短編2
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人間机

これは自分の会社のマレーシア支部の方から聞いた話です。

なぜ同僚から怖い話を聞いたかと言うと、よくグルメと旅行の話は外れないといいますが外国の方と雑談をするときあまりこれは当てはまりません。これは文化が違いすぎると共感がお互いにできないからです。

なので自分は海外の方とくだらない雑談をする場合は卑猥な話か怖い話を割とします。猥談と怪談は文化に関係なく共通するようです。

さてマレーシアには人間机という都市伝説のようなものがあるそうです。

森というかジャングルを歩いていると急に開けた広場のような場所に出ることがある。

そこの中央には机と傍に立つ者がいます。その者の見た目は猿とカエルを足しで2で割ったような見た目で(名前も聞いていたのですが捉え所のない発音だったので失念しました)、不思議なことにそれを見てもあまり怖いとは思えないそうです。

ただその机に近づくと違和感に気づきます。その机の脚や天板などの部位がそれぞれ人間の体のパーツでできているのです。

人間が四つん這いになっているというわけではなく、人間のパーツをでたらめに組み上げてできた机なのです。

そして猿カエルがこちらに気づくとよくわからない言葉で語りかけてきます。その言語は地元の老人が使うような古いローカルな言語なのではとのことです。

どうやらお茶に誘っているようで人間机の上には2人分のお茶の用意がしてあり手招きなどしてきます。

もしその誘いにのってお茶に口をつけると仙人の力が手に入る、長寿を得るなどのいいことが起こると言う噂もあれば飲むと急に意識を失い気づくと自分が人間机に加工されようとするところで目が覚めるなどのオチもあるそうです。

同僚いわく子供が森の奥に行かないようにするためのお話だと思うけど、おじいちゃんやおばあちゃんから人間机を森で見た話を聞いたという友人が何名もいるし、実際に妙にご高齢の方が多い集落というのもあるらしくバカにはできないかもねーとのことでした。

皆さんはそのお茶を飲みますか?

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