてもらうことにした。すると。

「お前すごい女に見初められたな笑 早いとこ切らないと後々面倒なことになるぞ。」

「そうだよな。もっと早くに切っておけばよかった。」

「ストーカーと化する前に切るべし。こんなになる前にこいつ変だなって思ったら切ることだ。メンヘラ・ヤンデレ怖いぞ・・・」

いきなり連絡を切るのではなく徐々にフェードアウトすることを勧められその通りやることにした。

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LINEグループに招待してくれた子にリエの事を話し、自分がグループを抜ける事を伝えた。

それから仲の良かった数人にも話した。一番ヒロミがリエの事を怖がっていたのを覚えている。

グループを抜けた後に直ぐにリエからLINEがきたが適当に嘘を言った。着信が何件か来たが全て無視し、数日後リエのLINEをブロックした。

これでやっと普通の日常に戻れると思っていた。が、

SNSのメッセージ欄にリエの名前があった。

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「LINEみてる?返事ちょうだい~寂しいよ~><」

「私の事嫌いになった?私なにかしたかな?レン君愛してるよ。。。。」

「愛してる。。。。♡」

「私の事嫌いなのねレン君。。。私の事愛してるって言ったのに酷いよ。。。」

虫唾が走った。僕はリエに一度も"愛してる"と言った事はない。何を勘違いしてるんだこの人は。不快感と苛立ちで気持ちがいっぱいになった。

リエのSNSをブロックせず自分のアカウントを作り直すことにした。全くの別人として。

これでやっと解放されると思っていた。が、

それは叶わなかった。

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友達になりませんか?というメッセージに答えた。名前と画像をみて相手を男だと判断した。

何通か会話をすると、画像付きのメッセージがきた。

「ねぇ、私の事覚えてる?レン君~」

カメラに向かってポーズをきめる赤いマフラーをしたリエの顔があった。

思わず声を出してしまう程不気味だった。

「レン君の友達をつたってここまできたの。私すごいでしょ?それだけレン君への愛が大きいってことだよ♡レン君愛してる♡」

「ストーカーみたいな事やめろよ。」

「レン君の事離さないもんね♡愛してる♡」

直ぐにSNSを退会し、二度とSNS関連はやらないと誓った。

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約2か月後の夜

その日の僕はいつも以上に疲れ切っていて、自宅に着いたらすぐに寝ようと考えていた。

駅から自宅までの距離が普段の倍に感じられた。だんだん頭が痛くなり目の奥が熱くなった。

やっと自宅に到着し正面玄関入り口に入り、銀色のポストに手を入れ郵便物がないか探った。ダイヤルに番号を入れれば空くのだがそれをしないで手を突っ込むという横着をした。手に数枚手紙らしき物が触れ人差し指と中指で挟み引っ張った。その拍子に手紙が地面に散らばってしまった。

ノロノロとした動きで手紙を掻き集める。一枚だけ妙な手紙が入って居た。手書きのような仕様で封を開けるところに♡マークのシールが付いていた。なんだか厭な予感がした。

恐る恐る封を開けると・・・・

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shake

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リエ♡

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紫色のペンでびっしり書かれていた。急に怖くなり周りにリエが居ないか探した。

誰も居ないことを確認し鍵を開け、エントランスに入った。ガラスのドアが完全に閉まるまで見ていたが、誰も後から来る者は居なかった。

リエの件はまだ終わっていなかったのだと痛感した。

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自室のドアの鍵を開け中に入るとすぐに友人と、犬猿の仲の同僚黒崎に連絡した。このとき何故黒崎に連絡したのか今でも謎である。

黒崎は真面目に話を聞いてくれず、どうせ自分を驚かす為の怖い話だとか言って茶化されて電話を切られた。友人は早く引っ越す事を勧めた。他にも何か言っていたが具合が悪くてあまり聞いていなかった。

次の日朝から高熱を出し仕事を休んだ。

だるい体をひきずりながら病院へ行き、帰りにスーパーでお粥を数個とウィダーインゼリーとガリガリくんを買った。

自宅に着くとポストの中を確認した。一枚だけ手紙が入っていた。昨日とまったく同じ手紙・・・リエからのものだった。

自室に入ると今日入っていた手紙と昨日はいっていた手紙の外見と中身を写真で撮り、昨晩茶化してきた黒崎に送った。

一時間程経った頃本人から電話がきた。驚いた様子であったがどこかまだ信じていないような声色だった。

今日あった仕事の話と明日の予定を聞き電話を切った。

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薬とお粥のお陰か次の日、熱は下がり起き上がると多少目眩がする程度に回復した。

いつもより早めに出勤し休んだ日にやるはずだった仕事をした。

午後になり夕方になり残ったのは僕と黒崎とその他4人。早く終わらせたかったが体がだるく先程飲んだ薬が眠気を誘った。左右のこめかみを人差し指で何度も押したり眉間を抓ったりして眠気を覚まそうと試みた。

