中編4
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バレルッス 完

チリン…

チリン…

奴が近付く

「シャベル隊、はよせぇ」

「シスター、この前は殴りかかったけど、今日は違うよ」

「オマエタチにヤレルノカイ?」

「やるさ!」

「先輩達みたいに優しくないよ!」

(俺は優しいけど…あいつは…)

「汝、元シスター〇〇よ、一度許された身ながら、呪いをかけるとは言語道断!」

(遠山の金さん?)

「我等、バレルスの手で、浄化させる」

後輩達は老婆の横を通り過ぎ祭壇の裏へ!

「あった!」

シクターの物を発見!

(知ってたの?)

「よし浄化だ!」

ギィ〜

ドアが開いた…

…チリン…チリン‥チリンチリン………………

奴が入って来た!

間に合わなかったか‥

聖火の炎が舞い上がる

背後から奴の視線を感じる

「サイレン・ナイト…」

「ホーリー・ナイト…」

…………ニヤリ…

「ヤレルノカイ?」

「お前らペラペラ喋っとるから、奴がきてもうたやろ!」

「すんません…」

奴とシクターに挟まれた

ゆっくりと奴が近付いてくる

俺達は前後を何度も振り返るのみ…

「ダッシュ?」

「ダッシュ、ダッシュ」

とりあえず逃げ足だけは速い俺達だ

ダッシュュ……ウウ…………

(アレ?)

カラ・ダ‥が……動か…な…………い

スローモーションのようだ

な…ん…だ……?

景色が揺れはじめる…何もかもグニョグニョに…

「ヤレルノカイ?」

(ぁ…ぁぁ…意識が薄れていく…落ちていく…まさか死ぬ瞬間か…?)

チリンチリンチリンチリンチリンチリンチリンチリンチリンチリンチリンチリン

頭の中を鈴の音が鳴り響く

頭が割れそうだ

(ダメだ…倒れる…)

「ぉぉぃ…手…出せ…」

友人の声が聞こえる方へ手をだした

誰かの手を握る

反対の手を誰かが握ってきた

なんとか倒れないで踏み止まる

相手の手から、温もりと力が伝わってくる

俺は手を強く握りしめた

相手も強く握り返してくる全身に力が入ってくる

鈴の音が小さく、と同時に、まわりの景色も正常に

俺達は四人で手を繋ぎ輪を作っていた

全員の目が合う

「どや?聖グローブの効果は?…ニッ」

(ただの軍手だ…)

ドォォォォォーーーーン

(なに?)

奴の方から物凄い音がした

恐る恐る奴の方を見る

ドォォォォォーーーーン

「マジかよ!」

「ヤバイっすよ」

ドォォォォォーーーーン

聖縄サークルで囲っおいた二人組と小さいドクター…

サークルから出れたのか!

「どっかにスピーカーついてるんちゃうか?」

「効果音か?」

「逃げますか?」

「ヤレルノカイ…ヨウカイタイ…ヒヒ」

二人組、ドクター、、シクター、奴…

幽霊五人vs俺達四人

「ちょっとまずい雰囲気ちゃう?」

「大丈夫!」

「勝ち目あんのか?」

「あぁ、これがある!」

シスターの物は俺達が持っている

この物とシスターを浄化できれば奴らも同時に消えるだろう

奴らと俺達は睨み合いが続く…

(微妙な間合いだ…)

奴らも動けないのか?

激しい音も鈴の音もしない…静寂な空気に包まれる…

「やろか?」

「やれるか?」

「時間ないで…」

「シャベル隊、前に出て賛美歌、歌え!」」

「え?…はい」

(自他共にシャベル隊だ…)

「アァ〜ヴェ・マリィ〜〜イァ〜〜♪」

「音痴やな?」

(お前もな!)

「聖歌隊、歌い続けや!」

(シャベル隊じゃ?)

奴らは?

睨まれてる…

やば?近付いてきた!

「聖歌隊、声が小さいぞ!」

もう奴らは無視してやるしかない!

「やるぞ!」

「よっしゃ」

「神様、神父様、我々に、この者達を浄化する力をお与え下さい」

「聖水っ」

「よっしゃ」

ジュ〜〜

「開けて!」

友人が箱を開けた

「これや!」

シスターの毛髪に、契約書の紙

間違いない!

奴らが俺達を取り囲む

(怖ぇ…)

「くらえ!」

ゴォーーー!

(556!!)

なんと聖火を556で火炎放射機に!

(持ってきてたんだ…)

奴らが怯む

霊でも炎は避けるようだ

(聖火だしな…)

「シャベル隊、行け!」

後輩達が奴らの怯んだすきに聖縄でいっきに囲みこむ!

形勢逆転だ!

「聖夜に呪いをかけた者達よ」

「我々、バレルスの手により浄化する」

「今からでも遅くはない、神に許しをこえ」

「聖水かけろ」

「聖火だ!」

「祈れ!」

聖火の炎がまたたくまに燃え上がる

奴らが炎のなかに浮かび上がる

「お前には二度目だな」

「Still-Nacht」

「HeiIig-Nacht」

「おまけら地獄の猛火でざんげしろ」

AM01:00

浄化終了

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

Concrete
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色々探りながら、全作読ませていただきました。
面白かったです!
私も続き読みたいなぁ…

返信

バレルスシリーズ、ここで言うには不謹慎?かもですが、楽しかったです。
是非続きが読みたいです。

返信