皆さんこんにちは。
一向に文章が上達しないふたばです。(´・ω・`)
己の練習に他人を巻き込んでやろうと、掲示板を建ててみました。
以下、ここでのルールを説明します。( ᴗ ̫ ᴗ )
↓
🌱ここは、短編の練習をする為の掲示板です。
🌱毎月単語を3つ、お題として出しますので、短編の「三題怪談」を募集します。
🌱「三題怪談」とは、1つのお話に決められた3つのお題のワードを入れなければならないという“縛り”で御座います。
🌱お話の長さの目安は、原稿用紙2枚分(800字)程度。
(あくまでも目安です、越えてしまってもヨシとします)
文字数カウント↓
https://phonypianist.sakura.ne.jp/convenienttool/strcount.html
🌱お題は毎月一日に更新されます。
🌱提出期限は毎月28日までとします。
🌱お話はいくつ投稿しても構いません。
🌱初心者大歓迎。実際私もほぼ読み専なので、文章が下手っぴです。軽い気持ちでご参加下さいませ。
🌱ここで投稿されたお話は、“ご自身で書かれたお話ならば”怖話の通常投稿にあげても構いません。
寧ろ、多くの方に見ていただけるよう、ここで試し書き、本投稿で完成品といったように使って下さいませ。
何なら他サイトでも投稿されている方は、そちらへあげるのも問題御座いません。
(※他の方の掲示板でも同じとは限らないので、その都度そこの掲示板主へご確認下さい)
🌱題名も付けて頂けると助かります(題名は文字数には含みません)。
🌱感想だけのご参加も大歓迎です。
🌱明らかな荒らしコメントは即刻削除致します。慈悲はありません。
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【11月お題】
「黄泉」「狐」「エレベーター」
投稿期間 11/1 0:00〜11/28 23:59
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ですがまぁ…建ててみたは良いものの、私が独りで短編を書き続ける寂しい場所になりそうな気がします……
そこで!ちょっとした特典代わりと言っては何ですが、ここで投稿されたお話は、私ふたばが朗読させて頂きます。ᕦ(ò_óˇ)ᕤ
具体的に言うと、YouTubeにてその月に投稿されたお題の回答を、纏めとして朗読してアップします。
素人の朗読ですのでレベルは低いですが、創作意欲の糧になれれば幸いです。( ᴗ ̫ ᴗ )
※朗読されるのが嫌だという方は、お手数ですが文末に「※否朗読希望」とお書き下さいませ。
📚過去のお題アーカイブ
【9月お題】「彼岸」「ぶどう」「ネジ」
https://youtu.be/DlNJ68yKIfA
【10月お題】「十五夜(月のみでも可)」「図書館」「菊」
(※お題提供:あんみつ姫さん)
https://youtu.be/iA4spsQlSMA
【11月お題】「りんご」「子ども」「落ちる」
https://youtu.be/UMVBBrycZqU
【12月お題】「肖像画」「塩」「M」
(※お題提供:むぅさん)
https://youtu.be/MJmFrqUqvj0
【1月お題】 「ウシ」「晴れ」「厄」
https://youtu.be/N0tX10EOJoE
【2月お題】 「僧」「遊泳」「踊り」
Extraお題「怪僧」「宇宙遊泳」「阿波踊り」
(※お題提供:嗣人さん)
https://youtu.be/9j2vK_kKzhE
【3月お題】 「風」「証」「波」
https://youtu.be/zZoV2ce7poU
【4月お題】「サクラ」「窓辺」「人形」
https://youtu.be/kZzfmq8cNvM
【5月お題】「母」「鬱」「川」
https://youtu.be/RNqUE92-K2k
【6月お題】「クラゲ」「雨」「失踪」
https://youtu.be/BM0ataca42E
【7月お題】 「天の川」「亀裂」「写真」
https://youtu.be/RcXTXfzfKUk
【8月お題】「手を振る」「扉の向こう」「呼ばれる」
(※お題提供:ラグトさん)
