皆さんこんにちは。
一向に文章が上達しないふたばです。(´・ω・`)
己の練習に他人を巻き込んでやろうと、掲示板を建ててみました。
以下、ここでのルールを説明します。( ᴗ ̫ ᴗ )
↓
🌱ここは、短編の練習をする為の掲示板です。
🌱毎月単語を3つ、お題として出しますので、短編の「三題怪談」を募集します。
🌱「三題怪談」とは、1つのお話に決められた3つのお題のワードを入れなければならないという“縛り”で御座います。
🌱お話の長さの目安は、原稿用紙2枚分(800字)程度。
(あくまでも目安です、越えてしまってもヨシとします)
文字数カウント↓
https://phonypianist.sakura.ne.jp/convenienttool/strcount.html
🌱お題は毎月一日に更新されます。
🌱提出期限は毎月28日までとします。
🌱お話はいくつ投稿しても構いません。
🌱初心者大歓迎。実際私もほぼ読み専なので、文章が下手っぴです。軽い気持ちでご参加下さいませ。
🌱ここで投稿されたお話は、“ご自身で書かれたお話ならば”怖話の通常投稿にあげても構いません。
寧ろ、多くの方に見ていただけるよう、ここで試し書き、本投稿で完成品といったように使って下さいませ。
何なら他サイトでも投稿されている方は、そちらへあげるのも問題御座いません。
(※他の方の掲示板でも同じとは限らないので、その都度そこの掲示板主へご確認下さい)
🌱題名も付けて頂けると助かります(題名は文字数には含みません)。
🌱感想だけのご参加も大歓迎です。
🌱明らかな荒らしコメントは即刻削除致します。慈悲はありません。
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【11月お題】
「黄泉」「狐」「エレベーター」
投稿期間 11/1 0:00〜11/28 23:59
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ですがまぁ…建ててみたは良いものの、私が独りで短編を書き続ける寂しい場所になりそうな気がします……
そこで!ちょっとした特典代わりと言っては何ですが、ここで投稿されたお話は、私ふたばが朗読させて頂きます。ᕦ(ò_óˇ)ᕤ
具体的に言うと、YouTubeにてその月に投稿されたお題の回答を、纏めとして朗読してアップします。
素人の朗読ですのでレベルは低いですが、創作意欲の糧になれれば幸いです。( ᴗ ̫ ᴗ )
※朗読されるのが嫌だという方は、お手数ですが文末に「※否朗読希望」とお書き下さいませ。
📚過去のお題アーカイブ
【9月お題】「彼岸」「ぶどう」「ネジ」
https://youtu.be/DlNJ68yKIfA
【10月お題】「十五夜(月のみでも可)」「図書館」「菊」
(※お題提供:あんみつ姫さん)
https://youtu.be/iA4spsQlSMA
【11月お題】「りんご」「子ども」「落ちる」
https://youtu.be/UMVBBrycZqU
【12月お題】「肖像画」「塩」「M」
(※お題提供:むぅさん)
https://youtu.be/MJmFrqUqvj0
【1月お題】 「ウシ」「晴れ」「厄」
https://youtu.be/N0tX10EOJoE
【2月お題】 「僧」「遊泳」「踊り」
Extraお題「怪僧」「宇宙遊泳」「阿波踊り」
(※お題提供:嗣人さん)
https://youtu.be/9j2vK_kKzhE
【3月お題】 「風」「証」「波」
https://youtu.be/zZoV2ce7poU
【4月お題】「サクラ」「窓辺」「人形」
https://youtu.be/kZzfmq8cNvM
【5月お題】「母」「鬱」「川」
https://youtu.be/RNqUE92-K2k
【6月お題】「クラゲ」「雨」「失踪」
https://youtu.be/BM0ataca42E
【7月お題】 「天の川」「亀裂」「写真」
https://youtu.be/RcXTXfzfKUk
【8月お題】「手を振る」「扉の向こう」「呼ばれる」
(※お題提供:ラグトさん)
https://youtu.be/omL3byV-eF0
【9月お題】「アリス」「スープ」「ハサミ」
https://youtu.be/w20FnRK-bQQ
【10月お題】「バラ」「時計」「たばこ」https://youtu.be/g_zxwy1H73I
【11月お題】「無人探査機 」「提灯鮟鱇 」「地引網 」
(※お題提供:ロビンⓂ︎さん)
【12月お題】
「プレゼント 」「空席」「信号 」
【1月お題】
「トラ」「階段」「玉」
【2月お題】
「ネコ 」「チョコレート」「箱」
【3月お題】
「ウメ 」「日記」「歌声」
【4月お題】
「駅 」「看板」「ポスト」
【5月お題】
「灯り」「公園」「針」
【6月お題】
「カッパ」「アジサイ」「自転車」
【7月お題】
「浜辺」「貝」「欄干」
【8月お題】
「ニセモノ」「蝋燭」「指」
【9月お題】
「帰り道」「ビン」「コスモス」
【10月お題】
「先生」「空腹」「筆」
【11月お題】
「橋」「ゾンビ」「忘れ物」
【12月お題】
「足音」「雪」「吐息」
【1月お題】
「ウサギ」「獣道」「目」
【2月お題】
「鬼」「酒」「身代わり」
【3月お題】
「都市伝説」「ピアノ」「ボタン」
【4月お題】
「絵本」「珈琲」「霞」
【5月お題】
「シミ」「地下」「蝿」
【6月お題】
「ダム」「悲鳴」「カエル」
【7月お題】
「夏草」「鏡」「プラネタリウム」
【8月お題】
「漂流」「雲」「ラムネ」
【9月お題】
「神隠し」「お米」「カバン」
【10月お題】
「皮」「警告」「お札」
【11月お題】
「1週間」「影」「オレンジ」
【12月お題】
「ケーキ」「透明」「チャイム」
【1月お題】
「 」「 」「 」
【2月お題】
「穴」「遅刻」「節」
【3月お題】
「足跡」「惑星」「メッセージ」
【4月お題】
「卵」「楽園」「嘘」
【5月お題】
「人混み」「電話」「花瓶」
【6月お題】
「墓場」「毒」「待つ」
【7月お題】
「海」「境界」「糸」
【8月お題】
「打ち上げ」「ライト」「未練」
【9月お題】
「借りもの」「バス停」「斜陽」
【10月お題】
「骨董」「ピエロ」「姉」
※追記:ここのお話を本投稿へもアップされる方へのお願い
🌱先に述べた通り、ここに書いたお話は一般の怖い話にも投稿して頂いて構いません(そもそも著作権は作者のものですから)
🌱一般投稿分は掲示板のレギュレーションから外れますので、文字数を気にせず加筆修正しても何も問題御座いません。
🌱ですが、投稿の際には題名に“三題怪談”の文字を付けないで下さい(同じ企画系列の題名が並ぶとうんざりしてしまうユーザーが現れ、揉める為。実際、過去にそういう事がありました)
🌱また、お題の単語をお話の解説欄に載せると、その単語に気を取られて純粋な短編として楽しめないので、読者的には解説欄には“掲示板より”とだけ書いて頂けると助かります。
(コメントにお題の単語をネタバレ防止で公開するのはアリです)
(ここのページのURLは貼っても貼らなくてもいいです)
🌱代わりに、投稿作のタグ欄に、お題の単語タグ3種と“毎月お題の短編練習枠”タグが知らぬ間に付いております。十中八九私ふたばが犯人なので怖がらないで下さい。
企画というより常設となるこの場所は、細く長く続けていきたいので、何卒、ご理解下さいませm(_ _)m
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『楽しい我が家』
新年早々、階段から落ちた。
酔っぱらっていたんだから仕方が無い。お屠蘇代わりのアブサンが効いた。
全身を打った割に痛みは少ない。
酔っぱらっているからか?
