深夜喫茶「ナイト・メア」

長編13
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深夜喫茶「ナイト・メア」

 蒸し暑い梅雨明けの7月上旬のある日、俺はいつものように喫茶店の深夜アルバイトに来ていた。

時刻は深夜0時頃。

カラコロンと、乾いた鈴の音が鳴るのと同時に、店の自動ドアが開く。

いつもの時間帯にいつもの深夜常連客、ゆるふわの長い髪、大きな瞳にこれまた負けじと大きな赤い眼鏡。

幼さの残る整った顔立ちの少女だが、どこか気だるそうなこの常連客こそ、本名は未だ知らないが、店のバイト連中がつけたあだ名はメロンちゃん。

まあただ単に、メロンソーダばかり頼む彼女に対し安直につけたものなのだが、

そんな事よりも、兎角このメロンちゃんが関わると、毎度店ではおかしな事が起こる。

それも俺にとって不都合な事ばかり。

彼女はこの店の疫病神、いや、はては死神?

散々な言い方だがこれでもまだ言い足りない。

それぐらい、彼女が関わるとろくでもない事のオンパレード、

「あの、メロンソーダ……」

不意に目の前から聞こえた声にハッとし我に返る。

気だるそうな大きな瞳が、俺の目の前でこちらを凝視していた。

「あーはい……」

俺はそう言って首を振り、くだらない自問自答をやめた。

注文をし、いつもの指定席、カウンター隅のテーブル席に座るメロンちゃんを確認した後、俺は踵を返し伝票を記入しながらカウンターへ向かう。

何事もありませんように……。

いつもの様に胸の内で祈りながらメロンソーダを用意していたその時だった。

《出して》

「え?」

思わずリアルに声が漏れた。

何だ今の?

突然残響するかのように、頭に響いた声。

聴き慣れない女の声だった。

客ではない。

店内の客はメロンちゃん合わせ4人。

それも内3人は男だ。

出して……そう聴こえた気がする。

ダメだ、こんな時は考えても答えはでない。

気にしないのが一番だ。

いくらこの店で毎夜度重なる不思議な事例が多々あったとしてもだ。

考えれば考える程どつぼにはまるのが落ち。

頭の中のモヤをかき消すように頭を振り、注文されたメロンソーダを運ぶ。

「お待たせしました、メロンソーダでござ……い……ます」

メロンソーダをテーブルに置き文言を口にするも、その場の光景を目にした俺は危うく言葉を失いかけた。

そこにはメロンちゃんがいるはずだった。

が、いない。

影も形も。

代わりに一人……いた。

いや、正確には1体、だ。

ソファーには1対の人形が座っていたのだ。

ああ神様……。

さっき祈ったばかりじゃないかと、心の内で悪態をつきつつ、俺は人形をまじまじと見た。

俺の知っている人形とはどこか違う、そんな異質な感じがした。

見た目はフランス人形に近いのか?

ただそれよりも更に違うのは、間接部分が球体のようになっている事。

そのせいか人形は細部に渡ってリアルな造りとなっており、ソファーに置かれた人形というよりは、まるで本当に人がソファーに腰掛けているように見える程の、精巧さを見せていた。

透き通るようなエメラルド色の瞳を見て、俺は素直にきれいな人形だと思った。

《出して》

ビクりと体が仰け反った。

まただ、またあの声。

何なんだ今のは……

頭の中に響く女の声。

メロンちゃんではない、かといって現実の声とも違うような、

そこまで考え、ふと俺は立ち眩みを覚えた。

だめだだめだだめだ。

また何かよからぬ妄想をしている。

この人形の声?とでも俺は言いたいのか?