なんとか仕事を終わらせ、いざ帰ろうと鞄を掴んだところで黒崎に肩を叩かれた。

「お前かなり具合悪そうだけど、大丈夫か?」

「大丈夫なわけないだろ病み上がりだし家に帰ればポストに気持ち悪い手紙入ってるし最悪だよ。」

捲し立てるように言ってしまったが、黒崎は珍しく真剣な顔つきで此方をみていた。

「本当具合悪いんだな。送ってくよ、家まで。」

「親切なお前って気持ち悪いな。でも今回はその厚意に甘えるよ。」

「もしかしたらお前のストーカー女を拝めるかもしれないだろ?」

先程の真剣な顔から一変、厭な笑みを浮かべながら黒崎は言った。やっぱりこいつは嫌な奴だと思った。

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黒崎の車に乗り、家の場所を伝えると眠気が襲ってきたのでそのまま目を閉じた。

もうすぐ家の近くだと言う声に起き窓をみると、だんだん自宅に近づいてきていた。

家の真ん前に止まると黒崎は入り口付近を凝視していた。

「降りろ、着いた。」

「ありがとう助かったよ。」

寝ぼけ眼の状態で黒崎に礼を言い、車から降りた。

入口まであと数メートルの所で後ろから黒崎が大声で叫んだ。

「おい!忘れ物してる!!車戻れ!!」

忘れ物など無い筈だ、所持品全て鞄の中にあるはずである。振り返ると黒崎が必死の形相でこちらをみていた。

「いいからこっち来い!お前忘れてるんだって!」

「忘れ物なんてしてないお前の勘違い!」

「っ!!いいから言うこと聞け馬鹿!!こっち来いよ!」

馬鹿という言葉が癇に障り且つ黒崎の大声が近所迷惑なので車の方へ行った。

「お前の声は近所迷惑なんだよ、静かにっ・・わあっ!!」

助手席のドアを開けると黒崎に思いっきり腕を引っ張られ運転席に乗り上げる形で入れられた。

黒崎は直ぐに助手席側のドアを閉めると車を急発進させた。

何が起きたのか分らなかった。

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僕はちゃくちゃな体制を立て直し 今何が起こったのか黒崎に聞こうとした時、黒崎が先に口を開いた。

「お前の話本当だったんだな・・・・」

「だから本当だって、何度も言っただろうが。それよりなんでいきなり車に乗せたんだよ嘘までついて。」

「お前もうあの家に行くな!!すぐに引っ越せ。引っ越し先が決まるまで両親のとこかお前の兄弟の家に泊まれ、行くと来なかったら俺の家でもいいよとにかくあの家には絶対戻るな。」

いつもと調子がおかしい黒崎の方をみると、ハンドルを握る手は震え真っ青な顔をしていた。

「どうしたんだよ?・・・どうしてそんなに怖がってるんだ?

「お前のマンションのでかい入り口のずーっと右横の壁、お前見えてなかったのかもしれないけど髪の長い女が赤いマフラーして包丁持って体育座りしてたんだ・・・・あんな不気味なもの初めて見た・・・・めちゃくちゃ怖ぇ。」

耳を疑った。その女の特徴を聞き、"リエ"の顔がフラッシュバックした。

「・・・・・・・」

「お前が入り口に近づいていくとその女がだんだん身をのりだしていってるような気がして・・・あいつ本気だぞ・・・警察行ったほうがいい。」

黒崎が携帯を取り出し警察に通報した。見た場所・女の特徴どんな格好をしていたのか持ち物等の説明をしていた。電車で帰宅していたら今頃どうなっていただろう・・・考えると怖くなった。

この日は家に帰らず黒崎の家に泊めてもらた。

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警察に事の経緯を説明し送られてきた手紙を見せたが、早く引っ越す事 見回りを強化する事を言われた。事件にならないと本格的に動いてもらえないのだろう。

「SNSをやっていたって言いましたよね?そこに身元の分るような写真を載せた記憶はありませんか?」

「そういえば・・・」

「自宅周辺の写真など調べれば特定できるような写真は危険なんです。個人情報は無暗に公開しない事です、気を付けてください。」

「はい、気を付けます。」

「それから、できるだけ早く引っ越してください。この女性はあなたへの執着心がとても強い・・・あなたは今とても危険な状態です。」

数日後・・・・

友人に手伝ってもらい引っ越しをした。

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セキュリティ万全のマンションに引っ越したが人影をみると怖い。

今もまだどこかで見ているような気がしてならない。

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チェリールゥさん ありがとうございます!!そうおっしゃって頂けてとても嬉しいです!
より怖い話を書けるようこれからも頑張ります。

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チェリールゥさんこんにちは。コメント&怖いをありがとうございます!
怖い・・・と思って頂けてとても嬉しいです!

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ラストの辺りで鼓動が早くなっちゃいました
怖かった…

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さらださんコメントと怖いをありがとうございます!怖いと思って頂けて嬉しいです。

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日頃から自分もよく使用する連絡ツールLINEでの怖い話だったので、現実味があってとても怖かった

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