短編2
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昼寝

私の叔母は毎日家事の合間に2〜30分の昼寝をする。

その日も夫と中学生の娘、小学生の息子を送り出してからいくつかの家事をこなし昼寝をとった。

そうしてウトウトしていると、突然体が動かなくなった。

いわゆる金縛りの状態になったのだ。

しかしそれまでにも度々金縛りにはあっていたし、その時に何かが見えたということもなかったので、「今日は体が疲れてるんだろう」くらいに思ってただただ金縛りが解けるのを待っていた。

そうして目も開けられないままじっとしていると、玄関の方から音がする。

誰かが帰ってきたようだ。

娘か息子が体調でも崩して早退してきたのだろうか。

そんな思いを巡らせていると玄関からリビングへ足音が近づいてきた。

リビングの扉を開け誰かが部屋に入ってくる。

部屋に入った何者かはそのまま勢いよく叔母のところまで近づいてきた。

(もしかして強盗、、、!?)

恐怖にかられるものの、未だに金縛りは解けない。

(解けろっ、、!解けろっ、、、、、!)

そう心の中で叫びながらもがいていると、不意に首もとに何かが触れる感触がした。

次の瞬間、あてがわれた手と思われるものは強い力で叔母の首を絞め始めた。

(殺されるっ、、、!)

意識が遠のく直前、開けられなかった目が開いた。

そこには鬼のような顔をして叔母を睨み、首を絞める娘がいた。

それを見ると叔母は目の前が真っ暗になった。

眼が覚めると昼寝をしてから1時間ほどの時間が経っていた。

家の中を確認しても誰かが帰ってきている気配もなく、学校からも特に連絡は入ってきていなかった。

その当時、娘は反抗期真っ盛りで母娘間の関係は非常に悪かったそうだ。

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