【重要なお知らせ】「怖話」サービス終了のご案内

毎月お題の短編練習枠(🌱初心者歓迎)

皆さんこんにちは。
一向に文章が上達しないふたばです。(´・ω・`)
己の練習に他人を巻き込んでやろうと、掲示板を建ててみました。
以下、ここでのルールを説明します。( ᴗ ̫ ᴗ )

🌱ここは、短編の練習をする為の掲示板です。

🌱毎月単語を3つ、お題として出しますので、短編の「三題怪談」を募集します。

🌱「三題怪談」とは、1つのお話に決められた3つのお題のワードを入れなければならないという“縛り”で御座います。

🌱お話の長さの目安は、原稿用紙2枚分(800字)程度。
(あくまでも目安です、越えてしまってもヨシとします)
文字数カウント↓
https://phonypianist.sakura.ne.jp/convenienttool/strcount.html

🌱お題は毎月一日に更新されます。

🌱提出期限は毎月28日までとします。

🌱お話はいくつ投稿しても構いません。

🌱初心者大歓迎。実際私もほぼ読み専なので、文章が下手っぴです。軽い気持ちでご参加下さいませ。

🌱ここで投稿されたお話は、“ご自身で書かれたお話ならば”怖話の通常投稿にあげても構いません。
寧ろ、多くの方に見ていただけるよう、ここで試し書き、本投稿で完成品といったように使って下さいませ。
何なら他サイトでも投稿されている方は、そちらへあげるのも問題御座いません。
(※他の方の掲示板でも同じとは限らないので、その都度そこの掲示板主へご確認下さい)

🌱題名も付けて頂けると助かります(題名は文字数には含みません)。

🌱感想だけのご参加も大歓迎です。

🌱明らかな荒らしコメントは即刻削除致します。慈悲はありません。

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【11月お題】

「黄泉」「狐」「エレベーター」

投稿期間 11/1 0:00〜11/28 23:59

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ですがまぁ…建ててみたは良いものの、私が独りで短編を書き続ける寂しい場所になりそうな気がします……

そこで!ちょっとした特典代わりと言っては何ですが、ここで投稿されたお話は、私ふたばが朗読させて頂きます。ᕦ(ò_óˇ)ᕤ
具体的に言うと、YouTubeにてその月に投稿されたお題の回答を、纏めとして朗読してアップします。
素人の朗読ですのでレベルは低いですが、創作意欲の糧になれれば幸いです。( ᴗ ̫ ᴗ )

※朗読されるのが嫌だという方は、お手数ですが文末に「※否朗読希望」とお書き下さいませ。

📚過去のお題アーカイブ
【9月お題】「彼岸」「ぶどう」「ネジ」
https://youtu.be/DlNJ68yKIfA
【10月お題】「十五夜(月のみでも可)」「図書館」「菊」
(※お題提供:あんみつ姫さん)
https://youtu.be/iA4spsQlSMA
【11月お題】「りんご」「子ども」「落ちる」
https://youtu.be/UMVBBrycZqU
【12月お題】「肖像画」「塩」「M」
(※お題提供:むぅさん)
https://youtu.be/MJmFrqUqvj0
【1月お題】 「ウシ」「晴れ」「厄」
https://youtu.be/N0tX10EOJoE
【2月お題】 「僧」「遊泳」「踊り」
Extraお題「怪僧」「宇宙遊泳」「阿波踊り」
(※お題提供:嗣人さん)
https://youtu.be/9j2vK_kKzhE
【3月お題】 「風」「証」「波」
https://youtu.be/zZoV2ce7poU
【4月お題】「サクラ」「窓辺」「人形」
https://youtu.be/kZzfmq8cNvM
【5月お題】「母」「鬱」「川」
https://youtu.be/RNqUE92-K2k
【6月お題】「クラゲ」「雨」「失踪」
https://youtu.be/BM0ataca42E
【7月お題】 「天の川」「亀裂」「写真」
https://youtu.be/RcXTXfzfKUk
【8月お題】「手を振る」「扉の向こう」「呼ばれる」
(※お題提供:ラグトさん)
https://youtu.be/omL3byV-eF0
【9月お題】「アリス」「スープ」「ハサミ」
https://youtu.be/w20FnRK-bQQ
【10月お題】「バラ」「時計」「たばこ」https://youtu.be/g_zxwy1H73I
【11月お題】「無人探査機 」「提灯鮟鱇 」「地引網 」
(※お題提供:ロビンⓂ︎さん)
【12月お題】
「プレゼント 」「空席」「信号 」
【1月お題】
「トラ」「階段」「玉」
【2月お題】
「ネコ 」「チョコレート」「箱」
【3月お題】
「ウメ 」「日記」「歌声」
【4月お題】
「駅 」「看板」「ポスト」
【5月お題】
「灯り」「公園」「針」
【6月お題】
「カッパ」「アジサイ」「自転車」
【7月お題】
「浜辺」「貝」「欄干」
【8月お題】
「ニセモノ」「蝋燭」「指」
【9月お題】
「帰り道」「ビン」「コスモス」
【10月お題】
「先生」「空腹」「筆」
【11月お題】
「橋」「ゾンビ」「忘れ物」
【12月お題】
「足音」「雪」「吐息」
【1月お題】
「ウサギ」「獣道」「目」
【2月お題】
「鬼」「酒」「身代わり」
【3月お題】
「都市伝説」「ピアノ」「ボタン」
【4月お題】
「絵本」「珈琲」「霞」
【5月お題】
「シミ」「地下」「蝿」
【6月お題】
「ダム」「悲鳴」「カエル」
【7月お題】
「夏草」「鏡」「プラネタリウム」
【8月お題】
「漂流」「雲」「ラムネ」
【9月お題】
「神隠し」「お米」「カバン」
【10月お題】
「皮」「警告」「お札」
【11月お題】
「1週間」「影」「オレンジ」
【12月お題】
「ケーキ」「透明」「チャイム」
【1月お題】
「 」「 」「 」
【2月お題】
「穴」「遅刻」「節」
【3月お題】
「足跡」「惑星」「メッセージ」
【4月お題】
「卵」「楽園」「嘘」
【5月お題】
「人混み」「電話」「花瓶」
【6月お題】
「墓場」「毒」「待つ」
【7月お題】
「海」「境界」「糸」
【8月お題】
「打ち上げ」「ライト」「未練」
【9月お題】
「借りもの」「バス停」「斜陽」
【10月お題】
「骨董」「ピエロ」「姉」

