皆さんこんにちは。
一向に文章が上達しないふたばです。(´・ω・`)
己の練習に他人を巻き込んでやろうと、掲示板を建ててみました。
以下、ここでのルールを説明します。( ᴗ ̫ ᴗ )
↓
🌱ここは、短編の練習をする為の掲示板です。
🌱毎月単語を3つ、お題として出しますので、短編の「三題怪談」を募集します。
🌱「三題怪談」とは、1つのお話に決められた3つのお題のワードを入れなければならないという“縛り”で御座います。
🌱お話の長さの目安は、原稿用紙2枚分(800字)程度。
(あくまでも目安です、越えてしまってもヨシとします)
文字数カウント↓
https://phonypianist.sakura.ne.jp/convenienttool/strcount.html
🌱お題は毎月一日に更新されます。
🌱提出期限は毎月28日までとします。
🌱お話はいくつ投稿しても構いません。
🌱初心者大歓迎。実際私もほぼ読み専なので、文章が下手っぴです。軽い気持ちでご参加下さいませ。
🌱ここで投稿されたお話は、“ご自身で書かれたお話ならば”怖話の通常投稿にあげても構いません。
寧ろ、多くの方に見ていただけるよう、ここで試し書き、本投稿で完成品といったように使って下さいませ。
何なら他サイトでも投稿されている方は、そちらへあげるのも問題御座いません。
(※他の方の掲示板でも同じとは限らないので、その都度そこの掲示板主へご確認下さい)
🌱題名も付けて頂けると助かります(題名は文字数には含みません)。
🌱感想だけのご参加も大歓迎です。
🌱明らかな荒らしコメントは即刻削除致します。慈悲はありません。
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【11月お題】
「黄泉」「狐」「エレベーター」
投稿期間 11/1 0:00〜11/28 23:59
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ですがまぁ…建ててみたは良いものの、私が独りで短編を書き続ける寂しい場所になりそうな気がします……
そこで!ちょっとした特典代わりと言っては何ですが、ここで投稿されたお話は、私ふたばが朗読させて頂きます。ᕦ(ò_óˇ)ᕤ
具体的に言うと、YouTubeにてその月に投稿されたお題の回答を、纏めとして朗読してアップします。
素人の朗読ですのでレベルは低いですが、創作意欲の糧になれれば幸いです。( ᴗ ̫ ᴗ )
※朗読されるのが嫌だという方は、お手数ですが文末に「※否朗読希望」とお書き下さいませ。
📚過去のお題アーカイブ
【9月お題】「彼岸」「ぶどう」「ネジ」
https://youtu.be/DlNJ68yKIfA
【10月お題】「十五夜(月のみでも可)」「図書館」「菊」
(※お題提供:あんみつ姫さん)
https://youtu.be/iA4spsQlSMA
【11月お題】「りんご」「子ども」「落ちる」
https://youtu.be/UMVBBrycZqU
【12月お題】「肖像画」「塩」「M」
(※お題提供:むぅさん)
https://youtu.be/MJmFrqUqvj0
【1月お題】 「ウシ」「晴れ」「厄」
https://youtu.be/N0tX10EOJoE
【2月お題】 「僧」「遊泳」「踊り」
Extraお題「怪僧」「宇宙遊泳」「阿波踊り」
(※お題提供:嗣人さん)
https://youtu.be/9j2vK_kKzhE
【3月お題】 「風」「証」「波」
https://youtu.be/zZoV2ce7poU
【4月お題】「サクラ」「窓辺」「人形」
https://youtu.be/kZzfmq8cNvM
【5月お題】「母」「鬱」「川」
https://youtu.be/RNqUE92-K2k
【6月お題】「クラゲ」「雨」「失踪」
https://youtu.be/BM0ataca42E
【7月お題】 「天の川」「亀裂」「写真」
https://youtu.be/RcXTXfzfKUk
【8月お題】「手を振る」「扉の向こう」「呼ばれる」
(※お題提供:ラグトさん)
https://youtu.be/omL3byV-eF0
【9月お題】「アリス」「スープ」「ハサミ」
https://youtu.be/w20FnRK-bQQ
