皆さんこんにちは。
一向に文章が上達しないふたばです。(´・ω・`)
己の練習に他人を巻き込んでやろうと、掲示板を建ててみました。
以下、ここでのルールを説明します。( ᴗ ̫ ᴗ )
↓
🌱ここは、短編の練習をする為の掲示板です。
🌱毎月単語を3つ、お題として出しますので、短編の「三題怪談」を募集します。
🌱「三題怪談」とは、1つのお話に決められた3つのお題のワードを入れなければならないという“縛り”で御座います。
🌱お話の長さの目安は、原稿用紙2枚分(800字)程度。
(あくまでも目安です、越えてしまってもヨシとします)
文字数カウント↓
https://phonypianist.sakura.ne.jp/convenienttool/strcount.html
🌱お題は毎月一日に更新されます。
🌱提出期限は毎月28日までとします。
🌱お話はいくつ投稿しても構いません。
🌱初心者大歓迎。実際私もほぼ読み専なので、文章が下手っぴです。軽い気持ちでご参加下さいませ。
🌱ここで投稿されたお話は、“ご自身で書かれたお話ならば”怖話の通常投稿にあげても構いません。
寧ろ、多くの方に見ていただけるよう、ここで試し書き、本投稿で完成品といったように使って下さいませ。
何なら他サイトでも投稿されている方は、そちらへあげるのも問題御座いません。
(※他の方の掲示板でも同じとは限らないので、その都度そこの掲示板主へご確認下さい)
🌱題名も付けて頂けると助かります(題名は文字数には含みません)。
🌱感想だけのご参加も大歓迎です。
🌱明らかな荒らしコメントは即刻削除致します。慈悲はありません。
=============================
【11月お題】
「黄泉」「狐」「エレベーター」
投稿期間 11/1 0:00〜11/28 23:59
=============================
ですがまぁ…建ててみたは良いものの、私が独りで短編を書き続ける寂しい場所になりそうな気がします……
そこで!ちょっとした特典代わりと言っては何ですが、ここで投稿されたお話は、私ふたばが朗読させて頂きます。ᕦ(ò_óˇ)ᕤ
具体的に言うと、YouTubeにてその月に投稿されたお題の回答を、纏めとして朗読してアップします。
素人の朗読ですのでレベルは低いですが、創作意欲の糧になれれば幸いです。( ᴗ ̫ ᴗ )
※朗読されるのが嫌だという方は、お手数ですが文末に「※否朗読希望」とお書き下さいませ。
📚過去のお題アーカイブ
【9月お題】「彼岸」「ぶどう」「ネジ」
https://youtu.be/DlNJ68yKIfA
【10月お題】「十五夜(月のみでも可)」「図書館」「菊」
(※お題提供:あんみつ姫さん)
https://youtu.be/iA4spsQlSMA
【11月お題】「りんご」「子ども」「落ちる」
https://youtu.be/UMVBBrycZqU
【12月お題】「肖像画」「塩」「M」
(※お題提供:むぅさん)
https://youtu.be/MJmFrqUqvj0
【1月お題】 「ウシ」「晴れ」「厄」
https://youtu.be/N0tX10EOJoE
【2月お題】 「僧」「遊泳」「踊り」
Extraお題「怪僧」「宇宙遊泳」「阿波踊り」
(※お題提供:嗣人さん)
https://youtu.be/9j2vK_kKzhE
【3月お題】 「風」「証」「波」
https://youtu.be/zZoV2ce7poU
【4月お題】「サクラ」「窓辺」「人形」
https://youtu.be/kZzfmq8cNvM
【5月お題】「母」「鬱」「川」
https://youtu.be/RNqUE92-K2k
【6月お題】「クラゲ」「雨」「失踪」
https://youtu.be/BM0ataca42E
【7月お題】 「天の川」「亀裂」「写真」
https://youtu.be/RcXTXfzfKUk
【8月お題】「手を振る」「扉の向こう」「呼ばれる」
(※お題提供:ラグトさん)
https://youtu.be/omL3byV-eF0
【9月お題】「アリス」「スープ」「ハサミ」
https://youtu.be/w20FnRK-bQQ
【10月お題】「バラ」「時計」「たばこ」https://youtu.be/g_zxwy1H73I
【11月お題】「無人探査機 」「提灯鮟鱇 」「地引網 」
(※お題提供:ロビンⓂ︎さん)
【12月お題】
「プレゼント 」「空席」「信号 」
【1月お題】
「トラ」「階段」「玉」
【2月お題】
「ネコ 」「チョコレート」「箱」
【3月お題】
「ウメ 」「日記」「歌声」
【4月お題】
「駅 」「看板」「ポスト」
【5月お題】
「灯り」「公園」「針」