ありえない。

あってはならないし、これからも起こりえないはずだ。

人間の想像力は、時として記憶を書き換えてしまう程の力を持つと、大学の授業で聞いた事がある。

まさしくそれだ。

違和感からの逃げ道に、思考がさ迷っているだけだ。

その場に崩れ落ちそうになるのを我慢し、俺は人形から視線を背けた。

「ただの、人形だ……」

そう零し、その場から立ち去ろうとしたその時。

「キャァァァァッ!!」

突然、耳に叩きつけるような女の叫び声が響いた。

顔をしかめ直ぐに人形に目をやる。

愕然とした。

先ほどの愛らしく綺麗な顔は、そこにはなかった。

あるのは断末魔の表情を浮かべ、こちらを見る、不気味で得体の知れない恐怖を撒き散らす人形の顔。

「う、うわぁぁぁぁ!?」

耐え切れず喉から溢れ出る悲鳴、それが自分のものだと理解するのに、それほど時間はかからなかった。

何だ?何なんだ。

一体何がおこっているんだ!?

だが次の瞬間、

ガシャンッ!!

と、店のガラスが大きな音を立てながら砕け散った。

目の前で次々と起こる現象に頭が追いつかない、何をどうしたらいいんだ!?

うろたえながら恐怖に歪む顔で辺りを見回そうとした、が、俺はそれを拒否した。

必死に目を瞑り頭を振りいやいやをする。

瞬間、人形の叫び声が止んだ。

静まり返る店内。

塞いでいた両耳から手を離す。

耳の根元がじんじんと痛む。

ゆっくりと目を開ける。

視界が開き、恐る恐る店内に目をやる。

「えっ……何で?」

そう、何でだ。

率直な言葉だった。

店内は、俺の想像していたものとまるで違っていた。

談笑する二人組みの若い男達。

一人カウンターでスマホをいじるリーマン風の男。

ゆるふわな髪をかきあげ、メロンソーダをすする少女……。

「メロンちゃん?」

思わず発した俺の声に、メロンちゃんがこちらに振り返る。

「何か……?」

いつもの気だるそうな瞳で、こちらを煩わしそうに見る。

間違いない、メロンちゃんだ。

人形、人形は!?

急いでメロンちゃんの席を見回す。

ない、人形なんてどこにも。

「人形……は?」

「人形?」

俺の問いに、メロンちゃんは怪訝そうな顔で聞き返してきた。

しらばっくれているのか?

「いや、ここにあった人形は……」

そう言ってメロンちゃんが座っている場所を指差して見せた。

「ここに人形なんてありませんよ?」

「えっ、だって、さっきここに人形が座って……あ、ま、窓!?」

話している最中に思い出した。

そう、窓だ。

さっき突然砕け散った窓。

「窓が、どうかしましたか?」

メロンちゃんはストローの先を目の前の窓ガラスに向け、くるくると回しながら指し示めした。

そこには、けだるそうなメロンちゃん、そして口を開け唖然としている間抜けな俺の姿が、窓ガラスに映りこんでいた。

傷一つ無い、ましてや砕け散ってなどいなかった。

夢……だったのか?

いや、そんな馬鹿な。

だって今さっき確かにここで……。

全身から力が抜ける気がした。

そのままその場に座り込みたいくらいだった。

俺はメロンちゃんに何か言おうとして止めた。

代わりに軽く頭を下げ、何も言わずにその場を後にした。

カウンターに戻ると、空いている席に腰を下ろし、深々とため息をつく。

疲れているのか……俺?

額に手を当て片肘をついてうな垂れる。

もう何が何だか分からない。

人形は?窓は?

考えても考えても分からない。

夢だとでも?いや、そんなまさか。

だめだ、キリがない。

これじゃ無限ループだ。

いや待て、何も変わらないいつもの喫茶店に戻っただけだ、ならそれでいいじゃないか、このままで……そう思った時だった。

「考えるのを、止めちゃダメ」

「えっ?」

直ぐ隣から聴こえた声だった。

反射的に声の方に振り向く。

そこには、いつの間にカウンター席に座っていたのか、高校生くらいの少女が一人、座っていた。

端整な顔立ちにすらっとした印象、着ている服は何やらゴシック系な感じだが、それよりも更に注目すべきは

「その声……さっきの」

そう、俺がメロンソーダを作っている時と運んだ時に聴こえたあの女の声『出して』、あの声そっくりだったのだ。

「考えるのを、止めちゃダメ。貴方にはそれしかない。他に何も無い。けれど諦めないで。考えるの……」

少女は俯く様にして、俺にだけ聴こえるようそう言った。

「考えろって、何を?」

いや、そもそも少女は俺に言っているのか?