まあ、良いや。
誰も見ていないのに、照れ隠しでへらへらと笑う。
ああ、そうだ。
明日は姪っ子が来るんだっけ。
姉貴もなぁ、できちゃった結婚なんてびっくりしたよ。
あっという間に、姪っ子も小学生だもんなぁ。
お年玉ちょうだーい、なんて強請られるんだろうな。
ポチ袋買ってあったっけなぁ。
茶封筒じゃ駄目だっけ?
いいよ、もう。どうせ姉貴は、俺が何やったって文句言うんだから。
三十過ぎて碌な仕事にも就かないで、酒ばっかり呑んでボロアパートに住んで。こんなとこ住んでるの、日雇いの金髪兄ちゃんやぼけちゃったお爺ちゃん、後は不法滞在の変な外人しかいないもんなぁ。
「あけましてもめでとーございまーす」
おっ、この声は隣の金髪兄ちゃんだな。
どうした?
「いやー、聞いてくださいよ。年明けから嫌な夢見ちゃって……って、あれ?」
おい、どうした?
俺の顔に何かついてるか?
……っていうかお前、随分汚い格好だな。
「婆さんや、ご飯はまだかのう?」
一階下に住んでるお爺ちゃん。
あのねぇ、お婆ちゃんは一昨年亡くなったでしょうが。
もうすぐヘルパーさんが来るから、ご飯はその人に用意して貰って……って、ありゃ?
「アケマシテオメデトー。ヤバいよー。ヤバい」
一階上に住んでる外人さん。
何がやばいのよ、新年から。
こっちは、あんたがくれたアブサンのせいで散々だってのに。
「ヤバいブツ、ヨコに流しちゃってたのバレた。ワタシもう、ここにいられないよ。残念だよ」
ああ、あんた、たまに俺らにも変なクスリ売りつけようとしてたよね。
でも、いなくなるんだ。
ちょっと寂しいけど……ん?
「あの……さっきから気になってんですけど」
金髪兄ちゃんが、頭を掻きながら言う。
「何で……曲がってるんすか?」
……え?
頭にに手を当てる。
自分で切るからトラ刈りだ。じょりじょりする。
「そっちじゃなくって、首の方っす」
え?
首?
別に何とも……って。
ありゃりゃ。
道理で、視界が90度曲がっているわけだ。
そういう兄ちゃんは血でべったり汚れたシャツを着て、そのシャツの破れ目から臓物はみ出させているし。
お爺ちゃんは変な顔色で口の端から緑色の液体垂れ流しているし、外人さんに至っては顔中ぼこぼこで、折れた手足を引きずりながらよたよた歩いている。
「あー……」
金髪兄ちゃんがため息を吐いた。
俺も顔を見合わせて、苦笑いする。
笑えねーよ、もう。
ボケ爺さんだけならともかく、俺らまで忘れちゃうなんて。
っていうか、これ、何回目のやり取りだ?
蝉が鳴いているのが聞こえる。
今は、元旦じゃないらしい。
「とりあえず……一杯やるか? 俺の部屋で」
俺が提案すると、全身ボキボキンの外人が笑顔になる。
「オサケ、ワタシの部屋にもアルヨー。特製ダヨー」
ふざけんな。
お前の酒のせいで死んだんだよ、こっちは。
老朽化した木造アパートは、何故か取り壊しも建て直しもされないまま、そこにある。
もう大分昔になるが、元旦早々、住民が四人も亡くなったらしい。
恋人に腹を刺された若者。空腹の余り、洗剤などの異物を飲み込んだ独居老人。麻薬の横流しをしたために、仲間からリンチされた外国人。酔って階段から落ち、首の骨を折った男。
季節を問わず、こんな声が聞こえてくるらしい。
「あけましておめでとう」
タイトル
「もう、遅い」
実家の猫はトラと言う。確かに縞々の模様ではあるけれど。ふっくらとした体形、短い手足に団子状態の尻尾と、どう見てもただの雑種の雌猫だ。
好物はマタタビ。
大の酒好きである祖父と、良く一緒に晩酌をしている。
「トラは、何でトラって名前なの?」
一度、聞いてみたことがある。晩酌のビールに付き合いながら。酒が入っている時の祖父は一番饒舌なので、子供の時分から成人するまで、ずっと疑問だったことをぶつけてみたのだ。
「トラはなぁ、強いんだぞ」
祖父は上機嫌でビールを煽ると、マタタビで酔っぱらっているトラの頭を撫でながらゆっくりと話し始めた。
祖父がまだ子供だった頃、祖父の父……私から見れば曽祖父が、古物商に騙されて水晶玉を買った。水晶玉、とは名ばかりで、ただのガラス玉に当時としては相当な金額を包んだらしい。
曾祖母は卒倒せんばかりだったらしいが、そこは昔の話。
家長のやることに口を挟めるものではない。
手のひらに乗るほどの小さなガラス玉は、玄関脇に飾られることとなった。
「それからだよ。客が妙なことを言うようになってなあ」
玄関を入って、少し右……固定電話を置いてある傍に、二階に続く階段があるのだが。
「そこに女がいる、って、皆言うんだよ。いや、俺の親父は信じないよ? 鈍感で馬鹿だからガラス球に大金払うんだしさ、でも俺もお袋も見たんだよ。髪のながーい、ぼろぼろの着物の女をな」
いやいやいや。
あっさりと言ってのけた祖父に、却って血の気が引く。
ぼろぼろの着物の女、って。
「ああ、凄い恨めしそうな目で俺たちを睨んでたな。階段だけじゃないぞ。俺が寝てると枕元に立つこともあったし、何かぶつぶつ言ってんだけど聞き取れなくって、本当に気持ち悪いんだわ」
それ……。
素人目に見ても、物凄くダイレクトに呪われてるんじゃ……。
「トラを見つけたのは、その時だったな」
町のゴミ捨て場で、みゃーみゃーと鳴いていたらしい。
「仔猫? いいや、普通に今のデカさだったぞ」
まずは獣医に連れていくとか、飼い主を探すとか。
そういった発想が無いのも、時代である。
「親父は猫嫌い……っていうか、女子供の言うことには必ず反対する人だったからな。俺、空き地でこっそり飼ってたんだよ。お袋もわかってて、俺に鰹節とか、メザシとか持たせてくれてな」
その時は、トラという名前ではなく。
野良猫の延長で、ノラと呼んでいたらしい。
「正月の頃だった。うん、俺が十三歳の元旦だ。ノラの居る空き地に行って、親戚に貰ったお年玉を見せながら言ったんだ」
お年玉だぞ。お前にも好きなもの買ってやる。尾頭付きの魚か? カマボコか?
