人形VS俺の後日談というか
サキの正体の話をします
恐くははないので恐怖をお探しの方はスルーでお願いします
長くなるんで前編後編に別れます
長文嫌いな人もスルーお願いします
ある村に一人の女性がいました
女性は村の男性と恋に落ち
夫婦となり
やがて一人の女の子が生まれました
夫婦はとても喜び
女として美しく咲き誇って欲しいと願いを込め
『美咲』
と名付け
大切に大切に育てました
しかし
美咲が生まれ10年の月日がたった頃
父親が山に出掛けたきり
帰って来なくなりました
母娘は嘆き悲しみましたが
二人で力を合わせ
父がいなくなった後を生きるため精一杯頑張りました
が
美咲が12歳になる頃
今度は美咲が
母と遊びに行った海で波にさらわれ母の目の前で海に消えてしまいました
愛する夫と
愛する娘を失った母は
悲しみのあまり家に閉じこもり
毎夜泣き明かし明るかった性格は暗くなり
目に見えてやつれていきました
村人と交流が途絶え
三ヶ月がたち
心配した村人が母の家に行くと
『みさきぃ〜…可愛い可愛い美咲…泣かないで…母が側にいますよ〜…』
と母の声が聞こえた
不思議に思った村人が
戸の隙間から家の中をのぞくと
母が汚い人形を一生懸命あやす姿が見えた
とうとう気が狂ってしまったか
恐怖を覚えたが
家族を失い気が狂った哀れな母をほっては置けず
意をけして戸を開け母に声をかけた
村人「○○さん(母の名前)大丈夫か?おらの畑で取れた野菜持って来たから食ってくれ」
母『あらいらっしゃい…見てください…美咲が…美咲が戻ってきたんですよ…ほら美咲挨拶しなさい…美咲?…美咲!…黙ってないで挨拶したらどうなの!…美咲!…ごめんなさいね…この子ったら…帰って来てから黙ったまんまで…』
目は墨か何かで書いたのか顔に使っている布の素材に滲んでしまいぼやけた黒い瞳
身体は藁で出来てある
藁人形に布の頭が付いているを想像するとわかりやすい
そんな不気味なモノを
大事そうに抱え
愛おしむように話し掛ける母に恐怖した村人は
逃げるように母の家を後にした
それから母は
外に散歩に出たり
村人と積極的に交流をもつ
など明るくなった
彼女の腕の中に
ボロボロの藁人形をかかえている事を除いては
しかし
暫くたつと村人に
母『美咲が声を聞かせてくれない』
と相談をしだし
母の家の中から
母『なんか言いなさい!美咲!…美咲…お願いだから声を…美咲ぃ…なんで…何がいけないの?…美咲の魂はどこにあるの?…ふふふっ…美咲待ってて…ふふふっ美咲…』
などヒステリックに
叫び
嘆き
不気味に笑う
家の中をドタドタ走ったり
物を投げたり
そんな音が響く日が続いた
村人は恐怖で母に近づく事を避けるようになった
そんな日が一年も続いたある日
家の中からヒステリックな音がやんだ
その代わりに明るい笑い声が聞こえてくるようになった
母『美咲美味しい?』
??『うん』
母『よかった』
母『美咲愛してるわよ』
続きます
怖い話投稿:ホラーテラー 黒ネコ大和さん
作者怖話