中編3
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一緒に歩く

友人と電話で話をした時に話題に出た自分の体験を1つ。

3年前ことだ。大学4年生で卒業が確定した自分は、顔見知りの店長の居酒屋で祝杯をあげようと電車で飲みに行った。なぜか普段より飲まず早めに切り上げたな。

切符を買って改札を通った。記憶がここまではあるが、気づいたら自分の降りる駅から5駅ほど過ぎたところで目が覚めて降りた。

乗り過ごすなんて今までなかったし、何より田舎なんで帰りの電車も時間的になくて焦った。

とにかく煙草を吸って一度考えた。「①2時間近くかけて歩いて帰る。②タクシーを呼ぶ。③野宿。」

①番を選択し歩き始めた。満月で周りがよく見えた夜だったな。駅から出て100m歩いたところで急に強烈な悪寒がきて吐いた。後ろを振り返って驚愕した。自分が出てきた駅から誰かが出てきた。電車はもう上下線ともにないし、煙草を吸ってトイレまで確認して無人は確認した。怖かったが、はっきり見えたので正体が気になった。

とりあえず、気付かなかったふりをして歩いて10分くらい(時計見なかった)で追い付かれた。30代前半の男性だったな。一緒に歩いてさらに10分ぐらいして幽霊?は口を開いた。

幽霊?「どこの駅から歩いてるんですか?」

自分「××駅です」

幽霊?「一緒ですね!!」

自分「そ、そうなんですね」

ビビって「お前いなかったじゃん」とか言えんかった。

この幽霊?よく喋るやつで、内容は世間話とかよく乗り過ごすんですよねとか他愛もない話。幽霊じゃないかと思った。あれを喋るまでは。

幽霊?「そういえば、来週卒業だよね」

自分「そうなんですよ。卒業できて良かったです。」

言ってから気づいたよ。大学の話はしなかった。なんで、俺が学生で卒業って知ってるんだ。気持ち悪くなってきて幽霊?を見れなくなったな。そこから、話しはしてるが会話は全く覚えてない。ただただ、怖かった。そんな時に予想だにしない事態で幽霊?が幽霊だと確定した。信号機の修理をしてるところを通った時の、工事現場のおっさんの一言。

おっさん「1人でどこから歩いて来た?」

自分「え!?えぇ、××駅ですよ。」

俺が答えたその瞬間から、幽霊は喋らなくなった。

視線を感じるが見れなかった。自分の家に最も近い交差点が遠目ながら見えて、少し安心した。俺の気持ちを悟ったか幽霊は再び喋り始めた。

幽霊「君は、卒業式に出たいか。」

自分「えぇ、出来るなら」

幽霊「なら、どこにもよらずに真っ直ぐ家に帰り、帰ったらすぐに寝るといい」

どういうことか聞いても幽霊は答えず、交差点に着いた。

幽霊「ありがとう。楽しかったよ。君は一緒に連れて行けないよだ。」

はっきり聞こえて幽霊を見たがもういなかった。

当然家に帰って寝たよ。次の日、俺が交差点で別れたあたりで事故があった。寄り道しようと考えてたコンビニ付近だ。そして、幽霊は卒業式前に家にきてくれた。幽霊は、自分の死因と俺との夜の事を話した。幽霊は、会社の飲み会後に俺と全く同じルートで帰っていた。そして、あの交差点でひき逃げにあい死んだそうで、成仏出来ないでいた。そこに俺がきて道連れに成仏したかったようだ。ただ、ビビらない俺に興味を抱き、一緒にいるうちに情が移ったらしい。幽霊は最後に「自分の分まで生きてほしい」だけ言うと消えた。

これから、霊感は抜群に良くなって見えるようになってしまった。見えるようになってから思うが、俺が見たのは特殊。ほとんどが、未練や憎悪に支配されている。くれぐれも、幽霊を見たら親切心で近づかない方がいい。その親切心でもっと怖い体験はしたが、それはまた今度。長文失礼しました。

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ネタバレ注意

なんか・・・良いお話でした。