「ノラの顔がぱっと輝いたように見えた……けど、別に魚が欲しかったわけじゃないんだよな」
お年玉、という言葉に反応したらしい。
祖父が止める間もなく、ノラは走って空き地を出た。そのまま、空き地の裏にあった祖父の家に上がり込み……玄関先の振袖の客が、悲鳴を上げるのも構わずに……靴箱の上に飛び乗ると、赤い座布団の上に据えられたガラスの玉を見事に叩き落した。
かしゃ、と、思った以上に小さな音を立てて、ガラス玉は真っ二つになった。
「親父? そりゃ怒ったよ。でも、俺もお袋も、知らない野良猫が勝手に入って来た、ってことでシラ切ったけどさ。え? 俺らが親父を嫌ってたかって? 嫌いに決まってるだろ。死んじまえ、って毎日思ってたよ」
女の幽霊は、それから見なくなった。祖父の父親が死んだのは、元旦の翌日だったと言う。
「苦悶の表情、って、ああいうのを言うんだろうな。医者も困ってたよ。だって、全部の内臓が綺麗に真っ二つだぞ? 親父も苦しかったろうなぁ。でも、日ごろの行いって大事なんだぞ。医者呼んでくれ、くれぇ、って血を吐きながら言う親父を、お袋は無視してお茶飲んでたし。ノラは親父の腹の上に乗ったりして、親父が苦しがるのを見下ろしてたしな」
通夜も葬式も済んだ辺りで、ノラはトラになった。
正式に飼い猫として迎え入れるに当たって、改名したのだ。
「強いからトラなんだ。うちの守り神だぞ。お前も、下手な真似するとトラに祟られるぞ」
美味そうにビールを呑む祖父は、若い頃には珍しがられた程の愛妻家である。
祖父だけではない。
父もまた、時には母の奴隷ではないかと思うくらいに、何でも言うことを聞いている。
お爺ちゃん。
トラって、雌猫だよね?
それに、お爺ちゃんが拾った時も、もう大人の猫だったんだよね。
ねえ、トラって、今いくつ?
私が、婚約していた女性に手を上げたのは先月である。
依頼、胸の辺りに嫌な痛みを感じている。
婚約者とは連絡が取れない。
胸の痛みは続いている。
医者からは精密検査を勧められたが……。
「心臓も肺も真っ二つだったんだよ、親父は。一体、どんな気分なんだろうなあ」
トラはじっと私を見つめて、「にゃあ」と鳴いた。
ふたば様
新年あけましておめでとうございます。
2022年1月になりました。
新しい年も、どうぞよろしくお願い申し上げます。
早速、三題お題 ありがとうございます。
先月は、一話しか投稿できず、それも、本編に挙げるまでには至りませんでした。
毎回、大山鳴動しネズミ一匹 のようなことばかりしているものですが、今月は、今年年男の息子の分も加味し、少し力の入った作品を手がけられるように、先月、願いながらも叶わなかった投稿作の完成を目指し頑張りたいと存じます。
ふたば様は、今、リレー競作のラストランナーとしての大役があるため、何かとご負担の多いことと存じます。
ご無理なさらず、寒さ厳しき折、どうぞお身体を労りながら、励まれますように。
お祈り申し上げます。
新年早々、素晴らしい言葉を拝見いたしました。
『芽吹き”転じて“才能開花”を司る』
芽吹き、成長し、自身の使命に気づく時、才能が開花する
まさしく、今のふたば様に相応しい言葉ですね。
ふたばが本葉へと成長し、更に枝葉を伸ばし、軈ては大木となって、人々の心身を癒やし養い育てる器へと育ちますように。
昨年同様、この掲示板企画から、月間アワード作品がたくさん生まれますように。
素晴らしい企画とYou Tube朗読配信が、これからも長く続けられていきますように。
お祈り申し上げております。
何かと拙い母ですが、今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
皆様、明けましてお芽出とう御座います🎍🌅
“芽吹き”転じて“才能開花”を司る(今決めました)ふたばです( ᴗ ̫ ᴗ )
皆様、2021年は素敵なお話の数々を有難う御座いました。本年2022年も宜しくお願い致します🌱💡
さて、新しい年となり、月もまた新しくなりましたので、令和4年最初のお題を出させていただきます。
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【1月お題】
「トラ」「階段」「玉」
投稿期間 1/1 0:00〜1/28 23:59
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ふたばま未だ終わらない祭りに囚われている為しばらくレスポンスが悪いですが(割といつもそうですが…)、どれだけ遅刻しても必ず朗読致します(л・▽・)л💦
是非お気軽にご挑戦下さいませ💪🏻 (`꒳´)
ご利用の皆様へ🌱
既に12/27という事で、毎月お題の締め切りは明日28日の23:59までで御座います。
私ふたばはリレーで止まれないので、今回は投稿出来ませんが、皆様が投稿されたお話はどれだけ遅刻しようとも必ず朗読致します。
投稿し忘れていた方がおりましたら、お忘れないようお願い致します……
それでは皆様、良い年末を……_:(´ཀ`」 ∠):
『祝賀』
6歳下の弟の結婚が決まったのは、一昨年の暮れの事。季節はいよいよ年末とあって、俺の心も財布も、いつもより寂しくなりつつあった。
と言うのも、披露宴の日がクリスマスイブなのだ。
何もこんな寒い時期に…なんて愚痴をこぼす人も少なからずいたが、末弟の目出度い日が、世間的にも賑やかな時期と重なるとあれば、これほど良い事は無い。しかも、会場は最近出来たばかりだという、高級ホテルだ。
「お、誠一も呼ばれたのか」
「そうそう、弓子も来るよ!これってなんか、同窓会みたいだな」
同郷なのと、弟と何回か交流があったという事だろう。俺の高校時代の友達も、数人呼ばれていた。
「そういえば、皆プレゼント『幾ら』持ってきた?」
「幾ら、ってなんだよ。プレゼントなら『幾つ』だろ?」
「今日に限っては『幾ら』だろ?(笑)クリスマス結婚なんだから、あいつにとって、俺達のご祝儀がプレゼントみたいなもんだ(笑)」
