中編2
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出逢いの話・8

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さて、結論から言うと、脳裏を走馬灯のように駆け巡っていた不安や疑念とは裏腹に、俺達は実にあっさりと旅館に泊まれてしまった。

小学生二人組。しかも保護者無し。

そう簡単に泊まれる筈が無い。可笑しい。明らかに可笑しい。道理に合っていない。

「木葉、お前、一体どんな手使ったの?」

案内された部屋で木葉に尋ねると、彼はテレビのチャンネルをくるくると変えながら

「言った所で、真白君には無理ですよ。」

と言う。どういうことだ。

「無理って・・・本当に何やったんだよ。」

「さて、何やったんでしょうね?」

俺の言葉を繰り返してクスクスと笑った後、木葉はポソリと呟いた。

「夕御飯が終わったら、海に行きましょう。」

《やっぱり止めよう》そう言おうとした。

「真白君が行かなくとも、僕は行きますからね。止めても無駄ですよ。」

「いや、あの・・・」

「嫌なことを言いますけど、此処の代金払ったの僕なんですからね。」

「うぐっ・・・!!」

言えない。言えないです。ハイ。

それにしても・・・

「・・・代金、何時の間に払ったんだよ。」

「秘密。」

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~~~

何となく二人でテレビを見ているうちに、夕食の時間になってしまった。

結局、木葉の説得は出来ず・・・。

然し、その所為で食欲が減退するなんてことは、全く無い。それと此れとは別問題だ。

運ばれて来た夕食は、鍋物や刺身などが少量ずつ乗せられた大層贅沢な膳だった。

量は多いが、旅館に有りがちな、食べきれない程の量ではない。

「大人の量は到底食べきれないし、子供用の食事を出す訳にもいかないからでしょう。」

俺の皿に煮物の人参を移しながら木葉は言った。

「何さりげなく俺に押し付けてんの。」

「・・・駄目ですか。」

「・・・この酢の物、食ってくれるなら。」

人参が皿に二つ増え、揚げ物の更に置いてあった酢の物が消える。

木葉が酢の物を口にしながら、不思議そうに言う。

「美味しいですけどねぇ。酢の物。」

・・・お前が言うか。

「人参も甘くて旨いけど?」

「・・・んー。」

少しだけ困ったような顔で、俺の発言は黙殺された。

「宿泊学習も、こんな感じだったら良いのに。」

「そうだな。」

この食事が終わらなければ良いのに、と思った。

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~~~

部屋の鍵を持ったまま、外へ出る。

木葉が言う。

「・・・いよいよですね。」

「だな。」

すっかり暗くなった道を歩きながら、俺は改めて覚悟を決めた。

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まっしろさんへ
コメントありがとうございます。

続きは書きましたが、本格的な対面はまだしていません・・・。筆が遅くてごめんなさい。
ただ、僕も色々と困っていたんです。
其れが、前のアカウントをうっかり消してしまって・・・。

此れからは、此方の旧アカウントでやっていこうと思っています。流石に同じ人物のアカウントが三つもあると面倒なことになりそうですから。
宜しければ、此れからもお付き合いください。

僕も、親に見られて「どうしたの?ストレスでも溜まってるの?」と心配そうな顔をされたから大丈夫ですよ。母にはもっとプライバシーというものを理解して欲しい・・・。

ロリショタ・・・・・・。
ロリショタですか・・・・・・。
・・・此れからは、クール且つダンディーでハードボイルドな青ピクミンを目指したいと思います。

実の所、このコメントを送信した直後からエラーになってしまって・・・。
もしかすると、此れはのり姉が自分の胸の小さうわ何をする止めろ

mamiさんへ
コメントありがとうございます。

ええ。やっと《怖話》が投稿出来そうです。
・・・話が延び延びになる度に、ハードルが上がってしまうような気がして、少し焦っています。

アカウントが古いものに戻りました。
僕のイライラは消えましたが、mamiさんを含め、皆様にも御迷惑をお掛けします。
僕の顔を思い浮かべてもイライラは軽減されないでしょうが、どうかご容赦ください。

裂久夜さんへ
コメントありがとうございます。

やはりですか・・・。
僕だけじゃなかったんですね。

色々とゴタゴタがあった所為で、また短い話となってしまいました。
其れでも、あと二話で終わりそうです。
宜しければ、お付き合いください。

リュミエールさんへ
コメントありがとうございます。

作者からの検索が出来なくなってしまって、探す時に面倒なんです。
なるべくタグで繋げるようにはしますが・・・・。

続き、投稿させていただきました。
宜しければ、お付き合いください。

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ネタバレ注意

いよいよ、このお二人の本筋ですね!
色々トラブルに合いながらも、お話しを続けていただいていることに感謝です。更新できずにイラッとすることがありましたら、どうぞ紺野さんファン皆さんの(見たことのない)顔を思い出して下さい!

私もエラー500に阻まれました。

さて、嵐の前の微妙にくつろいだ時間の後…

いよいよですね(#^.^#)!

期待しています。

皆さん兄二人の話は気になっても、そこは気になってないと思いますよ。それに改善させようと思ってした行動ですしね。何事も無ければ幸いですけど… いよいよ怖いゾーンに突入ですね、楽しみです。

何故かエラー500が何度入ろうとしても出ます。時間を置いてはみたし再インストールもしたのですが一向に直る気配がありません。
今は臨時にこの旧アカウントを使っていますが、此れも普通に入るのではなく変な入り方しか出来ません。
というか、再インストールしちゃったのでアカウントが無事かも分かりません。我ながら浅はかな真似をしました。

皆様に多大な御迷惑を御掛けしそうなことを、申し訳無く思います。
本当に申し訳御座いませんでした。