※追記:ここのお話を本投稿へもアップされる方へのお願い
🌱先に述べた通り、ここに書いたお話は一般の怖い話にも投稿して頂いて構いません(そもそも著作権は作者のものですから)
🌱一般投稿分は掲示板のレギュレーションから外れますので、文字数を気にせず加筆修正しても何も問題御座いません。
🌱ですが、投稿の際には題名に“三題怪談”の文字を付けないで下さい(同じ企画系列の題名が並ぶとうんざりしてしまうユーザーが現れ、揉める為。実際、過去にそういう事がありました)
🌱また、お題の単語をお話の解説欄に載せると、その単語に気を取られて純粋な短編として楽しめないので、読者的には解説欄には“掲示板より”とだけ書いて頂けると助かります。
(コメントにお題の単語をネタバレ防止で公開するのはアリです)
(ここのページのURLは貼っても貼らなくてもいいです)
🌱代わりに、投稿作のタグ欄に、お題の単語タグ3種と“毎月お題の短編練習枠”タグが知らぬ間に付いております。十中八九私ふたばが犯人なので怖がらないで下さい。

企画というより常設となるこの場所は、細く長く続けていきたいので、何卒、ご理解下さいませm(_ _)m

ご利用の皆様へ🌱

5月のお題の締め切りは本日23:59までで御座います。

参加希望の方は、お忘れのない様お願い致します(л・▽・)л📕✨

返信

@芝阪雁茂 さんこんにちは( ᴗ ̫ ᴗ )
申し訳御座いません、返信したつもりでしておりませんでした…🙏💦💦

夜の公園でのスマートな“執行”に、マンガの刃牙に出て来る、某公園最強の生物を思い浮かべました。笑
公園の灯りって、何だかぼうっとしていると言いますか、何となく青白くて蛾が舞っているイメージですよね。そこに等身大の三連てるてる坊主なんていようものなら、例え自分のダチや兄貴分であろうと腰が抜けてしまいそうです₍₍ (̨̡ ‾᷄⌂‾᷅)̧̢ ₎₎

そういえば時計の針も“針”何ですよね…公園時計って結構背が高くて針が無ければ直ぐ気付きそうですが、そこを吊された男達で視線誘導する事で気づかせないとはやり手ですね。
そして何事も無かったかのようにその凶器は戻され、日常の時間を血塗られた“針”で指し(刺し?)続けるのですね…(*`艸´)