【6月お題】
「カッパ」「アジサイ」「自転車」
【7月お題】
「浜辺」「貝」「欄干」
【8月お題】
「ニセモノ」「蝋燭」「指」
【9月お題】
「帰り道」「ビン」「コスモス」
【10月お題】
「先生」「空腹」「筆」
【11月お題】
「橋」「ゾンビ」「忘れ物」
【12月お題】
「足音」「雪」「吐息」
【1月お題】
「ウサギ」「獣道」「目」
【2月お題】
「鬼」「酒」「身代わり」
【3月お題】
「都市伝説」「ピアノ」「ボタン」
【4月お題】
「絵本」「珈琲」「霞」
【5月お題】
「シミ」「地下」「蝿」
【6月お題】
「ダム」「悲鳴」「カエル」
【7月お題】
「夏草」「鏡」「プラネタリウム」
【8月お題】
「漂流」「雲」「ラムネ」
【9月お題】
「神隠し」「お米」「カバン」
【10月お題】
「皮」「警告」「お札」
【11月お題】
「1週間」「影」「オレンジ」
【12月お題】
「ケーキ」「透明」「チャイム」
【1月お題】
「 」「 」「 」
【2月お題】
「穴」「遅刻」「節」
【3月お題】
「足跡」「惑星」「メッセージ」
【4月お題】
「卵」「楽園」「嘘」
【5月お題】
「人混み」「電話」「花瓶」
【6月お題】
「墓場」「毒」「待つ」
【7月お題】
「海」「境界」「糸」
【8月お題】
「打ち上げ」「ライト」「未練」
【9月お題】
「借りもの」「バス停」「斜陽」
【10月お題】
「骨董」「ピエロ」「姉」
※追記:ここのお話を本投稿へもアップされる方へのお願い
🌱先に述べた通り、ここに書いたお話は一般の怖い話にも投稿して頂いて構いません(そもそも著作権は作者のものですから)
🌱一般投稿分は掲示板のレギュレーションから外れますので、文字数を気にせず加筆修正しても何も問題御座いません。
🌱ですが、投稿の際には題名に“三題怪談”の文字を付けないで下さい(同じ企画系列の題名が並ぶとうんざりしてしまうユーザーが現れ、揉める為。実際、過去にそういう事がありました)
🌱また、お題の単語をお話の解説欄に載せると、その単語に気を取られて純粋な短編として楽しめないので、読者的には解説欄には“掲示板より”とだけ書いて頂けると助かります。
(コメントにお題の単語をネタバレ防止で公開するのはアリです)
(ここのページのURLは貼っても貼らなくてもいいです)
🌱代わりに、投稿作のタグ欄に、お題の単語タグ3種と“毎月お題の短編練習枠”タグが知らぬ間に付いております。十中八九私ふたばが犯人なので怖がらないで下さい。
企画というより常設となるこの場所は、細く長く続けていきたいので、何卒、ご理解下さいませm(_ _)m
コメントをするには会員登録が必要です
@rano_2 さん来週も御参加して下さると言っていただき有難う御座いますm(_ _)m
クラゲ、なんだかあの半透明さと漂う感じがある意味幽霊のイメージに近い生物ですよねꪔ̤̥ꪔ̤̮ꪔ̤̫
こんなお題を出しておきながら、いざネタ探しにクラゲの事を色々調べていたら驚きの生態だらけでビックリしているふたばですw
一般投稿の方もどんどんやっちゃって下さい(`꒳´)
ちなみにこの掲示板に参加されたお話は、投稿者さんからの待ったが無い限り参加賞として朗読動画化の特典が御座いますので、そちらも楽しみにお待ち下さいませ( ᴗ ̫ ᴗ )
@ふたばさん
読んでいただきありがとうございます。
そうなんです。いつも色々と書き連ねている内に長編に(笑)
クラゲの水槽って、あの浮遊する感じが相まって、幻想的というか、非現実に迷い込む感じになりますよね。あれ…不思議ですごく好きです。
短編で収めるのって結構難しいんですよね。また、来月参加してみたいと思っていますので、その時はまたよろしくお願いします。
このお話は、一般の怖い話として投稿させていただきますね(^o^)/
@rano_2 さん御投稿有難う御座います( ᴗ ̫ ᴗ )
なんだかranoさんの短編って珍しい気がします(OvO)
透明なミズクラゲから透けて見える……
描写がとても丁寧な分、じいっとそのクラゲを見つめてしまうような感覚に陥りました。水槽のアクリルガラス越しに浮かぶ目の前のそれは、現実なのに液晶のように非現実で、美しくも冷たく映りました(。-_-。)
クズ男との奇妙な再会は、彼からのヘルプだったのか、クラゲからの見せしめだったのか、現実と非現実の間を漂うお話でした(*´꒳`*)
「浮遊していたもの」
大学生の頃に体験した話です。
十年位前のちょうど今頃…私はクラスメイトの友人二人と、水族館に遊びに行っていました。
私は海の生物を観察するのが好きでだったのですが、地元は海から離れた場所にあり、一番近い海岸も遊泳禁止の場所が多く、近くで海を感じられる場所が、水族館しか無かったのです。