https://youtu.be/omL3byV-eF0
【9月お題】「アリス」「スープ」「ハサミ」
https://youtu.be/w20FnRK-bQQ
【10月お題】「バラ」「時計」「たばこ」https://youtu.be/g_zxwy1H73I
【11月お題】「無人探査機 」「提灯鮟鱇 」「地引網 」
(※お題提供:ロビンⓂ︎さん)
【12月お題】
「プレゼント 」「空席」「信号 」
【1月お題】
「トラ」「階段」「玉」
【2月お題】
「ネコ 」「チョコレート」「箱」
【3月お題】
「ウメ 」「日記」「歌声」
【4月お題】
「駅 」「看板」「ポスト」
【5月お題】
「灯り」「公園」「針」
【6月お題】
「カッパ」「アジサイ」「自転車」
【7月お題】
「浜辺」「貝」「欄干」
【8月お題】
「ニセモノ」「蝋燭」「指」
【9月お題】
「帰り道」「ビン」「コスモス」
【10月お題】
「先生」「空腹」「筆」
【11月お題】
「橋」「ゾンビ」「忘れ物」
【12月お題】
「足音」「雪」「吐息」
【1月お題】
「ウサギ」「獣道」「目」
【2月お題】
「鬼」「酒」「身代わり」
【3月お題】
「都市伝説」「ピアノ」「ボタン」
【4月お題】
「絵本」「珈琲」「霞」
【5月お題】
「シミ」「地下」「蝿」
【6月お題】
「ダム」「悲鳴」「カエル」
【7月お題】
「夏草」「鏡」「プラネタリウム」
【8月お題】
「漂流」「雲」「ラムネ」
【9月お題】
「神隠し」「お米」「カバン」
【10月お題】
「皮」「警告」「お札」
【11月お題】
「1週間」「影」「オレンジ」
【12月お題】
「ケーキ」「透明」「チャイム」
【1月お題】
「 」「 」「 」
【2月お題】
「穴」「遅刻」「節」
【3月お題】
「足跡」「惑星」「メッセージ」
【4月お題】
「卵」「楽園」「嘘」
【5月お題】
「人混み」「電話」「花瓶」
【6月お題】
「墓場」「毒」「待つ」
【7月お題】
「海」「境界」「糸」
【8月お題】
「打ち上げ」「ライト」「未練」
【9月お題】
「借りもの」「バス停」「斜陽」
【10月お題】
「骨董」「ピエロ」「姉」
※追記:ここのお話を本投稿へもアップされる方へのお願い
🌱先に述べた通り、ここに書いたお話は一般の怖い話にも投稿して頂いて構いません(そもそも著作権は作者のものですから)
🌱一般投稿分は掲示板のレギュレーションから外れますので、文字数を気にせず加筆修正しても何も問題御座いません。
🌱ですが、投稿の際には題名に“三題怪談”の文字を付けないで下さい(同じ企画系列の題名が並ぶとうんざりしてしまうユーザーが現れ、揉める為。実際、過去にそういう事がありました)
🌱また、お題の単語をお話の解説欄に載せると、その単語に気を取られて純粋な短編として楽しめないので、読者的には解説欄には“掲示板より”とだけ書いて頂けると助かります。
(コメントにお題の単語をネタバレ防止で公開するのはアリです)
(ここのページのURLは貼っても貼らなくてもいいです)
🌱代わりに、投稿作のタグ欄に、お題の単語タグ3種と“毎月お題の短編練習枠”タグが知らぬ間に付いております。十中八九私ふたばが犯人なので怖がらないで下さい。
企画というより常設となるこの場所は、細く長く続けていきたいので、何卒、ご理解下さいませm(_ _)m
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「バス待ち」
街中でバス待ちをしていた時のこと。
「あのー、すみません。」
背後から、声をかけられた。
振り向くと、男子高校生が、スマホ片手にニヤついている。
「えーと、突然で悪いんですけど。これ?なにが写っているかわかります?写真の写しなんだけど。」
怪訝そうな私を意に介さず、スマホの画面を鼻先に突き出した。
真っ暗な背景に、うっすらと白い粉を吹いたような帯状の明かりが見える。その斜め上には、かすかに飛行する機体の一部と思われる翼が写っていた。
「ぼんやりしてよくわからないけど……天の川と飛行機かな。翼が見える。夜間飛行かしら。」
「すげぇ、正解!すげぇよ。おばさん、すげぇ。」