【10月お題】「バラ」「時計」「たばこ」https://youtu.be/g_zxwy1H73I
【11月お題】「無人探査機 」「提灯鮟鱇 」「地引網 」
(※お題提供:ロビンⓂ︎さん)
【12月お題】
「プレゼント 」「空席」「信号 」
【1月お題】
「トラ」「階段」「玉」
【2月お題】
「ネコ 」「チョコレート」「箱」
【3月お題】
「ウメ 」「日記」「歌声」
【4月お題】
「駅 」「看板」「ポスト」
【5月お題】
「灯り」「公園」「針」
【6月お題】
「カッパ」「アジサイ」「自転車」
【7月お題】
「浜辺」「貝」「欄干」
【8月お題】
「ニセモノ」「蝋燭」「指」
【9月お題】
「帰り道」「ビン」「コスモス」
【10月お題】
「先生」「空腹」「筆」
【11月お題】
「橋」「ゾンビ」「忘れ物」
【12月お題】
「足音」「雪」「吐息」
【1月お題】
「ウサギ」「獣道」「目」
【2月お題】
「鬼」「酒」「身代わり」
【3月お題】
「都市伝説」「ピアノ」「ボタン」
【4月お題】
「絵本」「珈琲」「霞」
【5月お題】
「シミ」「地下」「蝿」
【6月お題】
「ダム」「悲鳴」「カエル」
【7月お題】
「夏草」「鏡」「プラネタリウム」
【8月お題】
「漂流」「雲」「ラムネ」
【9月お題】
「神隠し」「お米」「カバン」
【10月お題】
「皮」「警告」「お札」
【11月お題】
「1週間」「影」「オレンジ」
【12月お題】
「ケーキ」「透明」「チャイム」
【1月お題】
「 」「 」「 」
【2月お題】
「穴」「遅刻」「節」
【3月お題】
「足跡」「惑星」「メッセージ」
【4月お題】
「卵」「楽園」「嘘」
【5月お題】
「人混み」「電話」「花瓶」
【6月お題】
「墓場」「毒」「待つ」
【7月お題】
「海」「境界」「糸」
【8月お題】
「打ち上げ」「ライト」「未練」
【9月お題】
「借りもの」「バス停」「斜陽」
【10月お題】
「骨董」「ピエロ」「姉」
※追記:ここのお話を本投稿へもアップされる方へのお願い
🌱先に述べた通り、ここに書いたお話は一般の怖い話にも投稿して頂いて構いません(そもそも著作権は作者のものですから)
🌱一般投稿分は掲示板のレギュレーションから外れますので、文字数を気にせず加筆修正しても何も問題御座いません。
🌱ですが、投稿の際には題名に“三題怪談”の文字を付けないで下さい(同じ企画系列の題名が並ぶとうんざりしてしまうユーザーが現れ、揉める為。実際、過去にそういう事がありました)
🌱また、お題の単語をお話の解説欄に載せると、その単語に気を取られて純粋な短編として楽しめないので、読者的には解説欄には“掲示板より”とだけ書いて頂けると助かります。
(コメントにお題の単語をネタバレ防止で公開するのはアリです)
(ここのページのURLは貼っても貼らなくてもいいです)
🌱代わりに、投稿作のタグ欄に、お題の単語タグ3種と“毎月お題の短編練習枠”タグが知らぬ間に付いております。十中八九私ふたばが犯人なので怖がらないで下さい。
企画というより常設となるこの場所は、細く長く続けていきたいので、何卒、ご理解下さいませm(_ _)m
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@あんみつ姫 さん
今月中にもう1作ですかΣ(゜゜)
無理は禁物ですので、ごゆっくり時間のあるタイミングで大丈夫ですからね(*´꒳`*)
それと、書き直しは何回でも大丈夫ですからね。気の済むまで、後からでも推敲して下さいませ(*`ω´)b
遅筆な私も母の背中を必死に追える様頑張ります💪🏻(`꒳´)
ふたば様
感想ありがとうございます。
天保の大飢饉で、北東北の人口のほぼ三分の一もしくは半数減少したとも言われております。
飢餓ほど恐ろしいものはないと 祖母はよく申しておりました。
一部文字を統一するため手直しいたしました。
アップする前にチェックできればいいのですが。
申し訳ございません。
本編にアップする予定です。
今月は、あともう一作ほど投稿予定です。
ご笑覧いただければ幸いに存じます。
母慕鬼喰
かぁちゃん、腹へった。
―ちぃとばかり待ってけろ。用意するすけ
かぁちゃん もう 食うもんねぇべ。
―あるよ。おめえの大好きなリンゴがある。
はぁ。リンゴは、とっくに食ってしまってねぐなったんでねぇが。