その日は土曜日とあって人も多く、人込みをかき分けながら、あの魚の柄が面白い、とか、あのフグ小さくてかわいい、とか…三人であれこれ楽しく話しながら、館内を歩いていました。
そうして、海の水槽、川の水槽、と…順に進み、いつもならそのまま突っ切って、お土産コーナーを見て、外の軽食喫茶でご飯を食べて過ごすのですが、その日はなぜか、友人の一人が「アレ、久々に見てみようよ」と提案をしたのです。
それは、メインの水槽から外れた所にある、クラゲの展示室でした。
正直、海の生物が好きと言っても、クラゲにはさほど興味が沸かず…水族館に行っても、その展示だけはいつもスルーしていました。
ただ、糸が沢山付いた風船のようなものが、水中にふわふわ浮いているだけ…魚達が見せる面白い動作も、表情も無い。とても、地味に感じていたのです。
それに、都心部の水族館にあるような、個性的なクラゲがいるでもなく…そこだけが、館の中でも、特別人気の無いエリアでした。
だけど、友人はその日何を思ったのか、入ってみようと誘ってきました。断る理由も無く、まあ、チラッと見るだけだろう…そう思った私ともう一人の友人は快諾。トイレ休憩をした後、出口に繋がる道を右に曲がり、展示室に向かいました。
…案の定、人は殆どおらず、私達だけ。
長方形にくりぬかれた入り口をくぐると、ドーム型の薄暗い空間が広がり…そこに、グルリと囲む水槽と、水槽を埋め尽くさんばかりのミズクラゲが浮遊していました。
ただただ、大して珍しくも無い、半透明の物体がひしめき合う…それだけの光景。
なんだやっぱり…
そう心の中で思いながらも、どうにかこの雰囲気を乗り切る方法を考えた結果…ふと頭に浮かんだのは、「クラゲの胃袋の数を調べる」という事でした。
クラゲの傘の中心にある、水玉のような丸い部分がそうだ、と知っていた私は、二人にもそれを教え、観察を始めました。
するとこれが意外と面白く…五つあるものや、六つあるもの、三つだけ…と、なるほど一個一個違いがある。
「見てこれ、六個あるよ!」
「凄い!大食い~」
「あ!五個発見!」
自分達だけしか居ないのを良い事に、あっちこっちと行き来しながら、浮遊するクラゲを追いかけ…気づけば夢中で、「クラゲの胃の観察」にハマっていました。
そして、どれくらい時間が経ったのか…私はふと、目線の端に、何かが光るのを感じました。
それは、自分の立っている水槽の右端当たり…ちょうど目線と同じ位置に、クラゲと一緒に、反射しているのが見えたのです。
ただの照明の反射だと最初は思ったのですが、ライトは緑や青で、光る何かは、白か銀色…
気になって反射する物に目を向け、水槽ギリギリに顔を近づけて見てみると、どうやらそれはクラゲの胃袋の中にあるらしく、そのクラゲはまさに、他の個体に押されて奥へと引っ込む所で…
「あ、待って…」
焦った私は、そう言いながら、目を思い切り凝らしました。すると、まるで私の念を感じ取ったかのように…一旦は周囲に押されて隠れかけていたそのクラゲが、奇跡的に、私の前に姿を見せたのです。
胃袋の中にあったのは、見覚えのある指輪でした。
「ギャーッ!!!」
次の瞬間、真後ろで友達の悲鳴が響き、間も無くバタバタと走る音が聞こえ…水族館の制服を羽織った職員の人が、「どうしました!?」と、駆け寄ってきました。
ですが私達は、黙って水槽に指をさす事しか、出来ませんでした。
友人の目の前を浮遊するクラゲの胃袋には、誰かの「指」が収まっていました。
それは、つい一か月前の雨の降る夜、恋人と車で出かけたまま消息を絶った、ある男性のもの。
失踪届が出された事は、親づてに聞いていたのですが…
次第に騒がしくなる展示室の中、私は…胃袋の中で揺れる指輪を、ただただ眺めていました。涙も流さずに。
「お前、ここで降りて?悪ぃけど俺、これから新しい女と会うんだわ」
海岸線に向かう途中の山道で、茫然と、雨の中をびしょ濡れで立ち尽くす私の姿を、ケラケラと笑い、去っていく光景を何度も思い出しながら。
何故なら私は…その「恋人」だったのですから。
「こんなところで会うなんてね…」
一週間後、腐敗した体のパーツが、遊泳禁止の海岸から発見されました。展示されていたクラゲは、その海岸線で捕獲したものだったそうです。
クラゲを介した、何とも後味の悪い再会…
最初で最後の、私が体験した出来事でした。
@綿貫一 さん今月もご参加下さりありがとう御座います( ᴗ ̫ ᴗ )
綿貫さんが失踪してしまった訳では無かったようで安心しました。笑
クラゲは身体の99%が水らしいので味は無いようですが、食感はぷるぷるというよりコリコリだそうです。水羊羹も良いですが、地元の水まんじゅうというローカルフードが食べたくなりました´ᯅ `
火葬後に一つも骨が見つから無かったのは、内部の骨格が別の組織に取って変わったからなのか、身体全体がまるっと取って代わられたからなのか……
