長編9
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ステファニー

どうもみなさん

おはようございます

こんにちわごきげんよう

こんばんわ。

緑の野菜です。

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緑色のスープと言えば何を思い浮かべますか?

・・・・・・・・・・

・・・・・・

・・・

そう、コーンポタージュですね。

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今回はそんなこの時期にぴったりなコーンポタージュのお話をするわけではありません。

現在進行形で続いているとある現象についてお話したいと思います。

ともすればあまり怖くはないかもしれませんが、もしよろしければお付き合いの程よろしくお願い致します。

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これは僕がまだ学生をやっていた夏の話です。

恥ずかしい話ですが、あまり学校の成績はよろしくなく赤をギリギリのラインで低空飛行をずっとしていました。

そんなときに入賞すれば単位が貰えるという餌に釣られて学校が毎年出場しているというソーラーカーのレースに出場することにしました。

レーサーとして。。。

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授業が終わった後の時間を利用して前年に使われていたソーラーカーの改造に出場者たちと一緒に挑んだり、

sound:23

ソーラーカーを学校にある簡易コースで走らせ、いたる所を調整したりと時間はあっという間に過ぎて行き、気がつけば学校は夏休みに突入していました。

ソーラーカーはすでにレース会場であるN県に送ってあるので後は出場する本人達が会場入りするだけです。

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三日分の荷物も整えて後は電車待ち、でも今から家を出て駅へ着いたとしても待ち時間が長すぎる。

特に何もせずにボーっと駅で待つよりはテレビでも見て時間をつぶしていた方が幾分有意義じゃないか。

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そんな事を考えてテレビを見ていたのが間違いでした。

放課後にソーラーカーの整備をして、終わったらすぐにバイトに行って帰ってきたらすぐに寝て朝に学校・・・・その繰り返しで自分でも気がつかないうちに疲れていたんでしょう。

いつの間に寝ていたのかテレビから聞こえる出演者たちの笑い声で目を覚ました僕は寝ぼけた頭でテレビの上の壁掛け時計を見ると電車が到着する5分前・・・・。

shake

幸い荷物は手の届く範囲にあり、恰好も出かけるときのもの。

足を挫きながら急いで自転車に跨り大急ぎで駅へと向かいました。

挫いた足が痛みを律儀に伝えて来てもキッパリ無視して電車の中で大いに痛がってやんよと思いながら止まれと静止を求めてくる赤信号を無視。

駅まで5分かかるかかからないかで普段到着する駅に汗だくで到着し、夜のせいか駅員以外誰もいない改札を通りプラットホームに出る。

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汗だくになった甲斐も虚しくN県へと向かう電車は僕の目の前でタイミング良く発車していきました。

sound:19

なんとか追いつこうと駅を出てすぐにタクシーを拾い次の次に到着する駅へとタクシーの運転手を急かせて追いつこうとしました。

もちろんそのタクシーの中で挫いた足をしっかり痛がったりして(笑)

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なんとか駅について急いでプラットホームへ。

この駅は大きな駅なので停車時間が長いためここならばギリギリ追いつくだろうと読んでいたのですがその読みがなんとか功を奏しました。

電車に乗りチケットに書かれている座席へ座ると先に乗っていたメンバーが「今までなにしてた?」と言わんばかりの怪訝そうな顔をこちらに向けてきましたがあえての無視。

すったもんだありましたがメンバー全員欠けることなくN県へと入ることができました。

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電車から降りると外はすでに明るくまた蒸し暑かったのを今でも覚えています。