―まだある、まだある。裏の小屋さ とっておいだのがある。
リンゴ あるんだば、早ぐ持ってきてけろ。
―あいよ。わがった。ちょっと、待ってろ。
その前に、ちゃんと囲炉裏(いろり)の火を見張っているんだど。
火は、落とすなよ。
母親は、そういうと、板戸を開けて外に出た。
びゅうびゅうと音がして、冷たい雪と風が中に入り、張り裂けんばかりに顔を叩いだ。
子どもは、母親にいわれたとおり、囲炉裏(いろり)の火を絶やさぬよう枯れ枝を火にくべた。
やがて、火を見ているうちに、急に眠気が襲ってきて、ぐらりと床に倒れこんだ。
さ、さむいじゃ。
気が付くと、外はとっくに暗くなっていて、板戸の隙間から雪が風とともに びゅうびゅうと音を立て入りこんでいた。
囲炉裏(いろり)の火は、消えかかっていた。子どもは大慌てで そこら中にあった枝をかき集め全部放り込んだ。
その時だった。
―おーい。こっちだ。裏の小屋さこーい。
かすかに 母親の声がした。子どもは、板戸を開けて、声のする方へと向かって行った。
外は、真っ暗でなんも視えねぇ。かぁちゃんどこだ。
―ここだここだ。ほら、おめえの好きなリンゴだ。
子どもは、手探りで 吹雪の中 母親の声のする作業小屋の裏手に回った。
どん、音がして、雪の積もった地面の上に、大きくて真っ赤なリンゴが、子どもめがけて落ちて来た。
かぁちゃん、食ってもいいのが。
―あぁ、食え。腹いっぱい食え。
子どもは、リンゴを手にすると、大きな口を耳まで開けて、ガツガツと食らい始めた。
かぁちゃん、これリンゴか。こったらうめぇリンゴ食ったごとねぇよ。
―そりゃぁよがった。よがった。
食べ終わると、子どもはふと我に返り、母親の姿を探した。
かぁちゃんよぉ、どごさいる。
―おめぇの腹の中だよ。
(天保3年大飢饉より)
(ワード793文字)
2020年11月07日 21時49分
2020年11月07日 21時51分
2020年11月07日 21時53分
@あんみつ姫 さん
江戸時代の天保の大飢饉…:(;゙゚'ω゚'):
教科書の挿絵にも、ヒトがヒトを食べる絵が掲載されていて、かなりショックを受けた記憶があります(p_-)
仏教では、我が身を飢えた者へ差し出す行為が最も尊い慈悲の行動であるとされます。やろうと思っても出来ない行為、母親の愛の強さは、時に悲しく恐ろしくも、絶対なのだと思わされました… ( ᵕ̩̩ㅅᵕ̩̩ )
まだ11月も1週間しか経っておりませんのに、もう2作目を有難う御座います╰(*´︶`*)╯
ふたば様 皆様
こんばんは。こんにちは。おはようございます。
あんみつ姫でございます。
11月お題三題 第二作目を投稿いたしました。
習作です。
気分次第では、削除するかもしれません。
天明天保の大飢饉を底辺に ちょっといつもとは違う切り口から書いてみました。
ありきたりの話ですが、当時もっとも被害の大きかった地域、北東北 おもに太平洋側の方言を用いて書いてみました。
翻訳が必要な方は、おっしゃってくださいませ。
標準語版を提供いたします。(笑)
793文字
@車猫次郎 さん
丁度車猫次郎さんの投稿作を読んでいるタイミングだったので吃驚しちゃいました(OvO)
戦後復興の象徴とも言われる「りんごの唄」ですね(*⁰▿⁰*)
傷が付きやすく、病気になりやすく、そして実が落ちやすいリンゴの実。リンゴ達の集合の場とも言える枝から外れた果実はただ捨てられるだけ……
明るい筈の曲が転んで、悲しい旋律のお話です…(;ω;)
猫次郎さんの掲示板にも足を運ぼうと思いつつ全然行けておりませんでしたが、こちらにご参加頂き有難う御座います( ᴗ ̫ ᴗ )
面白そうなので、参加させてください
お題は、「りんご」、「子ども」、「落ちる」ですね
ただ、超短くなりました(笑)
タイトル りんごのきもち
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
りんごはなんにもいわないけれど、
りんごのきもちはよくわかる
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
誰が歌っていたのだろうか
昭和の頃に一世を風靡した歌謡曲
子どもの頃、母が台所でりんごを剥きながら、よく口ずさんでいたものだ