しかし孫がいる以上ヒトとの生殖機能は有しているみたいですし、これは主人公とその親の内臓を調べなきゃですね(л・▽・)л
X線写真に骨格が映らなかった場合、解剖して体組織を取り出し培養すれば、ノーベル賞受賞は間違い無しです(°▽°)(°▽°)(°▽°)
ふたば様、
すみません、一月お休みしてしまいました。
書いていたら、水羊羹食べたくなりました。
「ぷるぷる」
祖父から聞いた話だ。
じいちゃんがまだ子供だった時分は、この辺りも民家がまばらにしか建っていなくてな。そこここに森や林があったんだ。
当時、八幡さまの裏手には池があってな、「雨の日に池に行ってはいけない」と言われていた。
「良くないモノが出るから」と。
ある時、ある男の子が友達と一緒に、ことの真偽を確かめに行ったんだ。
雨の日。
八幡さま。
裏手の池。
その場所に。
池は降り続く雨にどんよりと濁り、周りを囲む木々の黒い影を静かに映していたそうだ。
ふたりは池のふちに立ってしばらく様子をうかがっていたが、何も起こらないので、やがて飽きて帰ろうと言うことになった。
その時だ。
不意に辺りが真っ白になって、轟音が鳴り響いた。
男の子が、雷に驚いてしまったことへの照れ隠しに笑いを浮かべつつ友達の方を振り向くと、そこに彼の姿はなかった。
慌てて辺りを見回すと、岸から離れた池の中に、ぽっかり、彼の頭だけが浮かんでいた。
いつの間に、どうしてあんなところに、と驚いていると、次の瞬間、透明のクラゲのようなモノが池の中から現れて、友達の口の中にものすごい勢いで飛び込んで行ったかと思うと、そのまま、彼の頭は水中に没したんだそうだ。
男の子は泣きながら家に帰った。
その友達はどうなったかというと、一週間ほど失踪した後、ひょっこり戻ってきた。
幸い怪我はなかったが、失踪前後の記憶もなかった。
そんな友達に男の子は、「お前は良くないモノにさらわれて、中身をすっかり喰われてしまったに違いない。お前は一体何者だ」と詰め寄ったそうだ。
自分だけ逃げ出しておいて、ひどい奴だ。
しばらくして、今度はその男の子が行方不明になった。
そして、二度と見つからなかったそうだ。
「その時の『友達』っていうのが、じいちゃんのことだ」
そう言って、私に向かってひきつった笑いを浮かべていた祖父も、先日亡くなった。
葬儀の日、火葬の後でお骨を拾おうとしていた私たち親族は困惑した。
祖父の骨が、ただの一本も見つからなかったからである。
@林檎亭紅玉 さん今月もご参加下さり有難う御座います( ᴗ ̫ ᴗ )
そして、朗読もお聴き下さり、有難う御座います( ᵕ̩̩ㅅᵕ̩̩ )
林檎亭紅玉さんのお話は、とっても落ち着いた雰囲気であるにも関わらずとても感情が乗せやすくて、水鏡に揺れる波紋のようなお話だと思っております(л・▽・)л
実際に朗読という形になる事で、登場人物の心理が浮き彫りになる事もあって、例えば5月の『とつぐことに、きめました』では、声質の感じはその後に続けて読まれる『カーネーション』と同じなのですが、林檎亭紅玉さんの描かれた主人公は“心が壊れた”ように朗読し、動画編集の際に聞き返してみると「あ、この子って本当に“怯え”の感情が無いんだ…」「この手紙も何かを訴える為では無く、“報告”しか目的ではないんだ…」と、その心理に至るには多くのミゼラブルと諦めがあり、結果として心を消していくように壊れた語り方になったんだなと、後付けでの納得がありました(⸝⸝•‧̫•⸝⸝)
次に読んでるお話の主人公は逆に、“恐怖”や“不可解”に“後悔”や“無力さ”と負の感情のるつぼに囚われているので、“空っぽの心”と“ぐちゃぐちゃな心”の対比が読み手的には面白かったです(*ฅ́˘ฅ̀*)
さて、6月の『雨の喫茶店』ですが、読み始めでは女主人という名前から姉御肌の大人の女性を想像していたのですが、話が進むにつれてどんどんそのイメージがアメーバのように変化して、白く半透明のクラゲになったり少女になったりとぐにゃぐにゃに姿が変わるのが面白いですね(*´꒳`*)
文章だけの表現だからこその初見の惑わされ方に、もう一度読み返した時の不安定な女性の心理の目の当たりに、2度楽しめるお話で御座いましたꪔ̤̥ꪔ̤̮ꪔ̤̫
あと、確かに「夢想する」より「思い出す」の方が男性と喫茶店の関係性が分かりやすくなりますね。こちらに変更との事で承りました( ᴗ ̫ ᴗ )
ご利用の皆様へ🌱
こちら5月のお題投稿の朗読動画をアップ致しましたので、ご報告させて頂きます( ᴗ ̫ ᴗ )
https://youtu.be/RNqUE92-K2k
少しでもこの活動が皆様のモチベーション向上に繋がればと思います´ᯅ `
私は夢想する→私は思い出す、の方が良かったかもしれません。
朗読も毎月聞いております!!
