中編3
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缶けり

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今から30年前位の事です。

近所の同い年位の友達と「缶けり」をしようということになり、近所の「早川商店」の横のカン捨て場に行き、一つ取って来ました。

総勢9人。名前は全員分かる子ばかりだ。

当時は今程、ゲームなどが当たり前にある時代では無かったので この人数位は容易に集まる。

「しゅうちゃんめっけ!!それとようこちゃんめっ……。カーーン!!」

背後から物凄い勢いで走り出し、名前を呼ばれる前に蹴る!!蹴る!!蹴る!!もう、蹴るったら!!

また、カンを拾い 広場の真ん中に立てる。

今度は俺が番人だ!!

調子良く、4人目まで難なくゲット!

「ダダダダダ!」

俺の背後から走ってくる音が聞こえた!

サッと素早く振り向くと、そこには顔を知らない両手を上げ広げた「大人」の男の人がこちらに走ってくる…。よく見ると同級生の女の子「まい」の後ろに張り付いて一緒に走って来る……!

「は?な、なんじゃありゃ。。。」

その人の顔は今でも思い出すと 怖い…。

口と目を目一杯開けて、指先まで広げている…。恐怖の余り、俺はベンジョンソンみたいに早く走り出し、そのまま家に帰って

布団をかぶり、ガクガクブルブルしていた。

母が「どうしたの?」と聞いてきたが、アゴはガチガチ言ってマトモに喋ることができなかった。

そのあと、皆んなが俺を呼びに来たんだが 怖さの余り 断りました。

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次の日、学校で昨日の缶けりの話をみんなに話していると、「まい」が教室に入って来た。

まい「マコちん、どしたの?昨日はイキナリ帰ってー!」と切り出した。

まいに昨日のその事を話すと みるみる顔色が変わって行った。

まい「………ごめん……。」と一言言うと自分の机に平伏し黙った。みんなが心配し、まいに話しかけるが応答なし。この日は何も話す事が出来ずに終わった…。

数日後、まいの重い口が開いた…。

まい「あのね…、私最近、男の人から追い掛けられる夢をよく見るの。そう、マコちんが言うように 「口と目を目一杯」開けてる大人の人がね…。」

とその時、先生が教室に入って来た。

「まいちゃん、チョットいいかな?」と先生に呼ばれる。そして何かを先生から告げられると

そそくさにランドセルを担ぎ、教室を後にした。

先生「えー、まいちゃんは家庭の事情で今日は家に帰りました。」と一言。

その後理由を聞いたんだけど、それしか先生は教えてくれず、何でまいが帰ったのかその日は分からずじまいだった。

2日後、まいが帰って来た。

なにやら、叔父さんの葬式に行っていたんだとか。

まい曰く、叔父さんとは小さい時に会った切り顔も定かに覚えていなかったと。

ここ数日間、まいの叔父さんが行方不明で捜索願いが出てたみたいで、遺体で見つかったのが 堤防のテトラポット。

釣り好きの まい叔父は週二回は一人で堤防に釣りに行っていたとか。

そして葬式の遺影の写真をまいが見た時に愕然としたそうです。

最近夢で見る男の人が「叔父さん」とは…。と、思って叔父さんの遺影をみていると、目と口がユックリユックリ開いて まいを凝視したそうです。まいは 怖くなりその場を離れてお母さんに抱き付いて泣いていたんだとか。

生前、まいの叔父さんと叔母さんには まいと同い年の娘が居たけど、事故で亡くなってしまったそうです。

まいは姪っ子に当たり、それはそれは小さい時は叔父さんから可愛がられたそうです。しかし、そのかわいがり過ぎを見かねた まいの両親は叔父に話をし、少し離れた所に引っ越したそうです。

叔父さんは、まいを連れて行きたかったのかな?、と考えると ゾッとすると同時に 儚い思いに胸がつかえます……。

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にゃにゃみん、お久だね!

返信コメ
遅れてすみません❣️

また、経験談と創作を織り交ぜた「ノンフィクション系フィクション」をお送り致します!

怖くて、悲しいお話でした。
叔父さんは、離れてからも、きっとマイちゃんを思っていてくれたのでしょうね。
マイちゃんには、怖い叔父さん、になってしまったかもしれませんが、
マイちゃんを可愛がり、大切にしてくれてた叔父さんの気持ちは、偽りのものではないはずです。
天国で、本当の娘さんと、安らかにマイちゃんの人生を見守ってくれますように。

マコさん、お久しぶりです。
コメント欄ではお名前を拝見しておりましたが、久しぶりの投稿で嬉しく思います。

まいちゃんを追っかけてくる姿がまず、怖い‼
捕まえたかったのでしょうか…叔父さんもそちらの世界にいけば、実の娘と一緒になれるのでしょうから、成仏していただきたいですね…

光道様、あんみつ姫様、

怖い、コメントありがとうございます!

光道様→そうですね。小さいながらも、霊力は凄まじい物でしょうから、善悪の区別がつかない時に 色んな事が有ると心配ですね。
自分でチャンネルを変えれる様に成っなら安心ですが。
あんみつ姫様→お褒めの言葉、ありがとうございます!今回は創作ですが、なるべく自分が体験をした事を元に作成しています。
よもつさんみたいに 表現力は無いですが、よもつさんには無い 経験者としての話を書いてみました。
過去作はお暇な時に読んで下さい。

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ネタバレ注意

マコさん
叔父さん可愛そうですね。マイちゃんを可愛がるあまりに
引き離されて。
内にも、同じような子供が居ますので、もしこのようなことが
起きたらどうしようと考えながら読んでました。
娘はようやく5歳。今は学校に通ってます。
幼稚園ではなく小学校です。