中編3
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化け物屋敷 リビング編

我が家の化け物屋敷

ほぼ毎日何かしらの怪異現象は起きてる

ラップ音は家自体がもう古いので軋みもあるとおもう

足音は家族のものかどうかはわかる

たまに人の声もする

明らかに家族ではない

基本的に我が家の現象はこんな感じ

特にリビングは四方八方からラップ音や足音や人の声らしきものが聞こえてくる

家族がいるときはそんなに気にはしないけれど一人になると怖い

特に玄関の戸が開いたような音がして廊下を走ってくる音は恐怖がMAXになる

足音が止まって覗き込んでくるのではないかと思うと背筋が凍る

リビングの奥に台所がある

ここで料理を作ってる

ここは外からの怪異現象が多い

家の堀と家の壁の間に人が一人分通れるスペースがある

泥棒の予防のために鳴き砂を敷き詰めた

誰かが歩けばギュギュと鳴く

ある日の夜10時過ぎかな

おふくろとS子が食事の後片付けをしていた

お互いにおしゃべりをしながら後片付けをしていた

外で鳴き砂が鳴った

「えっ」と言う感じでお互いに顔を見た

家族は家の中にいる

おふくろははじめオヤジが散歩というか家の周りを歩いているのかと思っていたらしい

しかし、リビングからオヤジの声がするので一体誰だろうと窓を開けようとしたらS子が止めた

「ママ、開けない方がいいんだぞ、パパじゃない、私、パパを呼んでくるから」と言ってオヤジを呼びに行った

すぐにおやじが来た

「あんた、すまないが、窓を開けて外を見てほしい、誰かが外にいるかも」

オヤジは窓を開けて外を見た

「誰もいないぞ」

「え・・でも聞こえたよ」

「とりあえずよ、施錠して今度聞こえて来ても窓は開けるなよ」

「わかったんだぞ」

その後は聞こえてこなかった

こういう感じで月に2回か3回ほど鳴き砂が聞こえるんだが姿が見えない現象が起きてる

もちろん、オヤジか私を呼んで外を見ている

泥棒かもしれないので鳴き砂が鳴いたら一応は警戒はしている

今のところ人影らしきものは見ていない

昼間は鳴いたことが無い

リビングは家族団らんの場所で賑やかだけど一人になると怖さが増す部屋

夜だからいろいろな音が聞こえてくる

午前0時以降になるとさらに静かになる

いつの日だったか

いつものように一番最後にお風呂へ入りリビングでのんびりしていた

TVを見ながらウトウトとしかけたときに台所の方から窓を叩く音がした

こんな夜更けに人の家の窓を叩くのは不審者か幽霊しかいない

すぐにピーンとわかったので無視をした

少したってからまた窓を叩く音がした

勿論無視

叩きながら

「もしもし!〇〇(私の苗字)さん、起きているのわかってますよ、大変ですよ、お宅の家が火事ですよ」とはっきりと聞こえた

うそつけ

どこも燃えちゃいないよ

まったく性質が悪い

ところが3日後にボヤだけど玄関の横に置いてあったゴミ(新聞紙)から火がついていた

義理母が孫娘たちを見るために来た時に見つけた

義理母が慌てて外に置いてあったバケツで火を消してくれた

葵が庭の花壇に使うバケツだ

すぐに警察を呼んで現場を見てもらった

ところが火事の元、マッチとかライターとか火を燃やしたものが周りになかった

警察も入念に周辺やドブとか探したが見つからなかった

普通は残ってるはずだ

警察が燃えたごみをよく見たら上から燃えているのではなく下から燃えていた

あり得ない

その燃えたゴミをどかしてよく見ても火元がない

これには警察もお手上げ状態

どうしたら下から燃えるんだ

それも下の中心部から燃えていた

夜に元課長が来てくれた

詳細に火事のことを話をした

元課長も困った顔をしていた

たしかに周辺の区域で不審火が月に2回か3回ほどあるが

必ず火元は残っていた

私はふと3日前のことを思い出した

まさか・・・

あの夜更けの声が・・・

私は家族にそのことを話をしたら

「それだよ、パパ」と全員が納得した

「パパ、予告というか警告をしてくれたんだよ」

「せがれ、その通りだ、警告だ」

「ボヤでよかったんだぞ、燃えてたら葵ちゃんやカナちゃんがどうなっていたか・・・」

全員がシーンとなった

義理母に感謝

それから2度と家の周りに燃えるものは置かないようにした

Concrete
コメント怖い
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