男子高校生は、その場で小躍りしたかと思うと、誰かに電話をし始めた。
「あのさぁ、お前のじいちゃんの写真さぁ。見える人がいたよ。」
尋常じゃない興奮状態である。
「それがさぁ、フツーのおばさん。どこにでもいるパッとしない感じでさ。でもさ」
急に声を落とし、コソコソと小声で話している。
(ちょっと、なんなのよ。)
バス待ちしている人たちも、半ば呆れたように凝視している。
信号機の向こう100メートルほどのところに、乗るバスが姿を表した。
ほっと胸をなでおろす。
(ちょうどよかったわ。私とこの子は、無関係だから。)
私は、バスに乗ろうと、この場を移動しようとした。
その時
ピキッ バリッ
うあぁぁぁぁぁぁ。
ガラスが割れるような音と、高校生の悲鳴がほぼ同時に響き渡った。
「怒ってる、怒ってるよ。ほら。」
男子高校生は、私に走り寄ると、再びスマホを突き出した。
スマホの真ん中には、大きな亀裂が走り、亀裂の入った画面中央には、天の川と飛行機の翼の一部のほかに、さっき見た時はなかった 憂いと怒りと悲しみを含んだ男の顔が浮かんでいた。
もう残り12時間くらいしか無いですが、今月のお題短編の期限は本日28日の23:59までです(л・▽・)л💦
宜しくお願い致します( ᴗ ̫ ᴗ )
何となく題名は短くしたくて漢字4文字の造語になりました(л・▽・)л
今月のお題、実は元々書こうとしていたのとは違うのが出来上がってしまいました。時間が間に合えばそちらも投稿したいですが、どう考えてもコミカルになりそうな予感… (;-ω-)
『漆憐幻燈』
「夜空の星は、皆死者の魂なんだ」
私の耳元で、そう囁く声がする。
私はオカルトなんて信じない。ちゃんと自分の目で見たものしか信じない。星というのは恒星が燃えた光だ。魂などというものでは無い、そんなのは小学校だって知ってる常識だ。
「そう、星の光は死者の魂だ。これは間違い無いことさ。
しかし多くの人間はこれを出鱈目だと言う。あれは天体の燃焼だと、お前の言葉は嘘なのだと。
だが本当に星の正体をその目で見たものは、一体どれだけ居るのだろうね。
私はね、本当の本当にあの光がヒトの魂では無いと断言出来る存在は、未だ地球上に存在しないんじゃ無いかと思うんだ。
常識だから、科学的に証明されているから、だから当たり前のようにそう信じている。だがヒトは自分の目で見たものしか信じないとも言う。
しかし、写真で、映像で、教科書で見るそれらは、ちゃんと“自分の目”で見たと言えるのかな。
レンズを通して、フィルムを通して見たそれは、インクで描かれた、液晶に写った偽物のそれは、本当に見たと言えるものなのかな。
例えば、天の川の存在は誰もが知っている。しかし、この文明が進んだ国で、肉眼で天の川を観測したヒトは 一体どれだけ居るのだろう。
夜空を見上げ、星空を見上げても、そこに見える星々はせいぜい一等星かニ等星しか無い。琴座のベガ、鷲座のアルタイル、織姫と彦星に擬(なぞら)えたこれらを観測する事は出来ても、電灯に紛れその間に存在する小さな光達を観測出来ない明るい夜空では、天の川を見る事なんて出来やしない。
星の光というのはね、この天板に写った死者の魂なんだ。
しかし、夜空の微細な光が文明の発展と共に見えなくなったように、この霊魂を信じる者は科学の発展と共に減ってしまった。
その魂は、“彼ら”は、見えないだけで今だって存在している。地上を見守るように、この漆黒の天板を煌びやかに埋め尽くしている。その数がどれは程あるか、現代人は忘れてしまっている」
声の主は直立したままグニャリと身体を曲げ、二本足で立ったまま足元に転がる私に囁く。
真っ暗なこの崖の底で、煙みたいに白い顔を、裂けた様に歪ませながら。
空を見る。
高い崖に縁取られた上空の亀裂には、見た事も無いほど見事な星空が覗いている。
もしかしたら此処は、この国で最後の、偽りなく綺麗な星空が見える場所なのかも知れない。
突如現れた地面の亀裂、光も届かない程深いその場所に落ちた私は、俯いたまま動かない身体を諦め、反対に捻れた首で燦(きらめ)く夜を見上げる。
視界の端にはチラチラと、煙の様な何かが漂っている。
