皆さんこんにちは。
一向に文章が上達しないふたばです。(´・ω・`)
己の練習に他人を巻き込んでやろうと、掲示板を建ててみました。
以下、ここでのルールを説明します。( ᴗ ̫ ᴗ )
↓
🌱ここは、短編の練習をする為の掲示板です。
🌱毎月単語を3つ、お題として出しますので、短編の「三題怪談」を募集します。
🌱「三題怪談」とは、1つのお話に決められた3つのお題のワードを入れなければならないという“縛り”で御座います。
🌱お話の長さの目安は、原稿用紙2枚分(800字)程度。
(あくまでも目安です、越えてしまってもヨシとします)
文字数カウント↓
https://phonypianist.sakura.ne.jp/convenienttool/strcount.html
🌱お題は毎月一日に更新されます。
🌱提出期限は毎月28日までとします。
🌱お話はいくつ投稿しても構いません。
🌱初心者大歓迎。実際私もほぼ読み専なので、文章が下手っぴです。軽い気持ちでご参加下さいませ。
🌱ここで投稿されたお話は、“ご自身で書かれたお話ならば”怖話の通常投稿にあげても構いません。
寧ろ、多くの方に見ていただけるよう、ここで試し書き、本投稿で完成品といったように使って下さいませ。
何なら他サイトでも投稿されている方は、そちらへあげるのも問題御座いません。
(※他の方の掲示板でも同じとは限らないので、その都度そこの掲示板主へご確認下さい)
🌱題名も付けて頂けると助かります(題名は文字数には含みません)。
🌱感想だけのご参加も大歓迎です。
🌱明らかな荒らしコメントは即刻削除致します。慈悲はありません。
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【11月お題】
「黄泉」「狐」「エレベーター」
投稿期間 11/1 0:00〜11/28 23:59
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ですがまぁ…建ててみたは良いものの、私が独りで短編を書き続ける寂しい場所になりそうな気がします……
そこで!ちょっとした特典代わりと言っては何ですが、ここで投稿されたお話は、私ふたばが朗読させて頂きます。ᕦ(ò_óˇ)ᕤ
具体的に言うと、YouTubeにてその月に投稿されたお題の回答を、纏めとして朗読してアップします。
素人の朗読ですのでレベルは低いですが、創作意欲の糧になれれば幸いです。( ᴗ ̫ ᴗ )
※朗読されるのが嫌だという方は、お手数ですが文末に「※否朗読希望」とお書き下さいませ。
📚過去のお題アーカイブ
【9月お題】「彼岸」「ぶどう」「ネジ」
https://youtu.be/DlNJ68yKIfA
【10月お題】「十五夜(月のみでも可)」「図書館」「菊」
(※お題提供:あんみつ姫さん)
https://youtu.be/iA4spsQlSMA
【11月お題】「りんご」「子ども」「落ちる」
https://youtu.be/UMVBBrycZqU
【12月お題】「肖像画」「塩」「M」
(※お題提供:むぅさん)
https://youtu.be/MJmFrqUqvj0
【1月お題】 「ウシ」「晴れ」「厄」
https://youtu.be/N0tX10EOJoE
【2月お題】 「僧」「遊泳」「踊り」
Extraお題「怪僧」「宇宙遊泳」「阿波踊り」
(※お題提供:嗣人さん)
https://youtu.be/9j2vK_kKzhE
【3月お題】 「風」「証」「波」
https://youtu.be/zZoV2ce7poU
【4月お題】「サクラ」「窓辺」「人形」
https://youtu.be/kZzfmq8cNvM
【5月お題】「母」「鬱」「川」
https://youtu.be/RNqUE92-K2k
【6月お題】「クラゲ」「雨」「失踪」
https://youtu.be/BM0ataca42E
【7月お題】 「天の川」「亀裂」「写真」
https://youtu.be/RcXTXfzfKUk
【8月お題】「手を振る」「扉の向こう」「呼ばれる」
(※お題提供:ラグトさん)