「ばか!これをクリスマスプレゼントなんて言って渡す奴がいるかよ(笑)」
「まあ、そうだな!なんてったって、新郎にとってのプレゼントは花嫁だもんな~!」
「もう、声がデカいから(笑)やめてよね~あんたら!」
ホテルの中は、さすが高級とあって、いかにも高そうな調度品があちこちに置かれていた。披露宴会場も同様で、高砂席を照らすように大小幾つものシャンデリアが輝き、客席のテーブルには、色とりどりの薔薇が飾られていた。
「ユウイチの花嫁って、どんな人なんだろうな?」
と誰かが言っていたが、恐らく可愛らしい女性なのだろう。会場の雰囲気全体が、ピンクや白、パステルカラーと言った何とも「女性らしい色」で纏まっているのが、その証拠だ。
なんて考えながら、食事のメニューを眺めていると…向かいに座っていた弓子が聞いた。
「そういえば、何でタイチ君、家族席じゃないの?」
不思議がるのも無理はない。…実は、俺と両親はもう、10年以上交流が無い。
もっと言えば、弟ともあまり会話が無いまま、今日まで来てしまったのだ。
弟は、両親が付きっ切りで介助しないと生活出来なかった。その為、俺はほったらかしにされて…実家を出たきり、帰省はおろか、ロクに連絡も取り合わなかった。
結婚の話も親戚から聞かされた始末で、俺は既に、家族というより、家族「だった」人の部類にいた。
だからと言って、弟や親を恨んでるなんて事は毛頭ない。どちらかと言えば、俺の方から家族と距離を置いたようなもの。思えば、構ってもらえない寂しさも、そんなに感じていなかった気がする。
家族ってのは、「ただ血が繋がってるだけの他人」だと誰かが言っていたが、あながち間違いじゃない。
「まあまあ、良いじゃん?『先輩』、って事で」
誠一のフォローに、弓子は怪訝ながらも「ふうん」と言って、話は終わった。
そうこうする内に、会場の照明が少しずつ暗くなり、会場入り口のドアにスポットライトが当たる。そして…
「新郎新婦の入場です!」
大袈裟なアナウンスと共に両扉が開き、2人のシルエットが会場内に大きく伸びた。
拍手の中、強張りながらもはにかむ弟と、その隣を歩く花嫁。
俺の想像通り、そこには、「可憐」を絵に描いたような女性が、純白のドレスに身を包んでいた───
※※※※※※※※※※※※
1時間後。俺は、度々襲ってくる眠気と退屈に、どうにか抗っていた。
誠一は既にコクリコクリと舟を漕ぎ、ヨシトはさっきから、あくびを連発している。このテーブルが、高砂席から離れた隅っこにあるからいいものの…あからさまに眠い様子を見られたらまずい。
けど…さすがに長すぎる。諸々の挨拶が10分程度で終わり、乾杯も終わり、コース料理も出尽くした。それでもまだ、終わらない。
俺達は、もう40分以上も、花嫁の生い立ちビデオを見せられていたのだ。
産まれたての赤ん坊の時から始まり、そこからほぼ1か月刻みでスライドショーが流れ…今現在、まだ5年しか時が進んでいない。
雛祭りとかクリスマスとか、年中行事で沢山撮ったやつならまだいいが…殆どが、それ以外のどうってことない、日常の1コマを映したものばかりだった。
弟も無表情で、だいぶ疲労の色が見える。しかし…花嫁はさっきから満面の笑顔。2人の温度差の違いが、最初こそ面白く思えたけど、今はもう笑える元気が無かった。
ふと、向かいの席に目をやる。弓子の席は、さっきからずっと空席のままだ。「ちょっとお手洗いに…」と言って会場を出たきり戻って来ない。
授業や行事がだるくなった時の、彼女の常套手段だ。今頃トイレかどこかで、スマホ片手に暇を潰しているに違いない。
…そう思ったら、何だか俺も、トイレに行きたいような行きたくないような…いや、そうと決まれば、即行動だ。
「すみません…ちょっと、お手洗いに…」
「かしこまりました、扉を出て向かいになります」
睡魔にやられ、ぬぼーんとしている誠一とヨシトを置いて、俺はそっと、会場の外に出た。すまん…!でもな、俺も限界なんだ。許せ。と心の中で謝りながら、トイレを突っ切った突き当りの喫煙ルームに逃げ込む。
「はあ~…」
開放感で満たされ、ため息が出る。と同時に、電子タバコの煙が、口から噴き出て頭上を覆った。
その光景が、何だか昔見た事がある気がして…換気扇に吸い込まれて消えていくまで、思わず見入ってしまった。
煙、白い煙…一体何だったっけ…?その場では思い出せず、顔を正面に降ろし、ガラスドア越しに広がる空間をぼーっと見ていた。
すると…トイレの方から、誰かがこちらに向かってくるのが見え…それが弓子だと分かった。
何だか酷く焦った感じで、、眼前に俺の姿を見るや否や、喫煙スペースのドアを開けた。
「あれ、弓子…」
「タイチ!…良かった…」
弓子は、俺にホッとした表情を向けながら、後ろ手でゆっくりとドアを閉めた後、胸に手を当てて呼吸を整えた。
「お前、上手い事逃げ出したな(笑)良かったって、何だよ?」
「……つまんないから外に出た訳じゃないの…ちょっと、気になる事があって…」
「え?あのビデオに?さては心霊写真があったとか?」
「……何ていうか…あの披露宴全体が、ちょっとおかしくない?」
さっきまで馬鹿話で盛り上がっていた弓子と、全く違う。でも、昔から弓子はおふざけが苦手だから、冗談ではない事はすぐに分かった。
「おかしいって例えば?」
「私達が呼ばれた事とか、タイチ君が家族席じゃない事とか…」
「それは、俺が家族と疎遠だからだよ、もう何年も喋ってないから、気まずいんじゃない?」
「だとしても、何で呼ぶの?わざわざ疎遠な人、呼ぶ必要ないじゃない」
弓子の言葉が、チクリと刺さる。親友とは言え、ここまで言われる筋合いは、正直無い筈だ。
「…さっきから、何、どうしたの?」
「……タイチには、凄く言いにくい事だって分かってる。でも私…もう会場には戻りたくない」
「だったら、このまま帰ればいいだろう」
「そういう事じゃないの。なんて言うか…あれって、新郎って…本当にユウイチ君なの?」
※※※※※※※※※※※※
え?
