短編1
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スマイル下サイ

某ハンバーガーショップに訪問した時の事。

朝メニューの時間帯。

比較的空いていた。

店員は接客一名、調理一名って感じ。

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俺の前に先客が一人居たんだ。

ヨレヨレのシャツ。

藍色から水色に色褪せたジーンズ。

サイズの合ってないデカイ靴。

変な奴だな~と思いながら後ろに並ぶと、何やらブツブツ言ってるんだよ。

「ィ……ル……サイ」

ちょっと引き気味の店員さん。

学生のアルバイトだろうか、二十歳くらいの女性店員だった。

「いらっしゃいませ、何になさいますか?」

すると、ブツブツ言ってた男が今度は大きな声で言った。

「スマイル下サイ」

「ハイ♪」店員さんがにこりと笑顔を返す。

「お持ち帰りなさいますか?」店員さん神対応だなあ、と感心した。

「はい…」

男は何も注文せずに帰って言った…。

男の口角は上がり、ニヤニヤしていた。

(何だったんだ…)

とにかく注文することにした。

「エッグマフィンのセットひとつ」

「ありがとうございます」

やったこと無かったんだけど、さっきの店員さんの笑顔が可愛かったから、試しに自分も言ってみたんだ。

「あと、スマイルひとつ」

「ハイ♪」なぜか真顔のまま返す店員さん。

「あれ?え!」困惑している。

必死に笑顔を作ろうとしているようだが一向に笑顔にならない。

彼女のスマイルは何処に行ってしまったのだろう…。

Concrete
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