中編3
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トビラ

(※稲川淳二風に語らせていただきます)

この話はねぇ…。私の友人から聞いた話なんですが…。

この友人。そう、仮にHと呼ぶ事にしましょう…。

このHが…高校時代からの親友のぉ…、そうですねぇ、彼をTとしましょうか。

このHとTの二人は、本当に仲が良くて社会人になってからも、良く飲みに行ってたんですねぇ。

でも、互いに忙しくなり中々そんな時間が取れない…。

だぁーいぶ暫くした頃に、Hがふと…

「あぁ、次の休みは何も無いなぁ…。Tのヤツどうしてるかなぁ」なぁんて思っていると、『ブイイィィィ、ブイイィィィ』っといきなり携帯が震えるものだから、ビクゥッとしてすぐに画面を見るとTからの電話なんだ。

あぁ…なんだぁ。

こんな不思議な事ってあるんだなぁ…。

なぁんて、思いながらねぇ電話に出たら

「おう!ひさしぶり。次の休みにでもどう?」っと、Tから飲みに誘いの電話が来たもんだから、

「おう!いいよ。またいつもの居酒屋で。」とHはすぐに了解の返事をしたんですねぇ。

そして、飲む約束をした日。

居酒屋にはぁ、先にHが着いててTを待っていたんです。「ちょいと早くついちまったなぁ」ってねぇHが思っていると、

『カランカランカラン‥』、

居酒屋の入口が空いた合図の鐘がなったもんだから、ふいに眼がいくとTが入って来るのが見えましてねぇ。会うなりに

「あいよ。これ土産。」

『ポォォン』と、重なった包みの物をカウンターの上に置いたんですよ。

なんだろなぁ‥。

なぁんて見てると、Tのほうから「韓国海苔やで。出張で1人韓国とか中国の工場に挨拶回りで一週間ほど向こうに居っててん。」

そんな会話から、男二人の飲み会が始まったんですよねぇ。

あれぇや。これぇや。と話している内に、今回の出張の件が話題になってきましてねぇ、「いやぁ…。一人で泊まる中国のホテルは怖かってんで。」なぁんてTが言ってくるからHも「何が怖かってん。マフィアにでも銃を突き付けられたか?」と、冗談で返したにも関わらず、Tは落ち着いた神妙な面持ちで、

「いやぁ…、一ヵ所のホテルでなぁ。初の心霊体験してなぁ。

挨拶回りしたあと用意されてたビジネスホテルに着いたんやけどな、建物自体は古いんやけど内装は綺麗にされててなぁ、ベッドとTVが置いてあるシンプルな部屋やってん。

ホテル着いた時には接待されたあとやったから酔いもあってTVつけても言葉わからんから観んとすぐに寝てん。

するとな‥‥‥、

『コンコン‥。コンコン‥。』とドアと叩いてる音が聞こえて来て

(オレの部屋か?)なんて思いながらも酔いと眠気で動く気は無く、ほっといてん。

暫くしてからまた、『コンコン‥。コンコン‥。』とさっきより少し大きな音で聞こえてたから、(こんな時間に誰やねん)って思いながら起きて扉の覗き穴からを廊下を見ても誰もいない雰囲気。

悪戯か?って思ったからTVをつけて紛らわして無視することにしてん。

TVつけながら眠りに入って暫くしたら『ドンドンドン!ドンドンドン!』って、扉が壊れるんちゃうかと思うぐらい大きな音がしてきた、飛び起きて『誰ですかっ』て言っても返事がけーへん。

扉を開けるには怖かったから、何回かベッドから話しかけてんけど返事せーへん。

(日本語わからんから止めへんのか?)って思い付いたら怖いのも減ったから、扉を開けたろうとベッドから降りたら、その瞬間に音が止まってん。

また扉の覗き窓から見てんけどダーレもおれへん。

『うわ。コワ!』って事で、もう眠る事もできんでチェックアウト。

精算カウンターの人が日本人やったから、クレームじゃないけど、グチってん。

ほなな‥。

『実は‥大分昔に、火事がありまして、その時、何名か部屋で亡くなられた方がおりまして‥。』やって、

マジで引いたね。

扉叩いてる音してた時に開けたら憑かれてたかも知らんかったわ‥‥。」と話終わった後にHが‥、

「ん?火事で逃げ遅れたんなら、ずっと部屋におったんちゃうん。」と。

いやぁ…こんな不思議なことって在るんですねえ。

もしかして、この霊は扉を開けて欲しかったんじゃないでしょうか‥。

おしまい

怖い話投稿:ホラーテラー 淳ちあんさん  

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