https://youtu.be/omL3byV-eF0
【9月お題】「アリス」「スープ」「ハサミ」
https://youtu.be/w20FnRK-bQQ
【10月お題】「バラ」「時計」「たばこ」https://youtu.be/g_zxwy1H73I
【11月お題】「無人探査機 」「提灯鮟鱇 」「地引網 」
(※お題提供:ロビンⓂ︎さん)
【12月お題】
「プレゼント 」「空席」「信号 」
【1月お題】
「トラ」「階段」「玉」
【2月お題】
「ネコ 」「チョコレート」「箱」
【3月お題】
「ウメ 」「日記」「歌声」
【4月お題】
「駅 」「看板」「ポスト」
【5月お題】
「灯り」「公園」「針」
【6月お題】
「カッパ」「アジサイ」「自転車」
【7月お題】
「浜辺」「貝」「欄干」
【8月お題】
「ニセモノ」「蝋燭」「指」
【9月お題】
「帰り道」「ビン」「コスモス」
【10月お題】
「先生」「空腹」「筆」
【11月お題】
「橋」「ゾンビ」「忘れ物」
【12月お題】
「足音」「雪」「吐息」
【1月お題】
「ウサギ」「獣道」「目」
【2月お題】
「鬼」「酒」「身代わり」
【3月お題】
「都市伝説」「ピアノ」「ボタン」
【4月お題】
「絵本」「珈琲」「霞」
【5月お題】
「シミ」「地下」「蝿」
【6月お題】
「ダム」「悲鳴」「カエル」
【7月お題】
「夏草」「鏡」「プラネタリウム」
【8月お題】
「漂流」「雲」「ラムネ」
【9月お題】
「神隠し」「お米」「カバン」
【10月お題】
「皮」「警告」「お札」
【11月お題】
「1週間」「影」「オレンジ」
【12月お題】
「ケーキ」「透明」「チャイム」
【1月お題】
「 」「 」「 」
【2月お題】
「穴」「遅刻」「節」
【3月お題】
「足跡」「惑星」「メッセージ」
【4月お題】
「卵」「楽園」「嘘」
【5月お題】
「人混み」「電話」「花瓶」
【6月お題】
「墓場」「毒」「待つ」
【7月お題】
「海」「境界」「糸」
【8月お題】
「打ち上げ」「ライト」「未練」
【9月お題】
「借りもの」「バス停」「斜陽」
【10月お題】
「骨董」「ピエロ」「姉」
※追記:ここのお話を本投稿へもアップされる方へのお願い
🌱先に述べた通り、ここに書いたお話は一般の怖い話にも投稿して頂いて構いません(そもそも著作権は作者のものですから)
🌱一般投稿分は掲示板のレギュレーションから外れますので、文字数を気にせず加筆修正しても何も問題御座いません。
🌱ですが、投稿の際には題名に“三題怪談”の文字を付けないで下さい(同じ企画系列の題名が並ぶとうんざりしてしまうユーザーが現れ、揉める為。実際、過去にそういう事がありました)
🌱また、お題の単語をお話の解説欄に載せると、その単語に気を取られて純粋な短編として楽しめないので、読者的には解説欄には“掲示板より”とだけ書いて頂けると助かります。
(コメントにお題の単語をネタバレ防止で公開するのはアリです)
(ここのページのURLは貼っても貼らなくてもいいです)
🌱代わりに、投稿作のタグ欄に、お題の単語タグ3種と“毎月お題の短編練習枠”タグが知らぬ間に付いております。十中八九私ふたばが犯人なので怖がらないで下さい。
企画というより常設となるこの場所は、細く長く続けていきたいので、何卒、ご理解下さいませm(_ _)m
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『月の小人』
初秋に、図書館で小人を見た。
手の平サイズの人間が、埃っぽい書庫の壁沿いを駆けていく。
唖然とする私に、背後から声をかけられた。飛び上がって振り向くと、ここの館長の姿があった。
「もしや、あれが見えたんですか」
あれ、とは小人のことに違いない。怖々頷くと、館長は「もうそんな時期か」と呟き、決心するように長く息を吐くと言った。
「明日の夜、またいらっしゃい。面白いものが見れますよ」
丁寧な口調には、どこか有無を言わさぬ響きがあった。
次の日、館長の手引きで図書館の屋上に登った私は、目を見張った。
そこには、色とりどり大小様々な菊の花が咲き乱れていた。艶やかな花びらは、明るい月の光を浴びてまるで露に濡れたように輝いていた。