返信

御無沙汰致しております(礼)。

トピ主のふたばさん、先々月に投稿への暖かい御返事を有難う御座いました。

先月は機種変更でスマートフォンが上手く使えず、こちらに載せるのが間に合いませんでしたが、今回は無事にコピーを取る事が出来まして御座います。

『夜の遊園地』
※残虐な描写が御座いますので、閲覧の際は御注意願います。
***********************
「あ ーまぢわくわくするし」

勝手に付いて来た若い奴を、有芽元次(ありめ・もとつぐ)は適度な距離を置いて、その前を歩いている。

「おっさん、夜の公園でケンカでもみれんの?」

いちいち癇(かん)に障(さわ)る言い方でまとわり付く変な奴だが御仲間が、尻尾を巻いて勝手に帰宅したと思い込んでいる感じで既におめでたい。

「おいてめェ、なにかいえよクソオヤヂ。おい!うわっ!!」

「トッキーっ!アニキーっ!ユッチまでなにしてんだよ!」

ははあ、公園のぼうっとした灯りでも光景が見えて来たか。

………彼等が梃子(てこ)の原理でシーソーが持ち上がって、首を吊らされて変わり果てた姿が。

「テメーころす!テメーぶっころす!」

茶髪どころか金色に染め上げた髪を逆立てて、パチンと折り畳み式ナイフで、有芽に突進する若者。

「おっとっと」

ザシュっ!

鋭利な刃物で切り付けられ、肉の抉られる音がして、ボタボタと粘り気の有る赤黒い液体が鈍く地面を濡らす音が聞こえる様だ。

………首許に、フィクション忍者の良く使う「くない」を、もっと細くした様な金属製の細長い物体が刺さる若者。
何が起きたか分からないまま、崩れ落ちる。

ドスっ!

変わり果てた姿の若者の頭部数cmの位置に、バターナイフの様な金属製の細長い物体が刺さる。
「………さて、今夜の執行は終わった」

有芽は蒼白い表情を変える事無く、夜の遊園地………もといぼうっとした灯りだけの公園を後にする。

………片方の短針と長針を失った柱の上の丸い時計は、文字盤が光りながら、最早(もはや)何時を指し示しているかが分からない。

返信

@綿貫一 さんお久しぶりです( ᴗ ̫ ᴗ )
何ヶ月かぶりに綿貫さんのお話が読めて嬉しく思います✨
相変わらず二人の空気感を形成するのがお上手ですね。綿貫さんのお話はドラマのワンシーンのように感じる事が多く、だからこそのほん怖っぽさだと個人的に思っているのですが、声に出して読むとより一層そう感じるんですよね( ˘͈ ᵕ ˘͈ )

それにしても、ただでさえ浮気者は地獄行きなのに、そういうお店の女性に裏切ることを前提に手を出すなんて……
公園の思い出から話が弾んだからか、大人びたようでいてその内面は少女なのですね。指切り げんまん(拳骨1万発) 針千本 改めて見てみると、中々にバイオレンスですね( ˊᵕˋ ;)💦

返信

@ふたば さん、
なるほど。
文字数制限がないと、出来るだけ読み手に具体的にイメージして欲しい、話のリアリティを上げたいと、つい長くなってしまいがちですが、特に短編では端折れるんですね。
試しに書き直してみた所、850まではいけました。
(^o^)
来月のお題では、800を是非達成したいと思います♪
ありがとうございました。

返信

@ねこじろう さんこんにちは(л・▽・)л

ココ最近職場で発生した問題に巻き込まれ、13~14時間労働などという状態が1週間続いているふたばです(これが本当の怖い話)。
繁忙期でも無いのに、今月は残業時間が何十時間になるか楽しみですね…(*꒪⌓꒪)

子どもの好奇心が予想外なものを見つけてくることはままありますが、着物の女性の首吊りは夕暮れに見たく無いですね……
まち針やちりめん柄の着物に簪の鈴と、所々に女性から〇〇先生へのメッセージが隠れて居そうで、思いの丈が生々しいです(;-ω-)

このお母さん、これからの人生は娘の「あのね…」に警戒するようになってしまうのですね。笑

返信

@天虚空蔵 さん初めまして( ᴗ ̫ ᴗ )

ご参加頂き有難う御座います。お題のそれぞれのテーマ性が自然に噛み合っており、且つしっかりと怖いお話で御座いました((( ๑•﹏•。๑)))

元々、“公園”と言えば真っ先にイメージが浮かぶのは「子ども」「遊具」などといったものでしたが、近年では(特に都会では)植物や動物といった自然と、身近に触れられる場所としての象徴も芽生え始めていると思います。また、“灯り”というお題には、「その場所は夜、或いは暗所である」という必然的な縛りがあるのですが、それをお話のオチに持って来て頂けたのは出題者的に嬉しく思います(*'ω')💡
そして、『針女』という妖怪は、私も実は初めましてなのですが、チクチクと痛々しい見た目に、釣り“針”や縫い“針”のような捕縛的イメージの、正に擬人化ですね。この愛媛を根城とする筈の存在が謎として残る事で、短編らしい後味になったのでは無いでしょうかꪔ̤̥ꪔ̤̮ꪔ̤̫