それは極めて人間に近い見た目のモノも居れば、首だけのモノも、左半分が丸々欠損したモノもいる。
よく見えるモノに、幽かにしか見えないモノ。
成る程、彼ら異形は夜空の星々のように文明の発展と共に観測されなくなっていたのだ。
それが、この場合に落ちた途端に認識出来る様になってしまった。
きっと、大きなものから小さなものまで沢山いるのだろう。
それこそ、星の数ほど。
そして私もじきに、その1つとなるのだろう。
薄れゆく意識の中で、私はこの景色を写真に収めたところで人類は彼らを認知するのかと思いを巡らせた。
そして、少しだけ彼らを憐れに思った。
6月のお題を朗読したヤツですm(_ _)m
https://youtu.be/BM0ataca42E
遅くなってしまい申し訳御座いません。
初めてノートパソコンを使っての録音に挑戦した結果、機械音痴フルスロットルでしたorz
7月も締め切りまで残り5日、そろそろ私も書き始めます…_:(´ཀ`」 ∠):
(なんで世間は4連休なのにウチの会社は……(/ _ ; )うぅ…)
@林檎亭紅玉 さん今月もご参加有難う御座います( ᴗ ̫ ᴗ )
日本では七夕の日に降る雨の事を“催涙雨”なんて呼びますが、お隣の韓国では七夕に降る雨は「お空の上で織姫と彦星が再会して涙している証」と言われているそうです(л・▽・)л
国が変われば文化も変わる。それは間違いの無い事で、ちょっとしたハンドサインだけでも国によって真逆の意味になってしまいます。それが異文化交流での亀裂になってしまうんですよね。
主人公に贈られたもの、それは呪(のろ)いなのか、呪(まじな)いなのか……
もしも信じるのなら、彼女が相手を想い調べたその国の幸運の証であって欲しいですね(*´꒳`*)
…ただ、写真の中の彼女が笑っている描写はないんですけどね( °-° )
『牽牛』
ざあざあざあ。雨が降る。
織姫と彦星は一年に一度しか会えない、けれど。
晴れていたら、今夜は会えるね、と人は言い合って。
でも、晴れていないと会えない、っていうのは実は間違いなんだよ。
七夕に雨が降るのは、彦星が織姫に会うために船を走らせていて、天の川の飛沫が雨になるんだ、って。そういう考えも有りだったんだな、と、今はもう古くなってしまった写真の君に話しかける。
ざあざあざあ。
写真立ての中で君は笑う。
ところ変われば品変わる、国も変われば考え方も変わる。
僕らは余りに若すぎて、そんな当たり前が当たり前だとわからなかった。
君は今、どこに居る?
何を考えている?
君が僕の国の人とは違うから、という理由で、僕の両親も、親戚も、誰もが君との結婚を反対した。
僕は君の味方でいるべきだった、そうなのかもしれない。
ざあざあざあ。
君からの最後の贈り物。
四葉のクローバー、招き猫、鬼灯、扇、桃の花、菖蒲、笹。
僕は君の味方ではなかった。
同じように、君も僕の味方ではなかった。
君からの贈り物。
僕の国にとっては、お祝いの証である品物たち。
僕は今も一人だよ。
ざあざあざあ。
君と二人、写真立ての中で、僕は笑っている。
僕にとっての幸運の証が。
君にとっては、もしかすると……
ざあざあざあ。
いや、辞めておこう。
招き猫が呪いの道具だなんて知らなかった。四葉のクローバーが死を招くなんて知らなかった。僕の国では、そんな話聞いたことも無い。だけど。
信じる者は救われる、それが万国共通であるならば。
ねえ。
僕は信じるよ。
君はきっと、僕の幸せを願ってくれているんだろうと。
僕にとっての幸福の証と、君にとっての幸福の証は違っているんだろう。
ざあざあざあ。
雨の中、僕はずっと待っている。
一人ぼっちで船をこぐ、彦星のように。
織姫の姿を求めて、天の川を下って。
ざあざあざあ。
写真の中の僕が、ひそやかに、とてもひそやかに笑う。
@rano_2 さん
ヒトはある程度縛りがあった方がクリエイティブなものを作り出せるのだとかで、実際私も去年書いたお話で一番評価が高かったのは掲示板発の、それも他の方にお題を提供していただいた月のお話でした( ¯꒳¯ )ᐝ
今回は欲望に満ち満ちたある意味七夕らしいお話でしたね。私は寧ろ異常存在を出すと途端に怖くないお話になりがちなので、キレの良い恐怖を味わえる人怖は大好物です(°▽°)