無数の小人たちが団子や盃を手に笑いさざめきあっている。小さな声が、水晶の欠片を打ち鳴らすような澄んだ音となって屋上に満ちていた。
「今日は十五夜。彼らは毎年、月見と菊見の宴を催すのです。あれをご覧なさい。美しいでしょう」
館長の指差す先には、見たこともないような、大きな真紅の菊があった。私は一目で心を奪われ、ふらふらと近づいた。
花の隣には小人には大きすぎる椅子があり、貴賓席のようなその椅子を疑いもせず腰掛ける。するとちょうど顔の真横に菊の花があって、その香りと優雅さにうっとりした。
「これには、数年に一回特別な肥料が必要なんですよ」
館長の声が子守唄のように背後から響く。いつの間にか、宴を中断して小人たちが集まってきた。
「肥料を提供する代わりに、人間では到達し得ない世界の真理を少しずつ教授してもらうのが、彼らとの約束なのです。心苦しいですが、どうか許してくださいね」
首筋に冷たく鋭利なものがあてがわれ、私は「特別な肥料」がなんたるかを悟った。
でも、月下の菊の庭はこの世のものとは思えないほど美しく、これをずっと見ていられるなら、もうなにもかもどうでもいいや、と目を閉じたのだった。
〈796文字〉
@とっつ さんこんにちは( ᴗ ̫ ᴗ )
文字数を確認しましたところ、788文字なので800文字に収まっておりますね(๑˃̵ᴗ˂̵)
口調に関しては、むしろ私が朗読初心者なせいでイントネーションや漢字の読みを間違えていないか心配だったりします(。-_-。)
嬉しい事に、お話は現在13話もありまして、私の朗読ペースが平均100文字あたり1分なので、動画の長さは1時間半をゆうに超えますね。笑
今回は静かなお話が多いので、作業用BGMにも、睡眠導入にも持ってこいですね_( :⁍ 」 )_
来月のお題はどうしましょう……
11月は出来るだけ難易度の低いものにしたいですが、また誰かのメセボに突撃しましょうかね?|˙꒳˙)
怖い話の投稿欄で「短編2分」と表示されるまでコツコツ削ってみました。
これで800文字以内なら、いい目安として利用できそうですが…。
もし、多少の誤差の範囲で収まっている程度なら、決定稿にしちゃいます。
申し訳ないですが、最終チェックよろしくお願いしますm(__)m
朗読の際は口語としての読みやすさやリズムを重視して、多少改変してもらって構わないですからね。
今月もそろそろ終わりですね。
Youtubeと新しいお題、楽しみです。
それにしても、今月は投稿数が多いから朗読大変そう(;^_^A
恋をした。
同じ学校の女子学生だ。
図書館で本を読み耽る姿に一目惚れしたのだ。
「星に興味があるのですか。今度お話しませんか」
勇気を出して送った手紙に彼女はすぐ返事をくれた。
「喜んで」
それから毎日のように図書館で会っては夜空の星々について語り合った。
淡い青春の一ページになる筈だった。
あの日が来るまでは…。
ある日、彼女から手紙を受け取った。
「今夜は十五夜ですね。とっておきの場所で一緒に月を見ませんか」
僕は舞い上がった。
「デートのお誘い?二人で夜空を眺めて、そして…」
沸き上がる妄想を堪えながら返信した。
「喜んで」
人生最高の瞬間だった。
が、その晩、祖父が急逝したとの訃報が。
まだ連絡先を交換していなかったので
「ドタキャンだけど理由を聞けば許してくれる筈。今度ちゃんと謝ろう」
そう心に決めていた。
が、その願いが叶うことは永遠に無くなった。
翌朝のこと。
葬儀の準備で慌ただしい中、衝撃の出来事が。
彼女が亡くなったのだ。
ニュースによると昨夜、特急列車に轢かれたという。
あれから一年。
今、とある秘境駅に来ている。
板を張り付けただけの素朴なホームの片隅に菊の花束がそっと置かれていた。
今夜は十五夜。
一人で夜空を眺めていた。
「なるほど。本当に綺麗だ」
たった一つの外灯に照らされた無人駅。
まっすぐに伸びる線路。
両脇に連なる赤蝦夷松の防風林。
澄んだ光を放つ十五夜の月。
それらが織り成す光と影のコントラストは絵画のよう。
彼女が見せたかった光景は本当に美しいものだった。
一粒の涙が頬を伝った。
そのとき、僕にはハッキリと見えた。
線路の向こうに佇む彼女の姿が。