さて、それでは本題の文字数を減らす案ですが、削れそうな部分と言えば、私の頭で思い付くのは最初の場所についての説明くらいでしょうか。
物語のストーリー上、舞台は愛媛から遠い場所であればいい訳ですので、「五月も終わりに近づき、五月も終わりに近づき、そろそろホタルが舞い始めたかなと夕食後に散歩がてら公園へ行ってみた。 東京の多摩には鶴見川の源流があり、梅雨入り前にはホタルが見えるのだ」と冒頭をバッサリ切って、後付けの補足程度の情報でも問題無いかと思います( ¯꒳​¯ )ᐝ

短編は確かにフラストレーションが溜まるものですが、文字に書けない部分を読み手に想像させるのは短編らしくて個人的に好きだったりします。笑

返信

「指切り」

 ゆーびきりげんまん うそついたらはりせんぼん のーます ゆびきった

 僕が幼なじみのアキと再会したのは、取引先の重役に誘われて訪れたキャバクラでのことだった。
 はじめのうちはお互い気が付かなかったが、子供時代の話題になり、近所の公園でよく一緒に遊んだ女の子がいたこと、思えば彼女こそ自分の初恋の人だったことなど、とりとめもない話をしているうちに、「もしかして、ケンくん……?」とアキの方から訊いてきたのだった。
 二十八になったアキは、美しい大人の女性になっていた。どこか陰のある表情もまた、僕の目には魅力的に映った。
 僕らが男女の関係になるのに、そう時間はかからなかった。

「帰るの? たまには泊まっていけばいいのに……」
「ごめん、明日朝から会議なんだ。また今度」

 アキの住む部屋で行為を終えた僕は、シャワーで汗を流したあと、いそいそと帰り支度を始める。灯りを消した部屋は、情事の匂いに満ちていた。

「……ねぇ。私たち、どういう関係?」
「なんだい、いきなり。恋人だろ?」
「会えるのは私がオフの日の夜、ちょっとの時間だけ……。ねぇ、わかるでしょ? 私たち、大人になったのよ。公園で遊んでた、あの頃とは違う」

 ついにか。
 いつかこういう日が来るとは思っていた。

「うん、そうだね。僕だってちゃんと考えてるよ、その、結婚とか……」
「本当?」
「本当さ」
「本当に本当?」
「本当に本当さ」
「嬉しい。……ちょっと待ってて」

 アキは裸のまま部屋を出ていった。 

 ゴトン。

 台所からなにやら音がしていたかと思うと、青い顔をしたアキが、それでも口もとに笑顔を浮かべて戻ってきた。小さな紙袋を手に持っている。

「これ、持っていって。あとで家で開けてね」
「なんだい、これ?」
「私の気持ち」

 アキの部屋を出た僕は、暗い夜道を歩きながら、財布の小銭入れに入れていた結婚指輪を取り出すと、左手の薬指にはめた。

「潮時だな……」

 さあ帰ろう、家族が待つ我が家へ。

「馬場さん、お疲れ様です……」
「おう。どうだった? 例の取り調べは」

 若い刑事はげんなりした顔で応える。

「あの女、ガイシャと交際していたこと自体は認めてるんですが……」
「ヤったのは自分じゃない、と」
「ええ……」

 ガイシャは伊藤健治、29歳、会社員。一方、ホシと思われる人物は門倉亜希、29歳。

「伊藤は自分が既婚者であることを隠して、門倉と交際していたようです」
「悪い男だね」
「なんでもふたりは元々幼なじみだそうで、昨年、偶然門倉が働くキャバクラで再会して、関係を持つようになったそうで」
「この門倉って女は、ヤクザもんの情婦と調書にあるな……。その店も息がかかってんだろう。アブナイ職場恋愛もあったもんだ」

 伊藤健治が死んだ。疑われたのは門倉亜希。なぜなら。

「ガイシャの口の中に、女の小指が入ってた、っていうんだな?」
「はあ……。で、調べたところ門倉亜希が浮かんだそうでして……」
「最近小指をなくした女なんて、探し回ればすぐ見つかるだろうからな。しかし奴さん、なんでそんなもの咥えてた?」
「さあ……。その点以外も、ちょっと異常ですからね。俺、このヤマ関わりたくないっすよ、正直……」

 男の口の中からは、女の小指以外にも無数の針が出てきた。口だけでなく、食道からも、胃袋からもだ。それらは当然、体内のあちこちに突き刺さっていた。
 加えて、男の顔面は原形をとどめていなかった。そして、男の両手は血に染まっていた。自らの拳で、自らの顔面を破壊していたのだ。そんなことあり得るのか?