独り言ではないのか?

そうも思えたが、なぜかこの時、この少女ははっきりと俺に対して述べているのだと、明確にそう感じた。

店内が徐々に、静寂につつまれていく気配がした。

不思議な感覚だ。

「貴方には何もない、特別な力も何も、物陰に隠れ、ただ恐怖に身を隠す人、」

少女は俺の質問には答えず、淡々と言葉を続けた。

「けれど、諦めない人。答えを、それでも探し続ける人。恐怖に打ち勝たなくてもいい、けれど、考えるのをやめないで、諦めないで。この世界の、綻びを、見つけて……」

そう言うと、少女は透き通るような手で、俺の頬をやんわりと撫でてきた。

まるで催眠術にかかったかのように、なぜか俺は何の抵抗もないまま、ただ目を瞑ってその行為を受け入れていた。

知らない少女、ましてや謎の声の正体だったというのに、俺はなすがまま、少女の言葉に、素直に耳を傾けていたのだ。

やがて、少女の声が遠ざかっていく気がした。

同時に、店内に客達の談笑する声が戻ってくる。

目を開ける、少女の姿は、どこにも無かった。

どこかへ移動したのではなく、掻き消えたかのように思えた。

けれど、頬に残るぬくもりだけは、消えていなかった。

なぜなのか、別に驚きはしなかった。

まるでそれが分かっていたかのように、少女が消えた事に対し、俺は何の疑問も抱かなかった。

この歪な世界が、そう思わせるのかもしれない。

体が先程と違って嘘のように軽い。

頭の中のモヤも、今は消えていてスッキリとしている。

席をゆっくりと立つ。

行かなきゃ。

カウンターの隅、メロンちゃんのいるテーブル席へと、誘われるように向かった。

そこには、いつものように、ノートPCに向かって何やら作業をしているメロンちゃんが居た。

こちらの気配には気づいていたが、メロンちゃんは振り向きもせず、口だけを開いた。

「何か?」

ぶっきらぼうな口調。

俺は気にせず、

「に、人形は?」

と聞き返す。

「人形?先ほども言いましたけど、何の事ですか?」

メロンちゃんは相変わらず振り向きもしないままそう答えた。

『諦めないで』

一瞬、先ほどの少女の声が頭を過ぎる。

両の手に力を込める。

「人形は、どこ?」

「だから人形なんてどこにもないですよ?店員さん、大丈夫ですか?」

大……丈夫?

メロンちゃんにそう言われ、俺は体が強張る感覚に襲われた。

堪えろ、自分にそう言い聞かす。

「人形はどこにあるの?」

「店員さん、さっきから変ですよ?具合でも悪いのでは?」

眩暈がする。

冷や汗が額を伝って床に落ちた。

先程の出来事、そしてあの少女といい、俺は明らかにおかしい。

普通ならあり得ない事だ。

存在しない人形、砕け散った窓ガラス、掻き消えた少女。

どう考えても成立しない話ばかり。

今目の前にあるのは、いつもの日常そのもじゃないか。

なのになぜ俺は……俺は、狂ってるのか……?