恋い焦がれ、会いたくても会えなかった彼女が、手を伸ばせば届く距離にいるのだ。
僕は思わず線路に飛び下り、彼女のもとへ駆け出した。
「昨夜、ろう学校に通う男子学生が特急列車に轢かれ死亡する事故が起きました。この場所は一年前にも同じろう学校の女子学生が…」
ふたば様
ありがとうございます。
例によって怖くないのがなんですが…。
@綿貫一 さんこんばんは( ᴗ ̫ ᴗ )
このお話、めっちゃ好きな奴です╰(*´︶`*)╯
2作目お疲れ様で御座いました。
登場人物達の名前から恋人であるかと見せ掛けて……、思いっきり術中に嵌りました/(_-_)l
幻想的で明るい月光の元繰り広げられる2人の会話。隠しきれない青春の想い。理不尽な不幸に整理の付き切らない感情で、それでも自分らしさを貫く若人たち……
悲しいのに、優しくて、不思議で、逸脱していて、前を歩いていて、本当に今月のお話の中でピカイチに好きなお話です(*´ω`*)
素敵な御噺を、有難う御座います⊂( っ*´ω`*)っ🌱
10月のお題で二本目書きました。
こんな噺を。
校舎の屋上につながる扉を、もらいものの非合法な合鍵で開ける。
夜空を背に、オリエが立っていた。
「遅い」
「昨日の今日で、メールがあると思わないだろ」
「うん、来てくれて嬉しいよ」
彼女の無邪気な笑顔ひとつで、僕の苦労はあっさり報われてしまう。不平等だ。
「見て、きれいな月」
夜空を見上げる。月齢15、十六夜。
「ねえ、月っていつも同じ面を地球に向けてるんだよね。なんでだっけ?」
「それでも『天文部の屋上姫』かい?白鳥織衣さん?」
「私は星を見るのが好きなの。
それとも知らないの?『図書室のご隠居』、天野雅彦くん」
それ、若者には不名誉な二つ名だとは思わんか。
「月の自転と公転の周期がほぼ一致してるから。
ちなみに月の裏側は、表側と違ってゴツゴツしてて、きれいじゃないらしいぞ」
どうだこの完璧な答え。
「へえ、よくわかんないけど」
織衣は一言で台無しにしながら僕を見る。
僕は目をそらす。
「ドロドロしたとこを隠して、きれいなとこしか見せないのって、辛いんだよ?」
そう来るか。
「だから私は打ち明けた。
昨日の告白の答え、考えてくれた?」
織衣の視線を感じる。
「……陽キャの美少女が陰キャの僕に何を望むって言うんだ、って顔してる」
「心を読むな」
世の中なんて、うまくいかないものなんだ。
幼い頃両親が離婚したことや、元々持病があった姉を心臓発作で亡くしたことなんかで、それは嫌と言うほどわかってる。
「好き……だったよ」
「……過去形?」
「仕方ないだろ」
「……ありがと。返事をくれて」
僕は彼女に背を向ける。
「私ここで待ってる、ずっと。
流れ星に願いをかけて」
振り返らずに扉を開く。
さっきは気付かなかったが、足元に白い花束が置かれていた。
菊の花だ。
昨夜、ひとりの少女がこの屋上で、心臓発作で亡くなった。
菊の別名は星見草というんだと、彼女に教えてやろうかと思ってやめた。
ここにはもう来ない。
僕は最後につぶやいた。
「さよなら、姉さん」
@ロビンⓂ︎ さんこんにちは( ᴗ ̫ ᴗ )
まさか金文字の方が3名もいらして現地点で今月11作も投稿があるとは……:(;゙゚'ω゚'):
結局二週間も続く三日月の謎は解けないままなのですね……気楽な雰囲気に見せ掛けて、その異常現象に疑問を持つのはおそらく主人公だけ。不安は解消されず、その異常がゆっくりと常識にとって変わって行った時、それは何を引き起こすつもりなのでしょう…(゚ω゚)
番町×
番長◯
どっちだったかめちゃくちゃ悩んで間違えました!…ひ…
「月と図書館とお菊さん」
夜空に浮かぶ三日月が実に綺麗だ。
だけど、始めにそう感じたのはもう二週間も前の事で、今もなお三日月なのはどう考えてもおかしい。
望遠鏡なんてもってないから、窓を開けてこれでもかと目をひん剥いてにらみつけていたら、突然、三日月が反転しておかしな位置で止まった。
それは、まるで夜空に浮かぶ大きな口のようだ。
目をこすってもそのままなので、僕はすぐさま現代のテクノロジーを駆使して調べまくったが、やっぱり月が突然動くなんて事例は見つからなかった。
もしかしてあれは月じゃない?