凄い!動画になってる!音声になってる!と、毎回年甲斐もなくはしゃいでおります。
耳だけで聞くとこんな感じなんだ、と、参考にさせていただいております。
『雨の喫茶店』
ふわりん、ふわりん。
ゆらりん、ゆらりん。
あーあ。思い出すねえ、こんな寂しい雨の日は。何を、って。ほら。そこの喫茶店だよ。うんうん、あんたが覚えていなくたって無理は無い。だってもう、二十年も前に潰れっちまったからねえ。
私がまだ、ほーんの娘っ子……うん、あんた、あんたの娘ぐらいの年頃だよ。十歳……だったかな。私は学校に通ってなかったから、良くわからないんだけどねえ。
(そう言って女主人は煙草に火をつける。黴臭く湿った店の中、品ぞろえの悪い酒の棚の前で、女主人は私の座るカウンターにもたれながら有害な煙を美味そうに吸い込んだ)
ああ、そうそう。あの店には確か、ちっちゃな女の子……って言っても、私とそんな変わんないよ? そうそう、十歳の私にとっちゃ、妹みたいな子でねえ……七歳、くらい? いや、もっと下だったかな。わかんないんだ、その子も学校に通っちゃいなかったから。
(女主人が、何故こんな話をする気になったのかはわからない。私は黙って耳を傾ける。手の中でカラン、と音を立てるウィスキーのロックは。何故だろう、酷く生臭い)
うんうん、段々思い出して来たよ。私の妹だった子……くぅちゃん、だったかな。くぅちゃんの家は喫茶店でねぇ。でも、コーヒーが美味しくなかったんだ。当然流行っちゃいなかったけど、私はくぅちゃんのお店が大好きだったよ。
(くぅちゃんなんて子は本当に存在するんだろうか。ふと、そんな疑念が頭を過る。疑念、なんて、随分かしこまった言い方だ。私はロックグラスに唇を付ける。生臭いのは、酒ではなくグラスの方かもしれない)
ふわりん、ふわりん。
ゆらりん、ゆらりん。
ああ、うん。くぅちゃんの喫茶店には、水槽があったんだ。
壁にはめ込んである水槽でね。
それはもう……。
……馬鹿を言っちゃいけないよ、熱帯魚なんているもんか。
くぅちゃんのところに居たのは……
ふわりん、ふわりん。
ゆらりん、ゆらりん。
(私は夢想する。くぅちゃんの喫茶店、その古びて色あせた壁紙と、煙草の灰が染み込んだテーブルクロスを。ニコチンで黄色くなったメニュー表を。私は女主人の顔を見上げる)
くぅちゃんはね……
……海月(くらげ)を、飼っていたのさ。
うん、そうだよ……
半透明でぷかぷか浮かんでいて、足がいっぱいあるそいつ、だよ……
(私以外に客のいない、ぼろぼろの酒場。カウンターは煙草の焼け焦げだらけ。グラスはひとつ残らず曇っていて、生臭い。それでも、彼女は美しい。いや、美しさの名残が、ある)
海月ってのはね、足が多いんだ。人より一本も多くて……人の二本の足の間に、邪魔そうにふらふら揺れていて……
(くぅちゃんは、おそらくは美しい少女だったのだろうと私は思う。酒場の女主人は鼻を啜ると、煙草の煙を勢いよく吸い込んだ)
その、人より多い足、がね……うんと短い足、なんだけどね……急に大きくなって、硬くなって……
(女主人の目に涙が光っている)
海月はね、形が無いんだ。覚えられないんだよ。
ふわりん、ふわりん。
ゆらりん、ゆらりん。
どんな顔だったか思い出そうとしても、全然……ふわふわ、消えちまって……
ふわりん、ふわりん。
ゆらりん、ゆらりん。
そのうちにね。私は……鏡を見ても、海月ばっかり見るようになった。
(鏡の中に、彼女の姿は映らない。映るのは海月。小さな頭に細い首、か細い手足が四本。全身が半透明に透き通った影。『海月』が人の形をしているなんて、誰が信じるのだろう)
何でだろうねぇ。私、くぅちゃんが、まだそこに居るような気がするんだよ。
海月になっちまった、くぅちゃんがさ。
雨の日に、海月になって、泳いで行っちまったくぅちゃんがさ。
(喫茶店の壁に水槽何か無い。そもそも、客入りの悪い古びた喫茶店で飼育できるほど、海月と言うのは単純な生物ではない。喫茶店にあったのは、鏡だ。ただの、真実を映す鏡)
……え?