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
それを聞くたびわたしは、りんごの気持ちなんか分かるはずないのにと心の中で突っ込んでいたっけ
だけど、せっかく幾日もの風雪に耐えて育ったりんごが、ちょっとした自然のいたずらで枝から落ちて傷付き、売り物にならなくなり、簡単に捨てられるということをふと思い出し、今ようやくりんごの気持ちとやらが分かったような気がする
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
でも、もう遅かった、、、
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
猛スピードで落ちる私の目前には既に、冷たい灰色のアスファルトが迫ってきていた
鏡水花様
こんばんは。
投稿作さっそく読ませていただきました。
懐かしいお弁当に、母が良く入れてくれました。
うさぎリンゴ。
今でも、お弁当を作るお母さんたちの中には、作る方いらっしゃるのかしら。
生活に密着した それも今の社会情勢や、様々な家庭が抱える問題が読み取れる作品だと感心いたしました。
そして、ハヤト君。君、お母さんが、どうなってしまったのか見えているの?
穴とは?
謎が謎を生む展開は、短編ならではですね。
これだけの内容、リアルな情景と心理描写を800字にまとめ上げる鏡水花様さすがです。
ちょうど、今、手元にリンゴがあります。(笑)
ひさしぶりにうさぎリンゴを作って食べたいと思います。
食べながら、穴の謎を考えてみますね。
怖い、楽しい 不思議なお話をありがとうございました。
@鏡水花 さん
中々に謎の残るお話ですね… ( °-° )
こういうスッキリしないいけずなお話も、短編だからこそですね、妄想が捗ります( ¯꒳¯ )
最近だとキャラ弁を作る余裕の無い共働きの家庭の子どもが惨めな思いをするからとかで、キャラ弁禁止なんてところも増えているそうですね(´-﹃-`)
とは言え、これから身体が形成されていく子どもにコンビニのおにぎりは、明らかにビタミン不足です。もっと言うと味覚の形成もこの時期なので、そんな時こそ野菜を食べさせないと大人になっても野菜を食べない不健康人間になってしまいます… (;-ω-)
どうであれ、ここから先ハヤト君が温かい食事を食べられる生活が訪れる事を願うばかりです(。-人-。)
ふたばさん ( ˶ˆ꒳ˆ˵ )
今月も参加させて頂きました٩(ˊᗜˋ*)و
「うさぎりんご」
「ハヤト君、又今日も…」
お昼の時間、子供達が楽しそうにお弁当を開けて自慢し合う中、ハヤトはビニールで包まれたコンビニのおにぎりを無言で食べ始める。
最近のお弁当の主流はキャラ弁で、子供達は楽しそうにそれぞれのお弁当を得意げに見せ合っている。
キャラ弁でなくとも、栄養のバランスの取れたお弁当をとハヤトの母親に話はしているが、忙しいと言いつつ、綺麗に飾られたネイルを親指で弄りながら、眠そうに欠伸をし、一向に改善される気配もない。
幼稚園教諭は、いつもの様に自分のお弁当の中から、兎を象った林檎を一つ楊枝で刺すと、ハヤトにあげた。
無表情であまり感情を表に出す事のないハヤトだったが、この兎林檎はお気に入りで、この時だけは目が輝き、子供らしい表情をする。
ーネグレクトー
園側も児相に相談をしているが、怪我や痣などがない事から対応も遅い。
ハヤトは1人遊びが好きで、他の子供達と遊ぶ事がない。
そんな姿を見て、教諭達は他の子と遊ばせ様とお友達の集まる場所へ手を引いて連れて行くが、両足を踏ん張り、泣き出してしまう。
どうしてなのか幾ら問うても俯いたまま何も答えない。
時々、ハヤトが決して近付かない鉄棒の前に他の園児が行こうとすると、その腕を強く掴み、頭を大きく横に振る。
「穴」とだけ言い。
地面には勿論穴などないし、園庭には危険な場所などないのだが…
子供達は母親や祖父母のお迎えで帰宅し、その日もハヤトは1番最後まで園に残っていた。
いつもの事だが、母親に電話をしても繋がらない。
「ハヤト君のお母さん、遅いね」
誰に言うでもなく、窓ガラス越しに薄暗くなる園庭を眺めながら呟くと…
「ママは来ないよ」と。
「えっ?」教諭が聞きかえすとハヤトは積み木を重ねながら
「穴に落ちた」と。
「穴って?」
教諭の問い掛けにハヤトは答える事はなかった。
穴とは…?