詩織ちゃんも主人公もきっと女子力高めに育ってくれますね……笑
@ふたば さん
こちらこそ、読んでいただきありがとうございます。怪談にもテーマがあると、普段よりも考えを巡らせる事が出来るので、面白いです。とは言いつつも、また人怖系の話になってしまいましたが(;'∀')
七夕という夢を託す行事の中に、女の狂気を混ぜる…そんな話を書きました。天の川は、英語で「乳の道」とも言いますし。詩織ちゃんと主人公は、今頃どんな願いを短冊に書いているのか…
今回の投稿も、一般の方に投稿させていただきますね。
クリスマスが誕生日!しかもご自分でケーキを作られるとは、素敵です。子供の頃は、一度で二度祝うから、親御さん的にはお金が掛からなくて良い、といったところでしょうか。語弊があったらごめんなさい。
今年のクリスマスは、ふたばさんにお祝いの言葉を贈りますね(*^▽^*)
@rano_2 さん今月もご参加有難う御座います( ᴗ ̫ ᴗ )
投稿も七夕の前日に合わせていただいたのに、日付が変わってから読んでいる事をお許しくださいorz
この女性、ヒステリックモンスター拗らせ過ぎて、もはや母親ですら無いですね(。-_-。)
がっつり虐待ですので、刑務所へ投獄されたまま娘さんとはこれ以降会うことが無い事を祈ります……
ちなみに私は七夕産まれでは無いですが、12/25産まれなのでバースデーケーキはクリスマスケーキと兼ねられます。勿論プレゼントもですね。なので、ここ数年は自分のケーキはせめて“楽しいキリストのミサ”と書かれていないものがいいと自分で焼いております。笑
きっとこの主人公も理不尽に負けない逞しい子育ってくれる事でしょう(*´꒳`*)
「七夕の話」
これは、私が子供の頃に起きた出来事です。
私が通っていた幼稚園では、毎月ごとに、誕生日の子の名前と日付が教室の壁に書かれていて、当日になると、先生とクラスの皆でお祝いをする、という事をしていました。
「ハッピーバースデー」の歌を歌い、先生から、お菓子の入った小さな包みと、色紙で出来た花束をプレゼントで貰う、というものです。
しかし私は、そのお祝いがあまり好きではありませんでした。理由は、私の誕生日にあります。
七月六日なのです。
幼稚園で行われるイベントの中で、クリスマスの次に大きかったのが七夕。皆で短冊に願い事を書き、星の飾りを頭に付けて七夕の歌を歌い、先生やお母さん達が作ったお菓子を貰う。
それだけなら普通に楽しめるのですが…同じクラスに、七月七日が誕生日の子がいて、その子のお祝いも一緒に行われるのです。
先生やクラスの皆だけじゃない、お父さんお母さん達からも「おめでとう」と言われる。前日の、私の時とは比べ物になりません。
誕生月が大幅に違っていれば、仕方無いと納得も出来たのでしょう。実際、クリスマスが誕生日の子に対しては、素直に喜べたのです。が…七夕は一日違い。
たった一日遅ければ、色んな人から注目され、主役になれる筈だったのに…と、子供心に、悔しさでいっぱいでした。
誕生日が近付くにつれ、その気持ちは徐々にエスカレートし…「プレゼント何が欲しい?」という両親の問いかけにも、「おたんじょうびを、たなばたにしてほしい!」と無理難題を散々ごね、七夕イベント当日の朝は、「行きたくない!」と泣いて、かなり大変だったそうです。
その証拠に昔のアルバムを見ると、涙と鼻水でグズグズになりながら誕生日ケーキを囲むという…シュールな写真が沢山入っていました。家族がどうなだめても全く泣き止まず、やむを得ず、このまま撮るしかなかったそうです。
しかし、相応のプレゼントも貰い、家族みんなからお祝いを受けたと分かっていても、どうしても気持ちを抑えきれず…とうとう私は、短冊一杯に、七夕への嫌悪を書き連ねるという暴挙に出たのです。
「たなばたなんて いらない!」「たなばた きらい!」
気持ちが昂っていたせいもあり、先生から「どうして?」と何度も問いかけられるのが、不思議でなりませんでした。
自分の願い事を書く日なのに?と。
その年の七夕は結局、私は不満を爆発させて途中帰宅せざるを得ず…母にたしなめられながら一日が終わりました。