先に到着していた先生方がレース会場でもあるキャンプ場へと車で連れてってくれて早速ソーラーカーの整備を。

整備を終えてから出場のためのゼッケンをもらうために受付をしてソーラーカーを納車。

その後、寝床の確保で大きいテントを2つ組立てをして朝食を摂りました。

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sound:23

am10:00

初日のレースのスタートです。

あまり座り心地が良いとはお世辞にも言えないシートにもぐり込みバイクなどでよく見かけるフルフェイスのヘルメットをかぶる。

アクセルの具合を確かめ、各種計器が正常に作動しているか自己確認。

ピットで待機しているメンバーとの連絡が取れるように携帯電話を通話状態にしてノーハンドで通話できるイヤホンを片耳に装着。

※本来はやってはいけません。

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意識を前方に集中させる。目の前の赤ランプが青に変わる。

それと同時にブレーキにかけてた足を離しアクセルペダルを目いっぱい踏み込む。

軽い衝撃が体を襲い目の前の計器が振り切れソーラーカーは溜めこんでいた太陽光エネルギーを爆発させるが勢いで発進する。

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時速50㌔程で。

最高時速は坂道を下る時でおよそ80㌔行かない程です。

だってソーラーカーだもの。

そんな本物のレースカー並みな力は出せません。

そういうレースもありますし同時並行で開催されていましたが僕が出場していたのはスピード勝負ではなく持久走。

スピードはある程度まで関係しますがメインは如何に故障せずに長く走っていられるかの勝負なのです。

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昼までおよそ2時間程走ったところでピットインしてもう1人のレーサーと交代し僕は昼休憩へ。

先生が買い出して来てくれた弁当やおにぎりお茶なんかを飲みながら2時間ずっと通話状態にして放置していた携帯電話にも充電という名の休息と食事を与え2時間ほどのんびり過ごし再び僕の出番に。

それからまた何事も無く2時間ノンビリと。しかし気分だけは一端のレーサー気取りで何となく昔見ていたレースアニメのマッハG●GOGOのOPなんて口ずさんでみたりして

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そして1日目が無事に終わり自分で建てたテントの中で携帯電話をイジりながら過ごしていると目の端で何やらもぞもぞ動くものが・・・・・・

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  アリ

    蟻

      アリ

         蟻

          アリ

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小さく黒い塊がウゾウゾとテントの中僕を囲むようにして歩き廻っているじゃありませんか。

「え、なにこの包囲網?」

特別何か甘いものなどの持ち込みはしていません。後は寝るだけの状態ですでに寝袋にすっぽり収まっていたのですから。

ただ、こんな黒々とした蟻たちに集られながら眠るのはさすがに無理だったのでもう1つのテントへと向かいました。

メンバーは先生を抜いて8人いましたがなぜか僕の居たテントには僕しかいません。いわゆるボッチですね。

もう1つのテントに全員ですし詰め?とか思いながら外に出て隣のテントを見ても明かり1つ無く、また人が1人も居ないかの様に静まり返っていました。

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おかしい

シン・・・と静まり返ったキャンプ場にはまるで僕しか居ないようなそんな不気味な気持ちになり満点の星空の下どこからともなく聞こえてくる虫の鳴き声を聞きながら駐車場へと向かいました。

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駐車場に着き止めてあった場所に行くとそこにあったはずのワゴン車が無くなっています。

「・・・・・やられた」

まんまと僕はハメられていました。

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それはなぜかというと夕食後、みんなでコンビニにでも行こうという話になっていたのですがその話をしている場では他のメンバーがタバコを吸っていてタバコの煙が苦手な僕は先にその場から離れていたのです。

「コンビニ行くなら呼んでね。テントにいるから」

そう言っておきましたし、メンバーはしっかり「わかった」と返事もしてくれていたのに・・・・。

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なんだか無性にやりきれなくなり悲しい気持ちを引きずったまま蟻に占拠されているテントへ「もう居ませんように」なんて微かな望みをつぶやきながら戻るとやっぱりそこで出迎えてくれたのは黒々とした蟻アリ蟻アリ

幸い寝袋はまだ浸食されていなかったので一日頑張ってくれたソーラーカーに見守られながら眠ろうと寝袋を抱え格納庫へと向かいました。

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一日走り続けたソーラーカーは蜘蛛でも居たのか運転席の端っこの方に蜘蛛の巣が張られていてそれを払ってから携帯電話で音楽を流し数曲歌ってから眠りにつきました。

それからどれくらい経ったのでしょうか

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sound:40

カサカサという音に目を覚ましました。

ふと横を向くとそこには見たこともないような物体が

簡単にいうと、もの●け姫冒頭に出て来るタタリ神

そのタタリ神が僕の顔めがけてワシワシと足を動かしかなりのスピードで突っ込んで来たのです。

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shake

「うわぉう!!」

闘牛のような突進で突っ込んで来たタタリ神を僕はマタドールのような華麗な体捌きで避ける事は出来ず片腕をバネのように使って上半身を無理やり捻り起こしました。

腰からゴキッと嫌な音がしましたが今倒れるとタタリ神が顔面ヒットしてしまうので我慢

上半身が起きたため体を支える片腕とは逆の腕で近くに置いてた帽子を掴みそのタタリ神へ

バシッ!!