「これはあれだな、『指切りげんまん』だな」

 指切りげんまん 嘘ついたら針千本飲ます 指切った

「なんすか、急に」
「知ってるか? 江戸の昔、遊廓の女は、客の中でも心に決めた相手に、自分の小指を切って渡したそうだ。『きっとあなたと一緒になります』という気持ちの証としてな。この風習が、のちに形を変えて世間一般に浸透した。『約束のおまじない』だ」

 門倉亜希の切断された小指。ヤクザの情婦として苦界に身を沈めた女の、覚悟の証。

「『げんまん』は『拳万』だ。約束を破ったら、拳でボコボコにするぞってことだな。同じく『針千本』の下りは針をたくさん飲ますぞ、ってことだ。どちらも契約不履行の際のペナルティだな」

 拳で破壊された顔面。体内に刺さった無数の針。

「……やっぱり、約束を反古にされた門倉亜希がやったんすかね?」
「やるってどうやってだ? テメェの拳で顔面殴ってんだぞ? 針だって、自分で飲まなきゃ胃袋までは届かねぇだろ」

 門倉亜希も言っている。やったのは自分ではない、と。

「でも、そんなことって……」
「だから言ったろ、『おまじない』だって。そういうヤマもあるんだよ、ごくたまにな。にしても、痛かったろうなあ……」
「そりゃ、『げんまん』に『針千本』ですからね。あ、それとも女が自分で小指切ったことですか?」

 老刑事は若い者の尻をパシンと叩く。

「馬鹿お前。約束を破られた女の心が、だよ」

返信

何度もすみません。
正式にアップしたので、改めてアップしました。
タイトル
『ちりめん柄の着物の女』
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
ねぇ、ママ
ベンチに座る私の元に一人娘のミユが駆け寄り、声をかけてきた。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
それは日曜日の夕暮れ時。
いつものスーパーで買い物を終え、立ち寄った小さな公園でのことだった。
どうしたの?ミユ
紅葉のような小さな手を握り、私は無垢な瞳に問いかける。
あのね、、、
何故か不安げな表情で一言呟き、娘は私の手を引っ張る。
しょうがないので立ち上がると、小さな背中につき従って歩き始めた。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
その日の役目を終えた遊具たちを横目に、朱色に染まる公園の真ん中を小さな背中は真っ直ぐ進む。
そして園の奥まったところにある林の中に分け入ると、小さな案内人はさらにどんどん進んでいった。
いったい、この先に何があるというの?
薄暗い林の中をさらに進んだところで突然、ミユは立ち止まった。
正面には巨木がそびえ立っている。
すると小さな人差し指で、ある一点を指差した。
わけが分からず私は、その先に視線を移す。
そして背中に冷たい何かが走った。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
そこは正面にある大木の幹部分。
右端に一枚の白い紙が、一本のまち針に刺されて貼られている。
中央には毛筆で次のように書かれていた。
『○○先生、永遠に恨みます』
誰がこんなことを、、、
思いながら、恐る恐る紙に触ろうとした時だ。
いきなり洋服の裾をミユが引っ張る。
どうしたの?と顔を見ると、不安げな表情で首を振りながら相変わらず一点を指差している。
え、これじゃないの?
私は混乱した頭で今度は巨木の向こう側に視線を移した。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
そこには遊歩道があり、途中には古ぼけた街灯がポツンと一つ立っており、柔らかな灯りを放っていた。
そして街灯の背後にある一際大きな木の下に、ぼんやり人の姿が見える。
よく見るとそれは日本髪を結った着物を着た女で、白い顔をこちらに向けて立っていた。
微かにだが、チリリン、チリリンと耳障りの良い鈴の音が聞こえてくる。
あんな所で何をしているんだろう。
奇妙なのは、女はまるで陽炎のように微妙に左右に動いているように見えた。
とうとう私は数歩歩き、遊歩道まで進むと、そこでさらに目を凝らす。
そして完全にその状況を理解した後、
全身が凍りついた。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
女が巨木の太枝に赤い帯を通して首を吊っていた。
僅かに傾けた白い顔をこちらに向け、両手をだらりと垂らしたまま微かに左右に揺れている。
そして揺れる度に、日本髪に刺した簪の小さな鈴が、チリリン、チリリンと鳴っていた。
《fin》