ですが…その夜の事です。
§
ここからの出来事は、のちに母から聞かされたのですが…
不満大爆発で泣きまくる私の手を引いてどうにか家に帰り…その後、泣き疲れて眠る私を見るて、母もぐったりと力が抜け、私の隣で眠ってしまったそうです。
しかし、暫くしてインターホンを連打する音で目が覚め、急いで起きて玄関に向かうと、インターホンに混じって、数人の女性の声が聞こえ…
何事かとドアスコープを覗くと、女性の一人が凄い剣幕で、「あんたの子供のせいだ!!」と、叫んでいた…
それは、前述した、七夕が誕生日の子…詩織ちゃんのお母さんだったそうです。
ただ事じゃないと察した母は、チェーンをかけてドアを開けたのですが、詩織ちゃんのお母さんは、チェーンの隙間から手を入れ、掴みかからん勢いで母に詰め寄って来たそうで…他のママ友数人が、それをどうにか抑えている状況だったといいます。
そして、ママ友の一人が教えてくれたそうです。
詩織ちゃんが、七夕のイベントから帰る途中、突然行方が分からなくなった、と…
最初、自分の元に連絡が来て、思い当たる場所を探したけれど姿が見えず…他のママ友にも連絡入れ、一緒に捜索をしていたそうです。
しかし、それでも見つからず、もう警察に連絡した方がいいのでは?と思い始めた頃…詩織ちゃんのお母さんが突然、私が短冊に「七夕嫌い」と書いていた事を思い出し、
「あの子があんなこと書いたから詩織がいなくなった!」
と、ヒステリックに取り乱し始めたそうです。
確かに七夕への嫌悪をあからさまに態度に出していたけど…それと、詩織ちゃんがいなくなったのは別問題だと説得しても、詩織ちゃんのお母さんは頑として聞かず、皆を振り切って家に来てしまった、と…。
園や、他の親御さんにも連絡をしたけれど、私の母にだけ連絡がつながらなかった、というのも猜疑心を煽ったようで…ママ友が話すその背後でずっと、詩織ちゃんのお母さんは、
「あんたの子供が!なんで!うわああああーっ!!!」
と、激しく泣き叫んでいたそうです。
しかし母は、あらぬ疑いを掛けられた事への怒りや戸惑いよりも先に、恐ろしい気持ちになったといいます。
というのも、私と詩織ちゃんは同じクラスだけれど、お互い別の決まった友達と一緒にいる事が殆どで、二人だけで遊ぶことは無く、母親同士も挨拶程度の交流しか無かったのです。
つまり、お互いの家がどこにあるか知らない筈なのに、どうやって私の家の場所をつきとめたのか────?
ママ友に確認するも教えた覚えは無く、園から住所が漏れるのは考えにくい。
しかしママ友曰く、途中迷う素振りも全く無く、真っすぐここまで辿り着いていたそうです。
その後、どうにかママ友達が説得したのもあって、詩織ちゃんのお母さんは渋々ながら家から離れ、再び捜索に出向いていったそうです。程なく母も、眠る私を祖母に預け、別の保護者達と捜索に参加しました。
そして、居なくなってから五時間後…詩織ちゃんは見つかりました。
幼稚園から数キロ離れた先の竹藪で、体を丸めて眠っていたのです。
§
幸い、詩織ちゃんは怪我も無く、命に別状はありませんでした。
発見したのは、たまたま通りかかった近所のご老人で、何かガサガサと何か動く音が聞こえ、小動物かと様子を見に行ったら子供だった、と…
詩織ちゃんはがなぜそんな場所にいたのか…それは、「天の川に行きたかった」から。
そう聞いて、なるほどと思いました。何故ならその竹藪の近くには、「雨の河橋」という、橋が架かっていたからです。雨の河、と書いて、「あまのがわ」と呼ぶ…
詩織ちゃんは、自分の住む近くに「天の川」があると知り、七夕になったら必ず行こうと、密かに決めていた。そして、幼稚園から帰る途中、一人で出掛けてしまったようなのです。
しかし、途中で迷ってしまい、その場から動けなくなって、いつの間にか眠ってしまった。
とにかく大事件にならなくて良かった、と、母も他の保護者の人も胸をなでおろし、一件落着、と…傍から見ればここで終わりなのですが…
「だけどね…無事に保護されて良かったと安心するどころか…お母さん、詩織ちゃんを酷く怒鳴りつけたそうなのよ、『何で死んでないんだ!!』」って…