「ちょっと、ちょっと待ってよ、いくら疎遠でも、兄弟の顔ぐらいちゃんと覚えてるよ!あれがユウイチじゃないとしたら、誰なんだっつの!」
「そうだけどさ…」
「大体、ユウイチじゃないとして、誰が招待状送るんだよ。新手の詐欺にしたって、こんな手の込んだ事しねえよ、弓子、お前…離婚したからって、変に突っかかり過ぎじゃねえの?」
「そうじゃないよ」
「いや、そうだよ、…まあ、嫁さんはちょっと変わってる感じだけど…悪い、俺…戻るわ」
「だめ!」
「もお!何なんだよさっきから!」
「本当に気付かない?兄弟だからわかる?本当に?自動車事故の写真見ても、同じ事言える!?」
───お父さん、お母さん、ユウイチ!苦しいよ…
煙が充満する車内。体中が痛み、朦朧とした意識の中…割れたフロントガラスの向こうに、誰かの影を見た。
12歳の冬。ドライブへ出かけた俺達家族は、自動車事故に遭った。信号無視で横から走って来た車を避け切れず、ガードレールに激突したのだ。
両親と俺は、体を強く打ち、ガラスが体に刺さったものの軽傷だったが、幼かった弟は、運転する父親見たさに身体を前のめりにしていて…ぶつかった衝撃を一気に食らい、フロントガラスを突き破って、外に放り出された。
その事故以降、弟は、両親の介助無しでは生活出来なくなった。信号無視をした車には、弟と同じ年頃の女の子が乗っていたそうだ。遊園地に向かう途中だったらしい。
「4歳頃の写真の中に、事故を起こした車があった。子供の後ろ側…普通、ああいう写真ってちゃんと選ぶよね?…それに…ユウイチ君、いつから自立歩行出来るようになったの?」
それは、車中で撮られた写真だったという。アイスクリーム片手にピースサインをする女の子の背後。バックドアのガラス越しに、大破した車が映っていた。
嘘だ。嘘だ…ユウイチは、ちゃんと歩いてたじゃないか、花嫁を連れて。頸椎損傷して、体中にマヒが残っていたとは思えないくらいに、元気になっていたじゃないか!
「…あれは、ユウイチだよ…」
喫煙ルームを出ると、親族の中で唯一出席していた伯母が、青褪めた顔でトイレから出てくるのを見つけた。
「伯母さん…大丈夫?」
「あぁ、タイチ君…私もう帰るわ、あんな恐ろしいもの見てられない…!あんたも帰ったほうがいいよ」
「…どういう事ですか?」
「あんなのおかしいわ…」
嗚咽混じりの伯母さんの言葉を振り切って、会場に戻る。そこにはもう、可愛らしい子供の写真は映っていなかった。写真の代わりに写っていたのは、ゴシック体の大きな文字だった。
「ぼくは このおんなに めちゃくちゃにされました」
それは、いつか聞いた、視線入力型のキーボードによるもの。ユウイチが使っていたものと同じ…
「違う、違う…やめて…やめてよ…!」
花嫁に、もう笑顔は無かった。彼女の両親であろう男女2人は、映像を止めるでも何するでもなく…ただ茫然と、目の前で起きている事が信じられない様子だった。
「…なあ、ユウイチ…?お前、ユウイチだろう?」
「ぼくは ゆるすことは できません」
…なあ、どうしたんだよ。俺は…お前がずっと不憫だった。だから、自分から両親の愛情から身を引いたのに…!