私の名前?
……ふふふ、若い頃はくぅちゃんって呼ばれてたよ。
……そんなことまで聞くのかい?
驚くんじゃないよ。
七歳さ。
こちとら、あんたの娘より若い頃から、人生ってもんを知ってるんだ。
ふわりん、ふわりん。
ゆらりん、ゆらりん。
あれ?
私ときたら、いつのまにこんなところに水槽なんか置いたんだろうねえ。
おまけに、海月まで飼うなんてさ。
(不思議そうに鏡を撫でる貴方を見て、私は投げつけるように財布を置いて店を飛び出す)
(許してくれ。許してくれ。少女だったあなたが、あまりに美しくて。海月のように、透き通って見えて)
ふわりん、ふわりん。
ゆらりん、ゆらりん。
@車猫次郎 さん御情報有難う御座います(◜𖥦◝ )
ちゃんと発祥があったのですねΣ(・□・;)
生物学的観点から見てみると、あの手の生物は重量の無い宇宙空間だからこその進化の形なんだろうなって思いますꪔ̤̥ꪔ̤̮ꪔ̤̫
まず身体を支える必要が無い為骨格が存在せず、消化器系が見当たらない事から主食は流動食がメイン。若しくは、光合成の様な自己解決型のエネルギー補完機能を持っている可能性があります。
この地点で特定の地球型惑星に居を構えている可能性は低く、土星の輪のような衛星の集合体か小惑星帯、若しくは宇宙船の様な無重力に近い場所が生活圏だと考察出来ます。
いずれの場合でも気を抜くと宇宙空間に独り放り出されてしまう可能性があり、身体を何かに捕まり続ける為に絡ませ易い触手形状をとっているのでは無いかと考えられます(宇宙空間を遊泳するための身体構造である可能性もアリ)。
しかしその様な生活環境下では慢性的に資源不足となり、文化の発展・維持や食事の為に、地球のような資源が豊富な星を侵略する必要があり、映画や小説の様な出来事が起こるのかもしれません。
なんだか長文になってしまいましたが、つまりこの形状の地球外生命体が飛来して来た場合、高確率で侵略目的でやって来ているという考えが妥当ですね。
あと形状的に地上より先に水中から活動する方が現実的で、もし地上で姿を見るのなら、身体構造的に水(H2O)と相性が悪いという事なのか、既に水中は侵略済みですね(੭ ᐕ)੭*⁾⁾
@ふたば 様
タコ型宇宙人の元祖は確か、SF作家ウェルズの「宇宙戦争」だったのではないか、と思います。
スピルバーグがリメイクしましたね。
あの映画に登場する「トライポッド」も、形状はタコ型だったような、、、
人類もこれから進化していったら、あのような、頭でっかちな姿になるかもしれませんね(笑)
@車猫次郎 さんご参加有難う御座います( ᴗ ̫ ᴗ )
地球外生命体、UMA、そんな者達の神秘的で未知なイメージにふわふわと漂うクラゲって、何故だかとってもフィットしますよね´ᯅ `
宇宙人の特に火星人のイメージにはクラゲのようなタコのような見た目のものも定番ですが、アレって発祥は何なのでしょう( ˙꒳˙ )???
失踪というワードが宇宙人絡みのキャトルミューティレーションと繋がり、残された男性はただただ無力に立ち尽くすのみとなったラスト……
“未知の存在”に対するリアルな反応に、読み手であるこちらまで、幼子のように呆然としてしまいます(o_o)
ちなみに、書き直しは何回されても大丈夫ですので、遠慮なく推敲して下さいませ(*´꒳`*)
すみません、いきなり訂正です。
33行目
突風→突然
でした。
《クラゲ的な生き物》
妻が失踪してから、今日でちょうど1年が経つ。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
去年の正に今日、6月1日のこと。
梅雨の合間の晴れた日の夕暮れ時だったらしい。
妻は5歳の一人息子ハルキと一緒に、自宅近くの小さな公園にいた。
ハルキが言うには「お空からクラゲさんが降りてきて、ママを食べちゃった」ということだった。
もちろん、私はそんなことを信じてはいない。
だがその日、妻が忽然と姿を消したのは、間違いのない事実なのだ。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
そして今日私はハルキと二人、あの公園にいる。
時間もあの日と同じ、夕暮れ時だ。
もちろん、ここには数えきれないくらい訪れている。
だが全く、手掛かりさえ見つけることが出来なかった。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
辺りはもう大分薄暗くなってきていた。
太陽は西の彼方にある山の狭間に、その姿を隠そうとしている。
公園にはもうベンチに座る私と、ブランコを漕ぐハルキしかいないようだ。
さあそろそろ帰るかとハルキに言いかけた、その時だった。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
突風キーンというジェット機が空を横切る時のような不快な金属音が鳴り響き、同時に辺りは暗い影に覆われ、公園内にはあちらこちらにつむじ風が起ち上がりだした。
驚いた私は思わず空を見上げる。
すると信じがたい光景が、そこにはあった。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
地上からは50メートルほどの辺りだろうか。
巨大な銀色に光る円盤状の物体が、空に静止しているのだ。
立ち上がろうとするのだが、私の体は一ミリも動かない。
ハルキを見ると、あり得ないことに、ブランコを漕いだ状態のまま、空中で静止している。
しばらくすると円盤の底面が円形に開き、中から越前クラゲのような色鮮やかな生き物?が、ふわふわと漂いながら舞い降りてきた。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
その奇妙な生き物は無数に蠢く触手の一本を、するすると水平方向に伸ばしだす。
やがてそれはブランコのところまで到達すると、器用にハルキの体を捕らえ、そのまま自分のところまで引き寄せていく。
─ダメだ!止めてくれ!