詩織ちゃんが見つかった翌日、詩織ちゃんのお父さんが、家に謝罪に来たそうです。母は、知らない間に自宅を知られ、怒鳴られた経緯を話し、当の母親が来てない事への不満を訴えた。
すると、詩織ちゃんのお父さんは、保護された時の状況…上記のセリフを娘に吐いた事を話し、「妻が謝る事は多分無理です」と頭を下げたそうです。
「とにかくもう、これで三回目なんです!って…しんどそうだったわ」
一人で出掛けたと思っていたけれど…実情は、竹藪にはお母さんが連れて行き、娘を一人置いて行方不明になったと騒ぎ、周囲の同情を貰おうとしていたという事だったそうです。
既に夫婦間には亀裂が生じ…娘の親権をどちらが取るか、という、協議のさなかの出来事だったとも。
「家を知ってたのは、私のパートの帰りを尾行してたんだって、それに…あなたが七夕嫌いっていうのを知って、母親の私が嫉妬で娘を隠した、って…そうしたかったみたい」
「わざわざそこまで!?」
「そうよね…まあ、女の執念よね。もう会ってないからいいけど…最悪のシナリオをあらかじめ用意してあったなんて…ゾッとする」
因みに、小学校にあがったタイミングで、私の七夕嫌いはいつの間にか消えていました。そして今では毎年欠かさず、「お金が欲しい」と短冊に願い事を書いています(笑)
これと言ったオチも怖さも無いかも知れませんが…身近な場所でまさかこんな事が?と、母からしたら怖いと感じた…そんな話です。
@芝阪雁茂 さん有難う御座います( ᴗ ̫ ᴗ )
早速読ませて頂きました。(お話の感想はそちらに書かせていただきました)
ここの掲示板はあくまで練習が目的の場所なので、全然怪談でも幻想譚でも無い何かでも問題有りません。過去にはポエムっぽい何かが投稿された事もありましたが楽しく読ませて頂きました。笑
芝阪さんのお話は思いっきり怪談ですので、寧ろ模範ですね(=゚ω゚)ノ
文字数に関しても(私が読むのが大変だから)短編目安なだけですので、ぶっちゃけ長編でなければ何も問題なかったりしますσ(^_^;)
(と言っても、短く纏める練習として意味も込めて目安の文字数が設定されていたりします)
一応ここに投稿されたお話しか朗読はしない事にしておりますし、軽い気持ちで投稿しちゃって全然大丈夫です。あと書き直しも何回でもokです。
初めまして(礼)。
三題怪談と言うテーマに興味を持ちまして、御邪魔致しました。
「天の川」「亀裂」「写真」の御題を拝借して、拙作を即興状態で打ちましたが、短編どころかロマンチックとも程遠い奇妙な話が出来上がりまして御座います(御載せして良いかが分からず、自分の所に投稿してしまいました………済みません)。
ですが、縛りの有るテーマで創る楽しさが有って面白いなと感じました次第です。
うわあああぁぁぁああありがとう御座いますぅ!!!!・:*+.\(( °ω° ))/.:+
数ヶ月ぶりのmoonの2人ぃぃいい!!!˚‧º·(˚ ˃̣̣̥⌓˂̣̣̥ )‧º·˚
雅彦君が織衣ちゃんをお姉ちゃん呼びしてるううぅΣ੧(❛□❛✿)
正直なところ、この2人を欲しがってお題に七夕関係の単語を入れていたのですが、まさかこんなにも速攻で書いて下さって、感涙の極みで御座います( ᵕ̩̩ㅅᵕ̩̩ )
織衣ちゃんの涙、雅彦君は幾度となく彼女の死を知らされる夢を見ておりましたが、もしかして織衣ちゃんも何かしらの予知や予感を抱いていたのでしょうか……
私も実はちらほら怖くないお話を書いているので、その辺も結構緩かったりします…、ですがもし納得が行かないのでしたら、もう1話書くのもアリですよψ(`∇´)ψ(唐突な無茶振り)
すみません、怖い要素がありません。。
「ふたりの距離」
僕と織衣がまだ幼く、両親がまだ離婚をしていなかった頃の話。
夏のある日、父親の運転で、N県の高原に家族でキャンプに行った。
人生初のキャンプで、織衣はもちろん、僕も大いに興奮した。
テントの組み立て、火起こし、バーベキュー、そして野山の探検。楽しい時間はあっという間に過ぎた。
夜になり、普段し慣れないことの連続に疲れた両親は、テントの中で早々に寝息を立て始めた。
(ねえまーくん、お外に行ってみない?)