ハヤトには何が見えているのだろう…
【800字】
ふたば様
そうなんです。
今回、あえて、実話怪談を掲示しないことにいたしました。
実話体験を集め一つの物語にしたと言った方が正しいかもしれません。
御神木と言われる木に、たくさんの藁人形が打ち込まれたせいで、早くに枯れてある日突然倒れてしまった木の話を挿入いたしました。
この木は、落雷にあって倒れたとのことでしたが、当時神社の総代をしていた祖父が、たいそう悲しんでいたのを思い出します。
浩さんのことは、実際にあった不可思議な事件でした。
タミーちゃん人形を深夜取りに行ったのは事実。
悪戯で藁人形が括りつけられていただけなのかもしれませんが。
その時、ただならぬ気配と裸電球が映し出すリンゴの木のシルエットが、怖くて怖くて。
全部が全部丸ごとというわけではございませんが実話です。
ただ、リンゴの木の思い出は、とても懐かしくて。
木にも寿命があるのですね。
「リンゴの木の思い出」(三題怪談)
私が幼い頃、庭に大きなリンゴの木が一本立っていました。
その木は、見上げるほど大きく、既に老木でしたが、子どもたちにとっては最高の遊び道具となっていました。春夏秋冬、リンゴの木は、いつも子どもたちと一緒でした。
ある夏の夜、お布団に入ってから、私はリンゴの木の下に、お人形のタミーちゃんを忘れて来たことに気づきました。
両親に話すと叱られると思った私は、家族に気づかれないようにタミーちゃんを取ってくることにしました。
そっと音を立てずに出窓にあがり、鍵を外し寝間着のまま裸足で外に飛び降りました。
ひんやりと辺りを照らしているのは、三間長屋の裸電球だけです。
タミーちゃんは、木の根元にお座りをするように立てかけてありました。
大急ぎで、タミーちゃんを掴み、家の出窓に向かって早歩きし始めたその時、石のようなものに躓いた私は、とっさに木の幹につかまりました。
え?
枯草のようなものと固い冷たいものが指に触れ、私は、慌てて手を引っ込めました。それから、裸電球が照らす微かな灯りを頼りにおそるおそる手が触れた辺りを探ってみました。
そこには、五寸釘が深々と突き刺さった藁人形が括りつけられておりました。
ひぃ
息を呑み思わず後退りした足元には、丈が30センチほどもある大きな金づちが置かれてありました。
私は、脱兎のごとくその場を後にし、震える手で出窓によじ登り、転がるように布団に潜り込みました。枯草と泥だらけになった布団の中でガタガタと震えならがら、私は、まんじりともせず朝を迎えました。
その日の夕餉時、三間長屋に住む中山さんが、血相を変えて飛び込んできました。
長男の浩さんが、リンゴの木から落ち、枯れ枝に下腹部が突き刺さって大けがをしたというのです。浩さんは、近所では年長で、体格もよく、誤って木から落ちるなど考えられませんでした。
救急車が到着し搬送するまでの間、近所の大人たちは、あの藁人形と大きな金づちを前に困惑した表情をしておりました。
数日後、ドドーンという地鳴りとともに、リンゴの木に雷が落ちました。リンゴの木は真っ二つに切り裂かれ、藁のようにボロボロで見るも無残な姿のまま、その生涯を終えました。
中山さんご一家は、すぐに引っ越していき、以来二度とお会いしてはおりません。
我が家のリンゴの木にまつわる 怖ろしくも哀しい思い出です。
2020年11月05日 05時10分
2020年11月05日 05時11分
2020年11月05日 06時59分
@珍味 さん
毎月お題の課題だからこそ、時事ネタに乗っかるのも読み手として楽しめるんですよね、リアルタイム感があるといいますか(*´꒳`*)
女性が歌っていたのは『りんごのひとごと』という曲なのですね、戦後の『りんごの唄』は(曲名だけ)存じておりましたが、調べてみるとりんごにまつわる楽曲もまだまだありそうです╰(*´︶`*)╯
ちなみにこれは私も知らないのですが、この時代の睡眠薬って、安全なものなのでしょうか…( ˙꒳˙ )???