オカルト的な何かか?
僕は隣り町に図書館があった事を思い出し、すぐさまオカルト本を中心に歴史の本までも読み漁った。
何時間もねばったけれど、番町皿屋敷とかいう本を読んでいる途中で心が折れてしまい、図書館を後にした。
帰り道で、今夜も三日月だったらやだな〜と思ったが、よく考えたらもしかしてアレは妖怪とかそっち系のやつなのかな?と思ったりもした。
今日は疲れたからまた今度図書館へいって妖怪本を中心に調べてみよう。
そう言えば番町皿屋敷に出てきたお菊さんは幽霊なのかな?それとも妖怪なのかな?
まあ、どっちでもいいけど…
おしまい
@ラグト さんお久しぶりです( ᴗ ̫ ᴗ )
この神社の神主さんと祀られる神様は本当に可哀想ですね……
元ストーカーによる逆恨みの呪い、花占いの真似事のつもりでしょうか。もし、スキ…、キライ…、と言いながら抜いては刺しを繰り返されたら気持ち悪くて仕方ありませんし、最後の一本の時がどちらだろうと良い結果にはなりそうもありませんね…( ̄◇ ̄;)
久方ぶりのラグトさんお話、楽しませていただきました(*⁰▿⁰*)
お久しぶりです。
最近まったく投稿できずにいますが、ずっと読ませていただいています。
ふたばさんの企画には参加したいと思っていたので投稿できて良かったです。
【樹海の花】
先輩の同級生という繋がりでお会いした女優のアカネさん(仮名)から聞いたお話です。
それは一見するとまるで大輪の菊のようでした。
木から吊られた人の死体には体中火箸のような棒が刺さっていました。
私がいるのは夜の樹海でしょうか、神主らしき装束の男性が吊り下がった死体から棒を抜いてこちらに近づいてくると木槌で私の腕に棒を打ち込みました。
棒は金属のような鋭さで激痛とともに皮膚に突き刺さってくるのに、私は動くことが出来ません。
そこで夢から目が覚めました。
夢だったにもかかわらず刺された部分には鈍痛が残っていました。血も出ていなければ赤みさえ帯びていません。
その日から悪夢は毎夜続き、その都度棒を刺され身体の痛む箇所は増えていきました。もちろん病院には行きましたが、異常は見つかりませんでした。
やがて私はこの悪夢が現実の光景かもしれないと考えるようになりました、なぜなら樹海から見える月が現実のものと全く同じだったからです。昨夜などは十五夜の光で棒の数が減ってきた死体の顔が照らし出されました。
棒の間から見えたその顔は以前私に付き纏っていたストーカーの顔に似ていました。また樹海の小高く上った高台には神社らしき建物も確認することが出来ました。
私は夢の記憶をもとにネットや図書館で近隣を中心に調べると夢とよく似た本殿の神社を見つけることが出来ました。
痛む体を引きずりながらマネージャーとその神社を訪れるとやはりその社は夢の中のものと似ていました。さらにちょうど社から夢の中の神主と同じ人物が出てきたのです。
痛みにひきつる様子の私を見た神主は何かを察したのか私に樹海の夢を見ましたかと尋ねてきました。
その問いかけに私は警戒しながらも神主さんに夢と身体の異常のことを話しました、するとここが呪いの願掛け神社として一部で有名になってしまっていることを告げられました。
夢で見た死体はおそらく裏の樹海に実在している可能性が高いので、こちらで適切に処理しておきますと言われました。確かに私が変に関わってしまうと警察にあらぬ疑いをかけられてしまいます。
神主さんも自身の姿が呪いの中で使われていることに憤りを感じているようでしたが、それよりもと悲しげな表情で口にした言葉が心に残りました。
呪いの願いは大概いかに残酷に殺すか、もしくはどれだけ苦しんで生きさせるかなんです、そんなことに命をかけて願われる神様が不憫でたまらないと……
@あんみつ姫 さん