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帽子の中へ見事捕獲に成功しました。

眠かったのも手伝ってか僕はそのタタリ神をそのままにして明日メンバーに見せつけてやろうと思いそのまま眠ってしましました。

手のひらを思いっきり広げたくらいの大きさのタタリ神にも似た蜘蛛なんてそうそう見られるものじゃありませんのでメンバーに見せたら驚くだろうなーなんて考えていました。

蜘蛛・・・・苦手なのに・・・・

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そして無事に朝を迎え、帽子で捕獲したタタリ神を見てみると跡形もなく居なくなっていました。

「逃げたかな?」

なんて思ってその時は深く考えていませんでした。

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レース2日目。

この日も何事も無く終了し、また僕はソーラーカーと一緒に眠りました。

レース3日目最終日。

ダルさを残した体で最後のレースです。

現在の順位はなんと1位。

実は2日目はほぼ休憩を取らずに走っていたのでピットインの時間が短く他のチームを引き離していました。

なのでこの日、ソーラーカーに問題が起こらない限りまず間違いなく1位でゴールできます。

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なんて、考えていた時期が僕にはありました。

問題、起きたんです。

しかも最後の1時間。

もう1人のレーサーが体調不良を訴えたので僕と入れ替わりスタートして間もなくの時です。

計器を見るとスピードメーターの針がソーラーカーの振動に合わせて震えてるだけでいくらアクセルを踏んでも動いていません。

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すぐに電話で先生方に連絡。

このまま走っていれば1位獲れるからとそのまま走行するよう指示を受け受ける風と何となくの感でなんとか走り切り1位になりました。

実は地方紙で小さく写真に写ったりしました。

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いろいろと問題があったりわだかまりが出来たりしましたが無事に僕はノンビリと夏休みを過ごすことができました。

それから学校も無事に卒業し、数年後仕事を終えて夜中に家に帰り電気を付けるとソファの奥でどこかで見たことのある手のひらを開いたくらいの大きさを持った物体がカサカサ動いているのが見えました。

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なんだ?

とソファの裏に回りましたがそこには何もおらず、でもその姿をどっかで見たことあるなーっと風呂に入りながらのんびり考えていたらあの時のタタリ神だと思いました。

それからというものたまに部屋の隅や暗がりからカサカサという音を聞くようになったり稀にワサワサ動くタタリ神の姿を見るようになりました。

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それを友人の元・拝み屋に話したところ

「お前、それN県から連れて来たんじゃね?」

「え、マジ?」

「だって襲われたところを帽子で捕まえたんだろ?」

「うん」

「だったらそうだわ」

「マジか」

「まぁでもアレだ。問題はないよ。多分」

「多分?」

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「そう。蜘蛛って見た目アレだけど家を守ってくれるいい存在なんだよ。ただ、襲われたら終わり」

「え・・・・」

「次襲われる事あったら緑の野菜、お前はたぶん死ぬ」

「・・・・マジか」

「ただ、手のひら大なんだろ?」

「そう。これくらいのタタリ神」

僕は手を思いっきり広げて見せる。

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「本来ならそんなデカい蜘蛛はあり得ないんだよ。普通の蜘蛛の大きさ。だけど、緑の野菜がそのくらいの大きさのに遭遇したってことはそれさ、N県のキャンプ場の主だったんじゃないかな?」

「そうなん?」

「いや、聞かれてもオレ実際に見てないからわかんないし。とりあえずこっちから手を出さない限りは大丈夫だと思うから」

「おう、ありがと」

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家で見たときは「なんで憑いて来た!?」って思いましたが家を守ってくれる存在なのでしたらありがたいことです。

こちらから手を出さなければ問題は無いそうですし。

ほら、みなさん聞こえませんか?部屋の隅や暗がり、押入れの中からこう・・・

カサカサ

カサカサ

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そんな存在なのでしたら親しみを込める意味で名前をつけようと思いました。

そしてすぐに思いついた名が――――

Concrete
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