「たいち うそついて ごめん」
嘘って…何だ?そういえば、両親は…?親父とお袋、どこにいるんだ?こんな時に…なんで…
「君のおばあさん、良い人だな…息子に必要なお金、君の家族の代わりに全部負担してくれたよ」
「息子?…ユウちゃん、何言ってるの…?」
「息子は幸せになるはずだった。君のように。何一つ罪悪感を感じる事無く…何の苦しみも味わう事無く…」
何で、何で誰も、映像を止めようとしないんだ…
「ユウイチ!!…もうやめろ!お前、十分頑張ったじゃないか、こんなに歩けるようになって…」
「…タイチ、久しぶりだな…」
眼前に佇む男は、確かにユウイチの筈…なのに、何だろう、この違和感。
体の中を、デカい毛虫が這うような、そんな感覚。
「ユウイチ…?」
「済まなかったな…俺は…お前に親らしい事、何も出来なかった。母さんも悔やんでいたよ───」
※※※※※※※※※※※※
気付くと、俺はベッドの上に寝かされていた。うう、と声をあげると、体の右側から足音が聞こえ、誠一が俺の顔を覗いた。ここはホテルの客室で、俺はスタッフに担ぎ込まれたらしい。
「起きたか、心配したぞ、大丈夫か?」
「ああ…ヨシトと弓子は?」
「弓子は帰った。ヨシトは一服。あと…言いにくいんだけど、披露宴は中止になったよ」
「えっ…なんで」
「俺も分からない。途中から何故かすごく眠くて…オレもヨシトも、スタッフに起こされてさ。気が付いたら、新郎新婦もいないし。会場の片付けが始まってたよ」
「…俺は、なんで倒れたんだ?」
そう聞くと、誠一は急に口をつぐんだ。言うべきかどうか、明らかに気まずい表情を浮かべている…俺は、誠一の腕を掴んだ。
「なあ、なんでだ…あいつは…ユウイチだった───」
「お前な、だいぶ酔ってたぞ、ペース配分考えないと!なっ」
誠一は、俺の手を腕からゆっくり外して、ベッドに寝かせた。見え透いた嘘。彼なりの配慮だろうが、つらい。
「おぉ、タイチ起きたか、大丈夫か?まあ…これ飲んで元気出せ!」
一服から戻ったヨシトが、そう言ってテーブルにワインを置いた。ご祝儀はスタッフから返却され、その金で奮発したそうだ。
「独身男3人が、ホテルの部屋で高級ワインか…、色気もくそもねえな(笑)」
「まあ、良いじゃんか、クリスマスプレゼントだよ、ほら」
「…乾杯」
窓を見ると、既に日が暮れていた。中庭を、大きなクリスマスツリーや、イルミネーションが彩る。
そして、「メリークリスマス!」という掛け声と共に、別の新郎新婦が、カメラに笑顔を向けていた。
ユウイチ達も、もしかしたら、あんな風になれたかも知れない。
「ぷはぁー美味い!それにしても、変な披露宴だったよなあ?他の招待客、どうしたんだろうな?」
「…寝てたよ、全員…おかしいよな」
「だよなぁ?おれも途中から眠くて…緊張してたのかな?タイチ、お前途中からどこ行ったの?」
「ああ…俺も眠くて、一服してた」
嘘だ。けど、そうした方がいい。今日はクリスマスイブ。
「俺達、悪い夢でも見てたんだよ」
ふと、視線を感じて、中庭の奥に目をやる。建物の陰に、男の姿が立ってこちらを見ていた。
「ユウ、イチ…?」
違う。あれは…
男は手を振ると、陰の中に消え入るように、去っていった。
皆さま、ご無沙汰しております。11月は惜しくも投稿に間に合わず断念しましたが、12月のお題怪談、投下させていただきます。
朗読の感想も、こちらで宜しいかしら………
ふたばさん、御忙しいと思われる中で投稿された朗読、拝聴致しました(礼)。
『薔薇の香りの煙草』が、落ち着きの有る素敵な御声で、ジンワリとした味わいの怪談に昇華されていて、感激してしまい、込み上げるものが御座いました。
中でも記号だけの台詞の表現が「こう言う形なんだ」と驚かされながら、「読んで下さり有難う御座います」と改めて感じた次第です。
クリスマスシーズンと年末年始、御身体に御気を付けられまして………
@ふたば 様
誤字がございました。
乾燥→感想 と読み替えてくださいませ。
いやはや。
早速、冒頭からこの有様ですから。(^_^;)
睡眠、栄養をしっかりとり、腰痛と内臓疾患早く治します。
ふたば様も、ご無理だけはなさいませんように。
12月後半も健やかにお過ごしになられますよう。
お祈り申し上げます。
@ふたば 様
お忙しい中、返信と乾燥ありがとうございました。
今月のお題3題が与えられて、真っ先に浮かんだのが、このお話でした。
でも、最初から、死亡フラグの立つ、実に分かりやすい ある意味「定番」怪談でしたね。
800字以内にまとめることが出来ましたが、その分怖さが半減しました。
ふたば様のお住いになられている地方は、12月でも路面が凍結するようなことは、滅多に鳴りのでしょうね。羨ましいです。
隣県になりますが、過去、自動車教習所の教習車が凍結した路面にて、死亡事故を起こしたことがあったそうです。教習車ですから、当然、助手席には、教官同乗していました。
もし、タイヤが滑った場合は、滑った方向にゆっくりとハンドルを切る、ブレーキを踏まない、というセオリー通りの運転だったにもかかわらず、運転技術だけでは、防げなかった悲劇的な事故でした。厳しい冬を迎える地域では、風化することなく語り伝えられている悲しい事故です。
北国は、もうじき本格的な冬を迎えます。
一年中で最も華やかで楽しい季節に潜む危険な恐怖。
幸せな恋人同士を襲った悲劇として描いてみました。
今年は、年末28日まであと二作ほど書きますね。
朗読しやすいようなお話800字以内で、書きます。
ふたば様は、お仕事プライベートが多忙で、実際、投稿する機会が少なかったかもしれませんが、You Tube動画に朗読という形でアップしていることが、元々ふたば様が持っていらっしゃった優れた感受性と文章力を向上させる要因となっているように感じました。
ふたば様が最近アップなさった『探す』という先月の三題お題を元に書かれた作品は、アワードをとってもおかしくないほどのクオリティですし、ふたば様は、ご謙遜なさっていらっしゃいますが、怖い話だけではなく、多彩なジャンルの作品を描ける方だと思います。
なにより、若さというお金では変えない、「希望」があります。
これから、大きく羽ばたく方、その才能を生かし、多方面でご活躍できる方と期待しています。
リレーのアンカーですね。
ふたば様でしたら、きっと納得のゆくラストで締めくくってくださると信じていますし、ロビンさんの言葉をそのまま借りると、ふたば様の描く作品が、「面白くないはずはない。」と。