だんだんと自分が怖くなってきた。

考えれば考えるほど、記憶は激しく交差し、頭の中がめちゃくちゃに掻き回されるような感覚に陥る。

『それでも、答えを、探し続ける人』

少女の声が、またもや頭の中に蘇る。

「諦めず、答えを探せ……メロン、ちゃん……」

「えっ?」

独り言のように呟く俺の言葉に、メロンちゃんが反応した。

その瞬間、俺の記憶に何かが触れるような気がした。

それはほんの小さな綻び。

だが、その綻びが、俺を現実へと引き戻すきっかけになるには、十分過ぎる答えだった。

「あ、あの!?」

刹那、俺はそう口にしていた。

「一体何なんですかさっきから?今日の店員さん、どこか変ですよ?」

少し怒ったような口調でそう言い放つメロンちゃんを他所に、俺は話しを続けた。

「何で、何であの時、返事を返したの?」

「返事?何の事?いい加減にしないと、」

言いかけるメロンちゃんの話を遮る様に、俺は続けて言った。

「俺は、今まで一度もメロンちゃんなんて呼んだ事はない。なのに、何で、何であの時「何か?」って、返事を返したんだ!?」

その瞬間、俺は肌が粟立つほどの悪寒を感じた。

ざらつく肌が、冷たい冷気に晒されているかのようだった。

蒸し暑い7月の上旬だというのに、真冬のような寒さ。

ここに居たくない。

開けてはいけない扉を開けたせいで、そこから得体の知れない恐ろしい何かが、今にも俺に飛び掛ってきそうな。

今すぐここから逃げ出したい、素直にそう感じつつも、俺はなんとかその場に踏み止まった。

メロンちゃんは何も答えない。

息が詰まりそうだ。

無表情の顔からは何も読み取れない。

さっきからその不気味さが増すばかりだ。

目の前に居るメロンちゃんは、本当にメロンちゃんなのか?

それとも、扉から現れた得体の知れない怪物が……。

俺の想像力を、恐怖が支配しようとしていた。

メロンちゃんの背後から、無音の闇が迫ってきそうな感じ。

だが次の瞬間、

ガシャンッ!!

窓ガラスが割れた、一枚、二枚、三枚、立て続けに店の窓という窓のガラスが次々に割れていく。

店内にはいつの間にか、あの時の人形の断末魔まで響きだした。

怖い、怖い怖い怖いっ!

目を瞑って耳を塞ぎたかった。

だが、そうしなかった。

目の前の少女を睨みつけるようにして、もう一度拳を強く握り締めていた。

爪が手のひらに食い込む、だがその痛みこそが、今の俺にはかけがえのないものだった。

更に両の手に力を込める、

が、突然、不意に誰かに肩を叩かれた。

「えっ?」

反射的に振り向く。

「店員さん?」

聞き覚えのある声。

「うわぁぁっ!」

思わず驚きの声を上げ、その場から飛び退いてしまった。

声の主は、

「どうしたんですか、店員さん?」

そう、メロンちゃんだ。俺の背後には、先程の不機嫌そうなメロンちゃんではなく、来店したばかりの、気だるそうな彼女の姿がそこにあった。

「あっ!」

瞬時に辺りを見渡す。

窓は、割れていない。

メロンちゃんの席には……。

あの不気味なメロンちゃんはいなかった。

代わりにあったものは。

あの、件の人形だ。

「その人形が、どうかしましたか?」

メロンちゃんはそう言うと、ソファーに座らせた人形を抱き抱えて俺に見せてきた。

が、何やらメロンちゃんの様子がおかしい。

抱き抱えた人形をまじまじと見つめながら、突然曇った表情で。

「入ってない、何で……?」

誰に言うわけでもなく呟くようにして、自分で抱き抱えた人形を、まるで興味がなくなったかのようにソファーに投げ捨てたのだ。

メロンちゃんに何があった?いないって何が?

カランコロン。

聞きなれた乾いた鈴の音。

そして同時に開く、店の自動ドア。

こんな時に来客?思わず自動ドアに目をやると、そこには一人の少女が立っていた。

次の瞬間、俺の視線は少女に釘付けになっていた。

「そ、そんな、まさかさっきの……!?」

驚愕といっていい。

その少女は、さきほどカウンターで掻き消えた少女の姿そのままだったのだ。

もう流石にお手上げだ。

思考がついていかない。

困惑する俺を他所に、ゴシックパンク姿のその少女は、店に入るなりさも当たり前のようにこちらに向かって来た。

そして俺の目の前に立ち塞がると、今度は険しい表情を浮かべ、メロンちゃんを睨めつけた。

「よくもそんなのに私を閉じ込めたわね!」

指を突き出し、人形を指し示しながら少女の怒声が響いた。

「閉じ込めた?何に?何を?」

俺の疑問に答えるわけでもなく、メロンちゃんは軽くため息をつきながら肩をすくませて見せた。

「なるほど、店員さんの仕業でしたか……それにしてもよく人形の世界から抜け出せましたね」

「人形??」

何だ人形の世界って?何の話だ?