何度も心の中で叫び続けたが、無駄だった。
生き物とハルキは一緒に垂直に上がりだすと、終いには円盤の底面から内部へと消えていった。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
そして再びあの不快な金属音がしたかと思うと、瞬時に円盤は消え、辺りは静寂を取り戻した。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
私はただただ呆然と空を眺めていた。
《了》
ご利用の皆様へ🌱
新しい月となりましたので、今月のお題を出させていただきます( ᴗ ̫ ᴗ )
=============================
【6月お題】
「クラゲ」「雨」「失踪」
投稿期間 6/1 0:00〜6/28 23:59
=============================
私のモチベーションの為に私がこういう話が読みたいってお題にしました(職権濫用)( ー̀֊ー́ )✧
皆様の御参加、心よりお待ちしております⊂( っ*´ω`*)っ
『カーネーション』
5月も終わるというのに、今日もカーネーションが我が家に届いている。
届け先は私の母、そして送り主は私だった。
小さな鉢植えに入れられた、赤いカーネーション。それが、毎日我が家に届いている。
母は「◯◯ちゃんが折角送ってくれたんだもの」と、私の名前を口にしながら毎朝家に飾る。
狭いアパートには徐々に置き場が無くなり、玄関の靴棚も、テレビ台やドレッサーの上も、気が付けば赤い花で埋め尽くされている。
なのに、それでも毎日カーネーションが届けられている。
それは、私が母に贈った記憶の無いものだった。
毎日届けられる赤い花。
誰が送って来るのかもわからない赤い花。
母はそれを大袈裟に、涙をその目に堪えて家のあちこちに飾る。
私が贈った訳ではない。かと言って他に兄弟も居ないこの家庭には、母の日のプレゼントを送る人など居るはずが無い。
そもそも、とうに母の日は過ぎている。ツツジの花は落ち、アジサイがゆっくりと咲き始めている季節なのだ。
なのに母は、私がどれだけ「それは私が送ったものではない」と伝えても、まるで聞こえていないかのように毎日同じ事を繰り返す。
「ごめんね。◯◯ちゃん有難う。◯◯ちゃん有難う」と私への謝罪と感謝の言葉を述べながら。
スッと通る濃い緑の茎に支えられた、クシャクシャに花ひらいたカーネーションの鉢。
確かにそれは、私が母の為にと買ったものだった。しかし、私が買ったのはひとつだけ。それも、半ば気紛れに、偶然通りがかった花屋で買ったものだ。
その時はそこを通るまで、もう直ぐ母の日である事さえ忘れていた。
自分の手で渡す事は無いが、せめて宅配でもいいからと買ったのだ。
ほんの思い付き、それがいけなかったのかも知れない。
ろくに心も篭っていない事を、きっと見抜かれて罰を与えられたのだ。
その結果、こうして何もかも狂ってしまった。
私はそんな母の姿がいたたまれなくて、水中のように息苦しい思いを抱きながら、今日も沈鬱な気持ちで玄関を開ける。
そして……
◯◯◯
あの子が橋から飛び降り自殺をしてしまってから、もう何日も経ってしまった。
新しい環境に馴染めず、5月の連休が明けて、あの子は魂が抜けてしまったかのように無気力になってしまった。
今思えば、あの子がうつ病だったと気付けたはずだった。
なのに、私は……
あの子からのカーネーションが届いた頃にはもう、彼女は既にこの世に存在していなかかった。
きっと、自殺をする前に道中の花屋で手持ちのお金をありったけ使って購入したのだろう。
自殺霊は死ぬ直前の出来事を繰り返すのだと聞いた事がある。
きっと、あの子は何度も独り橋の上へと歩を進め、何度も私への最後の母の日の贈り物を購入し、そして何度も川の底へと身を投げているのだろう。
毎日赤いカーネーションの鉢が届く度、あの子は繰り返し冷たい川床へと落ちているのだ。
きっとあの子は知らない、毎日届くカーネーションの鉢に詰められた、15本という花束の意味を。
私はそれを思い、後悔に涙が滲むのだ。
@林檎亭紅玉 さん今月も有難う御座います( ᴗ ̫ ᴗ )
鬱々とした家庭環境から見れば、歪んだその造形はいつも身を置く空気と変わらないのかも知れませんね(@_@)