朗読の感想も有難う御座います( ᴗ ̫ ᴗ )
そして、読み間違い失礼いたしました…orz
実は珍味さんのお話が1番読み直し回数が多かったのですが、せめて“雨月”の読みの違和感くらいは気付きなさいと自分を叱っておきました(;-ω-)
私も今月こそは2話以上書きたいところですので、既に遅れをとっている分を取り戻すよう頑張ります٩( 'ω' )و
ふたば様、皆様、
先の作品、「リンゴの木」(実話怪談)のタイトルを
「リンゴの木の思い出」と変えさせていただきます。
後程、本編へアップする予定です。
タイトル変更いたしますので、申し訳ございません。
@あんみつ姫さん
これ実話なのですかΣ(゜゜)ノノ
人ん家の木で丑の刻詣りなんてしないで欲しいですね……、夜中に目が覚めたら、家の庭先から釘を打つ音が聞こえていたのでしょうか(。-_-。)
りんごは世界中の神話に出てくる、ある意味神聖な樹木ですから、神社の杉の木でなくても呪いが起きたのでしょうか。どちらかと言えば、怨みの念が強かったからというのが呪い成就に繋がったようにも見えます( °-° )
だとしたら、みんなの大好きなりんごの木はとばっちりですね(´・ω・`)
それと、書き直しあげ直しは気の済むまでやっちゃって下さい、此処は練習を目的とした場所ですからね٩(๑❛ᴗ❛๑)۶
@綿貫一 さん
先月の『moon』の2人ですね!
前日譚と聞いてしまうと、この三日月がまるでカウントダウンのようで…(/ _ ; )
冬の星座であるオリオン座の一等星ベテルギウスも、既に死んだ星ですが、その光は未だこの地球へと届き続けております。姿も無いその蜃気楼のような像は、正しく幻燈そのものですね。幽霊とは、そういうモノなのかも知れません(*˘˘*).。.:*
この題名…このお噺は、主人公の雅彦君が、あの後もふとした景色(今回だとリンゴ)から思い出される月下の記憶の追憶の物語という事なのでしょうか……
とても好きなお話でしたので、まさか続きが読めるとは夢のようです(*´꒳`*)
おはようございます。本当は10月に二作行こうと思ってたら、なかなか出来なくて、取り急ぎ11月一作目アップさせていただきます(三行ほど”便乗”してしまいました。スイマセン(^^ゞ)。
追伸:ふたば様、拙作「プロムナード」の朗読拝聴しました。ちゃんと男女の声の使い分けまで出来てて、抑揚やスピードも、いかにも月下の怪談という雰囲気が良く表れていて、いい感じだと思いました(^^)v。ご多忙中ここまでのクオリティを出せるのは素晴らしいですね。お骨折り有難うございましたm(__)m。
『りんごのひとりごと』
“私は真っ赤なりんごです。生まれは寒い北の国“
鏡の前で歌いながら、今日も私は紅を引く。
大正の頃は、何となく余裕があった。景気も良くて、世の中の雰囲気も明るかった。家族も温かく、安心できる居場所だった。そう言えば、鬼になった妹を救うために、どっかのお兄ちゃんが奮闘してるって話も聞いたっけ。
でも、今は昭和だ。世知辛く、重苦しい不安に満ちた世の中になった。みんな自分が生きるのに精いっぱいだ。私も自分の家族に売り飛ばされてここに来た。
「ごめんな」
父はその一言で私を売った。貧しい村では子供を売るのは普通だったから、両親も、爺ちゃんも、この私も泣かなかった。婆ちゃんと三才の弟だけが泣いた。それを見て私も少し泣いた。
“お顔を綺麗に磨かれて、みんな並んだお店先”
鏡の前で歌いながら、今日も私は紅を引く。
落ちるとこまで落ちて、鬼ならぬ生き地獄の亡者になった私を救ってくれるお兄ちゃんはどこ?