私も、負うた子に教えられる 気持ちで、謙虚に真摯に精進してまいります。
これからも、どうぞよろしくお願い申し上げます。
@林檎亭紅玉 さん今月も御参加有難う御座います( ᴗ ̫ ᴗ )
冒頭の、血の繋がらない娘からの告白で既に結構インパクトがあったのに、そこからの妻を含めた3人の関係が中々にディープで、しかし誰しも覆らない程想いが強くて、複雑化しないのに読んでいてその深みに沈んでしまいました( ÒㅅÓ)
ある種呪いとも取れる程不思議な体質を持っている妻、愛する娘にさえ向いてしまいその現象が、男の悩む「妻の自分への想い」の答えである事が、なんとも悲劇的ですね…… ᐡ•͈ ·̭ •͈ᐡ
@あんみつ姫 さん御参加有難う御座います( ᴗ ̫ ᴗ )
水溜まりは夜更け過ぎに、路面凍結へと変わるのですね…(。-∀-)
急いで焦る気持ち、黄信号で爆進、中古の冬タイヤ、この文字数でかなりの死亡フラグですね…、最早教習所の教材に使えそうです( ´ ꒳ ` )ノ
この時期はイルミネーションが綺麗ですし、恋人同士会話も弾んで脇見運転も多そうですね。助手席が空席のままだったらきっと安全に帰れたのでしょうね´ᯅ `
『あなたたちへ』
「楽しかった」
と、娘は言った。
「ありがとう」
とも。
そうして、そのまま横断歩道へ駆け出して行った。
信号機には青いランプが灯っていた。
実際に死ぬつもりなんか、無かったのかもしれない。
男が娘の恋心に気付いたのは、娘の十六の誕生日だった。愛しています、と、妙に大人びた口調で言われて、どれほど戸惑ったか知れない。
血のつながりは無かった。再婚相手の娘、それだけの間柄である。
「そんな、困るよ」
一般的な義理の父としての責務を果たそうと、彼はそんな言葉を口にした。
「君のことは、僕の本当の子供だと思っている。娘としては本当に愛している。でも、それだけなんだ。女性としては見られないよ」
嘘を言ったわけではない。
男が愛しているのは、妻一人だった。
妻は、長らく元夫からの暴力に悩んでいた。それでも、元の夫を愛していたらしい。周りの忠告にも耳を貸さず、延々と暴力に耐えながら夫婦を続けていた。
男も、元は彼女の為を思って色々と口を出していた知人の一人に過ぎない。
男は、少しだけ不思議に思う。
自分と出会って、妻は……もとは、あの最低な夫の妻であった女は、変わることができたのだろうか。
同情が恋心に変わるのに、時間はかからなかった気がする。
男が想いを打ち明けると、女は意外なほどあっさりと暴力的な夫への想いを断ち切った。離婚の後に再婚。もめ事が無かったわけではない。元夫が、男の元へ怒鳴り込みに来たこともある。
それでも。
女は、元夫との間に授かった、ただ一人の娘を連れて。
男の元へ来てくれた。
妻として、母親として、やり直すために。
伴侶として、父親として。
精一杯やって来た、つもりだったのに。
「お母さんは大好き。でも、お父さんのことは、男の人として好き」
黒目がちな瞳に涙を一杯に溜めて、娘はそう呟く。
「お願い。お父さん、私の恋人になって」
クリスマスの日、妻は夜勤で出かけて行った。
共働きの夫婦なのだから、こんなことはままある。
娘は、お父さんと食事に行きたいと言った。
そのくらいなら、良いだろう。家族でのクリスマスが過ごせなかった、せめてもの償いだ。
あくまで、父親として。
娘も、それだけはわかってくれた、と、その時は思った。
「楽しかった」
「ありがとう」
信号が青に変わり、娘が横断歩道に駆け出す。若い娘らしい、軽やかな足取りで。
居眠り運転のダンプが突っ込んで来たのは、その直後だった。
車の後部座席には、赤と緑の包装紙に包まれた大きな箱が置いてある。真っ赤なリボン。赤地に緑のモミの木が印刷された包装紙。
添えられたカードには、娘の名前。
「もう、一年になるのね」
クリスマスソングが流れる車内で、妻が小さく呟く。助手席は、妻の指定席だ。
「私、悪い母親だったかしら」
妻が声を詰まらせる。
男は、前を向いたままハンドルを握る。
「あの人、ね」
男の顔が強張る。『あの人』というのが、妻の元夫であることがわかっていたからだ。
「私が別れるって決めてから、もう、滅茶苦茶なの。あなたも知っているでしょう? 会社はクビになるし、実家の商売はうまく行かないし、友達だった人たちもお金を借りたままいなくなったり……最後はお酒におぼれて、借金を重ねて、重い病気になって……とうとう去年、首を吊って、それでも死にきれなくって、最近まで病院で生きてたんだって……」
葬式には行かなかった。行かせなかった。元夫なんて、所詮は他人だ。どうなろうと知ったことではない。
「昔っからこうなの。あなたには言っていなかったけれど……。私に暴力を振るう父親も、意地悪なクラスメートも、贔屓をする先生も、嫌らしいことばっかり言う上司も……元の夫もよ。皆、皆酷いことになっているの」
男は茫然として妻を見つめる。
美しい妻。
そう言えば。
妻と喧嘩した知人は、翌日怪我をした。酷い接客のコンビニ店員は、何故か顔中に酷い発疹ができて、仕事を辞めなければならなくなった。
「でも私、あの子は本当に大事だった。仕事ばっかりで、良い母親じゃなかったかもしれない。でも、あの子には幸せになってほしくて……幸せになってほしかったのに……」
赤信号で車が停まる。
男はすすり泣く妻の肩を抱く。
後部座席。
もとは娘の指定席で、今は空席になっているその場所では。
受取人のいないプレゼントが、静かに佇んでいる。
プレゼントは、いつも妻が選んでいた。
娘の喜ぶ顔を思い浮かべながら、何年も。
ふたば様
12月のお題を書きました。
800字以内にまとめました。
ご笑覧いただけましたら嬉しいです。
「白い恋人たち」
信号が赤から青に変わった。
弘は、アクセルをふかし、麻衣が待つ野外コンサート会場へと急ぐ。
昼過ぎから降り出した雨は、時折白いものが混じり出し、路面は、早くも凍結し始めている。
今宵は、クリスマス・イブ
郊外の小高い丘の上で行われるイベント会場までの道のり、はやる気持ちを抑えながらも慎重にハンドルを切った。この日のために、免許を取得し、待ちに待った新車で初めてのデート。
ダウンジャケットのポケットには、クリスマスプレゼントに選んだ、麻衣の誕生石 オパールの指輪が入っている。
コンサートからの帰り道、隣の助手席に座る麻衣の姿を想像し、思わず頬がゆるむ。