ふと、女性といものは何よりも言葉を欲する性質なのだと聞いたことを思い出します。もし、主人公の母がそのような言葉を掛けてあげられるようなヒトであったのなら……
「川」という単語からメジャーな河の妖怪に繋がり、幾つものバリエーションの説話がある彼だからこそ、ソレが善いモノにも、悪いモノにも解釈出来るのが“このお話の先”の想像や妄想を泡沫の如く湧き上がらせられるお話で御座いました(*´꒳`*)
『とつぐことに、きめました』
突然こんなお手紙をお出しすることを許してください。
お父さん、私はもう限界です。
お母さんはもう、元には戻れないと思います。
お母さんを殺してしまう。
お母さんを殺してしまう。
ずっと、そんなことばかり考えています。
お父さん、いつか私に話してくださいましたね。
私は、本当なら今の年まで生きられなかったかもしれないと。
わたしは五さいの誕生日を迎えたその日に、お父さんとお母さんと、そして生まれたばかりの弟と一緒に川に出かけました。せせらぎの音を、今も覚えています。蟹を採っても、川魚を採っても、お母さんは喜んでくれませんでした。ただ、女の子らしくしてほしいのだけどねえ、と、溜息をついていたことを覚えています。
お父さん、あなたは俯いてばかりで、一人でお酒を飲んでいて、何一つ気付いてはくれませんでしたね。
私は子供だったので、お母さんが喜んでくれないのは、私が大きな獲物を採って来れない為なのだ、と思い込みました。
私は川の深いところに行きました。本当は子供だけでは行ってはいけない場所なのですが、五さいの私にはわかりませんでした。
その時に見た『あれ』が、一体何だったのかは、今でもわかりません。『あれ』は長い髪をしていて、体中が濡れていて、赤黒い変な色の肌をしていて、唇がくちばしのように尖がっていました。甲羅があったのか、だって? ありましたよ。赤黒い亀のような甲羅を背負っていました。
きもちわるい、とは思いませんでした。だって、その時の私にとっては、皺くちゃの赤っぽい赤ん坊の弟を『可愛い、可愛い』と言って、魚や海老や山菜を採って来る私を『女の子らしくない』と言いながら、私の採った獲物を平然と食卓に並べるお母さんの方が、よほどきもちわるい存在でしたから。
よいむすめだ。
川で出合った『それ』は、そう言いました。
だが、まだおさない。
まだはやい。
私は、慌てて『それ』に向かって言いました。
まだ早い、って。
後、どれだけ待てば良いの?
赤黒い『それ』はにやりと笑いました。
じゅうねん。
そしたら、またこい。
よめにしてやる。
十年。
私は、色々な経験をしました。
弟が女の子を泣かせた時も。
弟が勉強もせず、男の子の友達もできず、同級生の女の子を付け回しては、担任の先生に叱られているばかりの時も。
お父さん、あなたはいつの間にか家に帰らなくなりましたね。
お母さんが、弟がああなったのは私の所為だと言いました。私が女らしくないからだ、と、私を責めてお茶碗やカップを投げつける時も、あなたは家にいませんでしたね。
私は一度、思い詰めてあの川に行きました。
あなたたちが、五歳の私を連れて行ってくれたあの川に。
『あれ』は、変わらずその川にいました。
よめにきたか。
まっていたぞ、まっていたぞ。
『それ』は赤黒い肌をして、唇は尖がり、濡れた髪はべったりと長くて、背中には亀より醜い甲羅がひっついています。体全部が苔だらけの、醜い男です。
でも、私は彼を愛している。
生まれて初めて、私を愛してくれたのだから。
「姉ちゃん、おかしいよ。病院行きなよ」
ぶくぶくと太った弟が私に声を掛けます。
「あんた、病気なのよ。そうでしょ? 一人でぶつぶつ言ったり、急に部屋に閉じこもったりしてさ」
母も、さも心配しているかのような口調で言います。
馬鹿な女です。
弟なら許されることも、私には決して許さなかったくせに。私が門限に遅れたら、空の酒瓶で殴った上に頭がおかしい、ふしだらな娘だと罵ったくせに。弟が門限に遅れても、仕方が無いわね、の一言で済ませたくせに。
お父さん、だからこの手紙は、家を黙って出て行ったあなたにだけ届けます。
私はおかしくなんかありません。
私が川で見つかるとしても、それは私の意志によるものです。
私は『あれ』の妻となります。
それが私の幸せです。
さようなら。