「そこの粋なお兄さん、遊んでかない?」
救ってくれる筈もない、格子の向こうの“お兄さん”に、今日も私は呼びかける。悪い冗談だ。
でも、とうとう現れたの!私を救ってくれるお兄ちゃん。将来有望な帝大の学生さん。私を身受けして、故郷に連れ帰ってくれるって。上野駅からお兄ちゃんと汽車に乗って、私は故郷に帰るんだ。もうすぐ家族みんなに会える。懐かしいリンゴの匂いが、もう私の周りに漂い始めてる。
「女郎に入れ上げた挙句に心中未遂か。最近の帝大生も落ちたもんだ」
「男は意識が戻りましたが、女は睡眠薬のせいで未だ昏睡状態です。気の毒に」
「店の主人もかんかんだぜ。こんな女、面倒見切れんから実家に送り返すってよ。実家だってクソ貧乏だろうに」
「植物状態の娘を返されて、どうするんでしょうね。でも、この娘、リンゴを顔の傍に持ってくと、幽かに微笑むそうです」
「リンゴで目を覚ますか。とんだ白雪姫ってわけだ、ハハハ」
「悪い冗談ですよ」
(タイトル除き793字)
「リンゴの木」(実話系怪談)
私が幼い頃、庭に大きなリンゴの木が一本立っていました。
その木は、見上げるほど大きく、既に老木でしたが、子どもたちにとっては最高の遊び道具となっていました。春夏秋冬、リンゴの木は、いつも子どもたちと一緒でした。
ある夏の夜、お布団に入ってから、私はリンゴの木の下に、お人形のタミーちゃんを忘れて来たことに気づきました。
両親に話すと叱られると思った私は、家族に気づかれないようにタミーちゃんを取ってくることにしました。
そっと音を立てずに出窓にあがり、鍵を外し寝間着のまま裸足で外に飛び降りました。
ひんやりと辺りを照らしているのは、三間長屋の裸電球だけです。
タミーちゃんは、木の根元にお座りをするように立てかけてありました。
大急ぎで、タミーちゃんを掴み、家の出窓に向かって早歩きし始めたその時、石のようなものに躓いた私は、とっさに木の幹につかまりました。
え?
枯草のようなものと固い冷たいものが指に触れ、私は、慌てて手を引っ込めました。それから、裸電球が照らす微かな灯りを頼りにおそるおそる手が触れた辺りを探ってみました。
そこには、五寸釘が深々と突き刺さった藁人形が括りつけられておりました。
ひぃ
息を呑み思わず後退りした足元には、丈が30センチほどもある大きな金づちが置かれてありました。
私は、脱兎のごとくその場を後にし、震える手で出窓によじ登り、転がるように布団に潜り込みました。枯草と泥だらけになった布団の中でガタガタと震えならがら、私は、まんじりともせず朝を迎えました。
その日の夕餉時、三間長屋に住む中山さんが、血相を変えて飛び込んできました。
長男の浩さんが、リンゴの木から落ち、枯れ枝に下腹部が突き刺さって大けがをしたというのです。浩さんは、近所では年長で、体格もよく、誤って木から落ちるなど考えられませんでした。
救急車が到着し搬送するまでの間、近所の大人たちは、あの藁人形と大きな金づちを前に困惑した表情をしておりました。
数日後、ドドーンという地鳴りとともに、リンゴの木に雷が落ちました。リンゴの木は真っ二つに切り裂かれ、藁のようにボロボロで見るも無残な姿のまま、その生涯を終えました。
中山さんご一家は、すぐに引っ越していき、以来二度とお会いしてはおりません。
我が家のリンゴの木にまつわる 怖ろしくも哀しい思い出です。
2020年11月05日 05時10分
2020年11月05日 05時11分