短編2
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山の中の迷子 2

えーん…

えーん…

えーん…

私たちが子供を探している間も泣き声が止むことはありませんでした。聞いているうちにまるで機械音の泣き声が延々とリピート再生されている…

そんな錯覚に陥りそうになっていた頃です。

「あなた!こっち来て!」

妻の声がしたのですぐに妻の元へ行ってみるとそこには妻と泣いている男の子がいました。

男の子はランドセルに黄色い帽子、見るからに小学校低学年のようでした。

なんでこんな格好で山に…?学校帰りに友達と遊びに登りに来たのか?

と思いましたが周りには私たち以外は誰もいません。

なにか普通とは違う感じ…

なんとも言えぬ違和感が…

「僕、こんなところでどうしたの?」

妻が話し掛けました。

「うっ、ひぐっ、パパが…」

「パパ?パパと来たの?はぐれちゃったのかな?」

「違う、うぅ、僕を置いてっちゃったんだ…」

「え?」

「僕を捨てて、行っちゃったんだよ…ひっく…」

子供の様子が変わっていく…

やはり変だ、それ以前にこれは何か…

「おい!もう行くぞ!」

「え!?何いってるの!?こんな子供を置いていけるわけないでしょ!もしこの子の言ってることが本当なら警察に届けないと!」

「いいから行くぞ!」

「離して!!」

妻が私の手を振りほどき子供を抱きしめる、妻もどこかおかしくなっているのか?この子供の何かに呑まれているのか?

「僕は…僕は……」

その時、私は気づいてはいけないことに気づいてしまいました。有り得ない、どう考えても有り得ない、私の間違いだ…!

しかし子供を見れば見るほどその考えは疑念から確信に変わっていきました。

「僕を捨てたのは……」

私はこの子供に会ったのはこれが初めてじゃない

  ・・・・・・・・・

私はこの子を知っている

       ・・・・・・・

そしてこの子も私を知っている

「僕を捨てたのは…」

「お前だよおぉおおおぉぉぉぉおおおおおぉおおぉぉぉぉおおおおおおおぉぉぉぉぉぉおおおおおおおぉおおおぉぉぉぉおおおおおぉおおぉぉぉぉおおおおおおおぉぉぉぉぉぉおおおおおおおぉおおおぉぉぉぉおおおおおぉおおぉぉぉぉおおおおおおおぉぉぉぉぉぉおおおおおおおぉおおおぉぉぉぉおおおおおぉおおぉぉぉぉおおおおおおおぉぉぉぉぉぉおおおおおおおぉおおおぉぉぉぉおおおおおぉおおぉぉぉぉおおおおおおおぉぉぉぉぉぉお」

怖い話投稿:ホラーテラー 悠さん  

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