隣で横になっていた織衣が、僕に目で合図を送ってきた。
僕らは物音を立てないように気をつけながら起き出すと、昼間に皆で行った見晴らし台まで行くことにした。
真っ暗な森の道を通る際、どちらからとも知れず、固く手を繋いでいた。
見晴らし台に着いた僕らは、夜空を見上げてため息をついた。
「ーーこんなにぎやかなお空、見たことない」
織衣がつぶやいた。
確かに、宝石を散りばめたように星々が輝く夜空は、僕らの知る都会のそれとはまるで違っていた。
夜空を横切るように、光の筋が流れていた。
「お姉ちゃん、あれ、天の川だ」
自分の発見を自慢しようと隣を向いた僕は、そこに涙で頬を濡らす織衣を見た。
「ど、どうしたの?」
言われた当の本人は、一瞬きょとんとした顔をしたかと思うと、慌てて頬をぬぐった。
「あれ?どうしたんだろうね。
あれかな?天の川を見て、織姫様と彦星様が離れ離れになるお話を思い出しちゃったのかな?」
そう言って織衣は笑った。
彼女の涙を見て思ったのだ。
僕だったら、たとえ離れ離れになっても、天の川くらい泳いで逢いに行ってやる、と。
それがまさか、光の速さで15年もかかる距離だとは、当時はまだ知らなかったわけだが。
今、織衣がいなくなって、ふたりの距離は物理的には測れなくなってしまった。
自ら命を断つという甘美な考えが、これまで何度か頭をよぎった。
しかし、僕はこう思うことにした。
僕の残された命の時間こそ、ふたりの今の距離だ。
その距離を、ズルしてショートカットすることは許されない。
きっと天の川を泳ぎきって逢いに行くと、幼いあの時、確かに決意したじゃないか、と。
部屋を片付けていたら、引き出しの奥から、亀裂のように縦に真ん中で破かれたキャンプの時の写真が出てきた。
手元の写真には、僕と父親。
ここにないもう片方には、織衣と母親。
両親の離婚に、死別。そしてそもそも姉弟に生まれたこと。
ふたりの距離はいつも遠い。
だけど、それでも、これからも。
僕は。
ご利用の皆様へ🌱
新しい月となりましたので、今月のお題を出させていただきます( ᴗ ̫ ᴗ )
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【7月お題】
「天の川」「亀裂」「写真」
投稿期間 7/1 0:00〜7/28 23:59
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皆様のご参加、お待ちしておりますm(_ _)m
今までで一番難産でした_:(´ཀ`」 ∠):
このお話の長編バージョンを本投稿にもあげる予定ですが、絶対来月になりそう……
『くらげのように惚けられたなら』
「くらげってさ、脳が無いんだって」
物語の中で彼女は、そう言葉を紡いでいた。
「だから何も考えていないし、何も感じない。私もさ、そんなくらげになりたいなぁって、なんてさ……」
元々詩的な表現をよく使う彼女だった。
だから、この時も僕はただ、水晶のように美しいその言葉の響きだけを、風を受けるようになんとなく浴びているだけだった。
それが、彼女の悲痛の叫びであるとも知らないで。
彼女の想いなんてまるで、何も理解しようともしやしないで……
「雨の音がする。
私は、水流に飲まれ漂っている。
清く透明な水の中、深く幻燈的な水の中、
それでもずっと、雨が降る。
雨が降る、雨が降る、雨が降る……」
それが、彼女の最後の発信だった。
6月の終わり、梅雨の只中で、ネット小説家である彼女はそんなお話を残し、この言葉を最後に、ネット上から失踪した。
◯◯◯
一月後、あるニュースが世間を賑わせた。
30代男性、20代女性を誘拐し脳の一部を切除、半植物状態にし自宅で軟禁。
男は被害者の女性がネット上にあげた投稿小説の読者で、所謂ネットストーカーであった。
そして、彼女が投稿したネット小説の文面を曲解し、その日の内に犯行に及んだという。
被害者はネット上でも実名をそのまま使っており、そこから特定されたとの事だった。
この猟奇的な犯行は大きな話題となり、SNSでは件のネット小説が特定され拡散された。
それは、僕がよく利用しているサイトの、僕が憧れて止まないあの投稿者の、最後の小説だった。
だが僕にはそれが、どうしても信じられなかった。
ありえないのだ。
だって、僕はつい先日に、彼女と会っている。この現実でテレビに映る被害者のその女性に、紛れもない憧れのあの人に。
その時彼女は笑っていた。何も喋らず、ただ涙を流しながら微笑んでいた。
脳を切り取られた人間が、そんな事出来る訳……
そう思いながらも僕は、彼女が最後に描いた小説が、惚けたように頭から離れなかった。
【800文字】
ご利用の皆様へ🌱
6月のお題投稿の締め切りは、明日28日の23:59までで御座います。
宜しくお願い致します( ᴗ ̫ ᴗ )