返信

すみません、タイトル抜けてました。
『○○先生、永遠に恨みます』です。

返信

ねぇ、ママ
ベンチに座る私の元に一人娘のミユが駆け寄り、声をかけてきた。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
それは日曜日の夕暮れ時。
いつものスーパーで買い物を終え、立ち寄った小さな公園でのことだった。
どうしたの?ミユ
紅葉のような小さな手を握り、私は無垢な瞳に問いかける。
あのね
何故か不安げな表情で一言呟き、娘は私の手を引っ張る。
しょうがないので立ち上がると、小さな背中につき従って歩き始めた。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
先ほどまで子供たちが遊んでいた遊具を横目に、朱色に染まる公園の真ん中を真っ直ぐ進む。
奥まったところにある林の中に分け入り、どんどん進んでいく。
いったい何があるというの?
薄暗い林の中をさらに進んだところで突然、ミユは立ち止まった。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
正面には巨木がそびえ立っている。
すると小さな人差し指で、ある一点を指差した。
わけが分からず私は、その先に視線を移す。
そして背中に冷たい何かが走った。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
そこは正面の大木の幹部分。
一枚の白い紙が、まち針に刺されて貼られている。
中央には毛筆で次のように書かれていた。
『○○先生、永遠に恨みます』
誰がこんなことを、、、
思いながら、恐る恐る紙に触ろうとした時だ。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
洋服の裾をミユが引っ張る。
どうしたの?と顔を見ると、不安げな表情で首を振りながら相変わらず一点を指差している。
え、これじゃないの?
私は混乱した頭で、巨木の向こう側に視線を移した。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
そこには遊歩道があり、途中には街灯がポツンと一つ立っており、柔らかな灯りを放っている。
そして街灯の背後にある一際大きな木の下に、ぼんやり人の姿が見えた。
よく見るとそれは日本髪を結った着物を着た女で、白い顔をこちらに向けて立っている。
あんな所で何をしているんだろう。
奇妙なのは、女は微妙に左右に動いているように見えた。
とうとう私は数歩歩き、遊歩道まで進むと、そこでさらに目を凝らす。
そして完全にその状況を理解した後、全身が凍りついた。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
女は巨木の太枝に赤い帯を通して、首を吊っていた。

返信

初めてこのスレに参加します。
ずーっと会員登録もせずに読み専だったのですが、先月辺りからぼちぼち投稿させて貰っています。やはりどうしても文章が長くなりがちなので短編の練習をさせて貰おうと参加させて頂きました。
しかし…ごめんなさい。今回は987文字でギブアップです。
もし読まれた方で、あと200文字、ここがいらないとコメント頂けると嬉しいです。
ー---------
『ホタルの舞う川』

もうじき梅雨入りとなるこの季節はホタルを見るのを毎年楽しみにしている。
ご存じの人も多いと思うが、川崎市を流れる鶴見川の源流は山の中ではなく、多摩の住宅地に近いところにあり、その源流沿いに点在する公園では、場所によりホタルを見ることが出来るのだ。
五月も終わりに近づき、そろそろホタルが舞い始めたかなと夕食後に散歩がてら公園へ行ってみた。
街灯を避け、暗いところを選んでホタルを求めて川に沿って歩いてみる。
足場は決して良くはないのだが、毎年来ている場所なので灯りがなくとも月明りだけで充分だ。
川縁を見つめながらゆっくりと歩いているのだが、ホタルはまだ見えない。
来週あたりにまた出直そうかと川縁を離れようとした時、川の傍に何かがうずくまっているのに気がついた。
(タヌキか?)
東京都とはいえ、この辺りにはまだタヌキが生息しているのだが、タヌキにしては大きい。
頻繁に訪れる近所の公園であり、恐怖感は殆どなくゆっくりと近づいてみた。
するとそれがいきなり立ち上がったのだ。
それは紺色の和服を身に纏った髪の長い女で、こちらを見てにやにやと笑っている。
咄嗟に針女(はりおなご)という名前が頭に浮かんだ。昔、四国に住む婆ちゃんから聞いた事がある。
確か、あの髪の毛の先は一本一本が釣り針のようになっており、女に笑い返すとその髪の毛で捕らえられどこかに連れ去られると言っていた。もし針女に出会ったら絶対に微笑み返してはいけないと。
そして一目散に自分の家に逃げ帰って家中の鍵を掛けろ、そうすれば朝にはいなくなっていると。