帰り道は、雪になるかもしれない。
冬タイヤは、中古品で済ませた。
麻衣へのプレゼントと新車購入に、冬のボーナスとなけなしの貯金を使い切ってしまったことに一抹の不安が胸をよぎる。
♪雨は夜更け過ぎに~雪へと変わるだろ。♪
ラジオから、この時期の定番ソングが流れ始めた。
「まずい。もうこんな時間だ。」
交差点の信号機が青から黄色に変わろうとしていた。
アクセルをふかし、一気に通り抜ける。
クリスマスのイルミネーションが、黒く濡れた路面を虹色に変えていた。
○○○○○○
「キレイ。とっても、今夜は、ありがとう。毎年、この日が待ち遠しくて。」
空席だった助手席に、麻衣がいて、弘の左手を握っている。
左の薬指には、七色に光るオパールの指輪が優しい光を湛えていた。
「ふたりだけのキャンドルサービス。今年で何回目かな。」
「ううん。見てごらん。ほら、僕たちのような恋人たちがあそこに。」
「ホントだ。寂しくないね。」
○○○○○○○○
ニュースを申し上げます。
『今夜22時20分頃、県道交差点で、若い男女が乗る乗用車が、近くのガードレールに衝突し、一時間後に死亡が確認されました。事故当時、路面は、ブラックアイスバーン状態でした。現場は、毎年この時期、事故が多発することから、この日も…。』
皆様今晩は🌱
ようやく、ようやく、10月のお題怪談の朗読がアップ出来ました…!( ꜆ᵒ̴̶̷̥́ㅿᵒ̴̶̷̣̥̀ )꜆
【怪談12話詰め合わせ】毎月お題の短編練習枠(R3年10月)【ふたばかえでの幻燈草双紙】
https://youtu.be/g_zxwy1H73I
前の月(9月)のお話の数より3話少ない筈なのに、動画時間は1.5倍の3時間で御座います。
アホみたいに長いので、概要欄のタイムスタンプをご活用下さいませ( ᴗ ̫ ᴗ )
pcでの編集を覚えた(覚えたとは言っていない)ので、音質はこの動画時間で前回の倍良くなっております💪🏻 (`꒳´)
少しでも皆様のモチベーションの維持に繋がれば幸いです╰(*´︶`*)╯📝
さぁ次はゲルさんのお話が上がるまで11月分の動画作成を進めて来ます(ᓄ`ʘ Дʘ)=O!!!
ふたば様
こんばんは。
先月11月月間アワード受賞いたしました。
ふたば様のイベント企画10月期のお題三題「タバコ」「バラ」「時計」から生まれた作品でした。8月に続き、このイベント企画がきっかけで 受賞することが出来ました。
こんな拙作で、それも優れた作品がたくさんある中で、申し訳ないような気持ちで投稿しました。何度か推敲を重ね、やっと本編に投稿したものです。
もし、この企画がなかったら、私は、作品を書き続けることが出来ませんでした。
ふたば様には、感謝しかございません。
宿題を出されないと勉強しない 子どものような母を笑ってください。
とにかく、諦めずに行動すること。
地道に書き続けることしかないんだなと思いました。
そのためにも、毎月のお題三題だけは、しっかりと続けていくことを習慣にしたいと思います。
ふたば様は、私と違い、お若いのに、とても聡明でしっかりなさっていらっしゃいます。
また、お人柄に加え、実力と文才を備えていらっしゃる方です。
お仕事を持ちながら、執筆活動や動画配信を行うのは大変だと存じますが、待っていますから。ふたば様のペースでよろしいので。
決して、ご無理だけはなさいませんように。
くれぐれもお身体ご大切になさってくださいませ。
リレー怪談 いよいよ終盤に差し掛かりましたね。
応援しています。
12月のお題三題も 頑張って書きますね。
800字以内にまとめられるように、「てのひら怪談」という短編を定期的にアップすることにいたしました。
ふたば様のご負担にならぬように、いたしますので、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
返信は不要です。
おやすみなさいませ。
@ふたば 様
こんばんは。
お忙しいところに、ご無理させてしまったようで申し訳なかったです。
今月のお題ありがとうございました。
たしかに、難しいそうですね。
(^_^;)
そして、さすがですね。
先月のロビンさんのお題、書きやすかったとのこと。
ふたば様の作品、とても完成度が高く、読んでいて興味深かったです。
完成版2800文字の本編を怖い話にて読んでみたいです。
リレーは、アンカーをご希望でしょうか。
いずれにせよ、着々と実力をつけていらっしゃるふたば様、元々素晴らしい才能をお持ちの方なので、きっと、自他ともに満足する走りをしてくださると信じ期待しています。
私はといえば、ふたば様の三題お題がなければ、一作も生み出せなかったかもしれません。
相変わらず駄作、拙作ばかり排出しておりますが、こんなに続けて作品を投稿できたのは、ふたば様のおかげです。ありがとうございました。
心より感謝申し上げます。
ゆっくりでいいんです。
お寒くなってまいりました。
どうか 決してご無理だけはなさいませんように。
紆余曲折 いろいろ思い患うことも多々あり、馬齢を重ねるだけの日々ではございますが、明るく元気にやれています。
ふたば様の優れた感性と優しい心、誠実なお人柄が滲み出る動画配信、楽しみに待っています。
納得のゆくものが得られますように。
お祈りしております。
ではでは、このへんで
失礼させていただきますね。
おやすみなさいませ。
ご自愛くださいますように。
ご利用の皆様へ🌱
新しい月となりましたので、お題の更新をさせていただきます( ᴗ ̫ ᴗ )
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【12月お題】
「プレゼント 」「空席」「信号 」
投稿期間 12/1 0:00〜12/28 23:59
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今年ラストは統一感の無いお題、逆に難しそうですがお気軽にご挑戦くださいませ( ´ ꒳ ` )ノ
@あんみつ姫 さん
あ、ごめんなさいっ!お題出さなきゃでした💦
直ぐに出させていただきますね(л・▽・)л
ロビンさんのお題、個人的には割と書きやすかったような気がします。リレーの方は、ここまで来たらむしろアンカーを走りたい気さえしますが、やらなきゃいけないことが全く消化出来てないので、そんな事言える立場じゃ無いんですよね…