中編4
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姥捨て山。Aの事。

Aと私の出会いを書こうと思う。

中学から高校へ進学するとき

Aは偏差値およそ38。

私、36。

恥ずかしながら、二人ともそう賢くはなかった。

しかし、自動車整備の仕事につきたいと考えており親に懇願して

二人とも同じ塾へ通わさせてもらった甲斐あってか

偏差値40ほどの工業高校へ進学することができた。

高校生になり、誕生日が来てすぐに中型の免許を取った。

高校一年の夏、Aを巻き込んだ肝試しがある。

他校の女の子二人と私たち二人で、夜中にバイクで出かけた。

よくドリフトをしている峠がありギャラリー感覚で山へ入ったのだが

山の雰囲気がなかなか怖くてAを含め女の子たちも、肝試しをしたいと言い出した。

この時まだAには変な力もなくただの好奇心の塊でしかなかったため

制止しても聞かずにその峠の中腹にある駐車場に単車を止めた。

この山、昔は姥捨て山として使われていた歴史がある。

そんなことをAが女の子たちに話して雰囲気を作って

駐車場の先にある滝で水を汲んでくるという肝試しをするらしく

ペアを組まされた。

正直、道中で変な影やミラーに映る人間だったものを見てきたため

私はその肝試しに魅力を感じなかったのだが、女の子が手をつないで欲しいというではないか。

やるしかない、大根芝居で怖がりつつも女の子を守り、いいとこ見せようと。

そして、ジャンケンの結果私たちが先に行くことになり

仲良く手を繋ぎ滝まで行った。

滝につき、水汲むベとしゃがんだとき水面に崖上が映った。

ん?人? そう呟きながら見上げると、ソレは飛び降りてきた。

うそっっ!と、目を閉じたが音がせず目を開けると

滝壺に落ちる寸前でそれは消え、轟々と水が降り注いでいるだけだった。

女の子が怖いから早く行こうと言ったので、早々に切り上げAのいる駐車場へ戻った。

Aは、ペアの子の肩に手を回しながら怖い話をしていた。

はよ行ってこい!と急かし、さっきの話を女の子に話すか迷っていたら向こうから

「ここ、姥捨てちゃうよね?」と話しかけてきた。

「え?」と聞き返すと、見えてたんやろ?と、詰められ「はい。」と答える。

彼女はどうも私と同じく、ナニカを見る変な力があるようで来る途中に見えていたものを全て当ててきた。

そして、Aは持って帰りやすいとも言う。

なんで分かんの?と聞くと、それは秘密。と焦らされる。

なんやこの子はと思っていると、滝の方から女の子の叫び声が聞こえてきた。

と同時にダッシュで戻ってくるAと女の子。

それと、ん?もひとつ物体。

となりの子の顔を見ると、怒っているのか眉間にシワがよっている。

Aが、木の枝が上から落ちてきてびっくりして女の子と一緒に走ってきてもうたと騒いでいるが、そんなこと今はどうでもいい。

其の後ろのモノはなんだ。

口から出そうになっていると、隣の女の子がため息をつき、そして

今日はみんなウチ泊まってきー。と

Aも横のコ子もノリノリで、私も便乗することになり

着いた先はなんと、寺じゃないですか。

Aとペアを組んでいた子は何度か来たことがあるらしく、驚いていない。

なるほど、だから見えるのね。なんて納得しているとAが行きたくなさそうなので

どないしたの?と聞くと敷居を跨ぎたくないと言い出した。

ピンと来るものがあったが無理矢理押し込んで敷居をまたがせ、おうちにお邪魔しようとしたとき

住職…女のコのパパが出てきた。パパは一言いらっしゃい。とだけいい

部屋を用意してくれたのだが、明らかに仏間のよつなところへ通された。

Aは先程から冷や汗をかいており終始無言だった。

しばらく、談笑しているとパパがやってきてどこへ行ったか聞かれたので素直に峠の名前を伝えた。

すると、「この男の子、なんかあんまり良くないの連れてきているが?」といい

肩を二回叩いた。

Aが、おっ!と声を出し気分が良くなったと。

パパは「君はどうも憑かれやすい体質やね。肝試しとか行ったあと体、重たくないか?」とAに質問。

Aは素直に、はい。と答える。

パパ「見えんから回避でけんこともある。見えればよけれることも、見えないからぶつかってまう。このままだといずれ大変な事になるよ。」と説教してくれた。

Aが「わかりましっ」とふざけたので小突こうとしたら震えている。

ど、どないした?と聞くと

「あれなに?」と聞かれる。

指の先をみると、ヘンなものがいるではないか。

え?見えんの?と聞くと、見える。と

パパなにしたの。女の子が食ってかかる。

障害物はよけれた方がええと思ったからな!

と自慢げに言うパパ。

こうしてAは変なものが見れる体質へと変わりました

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霊を祓う能力系はよく読みますが、むしろこっちかぁ…と思いました。
良いか悪いか、人生変わっちゃいますね(;^_^A

コメントありがとうございます。
寺の名前等は友達のプライバシー云々があるので
お答えしかねます。
場所は大阪~和歌山の山中での出来事ですよ。

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