ある所に猫の親子がいました
その親猫は自分の子供をたいへん可愛がっていました
散歩に連れて行ったり
餌をあげたり
ノミをとってあげたり
それはもう猫っ可愛がりをしました
ですがある日それは起こりました
その猫の子供が近所の悪ガキ達に虐待され、殺されてしまいました
その殺され方が無残なもので、子供達は子猫の首を引きちぎりサッカーボールのように蹴って遊んだり
火を付けた子猫を見て笑ったり
針を刺し痛がる子猫を見て笑ったり
本当に無残なものでした
親猫がいつものように餌をとって子猫のところに来た時には、子猫達は変わり果てた姿で空き地に転がっていました
親猫は大変悲しみ、その子猫達をペロペロと舐めました
痛かったろうに
苦しかったろうに…と
そして親猫はあまりの悲しみに、子猫を丁寧に穴に埋めると、自分の命を絶ちました
川の中に飛び込んだのです
そして子猫を殺した悪ガキ達は普通に幸せに暮らしました
この一連の出来事を見ていた神様は思いました
これはあんまりだ、と…
だから神様は少年達に罰を与えようとしました
ですが、既に神様にそんな力は残っていませんでした
人間はもう神様なんてものは存在しないと思っているからです
仕方が無いので神様は子猫達の為に祈りました
それはなんの実益の無い祈りですが
可哀想な猫の親子を前に、何もしないでいる自分が許せ無かったのでしょう
どうか安らかに眠って下さい
そう神様は手を合わせました
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話