更に困惑する俺を無視し、メロンちゃんはそそくさと帰り支度を始めてしまった。

「ちょっ人の話聞いてるの!?」

少女は強引にメロンちゃんの前に立つと、瞬間、大きく右手を宙に泳がせた。

やばい、咄嗟に判断した俺は少女のか細く透き通るような白い手を掴んだ。

あの時俺の頬に触れた手だ、間違いない。

「ちょっと、何で止めるの!?」

少女が俺を睨みつけてきた。

改めてその顔を見るが、整った綺麗な顔をしている。どことなく誰かに似たような……。

「いや、暴力反対というか……それよりもあの、も、もしかして、」

俺がそう言いかけた時だ、

「あ、お姉ちゃん!まだ話し終わってないんだからね!」

いつの間にか荷物をまとめ店を出て行くメロンちゃんの後姿に、少女は怒りの丈をぶつけるように言った。

「お、お姉ちゃんって、や、やっぱりか……」

まさかとは思ったが、そのまさかだった。

メロンちゃんには妹がいたのだ。

「はぁ……いい加減、離してくんない……?」

少女はため息をつきながら、自分の腕を握っている俺の手を見て言った。

「あ、ああ、ごめん」

慌てて手を離すと、少女は右手を撫でるようにして踵を返し、店の出入り口へと歩き出した。

俺は唖然としたまま、ただただその後姿を見送るしかできなかった。

店内に居た他の客達も、完全に置いてきぼりを食らった顔で、事の終始を見守っている。

が、少女は寸前で立ち止まると、何かを思い出したかのようにこちらを振り向き、再び俺の前に向かって来た。

その顔にさっきまでの険しい顔はない。

「助けてくれて……ありがとう」

「へっ、助けて?よ、よく分からないけど、お、俺の方こそ、君の言葉がなかったら、」

「あれは私の言葉じゃない、正確には私の言った言葉じゃないの」

「私のじゃない?」

聞き返す俺に少女は小さくこくりと頷く。

「あれ、以前お姉ちゃんが、貴方の事話していた時に言っていた言葉なの」

「メロンちゃ、あ、いや、お姉ちゃんが俺の事を?」

メロンちゃんが俺の事をそんな風に?

何やらこそばゆい気がしてならない。

「でも、気をつけて」

一瞬、少女の声が曇る。

「な、何?どうしたの?」

俺がそう聞き返すと、少女はメロンちゃんが時折見せる、氷のように冷たく鋭い視線を、俺に向けながらこう言った。

「お姉ちゃん、ある人を呪い殺そうとしている人だから、巻き込まれないようにね」

背中にひんやりとした汗が滲む。

ゴクリ、と喉が鳴った。

呪い……殺す?メロンちゃんが?

分からない、巻き込まれないようにって、何にだ?

混乱する俺に、少女はあどけない微笑を浮かべ、微かに手を振ると、そのまま店を後にした。

店の扉が閉まる瞬間、自動ドアのガラス越しに、何か子供のように小さい人影のようなものが一瞬見えた気がした。

そういえば、あの断末魔をあげていた人形はどこに……?

俺は首を振り小さくため息をつくと、そのまま仕事に戻った。

Concrete
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@ざわわ
怖ポチ&感想、ありがとうございました。

ぜひぜひ、深夜喫茶「見えない交渉」からの読破はなかなかお時間がかかるやもしれませんが、一話読みきりで構成しておりますので、お時間がある時にごゆるりと。

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続きが気になりますな、とりあえず最初から読んでみたいと思います。
それでは。

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初めて読ませてもらいました。
とても惹き付けられてしまい朝からやる事忘れて読んでしまいました!
そしてメロンちゃん気になります。。。
今後もたのしみにしてます!

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