俺は踵を返すと一目散に走って逃げた。
振り向くとその女も髪の毛を振り乱して追いかけてきている。
何で四国の妖怪がこんなところにいるんだ。
そう思いながらも必死で走り、家の中に逃げ込みドアに鍵を掛けた。
間一髪だったが、針女は諦めていないのかドアをドンドンと叩いている。
俺は布団を頭から被り、ガタガタと震えていると、やがてその音は止んだ。
しばらくして恐る恐る玄関のドアを開けてみるとそこに女の姿はなかったが、ドアには無数の針で引っ掻いたような跡が残っていた。
やはり針女だったのだ。
そう思った瞬間、首に黒くて長いものが後ろから巻き付いた。
そしてその先端についている鈎針が上半身の至る所に食い込んだ。
痛みに薄れていく意識の中で俺は婆ちゃんの言った言葉を思い出した。
『朝にはいなくなっている』

―完―

ー-------------
意外にフラストレーションがありますね。
何故愛媛の妖怪が多摩に現れたのか、
彼はその後どうなったのか、
か、書きたい・・・・

返信

ご利用の皆様へ🌱
新しい月となりましたので、お題の更新をさせていただきます( ᴗ ̫ ᴗ )

=============================

【5月お題】

「灯り」「公園」「針」

投稿期間 5/1 0:00〜5/28 23:59

=============================

難し過ぎず、簡単過ぎないくらいの難易度のお題となっております。
是非、お気軽にご挑戦下さいませꪔ̤̥ꪔ̤̮ꪔ̤̫ꪔ̤̥ꪔ̤̮ꪔ̤̫

返信

ご利用の皆様へ🌱

4月のお題の締め切りは本日23:59までで御座います。

参加希望の方は、お忘れのない様お願い致します( ᴗ ̫ ᴗ )

返信

@邪神 白猫 さん有難う御座います( ᴗ ̫ ᴗ )

まさかタグまで付けて下さり、恐悦至極に御座いますorz
私もそろそろ止めているお話投稿しなきゃ…( ´•_•。)💧

返信

ふたばsan( ゚▽゚)/コンニチハ

早速、本投稿させてもらいました(。ᵕᴗᵕ。)
タグはちゃんと付けておきましたので✌️

返信

ふたばsanこんばんは(。・ω・)ノ゛

お題がとってもイメージし易かったので、パッと浮かんだストーリーでちゃちゃっと書き上げてみました😄

こちらこそ、お題ありがとうございます(*´ω`*)
お題があればこそ、イメージできたお話なので✨

連投すぎるので、本投稿は間に誰かが入ってからしてみようと思いますw

楽しい企画、ありがとうございます♡

返信

@邪神 白猫 さん

は…速いΣ( ̄□ ̄)!
サクッとでこんな怖面白いお話を2000文字も書けるなんて、間違い無く天賦の才能、略して天才です…✨

今回は「駅」の怪談が読みたくて、その単語から繋げやすいお題にしたつもりだったので、欲していた以上の都市伝説系怪談が読めて満足です( ˘꒳​˘)

説明欄にも載っておりますが、ここで書かれたお話は本人が書かれたものなら、本投稿(“怖い話”の方)へも全然載せちゃって大丈夫です。むしろ、掲示板をちゃんとチェックしている人なんて少数派なので、折角書かれたお話は多くの方の目に止まればと本投稿を推奨しております((((ノ。・ω・。)ノ‪🌱‬

ご参加有難う御座いました( ᴗ ̫ ᴗ )

返信

できましたー⸜(๑⃙⃘'8'๑⃙⃘)⸝

結局2000文字オーバーしてしまいました(;´д`)💦

方言がわからなくて、一応調べながら書いたのですが…ちょっと自信ありません(°°;)一応、九州地方を意識して書きました。誰か方言わかる人いないかな?𓀠

タイトル【黄泉之駅】

※※※

「ま〜た、おばちゃんと喧嘩したんか?」

「うん……。だって、全然私の言い分聞いてくれんけん」

 どこまでも続くのどかな田んぼ道を歩きながら、私は隣にいる幼馴染の隆史に向けて愚痴を溢した。

 のどかと言えば聞こえはいいが、実際にはいつ廃村してもおかしくはない程のド田舎だ。
 村の人口はたったの100人程で、その内に10代の子供といえば私を含めても14人しかいない。それでも、私は生まれ育ったこの村が好きだった。

 小さな頃からお婆ちゃん子だった私は、山菜や薬草などといったものから野に咲く様々な花まで、よく祖母に連れられて色んな場所へ行っては、その経験豊富な知識に随喜《ずいき》していた。そんな想い出が沢山詰まった、大好きな村なのだ。
 けれど、進路となると話はまた別で、来年の春にはこの村を出て都会の大学に進学するつもりでいた。ところが、私の母はそれを反対したのだ。

