短編1
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月夜の晩に揺れる洗濯物

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彼女は私よりも優秀で、しかも、気配りまでできる素晴らしい人だ。

金遣いが少々荒いのと、夜に私の洗濯物を干すという変な癖以外は本当に素晴らしい。

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そんな彼女を妻にしたのは、3年前。

子宝にはいまだに恵まれないが、仲良く暮らしている。

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しかし、そんな彼女との生活に陰りが見えるようになってきた。

だがそれは、私自身の問題だった。

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体調が悪いのだ。

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健康には人一倍気を遣っているのに、目眩と吐き気がひどい。

ここ最近は体調が安定しなくて、会社を休んでいる。

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彼女は心配して私のそばを離れない。

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トイレ以外、私のそばにいて顔を見ていてくれる。

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酷く気だるげな眠気がやってきて、私は眠りに落ちようとすると、彼女が笑って

「おやすみ」

と言ってくれる。

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微笑みでそれを返しながら、瞳を閉じる。

ゆっくりと閉じていく瞼の隙間から、私の洗濯物が見えた。

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月夜の晩に揺れる洗濯物を見ながら、

真っ暗な黒い世界へと私は落ちていった。

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