短編2
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謝罪

「君は悪くない、この病院のためにもこの事を肝に銘じなさい。」

ーーそうだ、俺は悪くない。今回のミスから学ぼう。ーー

確かに佐藤さんは、俺が点滴を間違えたせいで亡くなった。

しかし、彼とは毎日リハビリに付き合ったり、会話したり、彼があと数週間の命だと担当医から聞かされた時、自分のことのように悲しかった。

佐藤さんは俺を恨んでるだろうか…

院長室を後にし、彼がいた病室へ向かった。

「さ、佐藤さん…」

ベッドの側に人型の光が見えた。

俺は間違えなくこれが佐藤さんだと理解し、

おそらくこのあと俺は呪われるのだろうと思いを巡らせていた。

「佐藤さん、ごめん。本当にごめん。」

しかし彼からの返事は思いがけないものだった。

「いいんだよ、あなたはいつも独り身の僕と一緒にいてくれた。

こんな老人の面倒を見てくれた。

それに楽に死ぬことができた。

君には感謝してるんだよ。」

涙が出た。

そうだ、佐藤さんはいつも優しい笑顔を見せ辛い治療にも耐えていた。

彼は俺に感謝の思いを伝えるためだけに現れたのか…

「僕はそろそろ逝くね。」

佐藤さんは笑顔でそう言い彼の体は光に包まれていく。

「佐藤さん‼︎」

彼の元に向かわずにはいられなかった。

まだ言いたいことがたくさんある。

shake

「何してるんですか!」

同僚の声が病室に響く。

自分でも驚いた。

窓から身投げしようとしている自分の現状に。

wallpaper:530

同僚の背後に佐藤さんの顔が見える。

shake

「ちっ」

舌うちが聞こえた気がした。

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紅茶ミルク番長さん、素敵な感想ありがとうございます!
是非僕の前に投稿したやつも見てみてください^ - ^

ぞっとしました。
短い文章なのにしっかりとイメージできる物語で良かったです!
佐藤さん、今日の夜怖くて寝れなくなるのでどうか成仏してくださいw