「俺は、親父の跡継ぐから進学はせんけどな」

「私はそんなん嫌やけん……」

「なら、またちゃんとおばちゃんに話してみ」

「……うん」

「なら、また明日な」

「うん、また明日」

 気持ちの晴れぬまま隆史と別れると、トボトボと一人|畦《あぜ》道を歩いてゆく。

(こんな時、お婆ちゃんだったら……)

 昨年亡くなった祖母の事を思い出しながら、溢れてきた涙を拭うとキュッと口元を引き締める。
 

(馬鹿らしいかもしれんけど……やっぱり試してみよう)

 予め用意してきたハガキを鞄から出すと、私はそれを持ったまま駅へと向かった。
 この村に唯一ある無人の駅は、朝と夕の日に2本しか電車が通らないほど寂れた駅なのだが、その駅には昔からちょっとしたある噂があった。その駅にあるポストへ死者宛のハガキを出すと、一度だけ会うことができるというのだ。

 そんなにわかには信じられないような話しでも、今の私は縋り付きたい思いだった。それ程に、祖母のことが恋しかったのだ。

「本当に会えるんかな……」

 『黄泉之《よみの》駅』と書かれた看板を見上げると、その傍にあるポストへと視線を落とす。
 死者と会えるという噂からか、はたまた駅の名前からそんな噂がたったのか……。それはわからないが、改めて考えてみると何とも不思議な名前だ。そんな事を思いながらも、私は持っていたハガキをポストへと投函した。

「……よし。あとは、夜中0時にここに来ればええんよね」
 

 ポツリと一人呟くと、私は来た道を引き返して帰路へと着いたのだった。

———————

——————

 ——その日の夜。0時5分前に『黄泉之駅』へとやって来た私は、ドキドキと期待に胸を高鳴らせた。
 死者と会えるという噂を完全に信じているというわけではないが、嘘だという根拠もない。それなら、私はその可能性に賭けてみたかった。
 0時になる瞬間を今か今かと待ち侘《わ》びる。

 持っていた携帯の表示が0時丁度になった瞬間、それは音もなく私の目の前に現れた。

 ———!!

 突然目の前に現れた電車に驚き、私はその場で固まると固唾を飲んだ。まるで夢でも見ているのかと疑うような光景に、ヒヤリとした汗が背中を伝う。音もなく開いた扉を見つめながら、私はゴクリと小さく喉を鳴らした。

「——みっちゃん」

「っ、……お婆ちゃん!」

 目の前の扉から姿を現した祖母に駆け寄ると、その身体を抱きしめて涙を流す。そんな私を、優しく包み込んでくれる祖母の手。それはまるで生きているかのように温かく、これは間違いなく夢などではないのだと私に確信させた。

「会いたかった……っ、会いたかったよ!」

「まあまあ……。どうしたと、みっちゃん。ほれ、こっち来んね」

 そう言って優しく促してくれる祖母に連れられて車内へと進むと、誰もいない座席へと静かに腰を下ろす。
 沢山話したいことはあるはずなのに、止まらない涙で言葉が詰まって上手く出てこない。そんな私の背中を優しく撫でてくれる祖母は、ゆっくりとした口調で口を開いた。

「これからはずっと一緒やけん、みっちゃん」

「……え?」

 聞き覚えのないその声にピクリと肩を揺らした私は、ゆっくりと顔を上げると祖母の方を見た。

「みっちゃん」

 確かに見慣れた祖母の顔だというのに、その口から発せられる声は祖母のものとはまるで違う。

「あなた……、誰……っ?」

 震える口元でそんな言葉を紡ぎながら、あの噂を思い返してカタカタと震え始めた私の身体。一度だけ死者に会えるというあの噂には、必ず守らなければならないと言われているものがあった。
 それは、ハガキに死者の名前と自分の名前を書くこと。そしてそれは、必ず表と裏に分けて書かなければならないということだった。
 もし、同じ面に名前を書いてしまったら、そのまま黄泉の国へと連れ去られて二度と帰っては来られないと——。

(私……っ、自分の名前……裏に書かんかった……)

 そこまで思い返すと、顔を青ざめさせた私は窓の外を振り返った。暗がりの中でもハッキリとわかったのは、そこに見えるのが見慣れた村の風景などではないということ。

(ここ……、どこ……?)

 嫌な汗がジワリと滲み出し、先程までは感じなかった冷気が車内ごと私の身体を包み込む。確かに祖母の姿をしている”ソレ”は、祖母とは似ても似つかない程の不気味な笑顔を見せると、私に向けておぞましいほどの悪声を発した。

「みっちゃん。……これからは、ずっと一緒やけん」

—完—

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