こんにちは。過分なお言葉ありがとうございます。ですが自分の書いたものなんて、そこらにありそうな話にお題を無理矢理つっこんだようなものです。それに比べ、あんみつ姫さんはじめ皆さんの話はオリジナリティがあり大変おもしろいと思います。こちらこそ参考にさせて頂きます。
@あんみつ姫 さん
此処は作者様方の練習を目的とした場所ですからね、納得のいくまで何度でもお手直し下さいませ。私のような雑草のコメントなど些末なものですから( ᴗ ̫ ᴗ )
此処は本当に勉強になる場所で御座います。
多く先生方と同じ課題に取り組め、どう文字数を減らすのか、或いは書き足すのか、その過程まで見れるなんて、他にはありませんからね(*`ω´)b
@鏡水花様
こんばんは。
優しいお話ありがとうございました。
子をもって知る親の恩とは申しますが、私のようなおっちょこちょいでいつまでも子どものような母親は、むしろ、子どもによって育てられてきたように感じます。
手のかかる子ではありますが、時を経て、多くの方々に愛され、見違えるような大人に成長しましt。読みながら涙ぐんでしまいました。800字に纏めるのは至難の業ですが、とても楽しく勉強になる企画ですね。私も病みつきになりそうです。いつも素敵なお話をありがとうございました。そして、いつも優しいコメントをありがとうございます。
@深山 様
こんばんは。
どうすれば、深山様のような簡潔かつ美しくオチも秀逸な怖いお話が書けるのでしょう。
お知恵を拝借したいです。
本日は、お題でもある、図書館に足を運び、何冊か参考になりそうな本を見つけて来ましたが、何を今更です。(笑)
トライアルのみ。
深山様はじめ皆様の作品を参考に、凹まず前向きに頑張ります。
ふたば様
素晴らしい。
食用菊を使ったレシピ。
美味しい食べ方にお詳しいですね。
食用菊の美味しい季節になりました。
食欲の秋でもありますが、少し手直しして、再アップいたしました。
せっかくのコメントと相前後してしまい申し訳ございません。
お題提供者がこんな駄作を書いていたのではしょうもないので、リベンジします。(笑)
【月恋し菊花の香り君思う秋】
「あ、菊の花のお浸し。これ、うちの畑で摂れた『十五夜』でしょ。」
聡子は、タッパーを覗き込むなり、胸元で小さく手を叩いた。
点滴の管が微かに揺れる。やせ細った手の甲は、注射針の痕で紫色に腫れあがっている。
「こら。少しはしゃぎすぎ。」
嗜める私の横で、聡子は、悪戯っぽい目をして舌を出した。
食用菊の早生種である『十五夜』は、中秋の名月前後が食べごろだ。
湯がいた『十五夜』に三杯酢を掛けただけの田舎料理を小皿にとりわけ、そっと手渡す。
「この香りと苦み。深みがかった黄色。そうそう、まさしく、十五夜だわ。ありがとう。」
一口食べては満足そうな聡子を見て、私は、窓辺のカーテンを開け、ロックを外し、窓を全開にした。
「ご覧。今日は、中秋の名月。それも満月だ。」
「思い出すわ。あなたと初めてお話をした日。試験勉強で遅くなった市立図書館からの帰り道。突然、憧れの先輩から、『月がきれいですね』なんて話しかけられて。」
「あの日の月は、本当にきれいだったから、いつも見かける可愛い下級生に、つい声をかけただけだった。理系クラスだったし。夏目漱石のエピソードなんて知らなかったから。」
「後から私の勘違いと分かって。しばらく図書館へ行けなくなってしまったわ。」
月を眺める聡子の頬がきらりと涙で濡れている。
私は、聡子を抱き寄せ、そっと唇にキスをした。
「聡子。あの日からずっと君を愛しているよ。さぁ、行こう。僕たちの帰る場所へ。」
月の光が数千の帯となり聡子を包む。一つとなった影は、徐々に小さく細かな飛沫となって闇に消えていった。
ホスピス病棟に隣接された小さな図書館。
いつの頃からか、中秋の名月前後、先代の院長とその夫人の幽霊が出るという。
恋を実らせたいならば、満月の夜、男性側が「今宵は、月が綺麗ですね。」女性側が「ありがとう。」と互いに応答し合うと必ず成就するとの噂がある。真偽のほどはわかぬままだが。